くりの栽培面積は、都道府県でどれほど違うのでしょうか。
この記事では、47都道府県の数字を比べます。
使うのは農林水産省の2020年農林業センサス。
全国5,962ヘクタールのうち、茨城県が1,706ヘクタールで1位、熊本県が1,240ヘクタールで2位です。
関東7都県と九州・沖縄8県で全国の3分の2を分け合います。
47都道府県の単純平均
127ha
くりの栽培面積(2020年)
最も多い 茨城県
1,706ha
最も少ない 沖縄県
0ha
くりが多い5県
くりの栽培面積が広い上位5県です。
茨城県は1,706ヘクタール、熊本県は1,240ヘクタール、愛媛県は762ヘクタール、宮崎県は306ヘクタール、埼玉県は176ヘクタールでした。
茨城県は2位の熊本県の1.38倍あります。
6位以下は岐阜県167ヘクタール、長野県143ヘクタール、兵庫県121ヘクタールと続きます。
上位3県で全国の62.2パーセント、上位5県で70.3パーセント、上位10県で81.1パーセントを占めます。
上位3県だけで6割を超える、集中の強い品目です。
経営体数では熊本県が1位、面積では茨城県が1位です
数字を並べるところまでが統計の仕事で、ここから先は解釈になります。
くりの栽培面積の分布について、ほかの指標と突き合わせて立てた推測を書きます。
事実として確かめたものではありません。
面積の1位と、作っている人の数の1位が入れ替わります。
栽培経営体数では1位が熊本県の2,296、2位が茨城県の2,249。
面積では茨城県が1位でしたから、順位が逆になります。
ただし差はわずか47で、ほぼ並んでいるといえます。
1経営体あたりの面積を出すと、茨城県は0.76ヘクタール、熊本県は0.54ヘクタール。
茨城県のほうが1戸あたり広く作っています。
全国では0.46ヘクタールでした。
最も広いのは滋賀県の1.63ヘクタール、次いで石川県1.06ヘクタール、秋田県0.93ヘクタール。
ただしこの3県はいずれも面積が小さく、滋賀県は49ヘクタール、石川県は35ヘクタール、秋田県は26ヘクタールです。
経営体の数が少ないため、1戸あたりが大きく出ています。
地方別に見ると、関東7都県が38.4パーセント、九州・沖縄8県が28.6パーセント。
この2地方で67.0パーセントを占めます。
次いで四国4県14.2パーセント、中部9県8.5パーセント。
北海道は15ヘクタールで0.3パーセントでした。
関東の38.4パーセントは、そのほとんどが茨城県によるものです。
茨城県1県で全国の28.6パーセントを占め、埼玉県176ヘクタール、栃木県、千葉県が続きます。
実数で見ると順位は変わる
くりが少ない5県
くりの栽培面積が狭い下位5県です。
福井県は3ヘクタール、山梨県は3ヘクタール、福島県は7ヘクタール、富山県は7ヘクタール、鹿児島県は8ヘクタールでした。
栽培がまったくないのは沖縄県だけです。
鹿児島県が下位に入るのは意外かもしれません。
隣の熊本県は1,240ヘクタールで2位、宮崎県は306ヘクタールで4位。
同じ南九州でも、くりの産地は熊本県と宮崎県に寄っています。
47都道府県の中央値は32ヘクタール。
平均は126.9ヘクタールなので、平均が中央値の4.0倍です。
10ヘクタールを下回るのは9県ありました。
地方別に見る
地方別に合計を出すと、関東が最も大きくなります。
関東7都県が全国の38.4パーセント、九州・沖縄8県が28.6パーセント、四国4県が14.2パーセント、中部9県が8.5パーセントと続きます。
少ないほうは近畿7府県が4.8パーセント、中国5県が3.4パーセント、東北6県が1.8パーセント、北海道が0.3パーセントでした。
関東7都県の38.4パーセントのうち、茨城県だけで全国の28.6パーセントを占めます。
関東のなかでも茨城県への一極集中です。
四国4県の14.2パーセントは、ほぼ愛媛県762ヘクタールによるもの。
東北6県は合わせて107ヘクタール、1.8パーセントにとどまります。
りんごでは東北が74.6パーセントを占めていたので、同じ地方でも品目によって位置がまったく変わります。
地図で見る
| 項目 | くりの栽培面積 |
|---|---|
| 北海道 | 15ha |
| 青森県 | 14ha |
| 岩手県 | 37ha |
| 宮城県 | 11ha |
| 秋田県 | 28ha |
| 山形県 | 10ha |
| 福島県 | 7ha |
