【厚生年金の加入者・10年推移】働く人が減るなかで685万人の上積み

【厚生年金の加入者・10年推移】働く人が減るなかで685万人の上積み

厚生年金に入っている人の数が10年でどう変わったかは、都道府県でどれほど違うのでしょうか。
この記事では、47都道府県の数字を比べます。
2012年と2022年の被保険者数を比べた変化率です。

使うのは総務省統計局の社会・人口統計体系。

全国は3,471万7,319人から4,156万9,435人へ、685万2,116人増えました。
47都道府県すべてがプラスで、上位ほど増え方が大きいという読み方になります。

47都道府県の単純平均

13.2%

厚生年金保険被保険者数の10年変化率(2012年と2022年の比較)

最も多い 千葉県

39.8%

最も少ない 島根県

0.4%

増え方が大きかった5都県

増え方が大きかった5都県の内訳
増え方が大きかった5都県の内訳 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)(2012年と2022年の比較) 02,000,0004,000,0006,000,0008,000,00010,000,00012,000,000千葉県(2012年の人数): 791,080人千葉県(10年で増えた数): 314,419人神奈川県(2012年の人数): 1,522,990人神奈川県(10年で増えた数): 511,587人沖縄県(2012年の人数): 288,063人沖縄県(10年で増えた数): 90,370人埼玉県(2012年の人数): 1,004,684人埼玉県(10年で増えた数): 314,344人東京都(2012年の人数): 9,798,943人東京都(10年で増えた数): 2,866,123人千葉県神奈川県沖縄県埼玉県東京都
  • 2012年の人数
  • 10年で増えた数
増え方が大きかった5都県の内訳
項目2012年の人数10年で増えた数
千葉県791,080人314,419人
神奈川県1,522,990人511,587人
沖縄県288,063人90,370人
埼玉県1,004,684人314,344人
東京都9,798,943人2,866,123人
増え方が小さかった5県の内訳
増え方が小さかった5県の内訳 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)(2012年と2022年の比較) 0100,000200,000300,000400,000500,000600,000島根県(2012年の人数): 166,024人島根県(10年で増えた数): 622人山形県(2012年の人数): 267,815人山形県(10年で増えた数): 4,430人新潟県(2012年の人数): 653,955人新潟県(10年で増えた数): 18,791人岩手県(2012年の人数): 274,333人岩手県(10年で増えた数): 11,655人高知県(2012年の人数): 158,343人高知県(10年で増えた数): 7,884人島根県山形県新潟県岩手県高知県
  • 2012年の人数
  • 10年で増えた数
増え方が小さかった5県の内訳
項目2012年の人数10年で増えた数
島根県166,024人622人
山形県267,815人4,430人
新潟県653,955人18,791人
岩手県274,333人11,655人
高知県158,343人7,884人

増え方が大きかった上位5都県です。

千葉県はプラス39.75パーセント、神奈川県はプラス33.59パーセント、沖縄県はプラス31.37パーセント、埼玉県はプラス31.29パーセント、東京都はプラス29.25パーセントでした。
千葉県は79万1,080人から110万5,499人へ31万4,419人増えています。

6位以下は茨城県プラス19.68パーセント、愛知県プラス18.70パーセント、群馬県プラス18.64パーセントと続きます。

20パーセント以上増えたのは5都県。
人数そのものが最も多いのは東京都の1,266万5,066人です。

働く人は減っているのに、加入者は685万人ふえました

なぜこういう並びになるのか、ここからは考えてみます。
以下は10年間の厚生年金保険被保険者数の変化の統計から直接読み取れることではなく、別の数字と照らして立てた推測です。

働く人の数は減っているのに、厚生年金の加入者は685万人増えました。
矛盾しているように見えます。

同じ期間の就業者数はマイナス3.30パーセント、労働力人口はマイナス5.89パーセントでした。
それでも被保険者はプラス19.74パーセント増えています。
働く人の総数が減るなかで、厚生年金に入る働き方の割合が増えたということです。
同じ10年で自営業主・家族従業者はマイナス18.09パーセント減っており、自営業から雇われる働き方への移行がここに出ていると読めます。

もうひとつ効いていそうなのが、適用の拡大です。
この期間にパートやアルバイトでも一定の条件を満たせば厚生年金に入る仕組みが広がりました。
同じ人が働いていても、加入者として数えられるようになった分が含まれます。

