漁業で働く人は、どこに何人いるのでしょうか。
この記事では、47都道府県の数字を比べます。
使うのは総務省統計局の社会・人口統計体系、2023年の数字。
全国12万1,389人のうち、北海道が19,938人で1位。
一方で、就業者がゼロの県も8つあります。
47都道府県の単純平均
2,583人
漁業就業者数(2023年)
最も多い 北海道
19,938人
最も少ない 栃木県
0人
漁業就業者が多い5道県
漁業就業者が多い上位5道県です。
北海道は19,938人、長崎県は9,208人、青森県は6,855人でした。
北海道は2位の長崎県の2.17倍です。
4位以下は愛媛県、宮城県と続き、上位5道県で全国の38.1パーセント。
上位3道県で29.7パーセント、上位10道県で56.1パーセントでした。
1位のシェアは16.4パーセント。
長い海岸線と広い漁場を持つ北海道が、全国の6分の1を占めます。
人口あたり1位は長崎県、海との距離がそのまま出ます
数字を並べるところまでが統計の仕事で、ここから先は解釈になります。
漁業就業者数の分布について、ほかの指標と突き合わせて立てた推測を書きます。
事実として確かめたものではありません。
人口10万人あたりで割り直すと、島の多い県が上位に立ちます。
1位は長崎県の726.76人、2位は青森県578.97人、3位は岩手県429.75人。
長崎県は実数でも2位で、人口あたりでは北海道を上回ります。
長崎県は日本一島の多い県として知られ、海岸線も本州の県より長く入り組んでいます。
人口のわりに漁業が厚いのは、その地形と無関係ではないでしょう。
実数1位の北海道は人口あたりでは5位。
面積が広く人口も多いため、密度で見ると長崎県や青森県に譲ります。
東京都は実数35位、人口あたり39位。
島しょ部を持つとはいえ、産業としての漁業の位置づけは小さいものです。
地方別に人口10万人あたりの平均を出すと、北海道が391.6人で最も多く、関東7都県が13.8人で最も少なくなります。
四国4県291.9人と九州・沖縄8県233.8人がそれに続きました。
実数で見ると順位は変わる
漁業就業者がいない内陸の県
漁業就業者がいない県です。
岐阜県、滋賀県、奈良県はいずれもゼロでした。
この統計は海面漁業を対象としており、海に面していない内陸県には就業者が計上されません。
ゼロの県は全部で8つあります。
滋賀県には琵琶湖が、岐阜県には長良川があり、内水面の漁業は行われています。
ゼロという数字は「漁がない」という意味ではなく、海の漁業に限った集計だということです。
47都道府県の中央値は1,896人。
平均は2,582.7人でした。
地方別に見る
海に面しているかどうかが、そのまま数字に出ます。
地方別に合計を出すと、九州・沖縄8県が全国の27パーセントで最も大きくなります。
次いで北海道が16.4パーセント、東北6県が15.7パーセント、中部9県が9.9パーセントと続きました。
少ないほうは近畿7府県が9.6パーセント、四国4県が8.6パーセント、中国5県が7.8パーセント、関東7都県が5パーセントでした。
人口10万人あたりの平均で見ると並びが変わります。
北海道が391.6人、四国4県が291.9人、九州・沖縄8県が233.8人の順に多く、最も少ないのは関東7都県が13.8人です。
地図で見る
| 項目 | 漁業就業者数 |
|---|---|
| 北海道 | 19,938人 |
| 青森県 | 6,855人 |
| 岩手県 | 4,998人 |
| 宮城県 | 5,242人 |
| 秋田県 | 630人 |
| 山形県 | 292人 |
| 福島県 | 1,074人 |
| 茨城県 | 1,083人 |
| 栃木県 | 0人 |
| 群馬県 | 0人 |
| 埼玉県 | 0人 |
| 千葉県 | 2,672人 |
| 東京都 | 820人 |
| 神奈川県 | 1,449人 |
| 新潟県 | 1,500人 |
| 富山県 | 937人 |
| 石川県 | 1,940人 |
| 福井県 | 1,060人 |
| 山梨県 | 0人 |
| 長野県 | 0人 |
| 岐阜県 | 0人 |
| 静岡県 | 3,753人 |
| 愛知県 | 2,861人 |
| 三重県 | 4,220人 |
| 滋賀県 | 0人 |
