47都道府県で、釣りをする人がどれくらいいるかを比べます。
使うのは総務省統計局の社会生活基本調査(令和3年)で、10歳以上の人のうち過去1年間につりをした人の割合です。
全国では7.8パーセント。
海に面した県が上位に来そうなデータですが、実際に並べてみると単純にそうとは言えない結果になりました。
47都道府県の単純平均
8.6%
つりの行動者率(令和3年(2021年))
最も多い 広島県
12.2%
最も少ない 東京都
5%
地図で見るつりの行動者率
| 項目 | つりの行動者率 |
|---|---|
| 北海道 | 8.8% |
| 青森県 | 9.4% |
| 岩手県 | 9.4% |
| 宮城県 | 9.1% |
| 秋田県 | 8% |
| 山形県 | 8.3% |
| 福島県 | 7% |
| 茨城県 | 6.6% |
| 栃木県 | 6.3% |
| 群馬県 | 5.5% |
| 埼玉県 | 6.1% |
| 千葉県 | 5.9% |
| 東京都 | 5% |
| 神奈川県 | 6.8% |
| 新潟県 | 8.5% |
| 富山県 | 7.6% |
| 石川県 | 7.9% |
| 福井県 | 7.3% |
| 山梨県 | 5.9% |
| 長野県 | 6.9% |
| 岐阜県 | 8% |
| 静岡県 | 8% |
| 愛知県 | 9.5% |
| 三重県 | 9.3% |
| 滋賀県 | 7.7% |
| 京都府 | 7.1% |
| 大阪府 | 7.1% |
| 兵庫県 | 8.4% |
| 奈良県 | 6.2% |
| 和歌山県 | 9.5% |
| 鳥取県 | 10% |
| 島根県 | 10.1% |
| 岡山県 | 9.1% |
| 広島県 | 12.2% |
| 山口県 | 11.2% |
| 徳島県 | 9.5% |
| 香川県 | 9.7% |
| 愛媛県 | 11.9% |
| 高知県 | 10.8% |
| 福岡県 | 8.6% |
| 佐賀県 | 10.4% |
| 長崎県 | 10.9% |
| 熊本県 | 11.8% |
| 大分県 | 8.1% |
| 宮崎県 | 10.5% |
| 鹿児島県 | 10.2% |
| 沖縄県 | 10.4% |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは中国・四国・九州の沿岸部です。
淡いのは関東一円と中部の内陸でした。
47都道府県の単純平均は8.6パーセント、中央値は8.5パーセントです。
ほぼ同じ値で、上下に極端な外れ値がないなだらかな分布になっています。
平均を超えたのは23県。
最も高い広島県でも12.2パーセントで、8人に1人という水準です。
| 順位 | 都道府県 | つりの行動者率(%) | 地方 | スポーツの行動者率 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 広島県 | 12.2 | 中国 | 65.3 |
| 2 | 愛媛県 | 11.9 | 四国 | 64 |
| 3 | 熊本県 | 11.8 | 九州 | 66.6 |
| 4 | 山口県 | 11.2 | 中国 | 63.2 |
| 5 | 長崎県 | 10.9 | 九州 | 57.8 |
| 6 | 高知県 | 10.8 | 四国 | 59.4 |
| 7 | 宮崎県 | 10.5 | 九州 | 65.8 |
| 8 | 沖縄県 | 10.4 | 九州 | 65.8 |
| 8 | 佐賀県 | 10.4 | 九州 | 62.8 |
| 10 | 鹿児島県 | 10.2 | 九州 | 63.5 |
| 11 | 島根県 | 10.1 | 中国 | 61.4 |
| 12 | 鳥取県 | 10 | 中国 | 61.2 |
| 13 | 香川県 | 9.7 | 四国 | 61.8 |
| 14 | 愛知県 | 9.5 | 中部 | 68.8 |
| 14 | 徳島県 | 9.5 | 四国 | 60.9 |
| 14 | 和歌山県 | 9.5 | 近畿 | 59.8 |
| 17 | 岩手県 | 9.4 | 東北 | 59.1 |
| 17 | 青森県 | 9.4 | 東北 | 52.1 |
| 19 | 三重県 | 9.3 | 近畿 | 64.3 |
| 20 | 岡山県 | 9.1 | 中国 | 64.8 |
| 20 | 宮城県 | 9.1 | 東北 | 64.4 |
| 22 | 北海道 | 8.8 | 北海道 | 62.2 |
| 23 | 福岡県 | 8.6 | 九州 | 67 |
| 24 | 新潟県 | 8.5 | 中部 | 59 |
| 25 | 兵庫県 | 8.4 | 近畿 | 66.4 |