県ごとの相関を見ると、人口増減率とはプラス0.80、65歳以上人口割合とはマイナス0.78、就業者数の変化率とはプラス0.51。
人が増えている県ほど伸びが大きくなっています。

実数で見ると景色が変わります。
10年で増えた人数がいちばん多いのは東京都のプラス286万6,123人で、全国の増加分685万2,116人の4割を超えます。
次いで大阪府プラス51万9,408人、神奈川県プラス51万1,587人でした。

この指標は勤め先の所在地で数える点にも注意が要ります。
千葉県や埼玉県が上位に入るのは、県内で働く人が増えたということです。
東京に通勤している人は東京の数字に入ります。

増え方が小さかった5県

増え方が小さかった下位5県です。

島根県はプラス0.37パーセント、山形県はプラス1.65パーセント、新潟県はプラス2.87パーセント、岩手県はプラス4.25パーセント、高知県はプラス4.98パーセントでした。
千葉県のプラス39.75パーセントとは39.38ポイントの差があります。

島根県のプラス0.37パーセントは、16万6,024人から16万6,646人への622人増です。
全国が685万人増えるなかで、ほとんど動かなかった県になります。

5パーセント未満の伸びにとどまったのは5県。
人数そのものが最も少ないのは鳥取県の135,783人で、高知県166,227人、島根県166,646人と続きます。

地方別に見る10年の変化

地方別の平均(厚生年金保険被保険者数の10年変化率)
地方別の平均(厚生年金保険被保険者数の10年変化率) 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)(2012年と2022年の比較) 0510152025北海道: 12.8%12.8%東北: 8.2%8.2%関東: 26.2%26.2%中部: 11.2%11.2%近畿: 15.2%15.2%中国: 7.9%7.9%四国: 6.6%6.6%九州: 12.4%12.4%北海道東北関東中部近畿中国四国九州
地方別の平均(厚生年金保険被保険者数の10年変化率)
項目厚生年金保険被保険者数の10年変化率の平均
北海道12.8%
東北8.2%
関東26.2%
中部11.2%
近畿15.2%
中国7.9%
四国6.6%
九州12.4%

地方別に平均を出すと、関東が最も大きくなります。

関東7都県がプラス26.20パーセント、近畿7府県がプラス15.18パーセント、北海道がプラス12.77パーセント、九州・沖縄8県がプラス12.42パーセント、中部9県がプラス11.23パーセントと続きます。
増え方が小さいほうは東北6県がプラス8.19パーセント、中国5県がプラス7.91パーセント、四国4県がプラス6.58パーセントでした。

関東と四国では19.62ポイントの差があります。

8地方すべてがプラスです。
最も小さい四国4県でもプラス6.58パーセントでした。

関東7都県のプラス26.20パーセントは、千葉県プラス39.75パーセント、神奈川県プラス33.59パーセント、埼玉県プラス31.29パーセントが引き上げた結果です。
首都圏の周辺県で、県内の勤め先が増えた10年だったことになります。

