商業やサービス業、運輸や通信をまとめて第3次産業とよびます。
日本で働く人の大半がここに含まれるため、割合そのものより、農林漁業や製造業とのつり合いで読むと土地の性格が見えてきます。
今回は47都道府県の第3次産業就業者の割合を、令和2年の総務省統計局「国勢調査」のデータを使って比べました。
全国では就業者の73.35%がここで働いています。
47都道府県の単純平均
70.1%
第3次産業就業者の割合(令和2年(2020年10月1日現在))
最も多い 東京都
84.6%
最も少ない 山形県
62.8%
地図で見る第3次産業の割合
| 項目 | 第3次産業就業者の割合 |
|---|---|
| 北海道 | 76.8% |
| 青森県 | 68.7% |
| 岩手県 | 65.5% |
| 宮城県 | 73.7% |
| 秋田県 | 67.5% |
| 山形県 | 62.8% |
| 福島県 | 64.2% |
| 茨城県 | 65.8% |
| 栃木県 | 63.5% |
| 群馬県 | 64.1% |
| 埼玉県 | 75.5% |
| 千葉県 | 78.5% |
| 東京都 | 84.6% |
| 神奈川県 | 79.0% |
| 新潟県 | 66.4% |
| 富山県 | 63.8% |
| 石川県 | 69.6% |
| 福井県 | 65.1% |
| 山梨県 | 65.3% |
| 長野県 | 62.8% |
| 岐阜県 | 64.5% |
| 静岡県 | 63.8% |
| 愛知県 | 65.7% |
| 三重県 | 64.8% |
| 滋賀県 | 64.6% |
| 京都府 | 75.8% |
| 大阪府 | 77.0% |
| 兵庫県 | 73.4% |
| 奈良県 | 75.6% |
| 和歌山県 | 69.6% |
| 鳥取県 | 70.6% |
| 島根県 | 69.9% |
| 岡山県 | 68.9% |
| 広島県 | 71.2% |
| 山口県 | 69.5% |
| 徳島県 | 68.9% |
| 香川県 | 70.0% |
| 愛媛県 | 69.5% |
| 高知県 | 73.0% |
| 福岡県 | 77.7% |
| 佐賀県 | 68.5% |
| 長崎県 | 74.0% |
| 熊本県 | 70.2% |
| 大分県 | 70.7% |
| 宮崎県 | 69.5% |
| 鹿児島県 | 72.5% |
| 沖縄県 | 81.7% |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは首都圏と北海道、福岡県、沖縄県です。
淡いのは中部と北関東、東北の日本海側でした。
47都道府県の単純平均は70.08パーセント、中央値は69.50パーセントです。
全国値の73.35パーセントより低いのは、人口の多い都府県ほど割合が高いためです。
75パーセントを超えたのは10都道府県、65パーセントを下回ったのは10県。
真ん中に多くの県が集まる、山の高い分布でした。
| 順位 | 都道府県 | 第3次産業就業者の割合(%) | 地方 | 第3次産業就業者数 | 卸売業・小売業就業者数 | 15歳以上就業者数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 東京都 | 84.6 | 関東 | 6743047 | 1194581 | 7970078 |
| 2 | 沖縄県 | 81.72 | 九州 | 597344 | 108285 | 730954 |
| 3 | 神奈川県 | 78.96 | 関東 | 3865146 | 759644 | 4895351 |
| 4 | 千葉県 | 78.5 | 関東 | 2578525 | 537374 | 3284654 |
| 5 | 福岡県 | 77.72 | 九州 | 1979174 | 446690 | 2546552 |
| 6 | 大阪府 | 77.01 | 近畿 | 3457794 | 782716 | 4490257 |
| 7 | 北海道 | 76.76 | 北海道 | 2024014 | 433415 | 2636824 |
| 8 | 京都府 | 75.75 | 近畿 | 982241 | 216281 | 1296738 |
| 9 | 奈良県 | 75.55 | 近畿 | 477088 | 108025 | 631506 |
| 10 | 埼玉県 | 75.52 | 関東 | 2893809 | 629821 | 3831603 |
| 11 | 長崎県 | 73.99 | 九州 | 479535 | 98710 | 648138 |
| 12 | 宮城県 | 73.68 | 東北 | 870238 | 204355 | 1181118 |
| 13 | 兵庫県 | 73.38 | 近畿 | 1961953 | 434835 | 2673625 |
| 14 | 高知県 | 72.98 | 四国 | 251569 | 54291 | 344704 |
| 15 | 鹿児島県 | 72.5 | 九州 | 557537 | 118950 | 768983 |
| 16 | 広島県 | 71.17 | 中国 | 1018434 | 236963 | 1431008 |
