同じ日本なしでも、とれた量と、育てている畑の広さでは順位が変わります。
木は植えてから実がなるまで数年かかるため、面積は産地の歴史を、収穫量はその年の出来を映します。
今回は47都道府県の日本なしの栽培面積を、農林水産省の「2020年農林業センサス」のデータを使って比べました。
全国7,938ヘクタールのうち、千葉県が1,134ヘクタールで1位です。
1位のシェアは14.3%にとどまり、この記事で扱う果樹のなかで最も産地が散らばっています。
47都道府県の単純平均
169ha
日本なしの栽培面積(2020年)
最も多い 千葉県
1,134ha
最も少ない 沖縄県
0ha
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| 項目 | 日本なしの栽培面積 |
|---|---|
| 北海道 | 18ha |
| 青森県 | 20ha |
| 岩手県 | 22ha |
| 宮城県 | 107ha |
| 秋田県 | 177ha |
| 山形県 | 74ha |
| 福島県 | 568ha |
| 茨城県 | 642ha |
| 栃木県 | 573ha |
| 群馬県 | 108ha |
| 埼玉県 | 363ha |
| 千葉県 | 1,134ha |
| 東京都 | 51ha |
| 神奈川県 | 138ha |
| 新潟県 | 364ha |
| 富山県 | 130ha |
| 石川県 | 101ha |
| 福井県 | 40ha |
| 山梨県 | 14ha |
| 長野県 | 389ha |
| 岐阜県 | 81ha |
| 静岡県 | 81ha |
| 愛知県 | 204ha |
| 三重県 | 96ha |
| 滋賀県 | 28ha |
| 京都府 | 43ha |
| 大阪府 | 3ha |
| 兵庫県 | 63ha |
| 奈良県 | 50ha |
| 和歌山県 | 17ha |
| 鳥取県 | 544ha |
| 島根県 | 51ha |
| 岡山県 | 40ha |
| 広島県 | 117ha |
| 山口県 | 96ha |
| 徳島県 | 147ha |
| 香川県 | 24ha |
| 愛媛県 | 43ha |
| 高知県 | 52ha |
| 福岡県 | 237ha |
| 佐賀県 | 191ha |
| 長崎県 | 39ha |
| 熊本県 | 378ha |
| 大分県 | 216ha |
| 宮崎県 | 36ha |
| 鹿児島県 | 28ha |
| 沖縄県 | 0ha |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは千葉県、茨城県、栃木県、福島県、鳥取県です。
関東北部から南東北にかけてと、鳥取県が濃くなります。
ほかの果樹に比べて、全体に中くらいの色の県が多い地図です。
47都道府県の平均は168.9ヘクタール、中央値は81ヘクタールです。
千葉県の1,134ヘクタールは平均の6.7倍にあたります。
上位3県で29.6パーセント、栽培がないのは沖縄県だけ。
1位と、記録のある県の最小値では378倍の開きがありました。
| 順位 | 都道府県 | 日本なしの栽培面積(ha) | 地方 | 日本なしの栽培経営体数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 千葉県 | 1134 | 関東 | 1084 |
| 2 | 茨城県 | 642 | 関東 | 836 |
| 3 | 栃木県 | 573 | 関東 | 505 |
| 4 | 福島県 | 568 | 東北 | 937 |
| 5 | 鳥取県 | 544 | 中国 | 1196 |
| 6 | 長野県 | 389 | 中部 | 1528 |
| 7 | 熊本県 | 378 | 九州 | 470 |
| 8 | 新潟県 | 364 | 中部 | 822 |
| 9 | 埼玉県 | 363 | 関東 | 569 |
| 10 | 福岡県 | 237 | 九州 | 328 |
| 11 | 大分県 | 216 | 九州 | 226 |
| 12 | 愛知県 | 204 | 中部 | 409 |
| 13 | 佐賀県 | 191 | 九州 | 232 |
| 14 | 秋田県 | 177 | 東北 | 201 |
| 15 | 徳島県 | 147 | 四国 | 203 |
| 16 | 神奈川県 | 138 | 関東 | 430 |
| 17 | 富山県 | 130 | 中部 | 228 |
