さつまいもは、やせた土地でも育つ作物として広まりました。
火山灰が積もった土地との相性がよく、産地はいまもその地質と重なっています。
今回は47都道府県のさつまいもの作付面積を、農林水産省の「2020年農林業センサス」のデータを使って比べました。
全国21,069ヘクタールのうち、鹿児島県が8,135ヘクタールで1位、茨城県が4,391ヘクタールで2位です。
九州・沖縄8県と関東7都県で全国の9割近くを占めます。
47都道府県の単純平均
448ha
かんしょの作付面積(2020年)
最も多い 鹿児島県
8,135ha
最も少ない 秋田県
5ha
かんしょが多い5県
かんしょの作付面積が広い上位5県です。
鹿児島県は8,135ヘクタール、茨城県は4,391ヘクタール、宮崎県は3,111ヘクタール、千葉県は1,694ヘクタール、徳島県は824ヘクタールでした。
鹿児島県は2位の茨城県の1.85倍あります。
6位以下は熊本県636ヘクタール、北海道288ヘクタール、大分県210ヘクタールと続きます。
上位3県で全国の74.2パーセント、上位5県で86.2パーセント、上位10県で93.2パーセントを占めます。
上位3県だけで4分の3を超える、集中の強い作物です。
ばれいしょとは産地がほぼ入れ替わります
なぜこういう並びになるのか、ここからは考えてみます。
以下はかんしょの作付面積の統計から直接読み取れることではなく、別の数字と照らして立てた推測です。
ばれいしょとは、産地がほぼ入れ替わります。
ばれいしょは北海道が82.7パーセント、九州・沖縄8県が10.2パーセントでした。
かんしょは九州・沖縄8県が58.6パーセント、北海道は1.4パーセント。
ふたつのいもで、上位と下位が逆になります。
さつまいもという名前が示すとおり、鹿児島県が最大の産地です。
宮崎県3,111ヘクタール、熊本県636ヘクタールと九州に産地が続きます。
一方で2位は茨城県4,391ヘクタール、4位は千葉県1,694ヘクタール。
関東7都県も6,420ヘクタール、30.5パーセントを占めます。
九州と関東という離れた2地方で89.1パーセントになりました。
作付経営体数は21,303で、1位は鹿児島県3,918、2位は茨城県2,288、3位は千葉県1,797、4位は宮崎県1,106、5位は神奈川県1,014。
1経営体あたりの面積は全国で0.99ヘクタール。
1経営体あたりで広いのは青森県3.84ヘクタール、宮崎県2.81ヘクタール、北海道2.59ヘクタール。
ただし青森県の面積は88ヘクタールしかありません。
鹿児島県は2.08ヘクタール、茨城県は1.92ヘクタールでした。
実数で見ると順位は変わる
かんしょが少ない5府県
かんしょの作付面積が狭い下位5府県です。
秋田県は5ヘクタール、奈良県は7ヘクタール、滋賀県は7ヘクタール、大阪府は8ヘクタール、和歌山県は9ヘクタールでした。
鹿児島県の8,135ヘクタールとは1,627.0倍の差があります。
東北の県が下位に並びます。
秋田県5ヘクタール、青森県、岩手県、山形県も小さく、東北6県を合わせて284ヘクタール、1.3パーセントにとどまります。
かんしょは暖かい土地の作物だということがうかがえます。
47都道府県の中央値は33ヘクタール。
栽培がゼロの県はひとつもありません。
地方別に見る
地方別に合計を出すと、九州・沖縄が最も大きくなります。
九州・沖縄8県が全国の58.6パーセント、関東7都県が30.5パーセント、四国4県が4.7パーセント、中部9県が2.5パーセントと続きます。
少ないほうは北海道が1.4パーセント、東北6県が1.3パーセント、近畿7府県が0.5パーセント、中国5県が0.5パーセントでした。
九州・沖縄8県と関東7都県の2地方で89.1パーセント。
ほかの6地方を全部足しても10.9パーセントにしかなりません。
四国4県の4.7パーセントは、そのほとんどが徳島県824ヘクタールによるものです。
鳴門金時で知られる県ですが、この統計から品種までは分かりません。
地図で見る
| 項目 | かんしょの作付面積 |
|---|---|
| 北海道 | 288ha |
| 青森県 | 169ha |
| 岩手県 | 18ha |
| 宮城県 | 21ha |
| 秋田県 | 5ha |
| 山形県 | 12ha |
| 福島県 | 59ha |
| 茨城県 | 4,391ha |
| 栃木県 | 48ha |
