森林の広さをそのまま比べると、面積の大きい県が上位に来ます。
そこで国土に占める森林の割合、つまり森林率で見ると、県の大小に関係なく「どれだけ森の多い土地か」が分かります。
日本は森林の国だといわれますが、その割合は県によってかなり違います。
使ったのは令和4年3月31日現在の林野庁「森林資源の現況」のデータです。
47都道府県を合計すると、国土3,729万7,154ヘクタールのうち森林は2,502万4,814ヘクタールになります。
全国では国土の67.1%が森林という計算になります。
日本は森林の国だとよく言われますが、その割合は県によってかなり違います。
地図とランキングで確かめていきましょう。
47都道府県の単純平均
62.5%
森林率(令和4年(2022年3月31日現在))
最も多い 高知県
83.6%
最も少ない 千葉県
28.8%
地図で見る森林率の分布
| 項目 | 森林率 |
|---|---|
| 北海道 | 70.6% |
| 青森県 | 65.6% |
| 岩手県 | 76.5% |
| 宮城県 | 56.9% |
| 秋田県 | 72.1% |
| 山形県 | 71.8% |
| 福島県 | 70.5% |
| 茨城県 | 31% |
| 栃木県 | 54.2% |
| 群馬県 | 66.8% |
| 埼玉県 | 31.4% |
| 千葉県 | 28.8% |
| 東京都 | 36% |
| 神奈川県 | 39% |
| 新潟県 | 68% |
| 富山県 | 66.9% |
| 石川県 | 68.2% |
| 福井県 | 74.2% |
| 山梨県 | 78% |
| 長野県 | 78.7% |
| 岐阜県 | 81.1% |
| 静岡県 | 63.8% |
| 愛知県 | 42.1% |
| 三重県 | 64.4% |
| 滋賀県 | 50.7% |
| 京都府 | 74.2% |
| 大阪府 | 29.8% |
| 兵庫県 | 66.5% |
| 奈良県 | 76.9% |
| 和歌山県 | 76.5% |
| 鳥取県 | 73.9% |
| 島根県 | 78.2% |
| 岡山県 | 68.1% |
| 広島県 | 72.1% |
| 山口県 | 71.4% |
| 徳島県 | 75.9% |
| 香川県 | 46.8% |
| 愛媛県 | 70.6% |
| 高知県 | 83.6% |
| 福岡県 | 44.9% |
| 佐賀県 | 45.4% |
| 長崎県 | 58.8% |
| 熊本県 | 61.9% |
| 大分県 | 71.1% |
| 宮崎県 | 75.7% |
| 鹿児島県 | 64.7% |
| 沖縄県 | 45.2% |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは中部から近畿、中国、四国にかけての一帯です。
関東平野と大阪平野のあたりだけが、まとまって淡い色になります。
森林率が70パーセント以上の県は21あり、逆に50パーセントを下回るのは11都府県でした。
47都道府県の単純平均は62.5パーセント、中央値は68.0パーセントです。
中央値のほうが高いのは、下位のいくつかの都府県が平均を押し下げているためで、多くの県は7割前後に集まっています。
下の表に47都道府県すべての森林率を、人工林率・森林面積・国土面積と並べて掲載しました。
割合と面積では見え方が違うので、両方を見比べてみてください。
| 順位 | 都道府県 | 森林率(%) | 地方 | 人工林率 | 森林面積 | 国土面積 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 高知県 | 83.6 | 四国 | 65.1 | 594090 | 710360 |
| 2 | 岐阜県 | 81.1 | 中部 | 44.5 | 861169 | 1062129 |
| 3 | 長野県 | 78.7 | 中部 | 41.5 | 1066951 | 1356156 |
| 4 | 島根県 | 78.2 | 中国 | 39.2 | 524363 | 670790 |
| 5 | 山梨県 | 78.0 | 中部 | 43.9 | 348283 | 446527 |
| 6 | 奈良県 | 76.9 | 近畿 | 60.6 | 283689 | 369094 |
| 7 | 岩手県 | 76.5 | 東北 | 41.2 | 1169302 | 1527501 |
| 7 | 和歌山県 | 76.5 | 近畿 | 60.5 | 361538 | 472468 |
