【港湾の取扱貨物量】海のない8県はゼロ、25億トンはどこで動いているのか

【港湾の取扱貨物量】海のない8県はゼロ、25億トンはどこで動いているのか

港で扱われる貨物の量は、都道府県でどれほど違うのでしょうか。
この記事では、47都道府県の数字を比べます。

使うのは国土交通省の港湾統計で、令和5年に調査された605港の取扱貨物量を所在地の都道府県で合計しました。

全国では24億9,769万トン。
ただ海に面していない8県はゼロです。

47都道府県の単純平均

53,142,262トン

港湾の取扱貨物量(令和5年(2023年))

最も多い 愛知県

200,575,673トン

最も少ない 栃木県

0トン

地図で見る港湾の取扱貨物量

港湾の取扱貨物量(令和5年(2023年))
港湾の取扱貨物量(令和5年(2023年)) 港湾統計(調査港湾取扱貨物量順位表)(国土交通省)をもとに作成。単位はトン。 北海道 185,239,197トン青森 56,425,265トン岩手 4,554,617トン宮城 39,442,926トン秋田 10,889,442トン山形 2,714,251トン福島 21,866,214トン茨城 94,838,487トン栃木 0トン群馬 0トン埼玉 0トン千葉 186,617,534トン東京 82,630,481トン神奈川 180,264,909トン新潟 41,863,591トン富山 6,654,884トン石川 6,305,587トン福井 18,193,441トン山梨 0トン長野 0トン岐阜 0トン静岡 23,574,220トン愛知 200,575,673トン三重 60,846,526トン滋賀 0トン京都 9,589,620トン大阪 143,366,767トン兵庫 163,284,815トン奈良 0トン和歌山 28,153,669トン鳥取 4,282,805トン島根 8,661,684トン岡山 87,109,707トン広島 87,952,325トン山口 97,130,289トン徳島 16,235,175トン香川 46,994,464トン愛媛 62,790,229トン高知 20,427,012トン福岡 168,891,109トン佐賀 4,121,407トン長崎 31,146,771トン熊本 14,942,377トン大分 119,281,405トン宮崎 11,841,916トン鹿児島 113,933,059トン沖縄 34,052,469トン
港湾の取扱貨物量(トン)
港湾の取扱貨物量(令和5年(2023年))
項目港湾の取扱貨物量
北海道185,239,197トン
青森県56,425,265トン
岩手県4,554,617トン
宮城県39,442,926トン
秋田県10,889,442トン
山形県2,714,251トン
福島県21,866,214トン
茨城県94,838,487トン
栃木県0トン
群馬県0トン
埼玉県0トン
千葉県186,617,534トン
東京都82,630,481トン
神奈川県180,264,909トン
新潟県41,863,591トン
富山県6,654,884トン
石川県6,305,587トン
福井県18,193,441トン
山梨県0トン
長野県0トン
岐阜県0トン
静岡県23,574,220トン
愛知県200,575,673トン
三重県60,846,526トン
滋賀県0トン
京都府9,589,620トン
大阪府143,366,767トン
兵庫県163,284,815トン
奈良県0トン
和歌山県28,153,669トン
鳥取県4,282,805トン
島根県8,661,684トン
岡山県87,109,707トン
広島県87,952,325トン
山口県97,130,289トン
徳島県16,235,175トン
香川県46,994,464トン
愛媛県62,790,229トン
高知県20,427,012トン
福岡県168,891,109トン
佐賀県4,121,407トン
長崎県31,146,771トン
熊本県14,942,377トン
大分県119,281,405トン
宮崎県11,841,916トン
鹿児島県113,933,059トン
沖縄県34,052,469トン

