【博物館の数】全国1,305の博物館を比べると、施設数は人口だけでは決まりません

【博物館の数】全国1,305の博物館を比べると、施設数は人口だけでは決まりません

博物館が何館あるのかは、都道府県でどれほど違うのでしょうか。
この記事では、47都道府県の数字を比べます。

使うのは文部科学省の社会教育調査(令和3年度、2021年10月1日現在)で、博物館法に基づく登録博物館と博物館相当施設の合計です。

全国の博物館は1,305館。
人口あたりで比べた記事も公開していますが、この記事では割り算をせず、館の数そのままで並べます。

47都道府県の単純平均

28館

博物館数(令和3年度(2021年10月1日現在))

最も多い 東京都

113館

最も少ない 青森県

5館

地図で見る博物館の数

博物館数(令和3年度(2021年10月1日現在))
博物館数(令和3年度(2021年10月1日現在)) 社会教育調査(博物館調査)(文部科学省)をもとに作成。単位は館。 北海道 66館青森 5館岩手 21館宮城 17館秋田 11館山形 16館福島 13館茨城 25館栃木 25館群馬 26館埼玉 26館千葉 44館東京 113館神奈川 51館新潟 37館富山 37館石川 31館福井 22館山梨 21館長野 83館岐阜 23館静岡 43館愛知 43館三重 21館滋賀 15館京都 38館大阪 38館兵庫 36館奈良 22館和歌山 13館鳥取 7館島根 21館岡山 33館広島 30館山口 24館徳島 11館香川 15館愛媛 25館高知 17館福岡 30館佐賀 13館長崎 16館熊本 19館大分 16館宮崎 8館鹿児島 20館沖縄 18館
博物館数(館)
博物館数(令和3年度(2021年10月1日現在))
項目博物館数
北海道66館
青森県5館
岩手県21館
宮城県17館
秋田県11館
山形県16館
福島県13館
茨城県25館
栃木県25館
群馬県26館
埼玉県26館
千葉県44館
東京都113館
神奈川県51館
新潟県37館
富山県37館
石川県31館
福井県22館
山梨県21館
長野県83館
岐阜県23館
静岡県43館
愛知県43館
三重県21館
滋賀県15館
京都府38館
大阪府38館
兵庫県36館
奈良県22館
和歌山県13館
鳥取県7館
島根県21館
岡山県33館
広島県30館
山口県24館
徳島県11館
香川県15館
愛媛県25館
高知県17館
福岡県30館
佐賀県13館
長崎県16館
熊本県19館
大分県16館
宮崎県8館
鹿児島県20館
沖縄県18館

日本地図で見ると、色が濃く出るのは関東の南部と中部の内陸、そして北海道です。
逆に淡いのは東北と九州、山陰でした。

47都道府県の単純平均は28館、中央値は22館です。
上下の差は22.6倍で、施設を数えた指標としては大きな開きです。
平均を超えたのは16都道府県でした。

下の表に47都道府県すべての館数を、人口100万人あたりの館数と美術博物館数と並べて掲載しました。
実数と人口あたりを見比べてみてください。

順位都道府県博物館数(館)地方人口100万人あたり博物館数美術博物館数
1東京都113関東7.9745
2長野県83中部41.7739
3北海道66北海道13.0918
4神奈川県51関東5.5317
5千葉県44関東7.0410
6愛知県43中部5.7618
6静岡県43中部12.1916
8京都府38近畿15.0815
8大阪府38近畿4.3410
10新潟県37中部17.6316
10富山県37中部37.1113
12兵庫県36近畿6.758
13岡山県33中国18.0216
14石川県31中部28.2316
15広島県30中国11.0513
15福岡県30九州5.898
17群馬県26関東13.7613
17埼玉県26関東3.557
19愛媛県25四国19.599
19茨城県25関東8.917
19栃木県25関東13.2611
22山口県24中国18.748
23岐阜県23中部12.07
24奈良県22近畿17.127
24福井県22中部29.776
26岩手県21東北18.344
26三重県21近畿12.276
26山梨県21中部26.5510
26島根県21中国32.7110
30鹿児島県20九州13.059
31熊本県19九州11.23
32沖縄県18九州12.282
33宮城県17東北7.566
33高知県17四国25.915
35山形県16東北15.836
35大分県16九州14.753
35長崎県16九州12.782
38香川県15四国16.366
38滋賀県15近畿10.76
40佐賀県13九州16.57
40福島県13東北7.465
40和歌山県13近畿14.771
43秋田県11東北12.263
43徳島県11四国16.062
45宮崎県8九州7.743
46鳥取県7中国13.183
47青森県5東北4.292
社会教育調査(博物館調査)(令和3年度(2021年10月1日現在)、文部科学省)をもとに作成