| 18 | 広島県 | 117 | 中国 | 63 |
| 19 | 群馬県 | 108 | 関東 | 219 |
| 20 | 宮城県 | 107 | 東北 | 189 |
| 21 | 石川県 | 101 | 中部 | 126 |
| 22 | 三重県 | 96 | 近畿 | 155 |
| 22 | 山口県 | 96 | 中国 | 98 |
| 24 | 岐阜県 | 81 | 中部 | 171 |
| 24 | 静岡県 | 81 | 中部 | 269 |
| 26 | 山形県 | 74 | 東北 | 293 |
| 27 | 兵庫県 | 63 | 近畿 | 93 |
| 28 | 高知県 | 52 | 四国 | 105 |
| 29 | 島根県 | 51 | 中国 | 102 |
| 29 | 東京都 | 51 | 関東 | 194 |
| 31 | 奈良県 | 50 | 近畿 | 106 |
| 32 | 愛媛県 | 43 | 四国 | 125 |
| 32 | 京都府 | 43 | 近畿 | 74 |
| 34 | 岡山県 | 40 | 中国 | 202 |
| 34 | 福井県 | 40 | 中部 | 94 |
| 36 | 長崎県 | 39 | 九州 | 101 |
| 37 | 宮崎県 | 36 | 九州 | 50 |
| 38 | 滋賀県 | 28 | 近畿 | 86 |
| 38 | 鹿児島県 | 28 | 九州 | 43 |
| 40 | 香川県 | 24 | 四国 | 59 |
| 41 | 岩手県 | 22 | 東北 | 155 |
| 42 | 青森県 | 20 | 東北 | 110 |
| 43 | 北海道 | 18 | 北海道 | 75 |
| 44 | 和歌山県 | 17 | 近畿 | 90 |
| 45 | 山梨県 | 14 | 中部 | 101 |
| 46 | 大阪府 | 3 | 近畿 | 16 |
| 47 | 沖縄県 | 0 | 九州 | 0 |
日本なしが多い5県
日本なしの栽培面積が広い上位5県です。
千葉県は1,134ヘクタール、茨城県は642ヘクタール、栃木県は573ヘクタール、福島県は568ヘクタール、鳥取県は544ヘクタールでした。
千葉県は2位の茨城県の1.77倍あります。
6位以下は長野県389ヘクタール、熊本県378ヘクタール、新潟県364ヘクタールと続きます。
上位3県で全国の29.6パーセント、上位5県で43.6パーセント、上位10県で65.4パーセントを占めます。
りんごが上位3県で81.5パーセントだったのと比べると、はるかに散らばった並びです。
経営体数の1位は長野県、面積では6位です
この分布の背景を、ここから考えてみます。
日本なしの栽培面積の統計が答えを持っているわけではないので、以下はほかの数字と照らして立てた推測です。
面積の順位と、作っている人の数の順位が食い違います。
栽培経営体数で並べ替えると、1位は長野県の1,528、2位は鳥取県の1,196、3位が千葉県の1,084。
面積で1位だった千葉県が3位に下がり、面積6位の長野県が1位に立ちます。
1経営体あたりの面積を出すと、長野県は0.25ヘクタール、千葉県は1.05ヘクタール。
4倍以上の開きがあります。
長野県は小さな園地がたくさんある形、千葉県は1戸あたりまとまった広さを持つ形です。
全国では0.58ヘクタール。
最も広いのは広島県の1.86ヘクタール、次いで栃木県1.13ヘクタール、千葉県1.05ヘクタールでした。
地方別に見ると、関東7都県が37.9パーセントで最大。
次いで中部9県17.7パーセント、九州・沖縄8県14.2パーセント、東北6県12.2パーセント、中国5県10.7パーセントと続きます。
8地方のうち5地方が10パーセントを超えており、特定の地方に寄っていません。
鳥取県が5位に入るのも目を引きます。
二十世紀なしの産地として知られる県ですが、面積では544ヘクタール。
関東の主産県に迫る規模を1県で持っています。
実数で見ると順位は変わる
日本なしが少ない5都府県
日本なしの栽培面積が狭い下位5都府県です。
大阪府は3ヘクタール、山梨県は14ヘクタール、和歌山県は17ヘクタール、北海道は18ヘクタール、青森県は20ヘクタールでした。
栽培がまったくないのは沖縄県だけです。
山梨県と和歌山県が下位に入るのは意外に見えるかもしれません。
どちらも果樹の盛んな県ですが、山梨県はぶどうとももに、和歌山県はうめとかきにそれぞれ寄っています。
