同じうめでも、とれた量と、育てている木のある面積では集中の度合いが変わります。
木は植えてから実がなるまで年数がかかるため、面積はその土地で長く続いてきた産地の姿を映します。
今回は47都道府県のうめの栽培面積を、農林水産省の「2020年農林業センサス」のデータを使って比べました。
全国6,097ヘクタールのうち、和歌山県が3,870ヘクタール。
1県で63.5%を占め、2位の群馬県371ヘクタールとは10.4倍ひらきます。
栽培がゼロの県はありません。
47都道府県の単純平均
130ha
うめの栽培面積(2020年)
最も多い 和歌山県
3,870ha
最も少ない 沖縄県
1ha
地図で見る
| 項目 | うめの栽培面積 |
|---|---|
| 北海道 | 11ha |
| 青森県 | 125ha |
| 岩手県 | 13ha |
| 宮城県 | 50ha |
| 秋田県 | 12ha |
| 山形県 | 20ha |
| 福島県 | 33ha |
| 茨城県 | 65ha |
| 栃木県 | 40ha |
| 群馬県 | 371ha |
| 埼玉県 | 85ha |
| 千葉県 | 50ha |
| 東京都 | 34ha |
| 神奈川県 | 109ha |
| 新潟県 | 14ha |
| 富山県 | 2ha |
| 石川県 | 11ha |
| 福井県 | 166ha |
| 山梨県 | 47ha |
| 長野県 | 76ha |
| 岐阜県 | 11ha |
| 静岡県 | 52ha |
| 愛知県 | 48ha |
| 三重県 | 46ha |
| 滋賀県 | 5ha |
| 京都府 | 13ha |
| 大阪府 | 5ha |
| 兵庫県 | 18ha |
| 奈良県 | 179ha |
| 和歌山県 | 3,870ha |
| 鳥取県 | 13ha |
| 島根県 | 10ha |
| 岡山県 | 13ha |
| 広島県 | 11ha |
| 山口県 | 13ha |
| 徳島県 | 50ha |
| 香川県 | 3ha |
| 愛媛県 | 56ha |
| 高知県 | 12ha |
| 福岡県 | 63ha |
| 佐賀県 | 59ha |
| 長崎県 | 11ha |
| 熊本県 | 29ha |
| 大分県 | 63ha |
| 宮崎県 | 68ha |
| 鹿児島県 | 41ha |
| 沖縄県 | 1ha |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは和歌山県だけです。
ほかとは段違いの濃さになります。
次いで群馬県、奈良県、福井県、青森県が続きますが、いずれも淡い色にとどまります。
47都道府県の平均は129.7ヘクタール、中央値は34ヘクタールです。
和歌山県の3,870ヘクタールは平均の29.8倍にあたります。
上位3県で72.5パーセント、47都道府県すべてに栽培があります。
1位と47位で3,870倍の開きがありました。
| 順位 | 都道府県 | うめの栽培面積(ha) | 地方 | うめの栽培経営体数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 和歌山県 | 3870 | 近畿 | 4188 |
| 2 | 群馬県 | 371 | 関東 | 601 |
| 3 | 奈良県 | 179 | 近畿 | 306 |
| 4 | 福井県 | 166 | 中部 | 277 |
| 5 | 青森県 | 125 | 東北 | 435 |
| 6 | 神奈川県 | 109 | 関東 | 608 |
| 7 | 埼玉県 | 85 | 関東 | 294 |
| 8 | 長野県 | 76 | 中部 | 619 |
| 9 | 宮崎県 | 68 | 九州 | 99 |
| 10 | 茨城県 | 65 | 関東 | 286 |
| 11 | 大分県 | 63 | 九州 | 186 |
| 11 | 福岡県 | 63 | 九州 | 210 |
| 13 | 佐賀県 | 59 | 九州 | 147 |
| 14 | 愛媛県 | 56 | 四国 | 205 |
| 15 | 静岡県 | 52 | 中部 | 294 |
| 16 | 宮城県 | 50 | 東北 | 137 |
| 16 | 千葉県 | 50 | 関東 | 185 |
