医療・福祉で働く人の割合は、都道府県でどれほど違うのでしょうか。
この記事では、47都道府県の数字を比べます。
使うのは総務省統計局の令和2年国勢調査です。
病院や診療所、介護事業所などが含まれます。
全国の就業者6,546万人のうち医療・福祉は882万人で13.47パーセントでした。
47都道府県の単純平均
14.6%
医療・福祉就業者の割合(令和2年(2020年10月1日現在))
最も多い 鹿児島県
18.7%
最も少ない 東京都
11.0%
地図で見る医療・福祉の割合
| 項目 | 医療・福祉就業者の割合 |
|---|---|
| 北海道 | 15.4% |
| 青森県 | 14.7% |
| 岩手県 | 14.3% |
| 宮城県 | 12.8% |
| 秋田県 | 15.8% |
| 山形県 | 14.2% |
| 福島県 | 12.9% |
| 茨城県 | 11.8% |
| 栃木県 | 11.8% |
| 群馬県 | 13.5% |
| 埼玉県 | 11.9% |
| 千葉県 | 12.0% |
| 東京都 | 11.0% |
| 神奈川県 | 12.4% |
| 新潟県 | 13.8% |
| 富山県 | 13.4% |
| 石川県 | 13.5% |
| 福井県 | 13.4% |
| 山梨県 | 13.0% |
| 長野県 | 13.7% |
| 岐阜県 | 12.8% |
| 静岡県 | 11.8% |
| 愛知県 | 11.4% |
| 三重県 | 13.1% |
| 滋賀県 | 13.0% |
| 京都府 | 14.5% |
| 大阪府 | 14.1% |
| 兵庫県 | 14.4% |
| 奈良県 | 15.6% |
| 和歌山県 | 16.2% |
| 鳥取県 | 16.8% |
| 島根県 | 17.4% |
| 岡山県 | 15.4% |
| 広島県 | 14.6% |
| 山口県 | 16.3% |
| 徳島県 | 17.5% |
| 香川県 | 14.6% |
| 愛媛県 | 16.4% |
| 高知県 | 18.4% |
| 福岡県 | 15.8% |
| 佐賀県 | 16.6% |
| 長崎県 | 18.5% |
| 熊本県 | 17.6% |
| 大分県 | 17.2% |
| 宮崎県 | 17.0% |
| 鹿児島県 | 18.7% |
| 沖縄県 | 16.3% |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは九州全域と四国、山陰です。
淡いのは関東と東海、それに愛知県でした。
47都道府県の単純平均は14.62パーセント、中央値は14.39パーセントです。
全国値の13.47パーセントより高いのは、人口の少ない県ほど割合が高いためです。
17パーセントを超えたのは7県、12パーセントを下回ったのは7都県。
真ん中に多くの県が集まる形でした。
| 順位 | 都道府県 | 医療・福祉就業者の割合(%) | 地方 | 医療・福祉就業者数 | 高齢者割合 | 15歳以上就業者数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 鹿児島県 | 18.69 | 九州 | 143756 | 32.54 | 768983 |
| 2 | 長崎県 | 18.47 | 九州 | 119689 | 33.0 | 648138 |
| 3 | 高知県 | 18.44 | 四国 | 63569 | 35.48 | 344704 |
| 4 | 熊本県 | 17.6 | 九州 | 153964 | 31.42 | 874582 |
| 5 | 徳島県 | 17.48 | 四国 | 60126 | 34.19 | 344033 |
| 6 | 島根県 | 17.39 | 中国 | 60548 | 34.2 | 348142 |
| 7 | 大分県 | 17.21 | 九州 | 94710 | 33.27 | 550479 |
| 8 | 宮崎県 | 16.98 | 九州 | 90592 | 32.62 | 533427 |
| 9 | 鳥取県 | 16.77 | 中国 | 48026 | 32.27 | 286412 |
| 10 | 佐賀県 | 16.57 | 九州 | 69106 | 30.63 | 417178 |
| 11 | 愛媛県 | 16.35 | 四国 | 106965 | 33.2 | 654362 |
| 12 | 沖縄県 | 16.3 | 九州 | 119119 | 22.58 | 730954 |
| 13 | 山口県 | 16.28 | 中国 | 107124 | 34.62 | 658062 |
| 14 | 和歌山県 | 16.19 | 近畿 | 74992 | 33.36 | 463096 |
| 15 | 秋田県 | 15.84 | 東北 | 76421 | 37.49 | 482536 |
| 16 | 福岡県 | 15.8 | 九州 | 402403 | 27.9 | 2546552 |
| 17 | 奈良県 | 15.6 | 近畿 | 98540 | 31.72 | 631506 |
| 18 | 北海道 | 15.43 | 北海道 | 406749 | 32.14 | 2636824 |
| 19 | 岡山県 | 15.39 | 中国 | 143878 | 30.34 | 934872 |
| 20 | 青森県 | 14.74 | 東北 | 92010 | 33.75 | 624097 |
| 21 | 香川県 | 14.64 | 四国 | 69911 | 31.78 | 477620 |
