【県の収入・10年推移】歳入決算総額はコロナ期に大きく膨張

【県の収入・10年推移】歳入決算総額はコロナ期に大きく膨張

都道府県の収入が10年でどう変わったかを、47都道府県で並べて比べます。
2012年と2022年の歳入決算総額を比べた変化率です。

使うのは総務省統計局の社会・人口統計体系。

全国は50兆9,372億円から63兆7,357億円へ、25.13パーセント増えました。
増えたのが43都道府県、減ったのが4県です。

47都道府県の単純平均

22.0%

歳入決算総額の10年変化率(2012年と2022年の比較)

最も多い 東京都

56.5%

最も少ない 宮城県

-42.9%

増え方が大きかった5都県

上位5都道府県の歳入決算総額の10年変化率
上位5都道府県の歳入決算総額の10年変化率 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)(2012年と2022年の比較) 01020304050東京都: 56.5%56.5%滋賀県: 42%42%大阪府: 41.7%41.7%埼玉県: 39.9%39.9%長野県: 39.9%39.9%東京都滋賀県大阪府埼玉県長野県
上位5都道府県の歳入決算総額の10年変化率
項目歳入決算総額の10年変化率
東京都56.5%
滋賀県42%
大阪府41.7%
埼玉県39.9%
長野県39.9%
下位5都道府県の歳入決算総額の10年変化率
下位5都道府県の歳入決算総額の10年変化率 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)(2012年と2022年の比較) -40-30-20-100宮城県: -42.9%-42.9%岩手県: -28.2%-28.2%福島県: -25%-25%新潟県: -8.3%-8.3%秋田県: 5.2%5.2%宮城県岩手県福島県新潟県秋田県
下位5都道府県の歳入決算総額の10年変化率
項目歳入決算総額の10年変化率
宮城県-42.9%
岩手県-28.2%
福島県-25%
新潟県-8.3%
秋田県5.2%

増え方が大きかった上位5都県です。

東京都はプラス56.51パーセント、滋賀県はプラス42.00パーセント、大阪府はプラス41.71パーセント、埼玉県はプラス39.88パーセント、長野県はプラス39.88パーセントでした。
東京都は6兆2,330億円から9兆7,550億円へ3兆5,221億円増えています。

6位以下は福岡県プラス39.81パーセント、千葉県プラス38.90パーセント、沖縄県プラス38.53パーセントと続きます。

30パーセント以上増えたのは17都府県。
額そのものが最も多いのは東京都の9兆7,550億円です。

東北だけがマイナスなのは、復興予算が終わったからです

以下は、10年間の歳入決算総額の変化にこれだけの差がつく理由についての推測です。
統計から確かめられる話ではなく、ほかの指標との突き合わせから考えたものです。

地方別に見ると、東北6県だけがマイナス10.04パーセントで単独で沈んでいます。
ほかの7地方はすべてプラスです。

宮城県の歳入は2010年に8,564億円でした。
それが震災の翌年2011年に1兆9,725億円へ2.3倍になり、2012年は1兆9,879億円。
この記事が起点にした2012年は、復興予算が積み上がった特別な年です。
そこから2022年の1兆1,349億円まで下がったのが、マイナス42.91パーセントの中身になります。
震災前の2010年と比べればプラス32.5パーセントで、向きは逆です。

岩手県、福島県も同じ形です。
起点をどこに置くかで結論が変わる指標だということになります。

全国の増加のほうにも事情があります。
歳入は2012年から2019年までの8年間、50兆円台でほとんど動きませんでした。
それが2020年に61兆8,941億円、2021年に68兆3,243億円へ跳ね上がっています。
10年の増加分12兆7,985億円のほとんどが2020年以降に起きました。
新型コロナウイルスへの対応で国からの支出金が増えた時期です。
2022年は63兆7,357億円へ下がっており、ピークを過ぎています。

県ごとの相関を見ると、人口増減率とはプラス0.61。
人が増えている県ほど歳入も伸びていますが、課税対象所得の変化率との相関はプラス0.52にとどまります。
都道府県の歳入は地方税だけでなく国からの地方交付税や国庫支出金を含むので、県内の所得と直結しないためと考えられます。