| 茨城県 | 1,706ha |
| 栃木県 | 90ha |
| 群馬県 | 23ha |
| 埼玉県 | 176ha |
| 千葉県 | 111ha |
| 東京都 | 91ha |
| 神奈川県 | 90ha |
| 新潟県 | 39ha |
| 富山県 | 7ha |
| 石川県 | 66ha |
| 福井県 | 3ha |
| 山梨県 | 3ha |
| 長野県 | 143ha |
| 岐阜県 | 167ha |
| 静岡県 | 48ha |
| 愛知県 | 32ha |
| 三重県 | 13ha |
| 滋賀県 | 49ha |
| 京都府 | 45ha |
| 大阪府 | 32ha |
| 兵庫県 | 121ha |
| 奈良県 | 10ha |
| 和歌山県 | 19ha |
| 鳥取県 | 15ha |
| 島根県 | 36ha |
| 岡山県 | 32ha |
| 広島県 | 19ha |
| 山口県 | 103ha |
| 徳島県 | 17ha |
| 香川県 | 13ha |
| 愛媛県 | 762ha |
| 高知県 | 54ha |
| 福岡県 | 41ha |
| 佐賀県 | 12ha |
| 長崎県 | 13ha |
| 熊本県 | 1,240ha |
| 大分県 | 85ha |
| 宮崎県 | 306ha |
| 鹿児島県 | 8ha |
| 沖縄県 | 0ha |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは茨城県と熊本県です。
次いで愛媛県、宮崎県、埼玉県が続きます。
関東北部と九州中部、そして愛媛県という飛び地のような分布になります。
47都道府県の平均は126.9ヘクタール、中央値は32ヘクタールです。
茨城県の1,706ヘクタールは平均の13.4倍にあたります。
上位3県で62.2パーセント、10ヘクタールを下回るのが9県。
1位と、記録のある県の最小値では568.7倍の開きがありました。
| 順位 | 都道府県 | くりの栽培面積(ha) | 地方 | くりの栽培経営体数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 茨城県 | 1706 | 関東 | 2249 |
| 2 | 熊本県 | 1240 | 九州 | 2296 |
| 3 | 愛媛県 | 762 | 四国 | 1162 |
| 4 | 宮崎県 | 306 | 九州 | 441 |
| 5 | 埼玉県 | 176 | 関東 | 558 |
| 6 | 岐阜県 | 167 | 中部 | 461 |
| 7 | 長野県 | 143 | 中部 | 496 |
| 8 | 兵庫県 | 121 | 近畿 | 496 |
| 9 | 千葉県 | 111 | 関東 | 316 |
| 10 | 山口県 | 103 | 中国 | 292 |
| 11 | 東京都 | 91 | 関東 | 446 |
| 12 | 神奈川県 | 90 | 関東 | 524 |
| 12 | 栃木県 | 90 | 関東 | 179 |
| 14 | 大分県 | 85 | 九州 | 311 |
| 15 | 石川県 | 66 | 中部 | 62 |
| 16 | 高知県 | 54 | 四国 | 176 |
| 17 | 滋賀県 | 49 | 近畿 | 30 |
| 18 | 静岡県 | 48 | 中部 | 259 |
| 19 | 京都府 | 45 | 近畿 | 200 |
| 20 | 福岡県 | 41 | 九州 | 208 |
| 21 | 新潟県 | 39 | 中部 | 106 |
| 22 | 岩手県 | 37 | 東北 | 56 |
| 23 | 島根県 | 36 | 中国 | 108 |
| 24 | 愛知県 | 32 | 中部 | 191 |
| 24 | 岡山県 | 32 | 中国 | 167 |
| 24 | 大阪府 | 32 | 近畿 | 143 |
| 27 | 秋田県 | 28 | 東北 | 30 |
| 28 | 群馬県 | 23 | 関東 | 137 |
| 29 | 広島県 | 19 | 中国 | 92 |
| 29 | 和歌山県 | 19 | 近畿 | 77 |
| 31 | 徳島県 | 17 | 四国 | 88 |
| 32 | 鳥取県 | 15 | 中国 | 90 |
| 32 | 北海道 | 15 | 北海道 | 38 |
