同じにんじんでも、とれた量で見るか、育てている畑の広さで見るかで顔ぶれは変わります。
面積でくらべると、収穫量ほどには北海道に集中しません。
土地あたりでどれだけとれるかが県によって違うためです。
使ったのは農林水産省「2020年農林業センサス」のデータです。
全国13,977ヘクタールのうち、北海道が4,433ヘクタール。
1道で31.7%を占めます。
2位は千葉県2,242ヘクタール、3位は熊本県971ヘクタールでした。
47都道府県の単純平均
297ha
にんじんの作付面積(2020年)
最も多い 北海道
4,433ha
最も少ない 奈良県
7ha
にんじんが多い5道県
にんじんの作付面積が広い上位5道県です。
北海道は4,433ヘクタール、千葉県は2,242ヘクタール、熊本県は971ヘクタール、青森県は850ヘクタール、徳島県は840ヘクタールでした。
北海道は2位の千葉県の1.98倍あります。
6位以下は長崎県787ヘクタール、茨城県713ヘクタール、鹿児島県450ヘクタールと続きます。
上位3道県で全国の54.7パーセント、上位5道県で66.8パーセント、上位10道県で85.4パーセントを占めます。
だいこんの上位10道県73.4パーセントより集中しています。
徳島県が5位に入り、1経営体あたりでも3位です
以下は、にんじんの作付面積にこれだけの差がつく理由についての推測です。
統計から確かめられる話ではなく、ほかの指標との突き合わせから考えたものです。
上位に徳島県が入るのが、この品目の特徴です。
徳島県は840ヘクタールで5位。
人口では全国44位の県が、にんじんでは上位に食い込みます。
1経営体あたりで見ると1.88ヘクタールで、北海道2.56ヘクタール、熊本県1.99ヘクタールに次ぐ全国3位の広さです。
作付経営体数では1位が千葉県3,152、2位が北海道1,732、3位が埼玉県1,570、4位が神奈川県1,415。
面積1位の北海道は経営体数では2位です。
1経営体あたりで見ると、北海道2.56ヘクタール、千葉県0.71ヘクタール、埼玉県0.14ヘクタール。
首都圏では小さな畑で作られています。
全国では0.52ヘクタールでした。
地方別に見ると、北海道が31.7パーセント、関東7都県が25.7パーセント、九州・沖縄8県が19.9パーセント。
この3つで77.3パーセントを占めます。
近畿7府県は1.4パーセント、中国5県は1.1パーセントにとどまりました。
だいこんと比べると、にんじんのほうが北海道に寄っています。
だいこんの北海道は17.9パーセントでしたが、にんじんは31.7パーセント。
同じ根菜でも産地の重心が違います。
実数で見ると順位は変わる
にんじんが少ない5府県
にんじんの作付面積が狭い下位5府県です。
奈良県は7ヘクタール、佐賀県は10ヘクタール、山梨県は11ヘクタール、大阪府は12ヘクタール、島根県は16ヘクタールでした。
北海道の4,433ヘクタールとは633.3倍の差があります。
47都道府県の中央値は62ヘクタールです。
だいこんの129ヘクタールの半分ほどで、真ん中あたりの県ではにんじんのほうが作られていないことになります。
栽培がゼロの県はひとつもありません。
100ヘクタールを下回るのは28県で、半分以上の県は小さな産地にとどまります。
地方別に見る
地方別に合計を出すと、北海道が最も大きくなります。
北海道が全国の31.7パーセント、関東7都県が25.7パーセント、九州・沖縄8県が19.9パーセント、東北6県が7.8パーセントと続きます。
少ないほうは四国4県が6.7パーセント、中部9県が5.6パーセント、近畿7府県が1.4パーセント、中国5県が1.1パーセントでした。
1道だけの北海道が、7都県ある関東を上回ります。
四国4県の6.7パーセントは、そのほとんどが徳島県840ヘクタールによるものです。
4県しかない地方が、9県ある中部の5.6パーセントを上回りました。
近畿7府県と中国5県はいずれも2パーセントを切り、産地としては小さい地方です。
地図で見る
| 項目 | にんじんの作付面積 |
|---|---|
| 北海道 | 4,433ha |
| 青森県 | 850ha |
| 岩手県 | 97ha |
| 宮城県 | 45ha |
| 秋田県 | 16ha |
| 山形県 | 24ha |
| 福島県 | 58ha |
| 茨城県 | 713ha |