地図で見る10年の変化

厚生年金保険被保険者数の10年変化率(2012年と2022年の比較)
厚生年金保険被保険者数の10年変化率(2012年と2022年の比較) 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)(総務省統計局)をもとに作成。単位は%。 北海道 12.8%青森 11.7%岩手 4.3%宮城 15.3%秋田 5.5%山形 1.7%福島 10.7%茨城 19.7%栃木 11.2%群馬 18.6%埼玉 31.3%千葉 39.8%東京 29.3%神奈川 33.6%新潟 2.9%富山 6.9%石川 11.0%福井 7.0%山梨 15.3%長野 10.3%岐阜 18.4%静岡 10.6%愛知 18.7%三重 16.6%滋賀 14.7%京都 15.8%大阪 16.9%兵庫 12.9%奈良 17.3%和歌山 12.1%鳥取 7.2%島根 0.4%岡山 10.7%広島 13.5%山口 7.7%徳島 9.5%香川 6.0%愛媛 6.0%高知 5.0%福岡 13.9%佐賀 7.7%長崎 5.0%熊本 15.5%大分 7.3%宮崎 10.4%鹿児島 8.1%沖縄 31.4%
厚生年金保険被保険者数の10年変化率(%)
厚生年金保険被保険者数の10年変化率(2012年と2022年の比較)
項目厚生年金保険被保険者数の10年変化率
北海道12.8%
青森県11.7%
岩手県4.3%
宮城県15.3%
秋田県5.5%
山形県1.7%
福島県10.7%
茨城県19.7%
栃木県11.2%
群馬県18.6%
埼玉県31.3%
千葉県39.8%
東京都29.3%
神奈川県33.6%
新潟県2.9%
富山県6.9%
石川県11.0%
福井県7.0%
山梨県15.3%
長野県10.3%
岐阜県18.4%
静岡県10.6%
愛知県18.7%
三重県16.6%
滋賀県14.7%
京都府15.8%
大阪府16.9%
兵庫県12.9%
奈良県17.3%
和歌山県12.1%
鳥取県7.2%
島根県0.4%
岡山県10.7%
広島県13.5%
山口県7.7%
徳島県9.5%
香川県6.0%
愛媛県6.0%
高知県5.0%
福岡県13.9%
佐賀県7.7%
長崎県5.0%
熊本県15.5%
大分県7.3%
宮崎県10.4%
鹿児島県8.1%
沖縄県31.4%
全国の厚生年金保険被保険者数の推移
全国の厚生年金保険被保険者数の推移 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)(総務省統計局) 35,000,00036,000,00037,000,00038,000,00039,000,00040,000,00041,000,0002012年: 34,717,319%2013年: 35,272,821%2014年: 35,985,388%2015年: 36,863,741%2016年: 38,217,576%2017年: 39,112,169%2018年: 39,806,245%2019年: 40,374,470%2020年: 40,472,127%2021年: 40,645,172%2022年: 41,569,435%2012年2013年2014年2015年2016年2017年2018年2019年2020年2021年2022年
全国の厚生年金保険被保険者数の推移
項目全国の厚生年金保険被保険者数
2012年34,717,319%
2013年35,272,821%
2014年35,985,388%
2015年36,863,741%
2016年38,217,576%
2017年39,112,169%
2018年39,806,245%
2019年40,374,470%
2020年40,472,127%
2021年40,645,172%
2022年41,569,435%

日本地図で見ると、色が濃く出る(増え方が大きい)のは首都圏と沖縄県、愛知県、群馬県です。
淡い(増え方が小さい)のは山陰と東北、四国、新潟県でした。

47都道府県の単純平均はプラス13.15パーセント、中央値はプラス11.20パーセントです。
全国値のプラス19.74パーセントより小さいのは、人数の多い都府県ほど増え方が大きいためです。

20パーセント以上増えたのは5都県、5パーセント未満にとどまったのは5県。
1位と47位で39.38ポイントの幅がありました。

順位都道府県厚生年金保険被保険者数の10年変化率(%)地方2022年の厚生年金保険被保険者数2012年の厚生年金保険被保険者数10年間の増減数
1千葉県39.75関東1105499791080314419
2神奈川県33.59関東20345771522990511587
3沖縄県31.37九州37843328806390370
4埼玉県31.29関東13190281004684314344
5東京都29.25関東1266506697989432866123
6茨城県19.68関東58812049142096700
7愛知県18.7中部25551262152613402513
8群馬県18.64関東51628343518281101
9岐阜県18.37中部53209044950082590
10奈良県17.32近畿20176717197729790
11大阪府16.87近畿35980293078621519408
12三重県16.58近畿39915234237656776
13京都府15.78近畿71759661980597791
14熊本県15.54九州41778936158656203
15山梨県15.34中部18900916387725132
16宮城県15.26東北56055148631874233
17滋賀県14.71近畿29150825413737371
18福岡県13.88九州14132831241008172275
19広島県13.53中国83833473839999935
20兵庫県12.88近畿12091681071152138016
21北海道12.77北海道12622561119328142928
22和歌山県12.12近畿19336517246220903
23青森県11.71東北29323126249730734
24栃木県11.2関東42542838259242836
25石川県11.03中部31998728819231795
26福島県10.72東北47251542675345762
27岡山県10.71中国50049545206048435
28静岡県10.61中部100155490546596089
29宮崎県10.4九州27259524691025685
30長野県10.3中部54752149639851123
31徳島県9.45四国18088616527015616
32鹿児島県8.11九州38075635218128575
33佐賀県7.7九州18966317609713566
34山口県7.68中国33053630696023576
35大分県7.31九州26972425135318371
36鳥取県7.24中国1357831266139170
37福井県7.01中部22156920704714522
38富山県6.86中部33672231510021622
39愛媛県5.95四国35047033078819682
39香川県5.95四国27138525614215243
41秋田県5.53東北23117521906812107
42長崎県5.01九州28755927384213717
43高知県4.98四国1662271583437884
44岩手県4.25東北28598827433311655
45新潟県2.87中部67274665395518791
46山形県1.65東北2722452678154430
47島根県0.37中国166646166024622
社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)(2012年と2022年の比較、総務省統計局)をもとに作成