| 16 | 徳島県 | 50 | 四国 | 218 |
| 19 | 愛知県 | 48 | 中部 | 290 |
| 20 | 山梨県 | 47 | 中部 | 396 |
| 21 | 三重県 | 46 | 近畿 | 108 |
| 22 | 鹿児島県 | 41 | 九州 | 85 |
| 23 | 栃木県 | 40 | 関東 | 161 |
| 24 | 東京都 | 34 | 関東 | 281 |
| 25 | 福島県 | 33 | 東北 | 279 |
| 26 | 熊本県 | 29 | 九州 | 139 |
| 27 | 山形県 | 20 | 東北 | 165 |
| 28 | 兵庫県 | 18 | 近畿 | 64 |
| 29 | 新潟県 | 14 | 中部 | 99 |
| 30 | 岡山県 | 13 | 中国 | 94 |
| 30 | 岩手県 | 13 | 東北 | 104 |
| 30 | 京都府 | 13 | 近畿 | 58 |
| 30 | 山口県 | 13 | 中国 | 104 |
| 30 | 鳥取県 | 13 | 中国 | 105 |
| 35 | 高知県 | 12 | 四国 | 87 |
| 35 | 秋田県 | 12 | 東北 | 23 |
| 37 | 岐阜県 | 11 | 中部 | 121 |
| 37 | 広島県 | 11 | 中国 | 96 |
| 37 | 石川県 | 11 | 中部 | 54 |
| 37 | 長崎県 | 11 | 九州 | 74 |
| 37 | 北海道 | 11 | 北海道 | 53 |
| 42 | 島根県 | 10 | 中国 | 100 |
| 43 | 滋賀県 | 5 | 近畿 | 28 |
| 43 | 大阪府 | 5 | 近畿 | 64 |
| 45 | 香川県 | 3 | 四国 | 31 |
| 46 | 富山県 | 2 | 中部 | 23 |
| 47 | 沖縄県 | 1 | 九州 | 3 |
うめが多い5県
うめの栽培面積が広い上位5県です。
和歌山県は3,870ヘクタール、群馬県は371ヘクタール、奈良県は179ヘクタール、福井県は166ヘクタール、青森県は125ヘクタールでした。
和歌山県は2位の群馬県の10.4倍あります。
6位以下は神奈川県109ヘクタール、埼玉県85ヘクタール、長野県76ヘクタールと続きます。
上位3県で全国の72.5パーセント、上位5県で77.3パーセント、上位10県で83.9パーセントを占めます。
ただしその集中は和歌山県1県によるところが大きく、和歌山県を除くと上位3県は12.7パーセントにとどまります。
1県で全国の3分の2という、果樹でいちばんの偏りです
この分布の背景を、ここから考えてみます。
うめの栽培面積の統計が答えを持っているわけではないので、以下はほかの数字と照らして立てた推測です。
1位のシェア63.5パーセントは、この記事で扱う果樹のなかで最も高い数字です。
りんごは青森県が54.3パーセント、ももは山梨県が33.8パーセント、温州みかんは和歌山県が19.4パーセント。
それに対してうめは和歌山県だけで63.5パーセント。
ひとつの県がこれほど占める果樹はほかにありません。
2位の群馬県とは10.4倍の差です。
1位と2位の差がここまで開く品目も、この記事のなかではうめだけでした。
栽培経営体数を見ると、1位は和歌山県4,188、2位は長野県619、3位は神奈川県608。
面積2位の群馬県は601で4位です。
長野県は619の経営体で76ヘクタールなので、1経営体あたり0.12ヘクタール。
庭先に近い規模の栽培が多いと考えられます。
1経営体あたりの面積では和歌山県が0.92ヘクタールで最も広く、全国の0.48ヘクタールの約2倍。
数でも規模でも和歌山県が抜けています。
地方別では近畿7府県が67.8パーセント。
うち和歌山県が63.5パーセントなので、近畿のほぼすべてが和歌山県です。
関東7都県は12.4パーセントで、群馬県371ヘクタール、神奈川県109ヘクタール、埼玉県85ヘクタールが中心になります。
実数で見ると順位は変わる
うめが少ない5府県
うめの栽培面積が狭い下位5府県です。
沖縄県は1ヘクタール、富山県は2ヘクタール、香川県は3ヘクタール、滋賀県は5ヘクタール、大阪府は5ヘクタールでした。
和歌山県の3,870ヘクタールとは3,870倍の差があります。