博物館の数が多い5都道県

上位5都道府県の博物館数
上位5都道府県の博物館数 社会教育調査(博物館調査)(令和3年度(2021年10月1日現在)) 020406080100東京都: 113館113館長野県: 83館83館北海道: 66館66館神奈川県: 51館51館千葉県: 44館44館東京都長野県北海道神奈川県千葉県
上位5都道府県の博物館数
項目博物館数
東京都113館
長野県83館
北海道66館
神奈川県51館
千葉県44館
下位5都道府県の博物館数
下位5都道府県の博物館数 社会教育調査(博物館調査)(令和3年度(2021年10月1日現在)) 0246810青森県: 5館5館鳥取県: 7館7館宮崎県: 8館8館秋田県: 11館11館徳島県: 11館11館青森県鳥取県宮崎県秋田県徳島県
下位5都道府県の博物館数
項目博物館数
青森県5館
鳥取県7館
宮崎県8館
秋田県11館
徳島県11館

博物館の数が多い上位5都道県です。

東京都は113館、長野県は83館、北海道は66館、神奈川県は51館、千葉県は44館でした。
上位5都道県を合計すると357館で、全国の27.4パーセントを占めます。

2位に長野県が入っているのが目を引きます。
人口は199万人で全国16位。
1位の東京都1,418万人と比べると7分の1ほどしかありません。
それでも館の数では83館と、東京都の113館に迫ります。
人口の多い都府県が上位を占める実数のランキングで、これは珍しい形です。

6位以下も43館、43館、38館と続きます。
40館を超えたのは7都道県でした。

上位5都道県のうち4つは関東と北海道です。
人口の多い地域が上位に来る実数のランキングのなかで、長野県だけが例外的な位置にいます。

2位の県は人口が7分の1しかない

ここからは統計から離れて、長野県が2位に入った理由を考えてみます。
以下は確かめられた事実ではなく、別のデータと突き合わせて立てた推測です。

長野県の83館は、人口199万人に対する数です。
人口100万人あたりに直すと41.77館で、これは全国1位でした。
実数でも人口あたりでも上位という県は、このメディアで扱ってきた指標のなかでもほとんどありません。

内訳を見ると、長野県の83館のうち39館が美術博物館で、47.0パーセントを占めます。
全国では35.0パーセントですから、美術館の比率が高い県だということになります。

考えられるのは、市町村の数と観光地の多さです。
長野県の市町村数は77で、北海道の179に次いで全国2位。
施設が各地に分散しやすい構造があります。
また避暑地や観光地に私設の美術館が置かれることも多いと言われます。

ただしこれらは統計で確かめた話ではありません。
市町村数と博物館数の関係を調べたわけではなく、あくまで数字を並べた範囲での推測です。

なお3位の北海道は66館。
市町村数は179で全国1位ですが、館の数では長野県に及びません。
市町村が多ければ博物館も多い、という単純な関係にはなっていないようです。

人口で割ると1位が入れ替わる

人口100万人あたり博物館数の上位5都道府県
人口100万人あたり博物館数の上位5都道府県 社会教育調査(博物館調査)(令和3年度(2021年10月1日現在)) 010203040長野県: 41.8館41.8館富山県: 37.1館37.1館島根県: 32.7館32.7館福井県: 29.8館29.8館石川県: 28.2館28.2館長野県富山県島根県福井県石川県
人口100万人あたり博物館数の上位5都道府県
項目人口100万人あたり博物館数
長野県41.8館
富山県37.1館
島根県32.7館
福井県29.8館
石川県28.2館

人口100万人あたりに直すと、1位が入れ替わります。
1位は長野県の41.77館、2位は富山県の37.11館、3位は島根県の32.71館、4位は福井県の29.77館、5位は石川県の28.23館でした。

実数1位の東京都は7.97館で36位まで下がります。
実数2位の長野県は人口あたりでは1位。
この2つのランキングをまたいで上位に残るのは長野県だけです。

同じ1,305館を数えているのに、割り算をするかどうかで景色が変わります。

博物館の数が少ない5県

博物館の数が少ない下位5県です。
43位が同数で2県あるため、5県を掲載します。

青森県は5館、鳥取県は7館、宮崎県は8館、43位は秋田県と徳島県の11館でした。
東京都の113館と青森県の5館では22.6倍の差があります。

下位に並んだ県は、いずれも人口が130万人を下回ります。
ただし人口だけでは説明できません。
人口64万人の島根県は21館で、人口116万人の青森県より多くなっています。