| 26 | 山形県 | 8.3 | 東北 | 58.4 |
| 27 | 大分県 | 8.1 | 九州 | 63.1 |
| 28 | 岐阜県 | 8 | 中部 | 64.1 |
| 28 | 秋田県 | 8 | 東北 | 57.1 |
| 28 | 静岡県 | 8 | 中部 | 66.3 |
| 31 | 石川県 | 7.9 | 中部 | 63.4 |
| 32 | 滋賀県 | 7.7 | 近畿 | 67.2 |
| 33 | 富山県 | 7.6 | 中部 | 59.7 |
| 34 | 福井県 | 7.3 | 中部 | 61.5 |
| 35 | 京都府 | 7.1 | 近畿 | 67 |
| 35 | 大阪府 | 7.1 | 近畿 | 66.1 |
| 37 | 福島県 | 7 | 東北 | 59.5 |
| 38 | 長野県 | 6.9 | 中部 | 64 |
| 39 | 神奈川県 | 6.8 | 関東 | 71.8 |
| 40 | 茨城県 | 6.6 | 関東 | 65.8 |
| 41 | 栃木県 | 6.3 | 関東 | 62.6 |
| 42 | 奈良県 | 6.2 | 近畿 | 64.8 |
| 43 | 埼玉県 | 6.1 | 関東 | 69.3 |
| 44 | 山梨県 | 5.9 | 中部 | 62.2 |
| 44 | 千葉県 | 5.9 | 関東 | 67.4 |
| 46 | 群馬県 | 5.5 | 関東 | 67 |
| 47 | 東京都 | 5 | 関東 | 74.5 |
地方別に見るつりの行動者率
地方別に平均を出すと、西高東低がはっきりします。
最も高いのは中国5県の10.5パーセントです。
わずかの差で四国4県が10.5パーセント、続いて九州8県が10.1パーセント。
この3地方だけが10パーセントを超えました。
次いで北海道が8.8パーセント、東北6県が8.5パーセント、近畿7府県が7.9パーセント、中部9県が7.7パーセント。
最も低いのは関東7都県の6.0パーセントでした。
最も高い中国と最も低い関東では1.7倍の差があります。
県別の2.44倍に比べれば縮まりますが、地方単位でもはっきりした差が残りました。
釣りをする人の割合が高い5県
つりの行動者率が高い上位5県です。
広島県は12.2パーセント、愛媛県は11.9パーセント、熊本県は11.8パーセント、山口県は11.2パーセント、長崎県は10.9パーセントでした。
全国の7.8パーセントを大きく上回っています。
6位以下も高知県10.8パーセント、宮崎県10.5パーセント、沖縄県と佐賀県が10.4パーセントと続きます。
10パーセントを超えた12県は、すべて中国・四国・九州でした。
海に面していることが効いているのは確かです。
海のない8県の平均は6.6パーセント、海のある39都道府県の平均は9.0パーセントでした。
海があるかより、どんな海が近いか
ここから先は、趣味として釣りをする人の割合がこう分かれる理由についての見立てです。
ほかの指標と突き合わせて立てた推測で、統計そのものが示している事実ではありません。
海があれば釣りをする、という説明では足りない県がいくつもあります。
千葉県は5.9パーセントで44位、茨城県は6.6パーセント。
どちらも太平洋に長い海岸線を持ちながら下位に沈んでいます。
一方、海のない岐阜県は8.0パーセント、滋賀県は7.7パーセントで、千葉県や茨城県を上回りました。
効いているのは海の有無というより、海の形ではないでしょうか。
上位に並んだ瀬戸内海沿岸や九州西岸は、島が多く入り江の入り組んだ海です。
波が穏やかで、堤防や小さな港が数え切れないほどあります。
対して関東の海は外洋に面した砂浜が長く続き、気軽に竿を出せる場所は限られます。
海のない岐阜県や滋賀県が健闘しているのも、この見方と合います。
長良川や琵琶湖という、身近で穏やかな水面があるためです。
もうひとつ、人口の多さも効いていそうです。
関東7都県の平均は6.0パーセントで、8地方のなかで最も低い数字でした。
釣り場そのものは存在しても、人口に対する釣り座の数が足りなければ行動者率は上がりにくくなります。
興味深いのは、スポーツ全体の行動者率との関係です。
つりとスポーツ全体の相関係数はマイナス0.32でした。
運動が盛んな県ほど釣りをする、という関係にはなっていません。
むしろ逆を向いています。
釣りをする人の割合が低い5都県
つりの行動者率が低い下位5都県です。
東京都は5.0パーセント、群馬県は5.5パーセント、千葉県と山梨県がともに5.9パーセント、埼玉県は6.1パーセントでした。
1位の広島県の12.2パーセントとは2.44倍の差があります。