同じ果樹県でも、育てている品目は大きく違います。
47都道府県の中央値は81ヘクタール。
平均は168.9ヘクタールなので、平均が中央値の2.1倍にとどまります。
上位への偏りが小さいことがここにも表れています。
地方別に見る
地方別に合計を出すと、関東が最も大きくなります。
関東7都県が全国の37.9パーセント、中部9県が17.7パーセント、九州・沖縄8県が14.2パーセント、東北6県が12.2パーセントと続きます。
少ないほうは中国5県が10.7パーセント、近畿7府県が3.8パーセント、四国4県が3.4パーセント、北海道が0.2パーセントでした。
関東7都県の37.9パーセントは、千葉県1,134ヘクタール、茨城県642ヘクタール、栃木県573ヘクタールの3県が支えています。
この3県だけで全国の29.6パーセントです。
中国5県の10.7パーセントは、ほぼ鳥取県544ヘクタールによるものです。
5県しかない地方が近畿7府県や四国4県を上回るのは、この1県の存在が大きく効いています。
このグラフについての豆知識
西洋なしは別に数える
この指標は日本なしの栽培面積です。
ラ・フランスなどの西洋なしは別に集計され、全国942ヘクタール。
日本なしの8分の1ほどの規模で、山形県が572ヘクタールと大部分を占めます。
幸水、豊水、二十世紀といった品種の内訳は、このセンサスからは分かりません。
1位のシェアが果樹で最も低い
1位のシェアは14.3パーセント。
この記事で扱う果樹のなかで最も低い数字です。
うめは63.5パーセント、りんごは54.3パーセントなので、けた違いに散らばっています。
平均168.9ヘクタールに対して中央値81ヘクタールという差の小ささも、同じことを示しています。
日本なしは「どこかの県の名物」ではなく、各地に産地がある果物だといえます。
数字は2020年のものです。
5年ごとの調査で、次は2025年の結果が出ます。
順位の並びがにている記事
日本なしの栽培面積の47都道府県の並びを、ほかの記事の並びと総当たりで比べました。
最も似ていたのは【日本なし・収穫量】全国17万2,700t、上位2県の差は1.25倍(順位相関0.89)です。
反対に、並びがいちばん逆だったのは【喫茶店の数】が多い都道府県ランキング、上位2県はわずか0.8店差(順位相関-0.45)です。
並びが似ていても、そこに関係があるとまでは言えません。
ただ、2つの地図をならべると読み方のヒントにはなります。
地方のなかで見た日本なしの栽培面積
| 地方 | 最も多い(ha) | 最も少ない(ha) |
|---|---|---|
| 東北 | 福島県 568 | 青森県 20 |
| 関東 | 千葉県 1134 | 東京都 51 |
| 中部 | 長野県 389 | 山梨県 14 |
| 近畿 | 三重県 96 | 大阪府 3 |
| 中国 | 鳥取県 544 | 岡山県 40 |
| 四国 | 徳島県 147 | 香川県 24 |
| 九州 | 熊本県 378 | 沖縄県 0 |
まとめ
日本なしの栽培面積を47都道府県で比べると、最も広い千葉県で1,134ヘクタール、栽培がないのは沖縄県だけでした。
1位のシェアは14.3パーセントで、この記事で扱う果樹のなかで最も産地が散らばっています。
日本なしの栽培面積の数字には、但し書きが3つつきます。
1つ目は、西洋なしは別に集計されること。
2つ目は、品種ごとの内訳が分からないこと。
3つ目は5年ごとの調査で2020年の数字であることです。
栽培経営体数では長野県1,528が1位で、面積1位の千葉県は1,084で3位。
1経営体あたりでは長野県0.25ヘクタール、千葉県1.05ヘクタールと4倍以上ひらきます。
地方別では関東7都県が37.9パーセントで最大、8地方のうち5地方が10パーセントを超えました。
りんごやももを比べた記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 2020年農林業センサス(第1巻 都道府県別統計書)
- 調査年: 2020年
- 公開元: 農林水産省
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?tstat=000001032920
- 備考: 販売を目的に日本なしを育てている経営体の面積。自分の家で食べるぶんだけの栽培は含まない。5年ごとの調査
注記: 販売を目的に日本なしを育てている経営体の面積。
自分の家で食べるぶんだけの栽培は含まない。
5年ごとの調査
