たまねぎは、面積で見ても北海道が全国の3分の2近くを占めます。
この記事で扱う野菜のなかで、最も集中の強い品目です。
広い畑で機械を使って一気に育てるやり方が向いているためと考えられます。
使ったのは農林水産省「2020年農林業センサス」のデータです。
全国22,710ヘクタールのうち、北海道が14,957ヘクタール。
1道で65.9%を占め、この記事で扱う野菜のなかで最も集中の強い品目です。
2位の佐賀県2,074ヘクタールとは7.21倍ひらきます。
47都道府県の単純平均
483ha
たまねぎの作付面積(2020年)
最も多い 北海道
14,957ha
最も少ない 山形県
9ha
たまねぎが多い5道県
たまねぎの作付面積が広い上位5道県です。
北海道は14,957ヘクタール、佐賀県は2,074ヘクタール、兵庫県は1,431ヘクタール、長崎県は537ヘクタール、愛知県は336ヘクタールでした。
北海道は2位の佐賀県の7.21倍あります。
6位以下は熊本県240ヘクタール、静岡県208ヘクタール、栃木県206ヘクタールと続きます。
上位3道県で全国の81.3パーセント、上位5道県で85.1パーセント、上位10道県で89.6パーセントを占めます。
北海道1道だけで65.9パーセントという、飛び抜けた偏りです。
経営体数の1位は兵庫県、面積では3位です
以下は、たまねぎの作付面積にこれだけの差がつく理由についての推測です。
統計から確かめられる話ではなく、ほかの指標との突き合わせから考えたものです。
面積では北海道が圧倒しますが、作っている経営体の数では違う県が1位に立ちます。
作付経営体数で並べ替えると、1位は兵庫県の4,298、2位は佐賀県2,266、3位は北海道2,207。
面積では3位だった兵庫県が、経営体数では1位です。
1経営体あたりの面積を出すと、北海道は6.78ヘクタール、兵庫県は0.33ヘクタール。
20倍以上の開きがあります。
北海道は大規模な畑でまとめて作り、兵庫県は小さな畑がたくさんある形です。
北海道の6.78ヘクタールは、この記事で扱う野菜のなかで最も広い数字です。
キャベツの群馬県2.64ヘクタール、レタスの群馬県2.35ヘクタールを大きく上回ります。
全国では0.52ヘクタールでした。
兵庫県のたまねぎといえば淡路島が知られます。
島の小さな畑で数多くの経営体が作る形が、経営体数1位という結果につながっていると考えられます。
ただしこのセンサスから市町村までは分かりません。
地方別では北海道が65.9パーセント、九州・沖縄8県が13.7パーセント、近畿7府県が7.6パーセント。
東北6県は1.5パーセント、中国5県は1.4パーセントにとどまりました。
たまねぎは北海道と九州、そして淡路島で作られる野菜だといえます。
実数で見ると順位は変わる
上位3県で全国の81%。この統計で分かること、分からないこと
1経営体あたりが野菜で最も広い
北海道の1経営体あたり6.78ヘクタールは、この記事で扱う野菜17品目のなかで最も広い数字です。
2位はキャベツの群馬県2.64ヘクタール。
全国では0.52ヘクタールなので、北海道は全国平均の13倍の規模で作っていることになります。
作付経営体数は兵庫県が1位
作付経営体数は兵庫県4,298が1位で、面積1位の北海道は2,207で3位。
兵庫県は北海道の10分の1の面積を、2倍近い経営体で作っています。
1経営体あたりは兵庫県0.33ヘクタール、北海道6.78ヘクタール。
同じたまねぎでも、作り方がまったく違うことが数字に出ています。
数字は2020年のものです。
5年ごとの調査で、次は2025年の結果が出ます。
順位の並びがにている記事
同じ形の地図になる記事はあるでしょうか。
たまねぎの作付面積の順位で探してみます。
最も似ていたのは【たまねぎ・収穫量】全国112万6,000t、1位と2位で9.18倍の差(順位相関0.84)です。
逆に、ほぼ裏返しの並びになったのが【森林率】が高い県ほど人口密度は低いのか47都道府県の数字で比較(相関-0.47)でした。
並びが似ていても、そこに関係があるとまでは言えません。
ただ、2つの地図をならべると読み方のヒントにはなります。
地方のなかで見たたまねぎの作付面積
| 地方 | 最も多い(ha) | 最も少ない(ha) |
|---|---|---|
| 東北 | 宮城県 94 | 山形県 9 |
| 関東 | 栃木県 206 | 東京都 46 |
| 中部 | 愛知県 336 | 石川県 14 |