| 群馬県 | 83ha |
| 埼玉県 | 90ha |
| 千葉県 | 1,694ha |
| 東京都 | 47ha |
| 神奈川県 | 67ha |
| 新潟県 | 58ha |
| 富山県 | 24ha |
| 石川県 | 124ha |
| 福井県 | 30ha |
| 山梨県 | 15ha |
| 長野県 | 20ha |
| 岐阜県 | 19ha |
| 静岡県 | 177ha |
| 愛知県 | 50ha |
| 三重県 | 17ha |
| 滋賀県 | 7ha |
| 京都府 | 33ha |
| 大阪府 | 8ha |
| 兵庫県 | 32ha |
| 奈良県 | 7ha |
| 和歌山県 | 9ha |
| 鳥取県 | 21ha |
| 島根県 | 30ha |
| 岡山県 | 19ha |
| 広島県 | 16ha |
| 山口県 | 23ha |
| 徳島県 | 824ha |
| 香川県 | 61ha |
| 愛媛県 | 32ha |
| 高知県 | 68ha |
| 福岡県 | 20ha |
| 佐賀県 | 31ha |
| 長崎県 | 115ha |
| 熊本県 | 636ha |
| 大分県 | 210ha |
| 宮崎県 | 3,111ha |
| 鹿児島県 | 8,135ha |
| 沖縄県 | 95ha |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは鹿児島県と茨城県です。
次いで宮崎県、千葉県、徳島県が続きます。
南九州と関東北部という離れた2か所が濃くなる分布です。
東北と北陸、近畿はほとんど白く抜けます。
47都道府県の平均は448.3ヘクタール、中央値は33ヘクタールです。
鹿児島県の8,135ヘクタールは平均の18.1倍にあたります。
上位3県で74.2パーセント、栽培がゼロの県はありません。
1位と47位で1,627.0倍の開きがありました。
| 順位 | 都道府県 | かんしょの作付面積(ha) | 地方 | かんしょの作付経営体数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 鹿児島県 | 8135 | 九州 | 3918 |
| 2 | 茨城県 | 4391 | 関東 | 2288 |
| 3 | 宮崎県 | 3111 | 九州 | 1106 |
| 4 | 千葉県 | 1694 | 関東 | 1797 |
| 5 | 徳島県 | 824 | 四国 | 685 |
| 6 | 熊本県 | 636 | 九州 | 538 |
| 7 | 北海道 | 288 | 北海道 | 111 |
| 8 | 大分県 | 210 | 九州 | 330 |
| 9 | 静岡県 | 177 | 中部 | 905 |
| 10 | 青森県 | 169 | 東北 | 44 |
| 11 | 石川県 | 124 | 中部 | 124 |
| 12 | 長崎県 | 115 | 九州 | 476 |
| 13 | 沖縄県 | 95 | 九州 | 163 |
| 14 | 埼玉県 | 90 | 関東 | 617 |
| 15 | 群馬県 | 83 | 関東 | 225 |
| 16 | 高知県 | 68 | 四国 | 261 |
| 17 | 神奈川県 | 67 | 関東 | 1014 |
| 18 | 香川県 | 61 | 四国 | 120 |
| 19 | 福島県 | 59 | 東北 | 218 |
| 20 | 新潟県 | 58 | 中部 | 440 |
| 21 | 愛知県 | 50 | 中部 | 686 |
| 22 | 栃木県 | 48 | 関東 | 241 |
| 23 | 東京都 | 47 | 関東 | 497 |
| 24 | 京都府 | 33 | 近畿 | 278 |
| 25 | 愛媛県 | 32 | 四国 | 371 |
| 25 | 兵庫県 | 32 | 近畿 | 446 |
| 27 | 佐賀県 | 31 | 九州 | 120 |
| 28 | 島根県 | 30 | 中国 | 244 |
| 28 | 福井県 | 30 | 中部 | 123 |
| 30 | 富山県 | 24 | 中部 | 111 |
| 31 | 山口県 | 23 | 中国 | 292 |
| 32 | 宮城県 | 21 | 東北 | 86 |