| 京都府 | 773人 |
| 大阪府 | 785人 |
| 兵庫県 | 3,949人 |
| 奈良県 | 0人 |
| 和歌山県 | 1,896人 |
| 鳥取県 | 979人 |
| 島根県 | 1,952人 |
| 岡山県 | 992人 |
| 広島県 | 2,672人 |
| 山口県 | 2,821人 |
| 徳島県 | 1,636人 |
| 香川県 | 1,425人 |
| 愛媛県 | 4,761人 |
| 高知県 | 2,622人 |
| 福岡県 | 3,913人 |
| 佐賀県 | 2,965人 |
| 長崎県 | 9,208人 |
| 熊本県 | 4,121人 |
| 大分県 | 2,524人 |
| 宮崎県 | 1,996人 |
| 鹿児島県 | 4,807人 |
| 沖縄県 | 3,268人 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは北海道、長崎県、青森県、愛媛県、宮城県です。
海沿いの県が濃く、内陸県は白く抜けます。
47都道府県の平均は2,582.7人、中央値は1,896人です。
北海道の19,938人は平均の7.7倍にあたります。
上位3道県で29.7パーセント。
ゼロの県が8つあるため、倍率は計算できません。
| 順位 | 都道府県 | 漁業就業者数(人) | 地方 | 人口10万人あたりの漁業就業者数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 北海道 | 19938 | 北海道 | 391.56 |
| 2 | 長崎県 | 9208 | 九州 | 726.76 |
| 3 | 青森県 | 6855 | 東北 | 578.97 |
| 4 | 宮城県 | 5242 | 東北 | 231.54 |
| 5 | 岩手県 | 4998 | 東北 | 429.75 |
| 6 | 鹿児島県 | 4807 | 九州 | 310.33 |
| 7 | 愛媛県 | 4761 | 四国 | 368.78 |
| 8 | 三重県 | 4220 | 近畿 | 244.35 |
| 9 | 熊本県 | 4121 | 九州 | 241.14 |
| 10 | 兵庫県 | 3949 | 近畿 | 73.54 |
| 11 | 福岡県 | 3913 | 九州 | 76.68 |
| 12 | 静岡県 | 3753 | 中部 | 105.57 |
| 13 | 沖縄県 | 3268 | 九州 | 222.62 |
| 14 | 佐賀県 | 2965 | 九州 | 372.96 |
| 15 | 愛知県 | 2861 | 中部 | 38.26 |
| 16 | 山口県 | 2821 | 中国 | 217.33 |
| 17 | 広島県 | 2672 | 中国 | 97.59 |
| 17 | 千葉県 | 2672 | 関東 | 42.70 |
| 19 | 高知県 | 2622 | 四国 | 393.69 |
| 20 | 大分県 | 2524 | 九州 | 230.29 |
| 21 | 宮崎県 | 1996 | 九州 | 191.55 |
| 22 | 島根県 | 1952 | 中国 | 300.31 |
| 23 | 石川県 | 1940 | 中部 | 174.93 |
| 24 | 和歌山県 | 1896 | 近畿 | 212.56 |
| 25 | 徳島県 | 1636 | 四国 | 235.40 |
| 26 | 新潟県 | 1500 | 中部 | 70.56 |
| 27 | 神奈川県 | 1449 | 関東 | 15.70 |
| 28 | 香川県 | 1425 | 四国 | 153.89 |
| 29 | 茨城県 | 1083 | 関東 | 38.34 |
| 30 | 福島県 | 1074 | 東北 | 60.78 |
| 31 | 福井県 | 1060 | 中部 | 142.47 |
| 32 | 岡山県 | 992 | 中国 | 53.71 |
| 33 | 鳥取県 | 979 | 中国 | 182.31 |
| 34 | 富山県 | 937 | 中部 | 93.05 |
| 35 | 東京都 | 820 | 関東 | 5.82 |
| 36 | 大阪府 | 785 | 近畿 | 8.96 |