下位の県も、ゼロではありません。
47都道府県すべてでうめが作られています。
ぶどうと並んで、この記事で扱う果樹のなかでは数少ない例です。
47都道府県の中央値は34ヘクタール。
平均は129.7ヘクタールなので、平均が中央値の3.8倍です。
1県の突出が平均を押し上げています。
地方別に見る
地方別に合計を出すと、近畿が突出します。
近畿7府県が全国の67.8パーセント、関東7都県が12.4パーセント、中部9県が7.0パーセント、九州・沖縄8県が5.5パーセントと続きます。
少ないほうは東北6県が4.1パーセント、四国4県が2.0パーセント、中国5県が1.0パーセント、北海道が0.2パーセントでした。
近畿7府県の67.8パーセントのうち、和歌山県だけで63.5パーセント。
和歌山県を除いた近畿6府県では266ヘクタール、4.4パーセントにとどまります。
関東7都県の12.4パーセントは、群馬県371ヘクタールが中心です。
群馬県は全国2位で、和歌山県以外ではいちばん大きな産地になります。
このグラフについての豆知識
果樹のなかで1位のシェアが最も高い
和歌山県の63.5パーセントは、この記事で扱う果樹11品目のなかで最も高い1位シェアです。
りんごの青森県54.3パーセント、ももの山梨県33.8パーセントを上回ります。
1位と2位の倍率も10.4倍で最大。
りんごは2.68倍、ももは1.54倍でした。
ゼロの県がない
和歌山県に極端に集中している一方で、栽培がゼロの県はひとつもありません。
温州みかんは8県、りんごは5県がゼロでした。
うめは寒さにも比較的強く、庭木としても広く植えられています。
1経営体あたりの面積が0.48ヘクタールと小さいことも、小規模な栽培が各地にあることを示しています。
数字は2020年のものです。
5年ごとの調査で、次は2025年の結果が出ます。
順位の並びがにている記事
うめの栽培面積とよく似た並びになる記事が、当サイトにあるか探しました。
最も似ていたのは【うめ・収穫量】全国5万1,600t、10アール当たりでも1位は同じ県(順位相関0.6)です。
反対に、並びがいちばん逆だったのは【食料の物価水準】全国平均を100として比べる47都道府県(順位相関-0.48)です。
相関は因果ではないので、関係があると決めつけることはできません。
見くらべる手がかりとして使ってください。
地方のなかで見たうめの栽培面積
| 地方 | 最も多い(ha) | 最も少ない(ha) |
|---|---|---|
| 東北 | 青森県 125 | 秋田県 12 |
| 関東 | 群馬県 371 | 東京都 34 |
| 中部 | 福井県 166 | 富山県 2 |
| 近畿 | 和歌山県 3870 | 大阪府 5 |
| 中国 | 鳥取県 13 | 島根県 10 |
| 四国 | 愛媛県 56 | 香川県 3 |
| 九州 | 宮崎県 68 | 沖縄県 1 |
まとめ
うめの栽培面積を47都道府県で比べると、最も広い和歌山県で3,870ヘクタール、最も狭い沖縄県で1ヘクタールでした。
和歌山県1県で全国の63.5パーセントを占めます。
うめの栽培面積の統計を読むときの注意点は3つです。
1つ目は、販売目的の栽培だけを数えていること。
2つ目は、品種ごとの内訳が分からないこと。
3つ目は5年ごとの調査で2020年の数字であることです。
1位のシェア63.5パーセントも、1位と2位の10.4倍という差も、この記事で扱う果樹11品目のなかで最大でした。
それでいて栽培がゼロの県はひとつもありません。
1経営体あたりの面積は全国0.48ヘクタール、和歌山県は0.92ヘクタールで約2倍です。
かきや温州みかんを比べた記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 2020年農林業センサス(第1巻 都道府県別統計書)
- 調査年: 2020年
- 公開元: 農林水産省
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?tstat=000001032920
- 備考: 販売を目的にうめを育てている経営体の面積。自分の家で食べるぶんだけの栽培は含まない。5年ごとの調査
注記: 販売を目的にうめを育てている経営体の面積。
自分の家で食べるぶんだけの栽培は含まない。
5年ごとの調査