| 34 | 青森県 | 14 | 東北 | 39 |
| 35 | 香川県 | 13 | 四国 | 44 |
| 35 | 三重県 | 13 | 近畿 | 80 |
| 35 | 長崎県 | 13 | 九州 | 72 |
| 38 | 佐賀県 | 12 | 九州 | 39 |
| 39 | 宮城県 | 11 | 東北 | 35 |
| 40 | 山形県 | 10 | 東北 | 44 |
| 40 | 奈良県 | 10 | 近畿 | 74 |
| 42 | 鹿児島県 | 8 | 九州 | 37 |
| 43 | 富山県 | 7 | 中部 | 25 |
| 43 | 福島県 | 7 | 東北 | 56 |
| 45 | 山梨県 | 3 | 中部 | 31 |
| 45 | 福井県 | 3 | 中部 | 16 |
| 47 | 沖縄県 | 0 | 九州 | 0 |
このグラフについての豆知識
果樹として数えている
くりは木になる実なので、このセンサスでは果樹類として集計されます。
りんごやみかんと同じ枠のなかにあります。
全国5,962ヘクタールは、うめの6,097ヘクタールとほぼ同じ規模。
果樹のなかでは中くらいの品目です。
栽培経営体数は13,077
栽培経営体数は13,077で、日本なしの13,768に近い数字です。
1経営体あたりの面積は0.46ヘクタール。
最も広い滋賀県の1.63ヘクタールは、県全体の面積が49ヘクタールしかないなかでの数字です。
経営体が30しかないため、1戸あたりが大きく出ています。
少ない県の1戸あたりを読むときは、もとの規模もあわせて見る必要があります。
数字は2020年のものです。
5年ごとの調査で、次は2025年の結果が出ます。
順位の並びがにている記事
くりの栽培面積の47都道府県の並びを、ほかの記事の並びと総当たりで比べました。
いちばん近かったのは【くり・収穫量】全国1万4,000t、果樹のなかでは小さな品目で、順位相関は0.75でした。
反対に、並びがいちばん逆だったのは【高校生のむし歯】全国45.75パーセント、差は1.98倍(順位相関-0.42)です。
相関は因果ではないので、関係があると決めつけることはできません。
見くらべる手がかりとして使ってください。
地方のなかで見たくりの栽培面積
| 地方 | 最も多い(ha) | 最も少ない(ha) |
|---|---|---|
| 東北 | 岩手県 37 | 福島県 7 |
| 関東 | 茨城県 1706 | 群馬県 23 |
| 中部 | 岐阜県 167 | 山梨県 3 |
| 近畿 | 兵庫県 121 | 奈良県 10 |
| 中国 | 山口県 103 | 鳥取県 15 |
| 四国 | 愛媛県 762 | 香川県 13 |
| 九州 | 熊本県 1240 | 沖縄県 0 |
まとめ
くりの栽培面積を47都道府県で比べると、最も広い茨城県で1,706ヘクタール、栽培がないのは沖縄県だけでした。
関東7都県と九州・沖縄8県で全国の67.0パーセントを分け合います。
くりの栽培面積の順位を見るときは、次の3点をあわせて見てください。
1つ目は、くりは果樹類として数えていること。
2つ目は、販売目的の栽培だけを数えていること。
3つ目は5年ごとの調査で2020年の数字であることです。
栽培経営体数では熊本県2,296が1位、茨城県2,249が2位で、面積とは順位が逆になります。
ただし差は47で、ほぼ並んでいます。
茨城県1県で全国の28.6パーセントを占め、関東の38.4パーセントの大部分を占めています。
かきやキウイフルーツを比べた記事とあわせて読んでみてください。
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- 【くり・収穫量】全国1万4,000t、果樹のなかでは小さな品目
出典
- 統計名: 2020年農林業センサス(第1巻 都道府県別統計書)
- 調査年: 2020年
- 公開元: 農林水産省
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?tstat=000001032920
- 備考: 販売を目的にくりを育てている経営体の面積。自分の家で食べるぶんだけの栽培は含まない。5年ごとの調査
注記: 販売を目的にくりを育てている経営体の面積。
自分の家で食べるぶんだけの栽培は含まない。
5年ごとの調査