日本地図で見ると、色が濃く出るのは太平洋ベルトの臨海部と北海道です。
淡いのは内陸8県と、日本海側の一部でした。

47都道府県の単純平均は5,314万トン、中央値は2,357万トンです。
平均が中央値の2.25倍もあるのは、上位の道県が大きく、内陸8県が0だからです。

平均を超えたのは17道府県。
海に面する39都道府県に絞っても、上位と下位の差は大きく開いています。

順位都道府県港湾の取扱貨物量(トン)地方港湾の数1港あたり取扱貨物量
1愛知県200575673中部1118234152
2千葉県186617534関東537323506
3北海道185239197北海道345448211
4神奈川県180264909関東725752129
5福岡県168891109九州918765678
6兵庫県163284815近畿246803533
7大阪府143366767近畿528673353
8大分県119281405九州157952093
9鹿児島県113933059九州581964363
10山口県97130289中国175713546
11茨城県94838487関東331612829
12広島県87952325中国302931744
13岡山県87109707中国136700746
14東京都82630481関東155508698
15愛媛県62790229四国411531469
16三重県60846526近畿154056435
17青森県56425265東北105642526
18香川県46994464四国461021618
19新潟県41863591中部104186359
20宮城県39442926東北49860731
21沖縄県34052469九州301135082
22長崎県31146771九州54576792
23和歌山県28153669近畿112559424
24静岡県23574220中部121964518
25福島県21866214東北54373242
26高知県20427012四国121702251
27福井県18193441中部53638688
28徳島県16235175四国91803908
29熊本県14942377九州18830132
30宮崎県11841916九州111076537
31秋田県10889442東北52177888
32京都府9589620近畿33196540
33島根県8661684中国30288722
34富山県6654884中部23327442
35石川県6305587中部9700620
36岩手県4554617東北6759102
37鳥取県4282805中国41070701
38佐賀県4121407九州41030351
39山形県2714251東北3904750
40岐阜県0中部00
40群馬県0関東00
40埼玉県0関東00
40山梨県0中部00
40滋賀県0近畿00
40長野県0中部00
40栃木県0関東00
40奈良県0近畿00
港湾統計(調査港湾取扱貨物量順位表)(令和5年(2023年)、国土交通省)をもとに作成

地方別に見る港湾の取扱貨物量

地方別の平均(港湾の取扱貨物量)
地方別の平均(港湾の取扱貨物量) 港湾統計(調査港湾取扱貨物量順位表)(令和5年(2023年)) 050,000,000100,000,000150,000,000北海道: 185,239,197トン185,239,197トン東北: 22,648,786トン22,648,786トン関東: 77,764,487トン77,764,487トン中部: 33,018,600トン33,018,600トン近畿: 57,891,628トン57,891,628トン中国: 57,027,362トン57,027,362トン四国: 36,611,720トン36,611,720トン九州: 62,276,314トン62,276,314トン北海道東北関東中部近畿中国四国九州
地方別の平均(港湾の取扱貨物量)
項目港湾の取扱貨物量の平均
北海道185,239,197トン
東北22,648,786トン
関東77,764,487トン
中部33,018,600トン
近畿57,891,628トン
中国57,027,362トン
四国36,611,720トン
九州62,276,314トン

地方別に合計すると、北海道と関東が上位に来ます。

最も多いのは北海道の1億8,524万トンです。
県の集まりで見ると、関東7都県が平均7,776万トンで最も多く、九州8県が6,228万トン、近畿7府県が5,789万トン、中国5県が5,703万トンと続きます。

少ないほうは四国4県が3,661万トン、中部9県が3,302万トン、東北6県が2,265万トンでした。
関東と東北では3.43倍の差があります。

中部9県が3,302万トンと低いのは、愛知県2億58万トンという全国1位を抱えながら、山梨県・長野県・岐阜県の3県が0トンだからです。
内陸県を含む地方では、平均が実態を表しにくくなります。