青森県は人口100万人あたりでも4.29館で46位。
実数でも人口あたりでも下位という県です。

なお下位の県でも博物館類似施設まで含めれば、もっと多くの施設があります。
この記事の数字は登録博物館と博物館相当施設に限ったものです。

下位5県を合計しても42館で、1位の東京都1都の4割ほどにしかなりません。

地方別に見る博物館の数

地方別の平均(博物館数)
地方別の平均(博物館数) 社会教育調査(博物館調査)(令和3年度(2021年10月1日現在)) 0102030405060北海道: 66館66館東北: 14館14館関東: 44館44館中部: 38館38館近畿: 26館26館中国: 23館23館四国: 17館17館九州: 18館18館北海道東北関東中部近畿中国四国九州
地方別の平均(博物館数)
項目博物館数の平均
北海道66館
東北14館
関東44館
中部38館
近畿26館
中国23館
四国17館
九州18館

地方別に平均を出すと、北海道と関東の多さが目立ちます。

最も多いのは北海道の66館です。
1道だけの数字なので他とは単純に比べられませんが、県の集まりで見ると関東7都県の平均44館が最も多く、中部9県が38館、近畿7府県が26館と続きます。

少ないほうを見ると、中国5県が23館、九州8県が18館、四国4県が17館、東北6県が14館でした。
最も多い関東と最も少ない東北では3.1倍の差があります。

人口の多い地方が上位に来るという、実数のランキングらしい並びです。
ただし中部が2位に入るのは、長野県の83館が押し上げているためです。

このグラフについての豆知識

種類別の内訳

社会教育調査では、博物館を種類別に集計しています。
全国1,305館の内訳は、歴史博物館が476館で最も多く、次いで美術博物館が457館、総合博物館が157館、科学博物館が100館です。

このほか水族館が43館、動物園が36館、野外博物館が18館、植物園が11館、動植物園が7館あります。
動物園や水族館も博物館の一種として集計されている点は、意外に思われるかもしれません。

歴史博物館と美術博物館の差は19館。
日本の博物館は、歴史を扱うものと美術を扱うものがほぼ半分ずつという構成になっています。

博物館類似施設は含まない

社会教育調査では、博物館法に基づく登録博物館・博物館相当施設と、それ以外の博物館類似施設を分けて集計しています。
この記事の1,305館は前者だけです。

博物館類似施設まで含めると全国で4,000館を超えます。
郷土資料館や記念館の多くは類似施設に分類されるため、「その県で見学できる施設の数」とはかなりずれます。

調査は3年ごとに行われ、令和3年度が直近です。
他の資料と数字を見比べるときは、類似施設を含むかどうかを確かめてください。

順位の並びがにている記事

博物館の館数とよく似た並びになる記事が、当サイトにあるか探しました。

いちばん近かったのは【特別展を開いた博物館】全国996館、企画を支える学芸員で、順位相関は0.96でした。
逆に、ほぼ裏返しの並びになったのが【スーパーの数】が多いのは大都市ではありませんでした、人口あたりで比較(相関-0.66)でした。

相関は因果ではないので、関係があると決めつけることはできません。
見くらべる手がかりとして使ってください。

地方のなかで見た博物館数

地方最も多い(館)最も少ない(館)
東北岩手県 21青森県 5
関東東京都 113栃木県 25
中部長野県 83山梨県 21
近畿京都府 38和歌山県 13
中国岡山県 33鳥取県 7
四国愛媛県 25徳島県 11
九州福岡県 30宮崎県 8
社会教育調査(博物館調査)(令和3年度(2021年10月1日現在)、文部科学省)をもとに作成

まとめ

47都道府県の博物館の数を比べると、東京都は113館、青森県は5館で、その差は22.6倍でした。
全国の合計は1,305館で、上位5都道県だけで27.4パーセントを占めます。
地方別では関東が平均44館と最も多く、東北が14館で最も少ない結果になりました。

博物館の館数の順位を見るときは、次の3点をあわせて見てください。
1つ目は、博物館類似施設が含まれないことです。
2つ目は、動物園や水族館も博物館の一種として集計されていることです。
3つ目は時点で、令和3年度(2021年10月1日現在)の調査です。

2位の県は1位の7分の1の人口しかありません。
実数でも人口あたりでも上位に残る、珍しい県です。

博物館は、その土地の歴史や自然を残す施設です。
人口あたりで比べた記事とあわせて読んでみてください。

関連記事

出典

  • 統計名: 社会教育調査(博物館調査)
  • 調査年: 令和3年度(2021年10月1日現在)
  • 公開元: 文部科学省
  • 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040038498
  • 備考: 博物館法に基づく登録博物館と博物館相当施設の合計。博物館類似施設は含まない。人口100万人あたりの館数は2024年10月1日現在の人口推計で割って算出した

注記: 博物館法に基づく登録博物館と博物館相当施設の合計。
博物館類似施設は含まない。
人口100万人あたりの館数は2024年10月1日現在の人口推計で割って算出した

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