| 32 | 鳥取県 | 21 | 中国 | 256 |
| 34 | 長野県 | 20 | 中部 | 233 |
| 34 | 福岡県 | 20 | 九州 | 220 |
| 36 | 岡山県 | 19 | 中国 | 250 |
| 36 | 岐阜県 | 19 | 中部 | 227 |
| 38 | 岩手県 | 18 | 東北 | 117 |
| 39 | 三重県 | 17 | 近畿 | 194 |
| 40 | 広島県 | 16 | 中国 | 258 |
| 41 | 山梨県 | 15 | 中部 | 85 |
| 42 | 山形県 | 12 | 東北 | 78 |
| 43 | 和歌山県 | 9 | 近畿 | 78 |
| 44 | 大阪府 | 8 | 近畿 | 147 |
| 45 | 滋賀県 | 7 | 近畿 | 90 |
| 45 | 奈良県 | 7 | 近畿 | 121 |
| 47 | 秋田県 | 5 | 東北 | 74 |
このグラフについての豆知識
品種の内訳は分からない
この指標はかんしょの作付面積です。
紅はるか、鳴門金時、シルクスイートといった品種の内訳は、このセンサスからは分かりません。
でんぷんや焼酎の原料になるものと、そのまま食べるものの区別もありません。
鹿児島県は焼酎用の作付が多いとされますが、それを数字で確かめることはできません。
ばれいしょとは産地が逆
ばれいしょは北海道82.7パーセント、九州10.2パーセント。
かんしょは九州58.6パーセント、北海道1.4パーセント。
ふたつのいもで産地がほぼ入れ替わります。
作付経営体数はかんしょ21,303、ばれいしょ40,371。
面積はばれいしょのほうが2.8倍広く、経営体も2倍近く多くなります。
数字は2020年のものです。
5年ごとの調査で、次は2025年の結果が出ます。
順位の並びがにている記事
かんしょの作付面積の並びと似ている記事、そして正反対の記事を挙げます。
最も似ていたのは【にんじんの作付面積】全国13,977ha、1位の道だけで31.7パーセント(順位相関0.71)です。
反対に、並びがいちばん逆だったのは【マーガリンへの支出】平均年634円、バターの半分(順位相関-0.54)です。
並びが似ていても、そこに関係があるとまでは言えません。
ただ、2つの地図をならべると読み方のヒントにはなります。
地方のなかで見たかんしょの作付面積
| 地方 | 最も多い(ha) | 最も少ない(ha) |
|---|---|---|
| 東北 | 青森県 169 | 秋田県 5 |
| 関東 | 茨城県 4391 | 東京都 47 |
| 中部 | 静岡県 177 | 山梨県 15 |
| 近畿 | 京都府 33 | 奈良県 7 |
| 中国 | 島根県 30 | 広島県 16 |
| 四国 | 徳島県 824 | 愛媛県 32 |
| 九州 | 鹿児島県 8135 | 福岡県 20 |
まとめ
かんしょの作付面積を47都道府県で比べると、最も広い鹿児島県で8,135ヘクタール、最も狭い秋田県で5ヘクタールでした。
九州・沖縄8県と関東7都県で全国の89.1パーセントを占めます。
かんしょの作付面積の数字には、但し書きが3つつきます。
1つ目は、品種や用途の内訳が分からないこと。
2つ目は、販売目的の栽培だけを数えていること。
3つ目は5年ごとの調査で2020年の数字であることです。
ばれいしょは北海道が82.7パーセント、九州が10.2パーセント。
かんしょは九州が58.6パーセント、北海道が1.4パーセントで、産地がほぼ入れ替わります。
2位は茨城県4,391ヘクタール、4位は千葉県1,694ヘクタール。
九州と関東という離れた2地方が支えています。
ばれいしょややまのいもを比べた記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 2020年農林業センサス(第1巻 都道府県別統計書)
- 調査年: 2020年
- 公開元: 農林水産省
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?tstat=000001032920
- 備考: 販売を目的にかんしょを育てている経営体の面積。自分の家で食べるぶんだけの栽培は含まない。5年ごとの調査
注記: 販売を目的にかんしょを育てている経営体の面積。
自分の家で食べるぶんだけの栽培は含まない。
5年ごとの調査