減り方が大きかった5県

減り方が大きかった下位5県です。

宮城県はマイナス42.91パーセント、岩手県はマイナス28.23パーセント、福島県はマイナス25.00パーセント、新潟県はマイナス8.26パーセント、秋田県はプラス5.18パーセントでした。
東京都のプラス56.51パーセントとは99.42ポイントの差があります。

減ったのは宮城県、岩手県、福島県、新潟県の4県だけです。
うち3県が東日本大震災の被災地にあたります。
起点にした2012年は復興予算がピークに近い年で、そこからの反落が変化率に出ています。

1位と47位の差は99.42ポイント。
この一連の推移記事のなかで最も幅の広い分布になりました。
額そのものが最も少ないのは鳥取県の4,057億円で、高知県4,967億円、香川県5,156億円と続きます。

地方別に見る10年の変化

地方別の平均(歳入決算総額の10年変化率)
地方別の平均(歳入決算総額の10年変化率) 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)(2012年と2022年の比較) -100102030北海道: 25.4%25.4%東北: -10.0%-10.0%関東: 35.3%35.3%中部: 22.0%22.0%近畿: 30.2%30.2%中国: 19.1%19.1%四国: 17.7%17.7%九州: 30.8%30.8%北海道東北関東中部近畿中国四国九州
地方別の平均(歳入決算総額の10年変化率)
項目歳入決算総額の10年変化率の平均
北海道25.4%
東北-10.0%
関東35.3%
中部22.0%
近畿30.2%
中国19.1%
四国17.7%
九州30.8%

地方別に平均を出すと、関東が最も大きくなります。

関東7都県がプラス35.33パーセント、九州・沖縄8県がプラス30.80パーセント、近畿7府県がプラス30.15パーセント、北海道がプラス25.44パーセント、中部9県がプラス21.99パーセントと続きます。
増え方が小さいほうは中国5県がプラス19.13パーセント、四国4県がプラス17.73パーセント、東北6県がマイナス10.04パーセントでした。

関東と東北では45.38ポイントの差があります。

8地方のうち平均がマイナスになったのは東北6県だけです。
宮城県マイナス42.91パーセント、岩手県マイナス28.23パーセント、福島県マイナス25.00パーセントが押し下げました。
同じ東北でも山形県はプラス21.73パーセントで、地方の中で大きく開いています。

関東7都県のプラス35.33パーセントは、東京都プラス56.51パーセントと埼玉県プラス39.88パーセント、千葉県プラス38.90パーセントが引き上げた結果です。

地図で見る10年の変化

歳入決算総額の10年変化率(2012年と2022年の比較)
歳入決算総額の10年変化率(2012年と2022年の比較) 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)(総務省統計局)をもとに作成。単位は%。 北海道 25.4%青森 9.0%岩手 -28.2%宮城 -42.9%秋田 5.2%山形 21.7%福島 -25%茨城 18.1%栃木 30.1%群馬 32.2%埼玉 39.9%千葉 38.9%東京 56.5%神奈川 31.6%新潟 -8.3%富山 14.9%石川 13.8%福井 21.9%山梨 26.4%長野 39.9%岐阜 30.4%静岡 22.7%愛知 36.3%三重 24.0%滋賀 42%京都 28.6%大阪 41.7%兵庫 31.5%奈良 29.5%和歌山 13.8%鳥取 16.0%島根 11.1%岡山 14.9%広島 35.7%山口 17.9%徳島 17.4%香川 19.1%愛媛 21.5%高知 13.0%福岡 39.8%佐賀 38.2%長崎 15.5%熊本 33.8%大分 29.3%宮崎 28.2%鹿児島 23.1%沖縄 38.5%
歳入決算総額の10年変化率(%)
歳入決算総額の10年変化率(2012年と2022年の比較)
項目歳入決算総額の10年変化率
北海道25.4%
青森県9.0%
岩手県-28.2%
宮城県-42.9%
秋田県5.2%
山形県21.7%
福島県-25%
茨城県18.1%
栃木県30.1%
群馬県32.2%
埼玉県39.9%
千葉県38.9%
東京都56.5%
神奈川県31.6%
新潟県-8.3%
富山県14.9%
石川県13.8%
福井県21.9%
山梨県26.4%
長野県39.9%
岐阜県30.4%
静岡県22.7%
愛知県36.3%
三重県24.0%
滋賀県42%
京都府28.6%
大阪府41.7%
兵庫県31.5%
奈良県29.5%
和歌山県13.8%
鳥取県16.0%
島根県11.1%
岡山県14.9%
広島県35.7%
山口県17.9%
徳島県17.4%
香川県19.1%
愛媛県21.5%
高知県13.0%
福岡県39.8%
佐賀県38.2%
長崎県15.5%
熊本県33.8%
大分県29.3%
宮崎県28.2%
鹿児島県23.1%
沖縄県38.5%
全国の歳入決算総額(都道府県財政)の推移
全国の歳入決算総額(都道府県財政)の推移 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)(総務省統計局) 52,000,000,00054,000,000,00056,000,000,00058,000,000,00060,000,000,00062,000,000,00064,000,000,00066,000,000,00068,000,000,0002012年: 50,937,228,884%2013年: 51,572,618,009%2014年: 51,694,956,879%2015年: 52,049,883,536%2016年: 51,623,090,478%2017年: 50,889,503,989%2018年: 50,372,812,533%2019年: 50,913,965,026%2020年: 61,894,100,527%2021年: 68,324,335,245%2022年: 63,735,721,649%2012年2013年2014年2015年2016年2017年2018年2019年2020年2021年2022年
全国の歳入決算総額(都道府県財政)の推移
項目全国の歳入決算総額(都道府県財政)
2012年50,937,228,884%
2013年51,572,618,009%
2014年51,694,956,879%
2015年52,049,883,536%
2016年51,623,090,478%
2017年50,889,503,989%
2018年50,372,812,533%
2019年50,913,965,026%
2020年61,894,100,527%
2021年68,324,335,245%
2022年63,735,721,649%