| 22 | 広島県 | 14.55 | 中国 | 208244 | 29.4 | 1431008 |
| 23 | 京都府 | 14.47 | 近畿 | 187626 | 29.34 | 1296738 |
| 24 | 兵庫県 | 14.39 | 近畿 | 384802 | 29.3 | 2673625 |
| 25 | 岩手県 | 14.3 | 東北 | 89608 | 33.62 | 626728 |
| 26 | 山形県 | 14.17 | 東北 | 79679 | 33.82 | 562460 |
| 27 | 大阪府 | 14.14 | 近畿 | 635034 | 27.63 | 4490257 |
| 28 | 新潟県 | 13.83 | 中部 | 157200 | 32.77 | 1136258 |
| 29 | 長野県 | 13.65 | 中部 | 148322 | 31.96 | 1086918 |
| 30 | 石川県 | 13.54 | 中部 | 80783 | 29.77 | 596626 |
| 31 | 群馬県 | 13.53 | 関東 | 136402 | 30.15 | 1007967 |
| 32 | 福井県 | 13.42 | 中部 | 55722 | 30.64 | 415138 |
| 33 | 富山県 | 13.36 | 中部 | 73148 | 32.55 | 547577 |
| 34 | 三重県 | 13.07 | 近畿 | 120152 | 29.91 | 919390 |
| 35 | 滋賀県 | 13.01 | 近畿 | 95288 | 26.29 | 732254 |
| 36 | 山梨県 | 12.98 | 中部 | 55248 | 30.84 | 425516 |
| 37 | 福島県 | 12.87 | 東北 | 121373 | 31.65 | 942997 |
| 38 | 宮城県 | 12.78 | 東北 | 150899 | 28.13 | 1181118 |
| 39 | 岐阜県 | 12.76 | 中部 | 131694 | 30.44 | 1031928 |
| 40 | 神奈川県 | 12.37 | 関東 | 605327 | 25.56 | 4895351 |
| 41 | 千葉県 | 11.96 | 関東 | 392893 | 27.59 | 3284654 |
| 42 | 埼玉県 | 11.92 | 関東 | 456835 | 27.01 | 3831603 |
| 43 | 栃木県 | 11.81 | 関東 | 119359 | 29.08 | 1010609 |
| 44 | 静岡県 | 11.78 | 中部 | 226747 | 30.08 | 1924210 |
| 45 | 茨城県 | 11.76 | 関東 | 173929 | 29.67 | 1478441 |
| 46 | 愛知県 | 11.37 | 中部 | 456381 | 25.29 | 4012428 |
| 47 | 東京都 | 10.96 | 関東 | 873368 | 22.74 | 7970078 |
地方別に見る医療・福祉の割合
地方別に平均を出すと、九州が最も高くなります。
九州8県が17.20パーセント、四国4県が16.73パーセント、中国5県が16.08パーセント、北海道が15.43パーセント、近畿7府県が14.41パーセントと続きます。
低いほうは東北6県が14.12パーセント、中部9県が12.97パーセント、関東7都県が12.04パーセントでした。
九州と関東では1.43倍の差があります。
西高東低がはっきり出た形です。
九州8県のうち、福岡県15.80パーセントを除く7県が16パーセントを超えています。
地方としてまとまった特徴です。
中部9県が低いのは、製造業の割合が高い地方だからでしょう。
愛知県11.37パーセント、静岡県11.78パーセント、富山県13.36パーセントと、いずれも全国平均を下回ります。
医療・福祉で働く人の割合が高い5県
医療・福祉で働く人の割合が高い上位5県です。
鹿児島県は18.69パーセント、長崎県は18.47パーセント、高知県は18.44パーセント、熊本県は17.60パーセント、徳島県は17.48パーセントでした。
鹿児島県と最下位の東京都では1.71倍の差があります。
6位以下は島根県17.39パーセント、大分県17.21パーセント、宮崎県16.98パーセントと続きます。
上位10県はすべて西日本でした。
実数では東京都の87.3万人が1位、大阪府63.5万人、神奈川県60.5万人、埼玉県45.7万人、愛知県45.6万人。
人口の多い都府県が並びます。
高齢化率だけでは説明がつかない、西日本の高さ
ここからは統計を離れて、医療・福祉で働く人の割合の背景を推測します。
確かめられた事実ではなく、ほかの数字と並べて考えた見立てとして読んでください。
高齢化が進んだ県ほど医療・福祉の仕事が多い、と考えたくなります。
ところが数字はそこまで素直ではありません。
高齢者割合との相関係数はプラス0.58。
中くらいの関係にとどまります。
この記事の1位である鹿児島県の高齢者割合は34.20パーセントで全国14位。
逆に高齢者割合が全国1位の秋田県は39.50パーセントですが、医療・福祉の割合は15.84パーセントで15位です。
高齢化がいちばん進んだ県が、医療・福祉の仕事の割合でも1位になるわけではありませんでした。
目を引くのは西日本の高さです。