| 近畿 | 兵庫県 1431 | 奈良県 19 |
| 中国 | 山口県 100 | 鳥取県 27 |
| 四国 | 愛媛県 178 | 高知県 13 |
| 九州 | 佐賀県 2074 | 沖縄県 15 |
地図で見ると、上位5県は地方がばらける
| 項目 | たまねぎの作付面積 |
|---|---|
| 北海道 | 14,957ha |
| 青森県 | 30ha |
| 岩手県 | 85ha |
| 宮城県 | 94ha |
| 秋田県 | 32ha |
| 山形県 | 9ha |
| 福島県 | 82ha |
| 茨城県 | 134ha |
| 栃木県 | 206ha |
| 群馬県 | 165ha |
| 埼玉県 | 91ha |
| 千葉県 | 131ha |
| 東京都 | 46ha |
| 神奈川県 | 135ha |
| 新潟県 | 77ha |
| 富山県 | 191ha |
| 石川県 | 14ha |
| 福井県 | 25ha |
| 山梨県 | 15ha |
| 長野県 | 112ha |
| 岐阜県 | 39ha |
| 静岡県 | 208ha |
| 愛知県 | 336ha |
| 三重県 | 26ha |
| 滋賀県 | 77ha |
| 京都府 | 34ha |
| 大阪府 | 71ha |
| 兵庫県 | 1,431ha |
| 奈良県 | 19ha |
| 和歌山県 | 75ha |
| 鳥取県 | 27ha |
| 島根県 | 48ha |
| 岡山県 | 92ha |
| 広島県 | 47ha |
| 山口県 | 100ha |
| 徳島県 | 29ha |
| 香川県 | 126ha |
| 愛媛県 | 178ha |
| 高知県 | 13ha |
| 福岡県 | 92ha |
| 佐賀県 | 2,074ha |
| 長崎県 | 537ha |
| 熊本県 | 240ha |
| 大分県 | 45ha |
| 宮崎県 | 33ha |
| 鹿児島県 | 67ha |
| 沖縄県 | 15ha |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは北海道です。
ほかとは段違いの濃さになります。
次いで佐賀県、兵庫県、長崎県、愛知県が続きますが、いずれも淡い色にとどまります。
47都道府県の平均は483.2ヘクタール、中央値は77ヘクタールです。
北海道の14,957ヘクタールは平均の31.0倍にあたります。
上位3道県で81.3パーセント、100ヘクタールを下回るのが27県。
1位と47位で1,661.9倍の開きがありました。
| 順位 | 都道府県 | たまねぎの作付面積(ha) | 地方 | たまねぎの作付経営体数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 北海道 | 14957 | 北海道 | 2207 |
| 2 | 佐賀県 | 2074 | 九州 | 2266 |
| 3 | 兵庫県 | 1431 | 近畿 | 4298 |
| 4 | 長崎県 | 537 | 九州 | 1482 |
| 5 | 愛知県 | 336 | 中部 | 1726 |
| 6 | 熊本県 | 240 | 九州 | 790 |
| 7 | 静岡県 | 208 | 中部 | 1472 |
| 8 | 栃木県 | 206 | 関東 | 1161 |
| 9 | 富山県 | 191 | 中部 | 273 |
| 10 | 愛媛県 | 178 | 四国 | 1108 |
| 11 | 群馬県 | 165 | 関東 | 950 |
| 12 | 神奈川県 | 135 | 関東 | 1988 |
| 13 | 茨城県 | 134 | 関東 | 780 |
| 14 | 千葉県 | 131 | 関東 | 990 |
| 15 | 香川県 | 126 | 四国 | 652 |
| 16 | 長野県 | 112 | 中部 | 1347 |
| 17 | 山口県 | 100 | 中国 | 1108 |
| 18 | 宮城県 | 94 | 東北 | 1080 |
| 19 | 岡山県 | 92 | 中国 | 1051 |
| 19 | 福岡県 | 92 | 九州 | 1059 |
| 21 | 埼玉県 | 91 | 関東 | 1314 |
| 22 | 岩手県 | 85 | 東北 | 824 |
| 23 | 福島県 | 82 | 東北 | 1123 |