| 9 | 徳島県 | 75.9 | 四国 | 60.5 | 314703 | 414699 |
| 10 | 宮崎県 | 75.7 | 九州 | 56.5 | 585257 | 773500 |
| 11 | 京都府 | 74.2 | 近畿 | 38.4 | 342250 | 461220 |
| 11 | 福井県 | 74.2 | 中部 | 39.7 | 311037 | 419052 |
| 13 | 鳥取県 | 73.9 | 中国 | 54.1 | 259122 | 350714 |
| 14 | 広島県 | 72.1 | 中国 | 32.9 | 611576 | 847922 |
| 14 | 秋田県 | 72.1 | 東北 | 48.4 | 839290 | 1163752 |
| 16 | 山形県 | 71.8 | 東北 | 27.6 | 669218 | 932313 |
| 17 | 山口県 | 71.4 | 中国 | 42.9 | 436732 | 611255 |
| 18 | 大分県 | 71.1 | 九州 | 50.7 | 450891 | 634070 |
| 19 | 愛媛県 | 70.6 | 四国 | 60.9 | 400958 | 567612 |
| 19 | 北海道 | 70.6 | 北海道 | 26.3 | 5536144 | 7842135 |
| 21 | 福島県 | 70.5 | 東北 | 34.6 | 972062 | 1378414 |
| 22 | 石川県 | 68.2 | 中部 | 35.6 | 285481 | 418620 |
| 23 | 岡山県 | 68.1 | 中国 | 39.8 | 484745 | 711433 |
| 24 | 新潟県 | 68.0 | 中部 | 18.8 | 855084 | 1258395 |
| 25 | 富山県 | 66.9 | 中部 | 19.1 | 284015 | 424754 |
| 26 | 群馬県 | 66.8 | 関東 | 41.4 | 424860 | 636228 |
| 27 | 兵庫県 | 66.5 | 近畿 | 42.6 | 558750 | 840094 |
| 28 | 青森県 | 65.6 | 東北 | 41.6 | 633209 | 964562 |
| 29 | 鹿児島県 | 64.7 | 九州 | 45.1 | 593959 | 918642 |
| 30 | 三重県 | 64.4 | 近畿 | 61.7 | 371837 | 577447 |
| 31 | 静岡県 | 63.8 | 中部 | 56.1 | 496315 | 777728 |
| 32 | 熊本県 | 61.9 | 九州 | 60.9 | 459008 | 740939 |
| 33 | 長崎県 | 58.8 | 九州 | 43.0 | 242775 | 413098 |
| 34 | 宮城県 | 56.9 | 東北 | 46.9 | 414436 | 728229 |
| 35 | 栃木県 | 54.2 | 関東 | 44.3 | 347463 | 640809 |
| 36 | 滋賀県 | 50.7 | 近畿 | 41.7 | 203868 | 401738 |
| 37 | 香川県 | 46.8 | 四国 | 26.6 | 87829 | 187692 |
| 38 | 佐賀県 | 45.4 | 九州 | 66.5 | 110783 | 244067 |
| 39 | 沖縄県 | 45.2 | 九州 | 11.8 | 103149 | 228215 |
| 40 | 福岡県 | 44.9 | 九州 | 61.5 | 224136 | 498686 |
| 41 | 愛知県 | 42.1 | 中部 | 64.3 | 217660 | 517315 |
| 42 | 神奈川県 | 39.0 | 関東 | 38.4 | 94258 | 241611 |
| 43 | 東京都 | 36.0 | 関東 | 44.2 | 78937 | 219405 |
| 44 | 埼玉県 | 31.4 | 関東 | 49.7 | 119223 | 379775 |
| 45 | 茨城県 | 31.0 | 関東 | 59.0 | 189271 | 609724 |
| 46 | 大阪府 | 29.8 | 近畿 | 49.4 | 56738 | 190534 |
| 47 | 千葉県 | 28.8 | 関東 | 33.4 | 148400 | 515731 |