日本地図で見ると、色が濃く出る(増え方が大きい)のは東京都と滋賀県、大阪府、埼玉県、長野県、福岡県、沖縄県です。
淡い(減り方が大きい)のは宮城県、岩手県、福島県、新潟県でした。

47都道府県の単純平均はプラス22.01パーセント、中央値はプラス24.02パーセントです。
全国値のプラス25.13パーセントより小さいのは、被災3県の大きなマイナスが平均を押し下げているためです。

30パーセント以上増えたのは17都府県、減ったのは4県。
1位と47位で99.42ポイントと、これまでで最も幅の広い分布になりました。

順位都道府県歳入決算総額の10年変化率(%)地方2022年の歳入決算総額(都道府県財政)2012年の歳入決算総額(都道府県財政)10年間の増減数
1東京都56.51関東975504549462329844623522061032
2滋賀県42.0近畿683731180481513597202217583
3大阪府41.71近畿394261311427821992201160413894
4埼玉県39.88関東22856226121633973624651648988
4長野県39.88中部1180398469843840157336558312
6福岡県39.81九州22777863281629176528648609800
7千葉県38.9関東22404261821613020140627406042
8沖縄県38.53九州932266646672971602259295044
9佐賀県38.23九州613699133443967483169731650
10愛知県36.27中部29247859312146263556778522375
11広島県35.73中国1221698617900106460321592157
12熊本県33.76九州1028620307769021299259599008
13群馬県32.19関東992572541750842481241730060
14神奈川県31.63関東25391557721929001739610154033
15兵庫県31.46近畿26831820882041056485642125603
16岐阜県30.35中部981072160752652570228419590
17栃木県30.09関東1010319939776646842233673097
18奈良県29.46近畿603570473466225051137345422
19大分県29.27九州736303105569572572166730533
20京都府28.64近畿1172280594911298664260981930
21宮崎県28.21九州722275169563365950158909219
22山梨県26.36中部613385091485407639127977452
23北海道25.44北海道30946548452466992981627661864
24三重県24.02近畿867829220699747787168081433
25鹿児島県23.13九州975815228792521101183294127
26静岡県22.7中部13846319981128493749256138249
27福井県21.89中部55407834245457226199506081
28山形県21.73東北716149217588292537127856680
29愛媛県21.45四国734178021604534106129643915
30香川県19.05四国51559348443307999782513487
31茨城県18.13関東13407740261134971865205802161
32山口県17.9中国776771731658831110117940621
33徳島県17.43四国56361862547994436883674257
34鳥取県15.99中国40572848834978691755941571
35長崎県15.46九州802100998694688745107412253
36岡山県14.91中国802008865697969208104039657
37富山県14.89中部64308678255973890283347880
38石川県13.8中部64945327157072171378731558
39和歌山県13.78近畿66289516758259361880301549
40高知県12.98四国49668902143962323357065788
41島根県11.11中国59989365953991075059982909
42青森県8.97東北79860098673287975465721232
43秋田県5.18東北65876503862630855332456485
44新潟県-8.26中部11933905751300812208-107421633
45福島県-25.0東北13442874541792390540-448103086
46岩手県-28.23東北8790400721224814238-345774166
47宮城県-42.91東北11348755911987900522-853024931
社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)(2012年と2022年の比較、総務省統計局)をもとに作成