| 37 | 京都府 | 773 | 近畿 | 30.49 |
| 38 | 秋田県 | 630 | 東北 | 68.93 |
| 39 | 山形県 | 292 | 東北 | 28.46 |
| 40 | 岐阜県 | 0 | 中部 | 0.00 |
| 40 | 群馬県 | 0 | 関東 | 0.00 |
| 40 | 埼玉県 | 0 | 関東 | 0.00 |
| 40 | 山梨県 | 0 | 中部 | 0.00 |
| 40 | 滋賀県 | 0 | 近畿 | 0.00 |
| 40 | 長野県 | 0 | 中部 | 0.00 |
| 40 | 栃木県 | 0 | 関東 | 0.00 |
| 40 | 奈良県 | 0 | 近畿 | 0.00 |
このグラフについての豆知識
海面漁業に限った統計
この指標は海面漁業の就業者数です。
海に面していない内陸県はゼロとして扱われます。
岐阜県、滋賀県、奈良県などがそれにあたります。
琵琶湖や河川で行われる内水面漁業は別の統計です。
ゼロという数字を「漁業がない」と読むと実態を見誤ります。
長崎県が人口あたり1位
人口10万人あたりでは長崎県726.76人が1位。
実数でも9,208人で2位につけます。
長崎県は島の数が日本一で、海岸線も長く入り組んでいます。
人口89万人ほどの県で1万人近くが漁業に就いている計算になり、海と暮らしの近さがうかがえます。
数字は2023年のものです。
10年前とくらべると
全国の漁業就業者数は、2013年の180,985人から2023年の121,389人へ、この10年でおよそ33%減りました。
2013年の時点でも1位は北海道でした。
この10年、順位は動いていません。
県別では福島県の213%増が最大です。
順位の並びがにている記事
この漁業就業者数の並びに近い記事を、全記事の順位から機械で洗い出しました。
並びが最も重なったのは【海岸線の長さ】全国3万5千キロ、面積の順位とは重ならないで、相関は0.86です。
最も食い違ったのは【登山・ハイキング】をする人は山のある県ほど多いのか、47都道府県で比べました(順位相関-0.59)でした。
並びが似ていても、そこに関係があるとまでは言えません。
ただ、2つの地図をならべると読み方のヒントにはなります。
地方のなかで見た漁業就業者数
| 地方 | 最も多い(人) | 最も少ない(人) |
|---|---|---|
| 東北 | 青森県 6855 | 山形県 292 |
| 関東 | 千葉県 2672 | 埼玉県 0 |
| 中部 | 静岡県 3753 | 岐阜県 0 |
| 近畿 | 三重県 4220 | 奈良県 0 |
| 中国 | 山口県 2821 | 鳥取県 979 |
| 四国 | 愛媛県 4761 | 香川県 1425 |
| 九州 | 長崎県 9208 | 宮崎県 1996 |
まとめ
漁業で働く人の数を47都道府県で比べると、最も多い北海道で19,938人。
一方で内陸の8県はゼロでした。
北海道1道で全国の16.4パーセントを占めます。
漁業就業者数の数字を受け取る前に、3つ添えておきます。
1つ目は、海面漁業に限った統計であること。
2つ目は、内水面の漁業は含まれないこと。
3つ目は2023年の数字であることです。
人口10万人あたりでは長崎県726.76人が1位、青森県578.97人が2位。
島が多く海岸線の長い県が上位に並びます。
地方別に合計を出すと九州・沖縄8県が全国の27パーセントで最多、人口10万人あたりでは北海道が391.6人で最多でした。
漁獲量や海岸線の長さを比べた記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)
- 調査年: 2023年
- 公開元: 総務省統計局
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/regional-statistics/ssdsview/prefectures
- 備考: 指標コードC3125(漁業就業者数)の2023年の値。人口10万人あたりは2023年の総人口で割った参考値
注記: 指標コードC3125(漁業就業者数)の2023年の値。
人口10万人あたりは2023年の総人口で割った参考値