| 栃木県 | 123ha |
| 群馬県 | 62ha |
| 埼玉県 | 275ha |
| 千葉県 | 2,242ha |
| 東京都 | 74ha |
| 神奈川県 | 102ha |
| 新潟県 | 183ha |
| 富山県 | 60ha |
| 石川県 | 18ha |
| 福井県 | 18ha |
| 山梨県 | 11ha |
| 長野県 | 52ha |
| 岐阜県 | 97ha |
| 静岡県 | 70ha |
| 愛知県 | 276ha |
| 三重県 | 24ha |
| 滋賀県 | 22ha |
| 京都府 | 23ha |
| 大阪府 | 12ha |
| 兵庫県 | 67ha |
| 奈良県 | 7ha |
| 和歌山県 | 37ha |
| 鳥取県 | 57ha |
| 島根県 | 16ha |
| 岡山県 | 31ha |
| 広島県 | 28ha |
| 山口県 | 26ha |
| 徳島県 | 840ha |
| 香川県 | 64ha |
| 愛媛県 | 19ha |
| 高知県 | 17ha |
| 福岡県 | 63ha |
| 佐賀県 | 10ha |
| 長崎県 | 787ha |
| 熊本県 | 971ha |
| 大分県 | 70ha |
| 宮崎県 | 371ha |
| 鹿児島県 | 450ha |
| 沖縄県 | 66ha |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは北海道と千葉県です。
次いで熊本県、青森県、徳島県が続きます。
北海道と千葉県が飛び抜けて濃く、そこに九州と徳島県が加わる形です。
47都道府県の平均は297.4ヘクタール、中央値は62ヘクタールです。
北海道の4,433ヘクタールは平均の14.9倍にあたります。
上位3道県で54.7パーセント、100ヘクタールを下回るのが28県。
1位と47位で633.3倍の開きがありました。
| 順位 | 都道府県 | にんじんの作付面積(ha) | 地方 | にんじんの作付経営体数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 北海道 | 4433 | 北海道 | 1732 |
| 2 | 千葉県 | 2242 | 関東 | 3152 |
| 3 | 熊本県 | 971 | 九州 | 488 |
| 4 | 青森県 | 850 | 東北 | 673 |
| 5 | 徳島県 | 840 | 四国 | 446 |
| 6 | 長崎県 | 787 | 九州 | 846 |
| 7 | 茨城県 | 713 | 関東 | 1318 |
| 8 | 鹿児島県 | 450 | 九州 | 514 |
| 9 | 宮崎県 | 371 | 九州 | 378 |
| 10 | 愛知県 | 276 | 中部 | 968 |
| 11 | 埼玉県 | 275 | 関東 | 1570 |
| 12 | 新潟県 | 183 | 中部 | 695 |
| 13 | 栃木県 | 123 | 関東 | 589 |
| 14 | 神奈川県 | 102 | 関東 | 1415 |
| 15 | 岩手県 | 97 | 東北 | 635 |
| 15 | 岐阜県 | 97 | 中部 | 335 |
| 17 | 東京都 | 74 | 関東 | 1213 |
| 18 | 静岡県 | 70 | 中部 | 632 |
| 18 | 大分県 | 70 | 九州 | 301 |
| 20 | 兵庫県 | 67 | 近畿 | 758 |
| 21 | 沖縄県 | 66 | 九州 | 194 |
| 22 | 香川県 | 64 | 四国 | 180 |
| 23 | 福岡県 | 63 | 九州 | 612 |
| 24 | 群馬県 | 62 | 関東 | 429 |
| 25 | 富山県 | 60 | 中部 | 134 |
| 26 | 福島県 | 58 | 東北 | 618 |
| 27 | 鳥取県 | 57 | 中国 | 208 |
| 28 | 長野県 | 52 | 中部 | 558 |
| 29 | 宮城県 | 45 | 東北 | 546 |
| 30 | 和歌山県 | 37 | 近畿 | 182 |
| 31 | 岡山県 | 31 | 中国 | 388 |
| 32 | 広島県 | 28 | 中国 | 452 |