| 17 | 大分県 | 70.68 | 九州 | 389080 | 83005 | 550479 |
| 18 | 鳥取県 | 70.55 | 中国 | 202051 | 42967 | 286412 |
| 19 | 熊本県 | 70.24 | 九州 | 614284 | 132300 | 874582 |
| 20 | 香川県 | 70.03 | 四国 | 334457 | 77585 | 477620 |
| 21 | 島根県 | 69.9 | 中国 | 243342 | 50643 | 348142 |
| 22 | 石川県 | 69.56 | 中部 | 415041 | 98674 | 596626 |
| 22 | 和歌山県 | 69.56 | 近畿 | 322118 | 70641 | 463096 |
| 24 | 宮崎県 | 69.5 | 九州 | 370757 | 79787 | 533427 |
| 25 | 山口県 | 69.48 | 中国 | 457191 | 101483 | 658062 |
| 26 | 愛媛県 | 69.46 | 四国 | 454543 | 101176 | 654362 |
| 27 | 徳島県 | 68.91 | 四国 | 237067 | 51120 | 344033 |
| 28 | 岡山県 | 68.87 | 中国 | 643856 | 147507 | 934872 |
| 29 | 青森県 | 68.68 | 東北 | 428606 | 98489 | 624097 |
| 30 | 佐賀県 | 68.45 | 九州 | 285575 | 61023 | 417178 |
| 31 | 秋田県 | 67.5 | 東北 | 325690 | 75537 | 482536 |
| 32 | 新潟県 | 66.44 | 中部 | 754953 | 184116 | 1136258 |
| 33 | 茨城県 | 65.82 | 関東 | 973138 | 216248 | 1478441 |
| 34 | 愛知県 | 65.69 | 中部 | 2635606 | 624800 | 4012428 |
| 35 | 岩手県 | 65.53 | 東北 | 410694 | 94496 | 626728 |
| 36 | 山梨県 | 65.34 | 中部 | 278037 | 61904 | 425516 |
| 37 | 福井県 | 65.12 | 中部 | 270332 | 61559 | 415138 |
| 38 | 三重県 | 64.79 | 近畿 | 595636 | 133398 | 919390 |
| 39 | 滋賀県 | 64.61 | 近畿 | 473137 | 105606 | 732254 |
| 40 | 岐阜県 | 64.45 | 中部 | 665049 | 157341 | 1031928 |
| 41 | 福島県 | 64.19 | 東北 | 605301 | 137784 | 942997 |
| 42 | 群馬県 | 64.06 | 関東 | 645737 | 149054 | 1007967 |
| 43 | 静岡県 | 63.83 | 中部 | 1228266 | 289629 | 1924210 |
| 44 | 富山県 | 63.78 | 中部 | 349269 | 81140 | 547577 |
| 45 | 栃木県 | 63.5 | 関東 | 641746 | 147558 | 1010609 |
| 46 | 長野県 | 62.79 | 中部 | 682510 | 155461 | 1086918 |
| 47 | 山形県 | 62.78 | 東北 | 353101 | 82967 | 562460 |
第3次産業で働く人の割合が高い5都県
第3次産業で働く人の割合が高い上位5都県です。
東京都は84.60パーセント、沖縄県は81.72パーセント、神奈川県は78.96パーセント、千葉県は78.50パーセント、福岡県は77.72パーセントでした。
東京都と最下位の山形県では1.35倍の差しかありません。
6位以下は大阪府77.01パーセント、北海道76.76パーセント、京都府75.75パーセントと続きます。
沖縄県が2位に入るのが目を引きます。
製造業の割合が4.87パーセントで全国最下位、第1次産業も3.86パーセントと低いため、残りがすべて第3次産業に寄った形です。
どの県でも6割を超える、日本でいちばん平らな産業
ここから先は、第3次産業で働く人の割合がこう分かれる理由についての見立てです。
ほかの指標と突き合わせて立てた推測で、統計そのものが示している事実ではありません。
この記事の倍率1.35倍は、47都道府県を比べるランキングとしてはきわめて小さい数字です。
同じ国勢調査から作った記事と並べてみます。
第1次産業の割合は32.23倍、製造業の割合は5.56倍。
人口集中地区の割合は3.85倍、平均年齢は1.22倍でした。
第3次産業の1.35倍は、平均年齢に次いで小さい。
最下位の山形県でも62.78パーセントあり、47都道府県すべてが6割を超えています。
産業のなかでいちばん「平ら」な数字だということになります。
理由ははっきりしていそうです。
第3次産業には小売店や飲食店、病院、学校、役所など、人が住むところには必ずある仕事が含まれます。