港湾の取扱貨物量が多い5道県

上位5都道府県の港湾の取扱貨物量
上位5都道府県の港湾の取扱貨物量 港湾統計(調査港湾取扱貨物量順位表)(令和5年(2023年)) 050,000,000100,000,000150,000,000200,000,000愛知県: 200,575,673トン200,575,673トン千葉県: 186,617,534トン186,617,534トン北海道: 185,239,197トン185,239,197トン神奈川県: 180,264,909トン180,264,909トン福岡県: 168,891,109トン168,891,109トン愛知県千葉県北海道神奈川県福岡県
上位5都道府県の港湾の取扱貨物量
項目港湾の取扱貨物量
愛知県200,575,673トン
千葉県186,617,534トン
北海道185,239,197トン
神奈川県180,264,909トン
福岡県168,891,109トン
下位5都道府県の港湾の取扱貨物量
下位5都道府県の港湾の取扱貨物量 港湾統計(調査港湾取扱貨物量順位表)(令和5年(2023年)) 0.00.20.40.60.81.0栃木県群馬県埼玉県山梨県長野県岐阜県滋賀県奈良県
下位5都道府県の港湾の取扱貨物量
項目港湾の取扱貨物量
栃木県0トン
群馬県0トン
埼玉県0トン
山梨県0トン
長野県0トン
岐阜県0トン
滋賀県0トン
奈良県0トン

港湾の取扱貨物量が多い上位5道県です。

愛知県は2億58万トン、千葉県は1億8,662万トン、北海道は1億8,524万トン、神奈川県は1億8,026万トン、福岡県は1億6,889万トンでした。
愛知県の2億58万トンは全国の8.0パーセントにあたります。

6位以下は兵庫県、岡山県、大阪府と続きます。
上位5道県の合計は全国の36.9パーセントでした。

1位の愛知県には名古屋港があり、この1港だけで1億5,784万トンを扱っています。
県全体の78.7パーセントを名古屋港が占めている計算です。

港の数と貨物の量は、まったく別のランキング

ここからは統計を離れて、港湾取扱貨物量の背景を推測します。
確かめられた事実ではなく、ほかの数字と並べて考えた見立てとして読んでください。

港の数と貨物の量は、まったく別のランキングになります。

港湾の数で並べると、1位は鹿児島県の58港、2位が長崎県54港、3位が香川県46港、4位が愛媛県41港、5位が北海道34港。
島が多く海岸線の長い県が上位に来ます。
ところが取扱貨物量では、鹿児島県は1億1,393万トンで9位、長崎県は3,115万トンで22位。
数の多さがそのまま量にはつながっていません。

1港あたりの取扱貨物量で見ると、この違いがはっきりします。
千葉県は1港あたり3,732万トン、愛知県は1,823万トン。
対して鹿児島県は196万トン、長崎県は58万トンでした。
長崎県と千葉県では64倍の開きがあります。

島しょ部の港は、生活物資と人を運ぶための小さな港です。
数は必要ですが、1港あたりの規模は小さくなります。
一方、工業地帯の港は原料と製品を大量に扱う拠点で、数は少なくても量が集まります。
同じ「港」という言葉が、まったく違うものを指しているということです。

上位の顔ぶれを見ると、愛知県、千葉県、北海道、神奈川県、福岡県。
このうち愛知県、千葉県、神奈川県は臨海部に工業地帯を持つ県です。
港湾の貨物量は、その県の海岸線の長さより、海のそばに何を置いてきたかを映していると考えられます。

例外は3位の北海道です。
34港で1億8,524万トン、1港あたり545万トンでした。
工業地帯というより、本州との間で大量の物資をやりとりする必要があることが効いていそうです。
道路や踏切の記事でも見たとおり、面積と距離がこの道の数字を大きくしています。

港湾のない8県

港湾のない8県です。

栃木県、群馬県、埼玉県、山梨県、長野県、岐阜県、滋賀県、奈良県の8県は海に面していないため、この調査の対象となる港湾がありません。
取扱貨物量はいずれも0トンです。