森林率が高い5県
森林率が高い上位5県です。
いずれも8割前後が森林でした。
高知県は83.6パーセントで、国土71万360ヘクタールのうち59万4,090ヘクタールが森林です。
岐阜県は81.1パーセント、長野県は78.7パーセント、島根県は78.2パーセント、山梨県は78.0パーセントと続きます。
1位と5位の差は5.6ポイントで、上位はかなり接近しています。
上位5県の森林面積を合計しても339万4,856ヘクタールで、全国の13.6パーセントにしかなりません。
森林率が高いことと、森林が広いことは別の話です。
実際、森林面積が最も広いのは553万6,144ヘクタールを持つ北海道ですが、国土も広いため森林率は70.6パーセントで19位でした。
6位以下も76.9パーセント、76.5パーセント、76.5パーセントと僅差が続きます。
8割を超えたのは上位2県だけで、そこから先はゆるやかに下がっていく形です。
高知県は、なぜ森林ばかりなのか
ここからは統計から離れて、なぜ1位なのかを考えてみます。
以下は確かめられた事実ではなく、別のデータと突き合わせて立てた推測です。
森林率の上位5県を、人口密度(総務省統計局の人口推計、2024年10月1日現在)と並べてみます。
1平方キロメートルあたり92.4人、180.4人、146.5人、95.7人、177.1人。
全国の327.5人を大きく下回り、5県とも下位から数えたほうが早い水準です。
一方、森林率の下位5都府県は1,212.3人、4,596.0人、460.1人、1,930.6人、6,444.7人でした。
全国値を上回る都府県が並びます。
森林率が高い県は人が少なく、低い都府県は人が多い。
平地がどれだけあるかが、森林の割合にも人の住み方にも効いている、という見方ができます。
もう1つ気づいたことがあります。
この記事の高知県と岐阜県は、人口10万人あたりの喫茶店数を比べた記事でも1位と2位でした。
同じ2県が、まったく同じ順番で並んでいます。
山が多く人が分散している県では、小さな店が地域ごとに成り立ちやすいのかもしれません。
ただしこれは2つのランキングがたまたま一致しただけの可能性もあり、統計で確かめたものではありません。
なお、森林率は国土面積を分母にした割合です。
国土面積には湖や河川も含まれるため、住める土地に対する森林の割合とは別の数字になります。
この点は読み違えないようにしてください。
森林率が低い5都府県
森林率が低い下位5都府県です。
いずれも3割前後にとどまりました。
千葉県は28.8パーセントで、国土51万5,731ヘクタールのうち森林は14万8,400ヘクタールです。
大阪府は29.8パーセント、茨城県は31.0パーセント、埼玉県は31.4パーセント、東京都は36.0パーセントでした。
高知県の83.6パーセントと千葉県の28.8パーセントでは2.9倍の差があります。
割合の指標としては大きな開きです。
下位5都府県のうち4つは関東です。
関東平野という広い平地を抱えていることが、そのまま数字に出ています。
残る1つも大阪平野を持つ府で、いずれも人口が集まっている地域でした。
面積で見ると、千葉県の森林は14万8,400ヘクタール、大阪府は5万6,738ヘクタールです。
高知県の59万4,090ヘクタールと比べると、4分の1から10分の1ほどの規模になります。
割合が低いだけでなく、森林そのものも小さいという形です。
ただし下位でも3割は森林です。
国土のおよそ3分の1が森林という水準は、世界的に見れば低い数字ではありません。
47都道府県のどこにも、森林がほとんどないという県はありませんでした。
地方別に見る森林率
地方別に平均を出すと、地域のまとまりが見えてきます。
最も高いのは中国5県の72.7パーセントです。
次いで北海道が70.6パーセント、四国4県が69.2パーセント、中部9県が69.0パーセント、東北6県が68.9パーセントと、7割前後で並びました。
低いほうを見ると、九州8県が58.5パーセント、関東7都県が41.0パーセントです。
関東だけが4割台で、8地方のなかで大きく離れています。
最も高い中国と関東では31.7ポイントの差がつきました。
関東以外はどこも6割から7割台に収まっており、関東の低さがこの指標の特徴になっています。
このグラフについての豆知識
森林のうち4割は人が植えた木
森林率とあわせて、林野庁は人工林率も公表しています。
人工林とは、人が植えて育てている森林のことです。
47都道府県の森林面積を合計して計算すると、全国の人工林率は40.3パーセント。