| 24 | 滋賀県 | 77 | 近畿 | 551 |
| 24 | 新潟県 | 77 | 中部 | 1171 |
| 26 | 和歌山県 | 75 | 近畿 | 465 |
| 27 | 大阪府 | 71 | 近畿 | 946 |
| 28 | 鹿児島県 | 67 | 九州 | 391 |
| 29 | 島根県 | 48 | 中国 | 810 |
| 30 | 広島県 | 47 | 中国 | 1144 |
| 31 | 東京都 | 46 | 関東 | 1106 |
| 32 | 大分県 | 45 | 九州 | 523 |
| 33 | 岐阜県 | 39 | 中部 | 751 |
| 34 | 京都府 | 34 | 近畿 | 861 |
| 35 | 宮崎県 | 33 | 九州 | 316 |
| 36 | 秋田県 | 32 | 東北 | 244 |
| 37 | 青森県 | 30 | 東北 | 126 |
| 38 | 徳島県 | 29 | 四国 | 337 |
| 39 | 鳥取県 | 27 | 中国 | 525 |
| 40 | 三重県 | 26 | 近畿 | 506 |
| 41 | 福井県 | 25 | 中部 | 265 |
| 42 | 奈良県 | 19 | 近畿 | 475 |
| 43 | 沖縄県 | 15 | 九州 | 100 |
| 43 | 山梨県 | 15 | 中部 | 347 |
| 45 | 石川県 | 14 | 中部 | 188 |
| 46 | 高知県 | 13 | 四国 | 313 |
| 47 | 山形県 | 9 | 東北 | 292 |
地方でまとめると、北海道が東北の270.3倍
地方別に合計を出すと、北海道が突出します。
北海道が全国の65.9パーセント、九州・沖縄8県が13.7パーセント、近畿7府県が7.6パーセント、中部9県が4.5パーセントと続きます。
少ないほうは関東7都県が4.0パーセント、四国4県が1.5パーセント、東北6県が1.5パーセント、中国5県が1.4パーセントでした。
1道だけの北海道が、ほかの7地方の合計の約2倍を占めます。
関東7都県が4.0パーセントにとどまるのも目を引きます。
だいこんでは25.0パーセント、ねぎでは37.2パーセント、キャベツでは37.3パーセントを占めていた関東が、たまねぎではほとんど産地になっていません。
品目によって関東の位置が大きく変わります。
たまねぎが少ない5県
たまねぎの作付面積が狭い下位5県です。
山形県は9ヘクタール、高知県は13ヘクタール、石川県は14ヘクタール、山梨県は15ヘクタール、沖縄県は15ヘクタールでした。
北海道の14,957ヘクタールとは1,661.9倍の差があります。
47都道府県の中央値は77ヘクタールです。
平均は483.2ヘクタールなので、平均が中央値の6.3倍。
北海道1道が全体を大きく引き上げています。
栽培がゼロの県はありませんが、100ヘクタールを下回るのは27県。
半分以上の県では小さな産地にとどまります。
まとめ
たまねぎの作付面積を47都道府県で比べると、最も広い北海道で14,957ヘクタール、最も狭い山形県で9ヘクタールでした。
北海道1道で全国の65.9パーセントを占めます。
たまねぎの作付面積の統計を読むときの注意点は3つです。
1つ目は、販売目的の栽培だけを数えていること。
2つ目は、品種や作型の内訳が分からないこと。
3つ目は5年ごとの調査で2020年の数字であることです。
作付経営体数では兵庫県4,298が1位で、北海道は2,207で3位。
1経営体あたりは北海道6.78ヘクタール、兵庫県0.33ヘクタールと20倍以上ひらきます。
北海道の6.78ヘクタールは、この記事で扱う野菜のなかで最も広い数字でした。
ねぎやにんじんを比べた記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 2020年農林業センサス(第1巻 都道府県別統計書)
- 調査年: 2020年
- 公開元: 農林水産省
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?tstat=000001032920
- 備考: 販売を目的にたまねぎを育てている経営体の面積。自分の家で食べるぶんだけの栽培は含まない。5年ごとの調査
注記: 販売を目的にたまねぎを育てている経営体の面積。
自分の家で食べるぶんだけの栽培は含まない。
5年ごとの調査