下位5都県のうち4つが関東です。
しかも東京都と千葉県は海に面しています。
海があっても釣りをする人が少ない都県がある、ということがはっきり出ました。
海に面していて行動者率が低い順に並べると、東京都5.0パーセント、千葉県5.9パーセント、茨城県6.6パーセント、神奈川県6.8パーセントとなり、上位4つがすべて関東でした。
海のない8県のなかにも差があります。
山梨県5.9パーセント、群馬県5.5パーセント、埼玉県6.1パーセントが下位に入る一方、岐阜県は8.0パーセント、滋賀県は7.7パーセントで全国の中位につけています。
このグラフについての豆知識
この調査ではつりもスポーツに含まれる
社会生活基本調査は、つりを「スポーツの種類」のひとつとして集計しています。
野球やサッカーと同じ枠のなかに、つりが並んでいる形です。
そのため、スポーツ全体の行動者率とつりの行動者率を同じ表から取り出して比べられます。
この記事の表にも、参考として全体の行動者率を載せました。
全体で1位の東京都はつりで最下位、つりで1位の広島県は全体では17位です。
同じスポーツというくくりのなかに、順位がほぼ正反対になる種目があるということになります。
海岸線の長さと釣り人の多さは別の話
海岸線の長さで見ると、最も長いのは北海道、次いで長崎県です。
長崎県はつりの行動者率でも5位に入っており、順当な結果に見えます。
ただ北海道は8.8パーセントで22位。
海岸線が最も長い道が、行動者率では中位にとどまりました。
冬の期間が長いことや、釣り場までの距離が関係していそうです。
海岸線の長さは釣り場の量を決めますが、そこへ行きやすいかどうかは別の話だということでしょう。
順位の並びがにている記事
この趣味として釣りをする人の割合の並びに近い記事を、全記事の順位から機械で洗い出しました。
並びが最も重なったのは【医療・福祉で働く人の割合】全国13.5%、上位に西日本が並ぶ理由を高齢化率から考えますで、相関は0.72です。
正反対だったのは【第1子が生まれた父の年齢】全国32.9歳、3.1歳の開きで、相関は-0.81です。
順位が近いことと、原因がつながっていることは別の話です。
それでも、見くらべると気づくことがあります。
地方のなかで見たつりの行動者率
| 地方 | 最も多い(%) | 最も少ない(%) |
|---|---|---|
| 東北 | 青森県 9.4 | 福島県 7 |
| 関東 | 神奈川県 6.8 | 東京都 5 |
| 中部 | 愛知県 9.5 | 山梨県 5.9 |
| 近畿 | 和歌山県 9.5 | 奈良県 6.2 |
| 中国 | 広島県 12.2 | 岡山県 9.1 |
| 四国 | 愛媛県 11.9 | 徳島県 9.5 |
| 九州 | 熊本県 11.8 | 大分県 8.1 |
まとめ
47都道府県のつりの行動者率を比べると、最も高い広島県は12.2パーセント、最も低い東京都は5.0パーセントで、その差は2.44倍でした。
全国では7.8パーセントです。
趣味として釣りをする人の割合をどう数えているかについて、3つ補っておきます。
1つ目は、過去1年間に1回でもつりをすれば行動者に数えられること。
2つ目は、この調査がつりをスポーツの一種として扱っていること。
3つ目は令和3年(2021年)の調査であることです。
海のない8県の平均は6.6パーセント、海のある39都道府県は9.0パーセント。
海の有無は効いていますが、それだけでは説明できない都県もありました。
海に面した千葉県や茨城県が、海のない岐阜県や滋賀県より低いのは印象的です。
海があるかどうかより、穏やかで近い水辺があるかどうかのほうが効いているのかもしれません。
関連記事
- 【スポーツをする人の割合】は都市部ほど高いのか、47都道府県の行動者率を比較
- 【登山・ハイキング】をする人は山のある県ほど多いのか、47都道府県で比べました
- 【キャンプをする人の割合】は自然の豊かさだけで決まるのか比較しました
- 【魚介類に使う金額】1か月の平均は5,099円、1.76倍
- 【かにに使う金額】平均年1,739円、差は11.3倍と最大級
出典
- 統計名: 社会生活基本調査(都道府県、スポーツの種類別行動者率)
- 調査年: 令和3年(2021年)
- 公開元: 総務省統計局
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000032262820
- 備考: 10歳以上の人のうち、過去1年間につりをした人の割合。この調査ではつりをスポーツの一種として集計している
注記: 10歳以上の人のうち、過去1年間につりをした人の割合。
この調査ではつりをスポーツの一種として集計している