森林のおよそ4割が人の手で植えられた森ということになります。
県ごとに見ると幅があります。
最も高いのは66.5パーセント、次いで65.1パーセントで、いずれも6割を超えています。
逆に北海道は26.3パーセントで、森林の多くが自然に育った天然林です。
森林率が19位の北海道が、人工林率では低い側に入るというねじれが起きています。
森林率と森林面積は別の話
順位の付け方でも見え方は変わります。
森林率の高知県は83.6パーセントの県ですが、森林面積で並べると553万6,144ヘクタールの北海道が全国の22.1パーセントを占めて1位です。
岐阜県は116万9,302ヘクタール、長野県は106万6,951ヘクタールと続きます。
森林率はその県の国土のうちどれだけが森林かを、森林面積はどれだけの森林があるかを表します。
木材の生産や林業の規模を考えるときは面積のほうが効いてきます。
同じ森林の話でも、何を知りたいかで見る数字は変わります。
順位の並びがにている記事
国土に占める森林の割合とよく似た並びになる記事が、当サイトにあるか探しました。
最も似ていたのは【体育館の数】全国8,111か所、人口が少ない県ほど多いという逆転が起きています(順位相関0.72)です。
最も食い違ったのは【人が住める土地が広い県】可住地面積割合の47都道府県ランキング、国土の3分の1しかない土地の話(順位相関-0.97)でした。
これは並びが近いというだけで、片方がもう片方を生んでいるという意味ではありません。
地図を2枚ならべてみてください。
地方のなかで見た森林率
| 地方 | 最も多い(%) | 最も少ない(%) |
|---|---|---|
| 東北 | 岩手県 76.5 | 宮城県 56.9 |
| 関東 | 群馬県 66.8 | 千葉県 28.8 |
| 中部 | 岐阜県 81.1 | 愛知県 42.1 |
| 近畿 | 奈良県 76.9 | 大阪府 29.8 |
| 中国 | 島根県 78.2 | 岡山県 68.1 |
| 四国 | 高知県 83.6 | 香川県 46.8 |
| 九州 | 宮崎県 75.7 | 福岡県 44.9 |
まとめ
47都道府県の森林率を比べると、高知県は83.6パーセント、千葉県は28.8パーセントで、その差は2.9倍でした。
全国では国土の67.1パーセントが森林です。
地方別では中国が72.7パーセントと最も高く、関東が41.0パーセントで最も低いという結果になりました。
森林率が70パーセント以上の県は21、50パーセント未満は11都府県です。
この国土に占める森林の割合の数字には、読み違えやすい点が3つあります。
1つ目は、森林率が国土面積を分母にした割合だということです。
湖や河川も分母に含まれます。
2つ目は、公表されている森林率が整数のパーセントなので、この記事では森林面積を国土面積で割って小数第1位まで出し直している点です。
3つ目は時点で、令和4年3月31日現在の数字です。
森林の割合が高い県は、人口密度が低い県とかなり重なります。
土地の形は、そこに住む人の暮らし方にもつながっているのかもしれません。
関連記事
- 【登山・ハイキング】をする人は山のある県ほど多いのか、47都道府県で比べました
- 【キャンプ場の数】全国1,502か所のうち、あの北海道を上回った県が1つだけあります
- 【人が住める土地が広い県】可住地面積割合の47都道府県ランキング、国土の3分の1しかない土地の話
- 【森林面積】北海道だけで全国の21.7%、大阪府とは93倍ひらきます
- 【茶の栽培面積】全国24,674ha、1位と2位の差は1.27倍
- 【自然・環境のボランティア】全国3%、清掃と里山の手入れ
出典
- 統計名: 森林資源の現況(都道府県別森林率・人工林率)
- 調査年: 令和4年(2022年3月31日現在)
- 公開元: 林野庁
- 参照URL: https://www.rinya.maff.go.jp/j/keikaku/genkyou/r4/1.html
- 備考: 森林率は公表されている森林面積を国土面積で割って小数第1位まで算出した(公表値は整数%)。人工林率は森林面積に占める人工林面積の割合
- 考察の参照: 人口推計(2024年10月1日現在)/総務省統計局(https://www.stat.go.jp/data/jinsui/2024np/index.html)
注記: 森林率は公表されている森林面積を国土面積で割って小数第1位まで算出した(公表値は整数%)。
人工林率は森林面積に占める人工林面積の割合