このグラフについての豆知識

一度も下がらずに増え続けている

全国の厚生年金保険被保険者数は2012年の3,471万7,319人から2022年の4,156万9,435人へ、685万2,116人増えました。
折れ線は11時点すべてで前年を上回っており、一度も下がっていません。

2020年から2021年にかけての伸びは17万3,045人と最も小さく、新型コロナウイルスの影響がうかがえます。
翌2022年は92万4,263人増と戻りました。

2022年に被保険者が最も多いのは東京都の1,266万5,066人。
最も少ない鳥取県の135,783人とは93.3倍の開きがあります。

勤め先の所在地で数える

この指標は第1号から第4号までを合わせた厚生年金保険の被保険者数です。
勤め先の事業所がある県で数えるため、住んでいる県とはずれます。

東京都の被保険者が1,266万人と人口を超えているのは、県外から通勤している人が含まれるためです。
県の人口と比べて読むことはできません。

数字は2012年と2022年の比較です。

順位の並びがにている記事

この10年間の厚生年金保険被保険者数の変化の並びに近い記事を、全記事の順位から機械で洗い出しました。

0.9という高い相関を示したのが【年金がつく職場・10年推移】47都道府県すべてでふえ、10年で1.5倍にでした。
最も食い違ったのは【高齢者の割合】を47都道府県で比較すると地域差は16.8ポイント(順位相関-0.79)でした。

相関は因果ではないので、関係があると決めつけることはできません。
見くらべる手がかりとして使ってください。

地方のなかで見た厚生年金保険被保険者数の10年変化率

地方最も多い(%)最も少ない(%)
東北宮城県 15.26山形県 1.65
関東千葉県 39.75栃木県 11.2
中部愛知県 18.7新潟県 2.87
近畿奈良県 17.32和歌山県 12.12
中国広島県 13.53島根県 0.37
四国徳島県 9.45高知県 4.98
九州沖縄県 31.37長崎県 5.01
社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)(2012年と2022年の比較、総務省統計局)をもとに作成

まとめ

厚生年金に入っている人の数の10年変化を比べると、最も伸びた千葉県でプラス39.75パーセント、最も小さい島根県でもプラス0.37パーセントでした。
全国は685万2,116人増、47都道府県すべてがプラスです。

10年間の厚生年金保険被保険者数の変化をほかの数字と見くらべる前に、3つ確かめてください。
1つ目は、勤め先の所在地で数えること。
2つ目は、県の人口と比べられないこと。
3つ目は2012年と2022年の比較であることです。

同じ10年で就業者数はマイナス3.30パーセント、自営業主・家族従業者はマイナス18.09パーセント。
働く人が減るなかで、厚生年金に入る働き方の割合が増えました。

実数では東京都のプラス286万6,123人が、全国の増加分の4割を超えます。
自営業の人数や就業者数を比べた記事とあわせて読んでみてください。

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出典

  • 統計名: 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)
  • 調査年: 2012年と2022年の比較
  • 公開元: 総務省統計局
  • 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/regional-statistics/ssdsview/prefectures
  • 備考: 指標コードJ5102(厚生年金保険被保険者数)を2012年と2022年で比べた。第1号から第4号までを合わせた被保険者数。勤め先の所在地で数える。e-Stat APIで取得した値をそのまま使用

注記: 指標コードJ5102(厚生年金保険被保険者数)を2012年と2022年で比べた。
第1号から第4号までを合わせた被保険者数。
勤め先の所在地で数える。
e-Stat APIで取得した値をそのまま使用

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