上位10県がすべて西日本にあり、地方別でも九州8県17.20パーセント、四国4県16.73パーセント、中国5県16.08パーセントが上位を占めます。
東北6県は14.12パーセントで、高齢化率では東北のほうが高いのに順位は下です。
人口10万人あたりの病床数が西日本で多いことはよく知られています。
この統計だけでは確かめられませんが、高齢者の数そのものより、病院や介護施設がどれだけ立地しているかが効いていると考えるほうが説明がつきそうです。
もうひとつ、沖縄県の位置も興味深いところです。
沖縄県の高齢者割合は24.20パーセントで全国46位と若い県ですが、医療・福祉の割合は16.30パーセントで12位に入ります。
若い県でも医療・福祉の仕事の割合は高くなり得るということになります。
第3次産業全体との関係で見ると、医療・福祉は最も就業者の多い分野の一つです。
地方の県で第3次産業の割合が下がりにくいのは、この分野が支えている面が大きいと考えられます。
医療・福祉で働く人の割合が低い5都県
医療・福祉で働く人の割合が低い下位5都県です。
東京都は10.96パーセント、愛知県は11.37パーセント、茨城県は11.76パーセント、静岡県は11.78パーセント、栃木県は11.81パーセントでした。
鹿児島県の18.69パーセントとは1.71倍の差があります。
下位5都県のうち愛知県、静岡県、栃木県、茨城県の4県は、製造業の割合が高い県です。
医療・福祉が少ないというより、ほかの産業が厚いぶん割合が下がっていると読むほうが自然でしょう。
12パーセントを下回ったのは7都県、いずれも関東・東海に集まっています。
東京都は実数では87.3万人で全国1位。
就業者総数が797万人あるため、割合では最下位になりました。
このグラフについての豆知識
医療・福祉に含まれるもの
医療・福祉は日本標準産業分類の大分類Pにあたります。
病院、一般診療所、歯科診療所、助産・看護業のほか、保育所、老人福祉・介護事業、障害者福祉事業などが含まれます。
医師や看護師だけでなく、事務職員や介護職員、保育士もこの区分に入ります。
医療の担い手の多さというより、この分野で働く人全体の割合と考えたほうが正確です。
全国882万人は、卸売業・小売業に次ぐ規模です。
割合と実数で順位が逆になる
実数では東京都87.3万人が1位ですが、割合では10.96パーセントで最下位です。
分母となる就業者総数が797万人と大きいためです。
逆に鹿児島県は実数14.4万人で全国19位ですが、就業者総数が76.9万人と少ないため割合では1位になります。
数字は令和2年、2020年10月1日現在のものです。
順位の並びがにている記事
同じ形の地図になる記事はあるでしょうか。
医療・福祉で働く人の割合の順位で探してみます。
並びが最も重なったのは【世帯所得300万円未満】全国19.4%、年金世帯も含むで、相関は0.83です。
逆に、ほぼ裏返しの並びになったのが【世帯所得1000万円以上】全国16.1%、首都圏に集中(相関-0.85)でした。
似ているからといって理由が同じとはかぎりません。
それでも、2つを重ねると土地の性格が見えてくることがあります。
地方のなかで見た医療・福祉就業者の割合
| 地方 | 最も多い(%) | 最も少ない(%) |
|---|---|---|
| 東北 | 秋田県 15.84 | 宮城県 12.78 |
| 関東 | 群馬県 13.53 | 東京都 10.96 |
| 中部 | 新潟県 13.83 | 愛知県 11.37 |
| 近畿 | 和歌山県 16.19 | 滋賀県 13.01 |
| 中国 | 島根県 17.39 | 広島県 14.55 |
| 四国 | 高知県 18.44 | 香川県 14.64 |
| 九州 | 鹿児島県 18.69 | 福岡県 15.8 |
まとめ
医療・福祉で働く人の割合を比べると、最も高い鹿児島県は18.69パーセント、最も低い東京都は10.96パーセントで、その差は1.71倍でした。
全国では就業者6,546万人のうち13.47パーセントです。
医療・福祉で働く人の割合の統計を読むときの注意点は3つです。
1つ目は、保育所や介護事業所も含む幅広い区分であること。
2つ目は、勤め先ではなく住んでいる場所で数えていること。
3つ目は令和2年10月1日現在の数字であることです。
高齢者割合との相関係数はプラス0.58にとどまりました。
高齢化率が全国1位の秋田県は、この記事では15位です。
上位10県はすべて西日本。
高齢者の数より、病院や介護施設がどれだけ立地しているかが効いていそうです。
高齢者割合や平均年齢を比べた記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 国勢調査(人口等基本集計)
- 調査年: 令和2年(2020年10月1日現在)
- 公開元: 総務省統計局
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000032143614
- 備考: 就業者数に占める割合。分母は15歳以上就業者数で、産業分類は日本標準産業分類による。分類不能の産業を含むため、産業別の割合を足しても100%にはならない。医療・福祉は日本標準産業分類の大分類Pで、病院・診療所・介護事業所などを含む
注記: 就業者数に占める割合。
分母は15歳以上就業者数で、産業分類は日本標準産業分類による。
分類不能の産業を含むため、産業別の割合を足しても100%にはならない。
医療・福祉は日本標準産業分類の大分類Pで、病院・診療所・介護事業所などを含む