このグラフについての豆知識

2020年から2021年に跳ね上がった

全国の歳入決算総額は2012年の50兆9,372億円から2019年の50兆9,140億円まで、8年間ほとんど動きませんでした。
それが2020年に61兆8,941億円、2021年に68兆3,243億円へ急に増えています。

新型コロナウイルスへの対応で、国からの支出金が大きく積み上がった時期です。
2022年は63兆7,357億円まで下がっており、山を越えたことが分かります。

2022年に歳入が最も多いのは東京都の9兆7,550億円。
最も少ない鳥取県の4,057億円とは24.0倍の開きがあります。

都道府県の歳入だけを見ている

この指標は都道府県財政の歳入決算総額です。
市町村の歳入は含みません。
県内で動いた公金の総額ではない点に注意が必要です。

また、地方税だけでなく地方交付税、国庫支出金、地方債なども含みます。
国からのお金が増えれば歳入も増えるので、県の経済力をそのまま表す指標ではありません。

数字は2012年と2022年の比較です。

順位の並びがにている記事

10年間の歳入決算総額の変化の順位を、当サイトの全記事の並びと突き合わせてみました。

0.76という高い相関を示したのが【スポーツをする人の割合】は都市部ほど高いのか、47都道府県の行動者率を比較でした。
反対に、並びがいちばん逆だったのは【平均年齢】全国47.6歳、最も若い県と最も高い県では9.4歳という開き(順位相関-0.7)です。

順位が近いことと、原因がつながっていることは別の話です。
それでも、見くらべると気づくことがあります。

地方のなかで見た歳入決算総額の10年変化率

地方最も多い(%)最も少ない(%)
東北山形県 21.73宮城県 -42.91
関東東京都 56.51茨城県 18.13
中部長野県 39.88新潟県 -8.26
近畿滋賀県 42.0和歌山県 13.78
中国広島県 35.73島根県 11.11
四国愛媛県 21.45高知県 12.98
九州福岡県 39.81長崎県 15.46
社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)(2012年と2022年の比較、総務省統計局)をもとに作成

まとめ

都道府県の収入の10年変化を比べると、最も伸びた東京都でプラス56.51パーセント、最も減った宮城県でマイナス42.91パーセントでした。
全国は25.13パーセント増、増えたのが43都道府県で減ったのが4県です。

10年間の歳入決算総額の変化の順位を見るときは、次の3点をあわせて見てください。
1つ目は、市町村の歳入を含まないこと。
2つ目は、地方交付税や国庫支出金も含むこと。
3つ目は2012年と2022年の比較であることです。

減った4県のうち3県は東日本大震災の被災地です。
起点の2012年が復興予算のピークに近い年で、宮城県は震災前の2010年と比べればプラス32.5パーセントになります。

全国の増加分12兆7,985億円のほとんどは2020年以降に起きました。
課税対象所得や県民所得を比べた記事とあわせて読んでみてください。

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出典

  • 統計名: 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)
  • 調査年: 2012年と2022年の比較
  • 公開元: 総務省統計局
  • 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/regional-statistics/ssdsview/prefectures
  • 備考: 指標コードD3101(歳入決算総額(都道府県財政))を2012年と2022年で比べた。都道府県財政の歳入決算総額。国からの支出金や地方交付税を含む。e-Stat APIで取得した値をそのまま使用

注記: 指標コードD3101(歳入決算総額(都道府県財政))を2012年と2022年で比べた。
都道府県財政の歳入決算総額。
国からの支出金や地方交付税を含む。
e-Stat APIで取得した値をそのまま使用

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