| 33 | 山口県 | 26 | 中国 | 479 |
| 34 | 三重県 | 24 | 近畿 | 280 |
| 34 | 山形県 | 24 | 東北 | 238 |
| 36 | 京都府 | 23 | 近畿 | 387 |
| 37 | 滋賀県 | 22 | 近畿 | 214 |
| 38 | 愛媛県 | 19 | 四国 | 331 |
| 39 | 石川県 | 18 | 中部 | 106 |
| 39 | 福井県 | 18 | 中部 | 129 |
| 41 | 高知県 | 17 | 四国 | 218 |
| 42 | 秋田県 | 16 | 東北 | 233 |
| 42 | 島根県 | 16 | 中国 | 291 |
| 44 | 大阪府 | 12 | 近畿 | 299 |
| 45 | 山梨県 | 11 | 中部 | 189 |
| 46 | 佐賀県 | 10 | 九州 | 195 |
| 47 | 奈良県 | 7 | 近畿 | 216 |
このグラフについての豆知識
春夏、秋、冬の内訳は分からない
にんじんは作型によって春夏にんじん、秋にんじん、冬にんじんに分かれますが、このセンサスでは合計だけが分かります。
北海道は秋にんじん、千葉県と徳島県は春夏にんじんの産地として知られますが、それをこの統計から確かめることはできません。
だいこんより集中している
上位3道県のシェアはにんじんが54.7パーセント、だいこんが39.4パーセント。
同じ根菜でも、にんじんのほうが特定の産地に寄っています。
作付経営体数はにんじん26,964、だいこん53,558。
だいこんの半分ほどで、1経営体あたりの面積はにんじん0.52ヘクタール、だいこん0.34ヘクタールとにんじんのほうが広くなります。
数字は2020年のものです。
5年ごとの調査で、次は2025年の結果が出ます。
順位の並びがにている記事
同じ形の地図になる記事はあるでしょうか。
にんじんの作付面積の順位で探してみます。
0.84という高い相関を示したのが【にんじん・収穫量】全国53万900t、1位の道だけで3分の1でした。
正反対だったのは【美術館の数】を人口あたりで比べると、都道府県によって20倍以上の差で、相関は-0.5です。
並びが似ていても、そこに関係があるとまでは言えません。
ただ、2つの地図をならべると読み方のヒントにはなります。
地方のなかで見たにんじんの作付面積
| 地方 | 最も多い(ha) | 最も少ない(ha) |
|---|---|---|
| 東北 | 青森県 850 | 秋田県 16 |
| 関東 | 千葉県 2242 | 群馬県 62 |
| 中部 | 愛知県 276 | 山梨県 11 |
| 近畿 | 兵庫県 67 | 奈良県 7 |
| 中国 | 鳥取県 57 | 島根県 16 |
| 四国 | 徳島県 840 | 高知県 17 |
| 九州 | 熊本県 971 | 佐賀県 10 |
まとめ
にんじんの作付面積を47都道府県で比べると、最も広い北海道で4,433ヘクタール、最も狭い奈良県で7ヘクタールでした。
1位の北海道だけで全国の31.7パーセントを占めます。
ここまでのにんじんの作付面積の数字には、注意点が3つあります。
1つ目は、作型の内訳が分からないこと。
2つ目は、販売目的の栽培だけを数えていること。
3つ目は5年ごとの調査で2020年の数字であることです。
徳島県が840ヘクタールで5位、1経営体あたりでも1.88ヘクタールで全国3位に入ります。
四国4県の6.7パーセントは、そのほとんどが徳島県です。
作付経営体数では千葉県3,152が1位で、面積1位の北海道は2位でした。
だいこんやたまねぎを比べた記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 2020年農林業センサス(第1巻 都道府県別統計書)
- 調査年: 2020年
- 公開元: 農林水産省
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?tstat=000001032920
- 備考: 販売を目的ににんじんを育てている経営体の面積。自分の家で食べるぶんだけの栽培は含まない。5年ごとの調査
注記: 販売を目的ににんじんを育てている経営体の面積。
自分の家で食べるぶんだけの栽培は含まない。
5年ごとの調査