人口が少ない県でも、住民の数に比例して一定の数が必要になる。
だから割合が大きくは下がりません。
人口集中地区の割合との相関係数はプラス0.71。
まちの中に住む人が多い県ほど、第3次産業の割合も高くなります。
東京都は人口集中地区の割合が98.55パーセントで1位、第3次産業も1位でした。
製造業の割合との相関係数はマイナス0.77。
下位に並ぶ山形県、長野県、栃木県、富山県、静岡県はいずれも製造業の割合が高い県です。
第3次産業の低さは、サービス業が足りないというより、製造業が多い分だけ押し出されている結果と読むほうが自然でしょう。
第3次産業で働く人の割合が低い5県
第3次産業で働く人の割合が低い下位5県です。
山形県は62.78パーセント、長野県は62.79パーセント、栃木県は63.50パーセント、富山県は63.78パーセント、静岡県は63.83パーセントでした。
東京都の84.60パーセントとは1.35倍の差です。
下位5県はいずれも製造業の割合が高い県です。
静岡県は25.41パーセントで全国3位、富山県は24.76パーセントで5位、栃木県は24.13パーセントで7位でした。
65パーセントを下回ったのは10県。
すべて東北・北関東・中部に集まっています。
山形県は第1次産業も8.66パーセントで全国5位。
農業と製造業の両方が厚いぶん、第3次産業の割合が最も低くなりました。
このグラフについての豆知識
第3次産業に含まれるもの
第3次産業は、日本標準産業分類のうち電気・ガス業から公務までを指します。
卸売・小売業、医療・福祉、宿泊・飲食サービス業、運輸業、金融業、教育、公務などが入ります。
全国で最も就業者が多いのは卸売業・小売業で、次いで医療・福祉です。
この2つだけで第3次産業のかなりの部分を占めます。
第1次でも第2次でもないものをまとめた区分なので、中身は非常に幅広くなります。
分類不能の産業
国勢調査では産業が分からない就業者が「分類不能の産業」として集計されます。
そのため第1次・第2次・第3次を足しても100パーセントちょうどにはなりません。
全国では第1次3.25パーセント、第2次23.40パーセント、第3次73.35パーセント。
合計すると100.00パーセントになりますが、都道府県によっては差が出ます。
数字は令和2年、2020年10月1日現在のものです。
順位の並びがにている記事
第3次産業で働く人の割合の順位を、当サイトの全記事の並びと突き合わせてみました。
並びが最も重なったのは【一人暮らし世帯】が多いのはどこか、2世帯に1世帯が単身という都県もありましたで、相関は0.73です。
最も食い違ったのは【車の保有台数】が多い都道府県ランキング、1世帯1.5台を超える県は9県(順位相関-0.84)でした。
似ているからといって理由が同じとはかぎりません。
それでも、2つを重ねると土地の性格が見えてくることがあります。
地方のなかで見た第3次産業就業者の割合
| 地方 | 最も多い(%) | 最も少ない(%) |
|---|---|---|
| 東北 | 宮城県 73.68 | 山形県 62.78 |
| 関東 | 東京都 84.6 | 栃木県 63.5 |
| 中部 | 石川県 69.56 | 長野県 62.79 |
| 近畿 | 大阪府 77.01 | 滋賀県 64.61 |
| 中国 | 広島県 71.17 | 岡山県 68.87 |
| 四国 | 高知県 72.98 | 徳島県 68.91 |
| 九州 | 沖縄県 81.72 | 佐賀県 68.45 |
まとめ
第3次産業で働く人の割合を比べると、最も高い東京都は84.60パーセント、最も低い山形県は62.78パーセントで、その差は1.35倍でした。
全国では就業者の73.35パーセントです。
第3次産業で働く人の割合の数字には、但し書きが3つつきます。
1つ目は、農林漁業と製造業・建設業以外をすべて含む幅広い区分であること。
2つ目は、分類不能の産業があること。
3つ目は令和2年10月1日現在の数字であることです。
47都道府県すべてが6割を超えました。
第1次産業の32.23倍、製造業の5.56倍と比べると、県による差がきわめて小さい指標です。
製造業の割合との相関係数はマイナス0.77。
下位に並ぶのは、サービス業が足りない県ではなく製造業が厚い県でした。
第1次産業や製造業の割合を比べた記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 国勢調査(人口等基本集計)
- 調査年: 令和2年(2020年10月1日現在)
- 公開元: 総務省統計局
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000032143614
- 備考: 就業者数に占める割合。分母は15歳以上就業者数で、産業分類は日本標準産業分類による。分類不能の産業を含むため、産業別の割合を足しても100%にはならない。第3次産業は卸売・小売業、医療・福祉、宿泊・飲食など第1次・第2次以外の産業
注記: 就業者数に占める割合。
分母は15歳以上就業者数で、産業分類は日本標準産業分類による。
分類不能の産業を含むため、産業別の割合を足しても100%にはならない。
第3次産業は卸売・小売業、医療・福祉、宿泊・飲食など第1次・第2次以外の産業