内陸8県には湖や川はありますが、港湾統計の対象は海上出入貨物を扱う港です。
琵琶湖を持つ滋賀県も、この統計では0トンになります。

海に面していても貨物量の少ない県もあります。
鳥取県は428万トン、京都府は959万トン、秋田県は1,089万トン。
港はあっても、大量の貨物を扱う拠点にはなっていない県です。

海に面する39都道府県のうち、5,000万トンを超えたのは17道府県でした。
残る22県は5,000万トンに届いていません。

このグラフについての豆知識

調査対象は605港

港湾統計の調査対象は、全国の主要な605港です。
すべての漁港や小さな船着き場を含むわけではありません。

取扱貨物量は海上出入貨物の合計で、外国との貿易貨物(外貿)と国内の港どうしの貨物(内貿)の両方を含みます。

この記事では港ごとの数字を所在地の都道府県で合計しました。
貨物の発地や着地ではなく、積み下ろしをした港の所在地で数えています。

内陸8県は構造的にゼロ

栃木県、群馬県、埼玉県、山梨県、長野県、岐阜県、滋賀県、奈良県の8県は海に面していません。
港湾統計の対象となる港がないため、0トンになります。

これは物流が少ないことを意味しません。
内陸県の貨物は、隣接する県の港で積み下ろしされてトラックや鉄道で運ばれます。
県の数字としてはゼロでも、実際にはよその港を使っているということです。

数字は令和5年のものです。

順位の並びがにている記事

港湾取扱貨物量の並びと似ている記事、そして正反対の記事を挙げます。

並びが最も重なったのは【一人暮らし世帯】が多いのはどこか、2世帯に1世帯が単身という都県もありましたで、相関は0.68です。
反対に、並びがいちばん逆だったのは【持ち家率】が高い都道府県ランキング、地域差は34.5ポイント(順位相関-0.61)です。

順位が近いことと、原因がつながっていることは別の話です。
それでも、見くらべると気づくことがあります。

地方のなかで見た港湾の取扱貨物量

地方最も多い(トン)最も少ない(トン)
東北青森県 56425265山形県 2714251
関東千葉県 186617534埼玉県 0
中部愛知県 200575673岐阜県 0
近畿兵庫県 163284815奈良県 0
中国山口県 97130289鳥取県 4282805
四国愛媛県 62790229徳島県 16235175
九州福岡県 168891109佐賀県 4121407
港湾統計(調査港湾取扱貨物量順位表)(令和5年(2023年)、国土交通省)をもとに作成

まとめ

47都道府県の港湾取扱貨物量を比べると、最も多い愛知県は2億58万トンで全国の8.0パーセント、上位5道県で36.9パーセントを占めました。
全国では24億9,769万トン、内陸8県は0トンです。

港湾取扱貨物量の統計を読むときの注意点は3つです。
1つ目は、調査対象が主要な605港であること。
2つ目は、港の所在地で数えており貨物の発着地ではないこと。
3つ目は令和5年の数字であることです。

港の数では鹿児島県58港が1位ですが、取扱貨物量では9位。
1港あたりで見ると千葉県3,732万トンに対し長崎県は58万トンでした。

島しょ部の港と工業地帯の港では、同じ「港」でも役割がまるで違います。
空港の乗降客数や道路の長さを比べた記事とあわせて読んでみてください。

関連記事

出典

  • 統計名: 港湾統計(調査港湾取扱貨物量順位表)
  • 調査年: 令和5年(2023年)
  • 公開元: 国土交通省
  • 参照URL: https://www.mlit.go.jp/k-toukei/R5genkyo.html
  • 備考: 調査対象となった605港の取扱貨物量を所在する都道府県で合計した。海上出入貨物の合計で、内貿・外貿の両方を含む

注記: 調査対象となった605港の取扱貨物量を所在する都道府県で合計した。
海上出入貨物の合計で、内貿・外貿の両方を含む

この記事をシェアする

記事一覧へ戻る

関連記事 Relation Entry