なすは全国で広くつくられている野菜です。
とれた量ではなく、育てている畑の広さで見ると、また違う県が上位に来ます。
使ったのは農林水産省「2020年農林業センサス」のデータです。
全国3,179ヘクタールのうち、群馬県が271ヘクタールで1位。
ただし1位のシェアは8.5%、1位と47位の差も24.6倍にとどまります。
どちらもこの記事で扱う野菜17品目のなかで最も小さい数字です。
47都道府県の単純平均
68ha
なすの作付面積(2020年)
最も多い 群馬県
271ha
最も少ない 沖縄県
11ha
なすが多い5県
なすの作付面積が広い上位5県です。
群馬県は271ヘクタール、高知県は237ヘクタール、熊本県は236ヘクタール、茨城県は233ヘクタール、栃木県は183ヘクタールでした。
群馬県は2位の高知県の1.14倍で、上位はほとんど並んでいます。
6位以下は福岡県161ヘクタール、京都府146ヘクタール、埼玉県115ヘクタールと続きます。
上位3県で全国の23.4パーセント、上位5県で36.5パーセント、上位10県で55.7パーセントを占めます。
上位10県でも6割に届かず、この記事で扱う野菜のなかで最も産地が分かれた品目です。
1位のシェアも1位と47位の差も、野菜でいちばん小さい
ここからは統計を離れて、なすの作付面積の背景を推測します。
確かめられた事実ではなく、ほかの数字と並べて考えた見立てとして読んでください。
この品目は、産地という言葉が当てはまりにくい野菜です。
1位のシェアは8.5パーセント。
たまねぎの65.9パーセント、やまのいもの40.9パーセントと比べると、1位の重みがまるで違います。
上位10県を合わせても55.7パーセントで、残る37都道府県に4割以上が分かれています。
1位と47位の差も24.6倍。
この記事で扱う野菜のなかで最も小さく、47都道府県すべてに似た規模の産地があることを示します。
作付経営体数は42,366で、1位は神奈川県2,164、2位は埼玉県2,024、3位は東京都1,790、4位は群馬県1,788、5位は千葉県1,595。
首都圏が並びます。
東京都が3位に入るのは、この記事で扱う野菜のなかでもめずらしい形です。
1経営体あたりの面積は全国で0.08ヘクタール。
ピーマンと並んで最も小さい数字です。
広いのは熊本県0.21ヘクタール、高知県0.19ヘクタール、群馬県0.15ヘクタール。
狭いのは静岡県と兵庫県の0.03ヘクタールでした。
地方別では関東7都県が33.1パーセント、九州・沖縄8県が17.3パーセント、四国4県が11.8パーセント、中部9県が11.5パーセント、東北6県が10.7パーセント、近畿7府県が10.3パーセント。
8地方のうち5地方が10パーセントを超えます。
実数で見ると順位は変わる
なすが少ない5県
なすの作付面積が狭い下位5県です。
沖縄県は11ヘクタール、石川県は12ヘクタール、福井県は12ヘクタール、鳥取県は12ヘクタール、滋賀県は15ヘクタールでした。
群馬県の271ヘクタールとは24.6倍の差があります。
24.6倍という開きは、この記事で扱う野菜17品目のなかで最も小さい数字です。
2番目に小さいきゅうりでも65.0倍、レタスは4,261倍でした。
なすはどの県でも同じくらい作られていることになります。
47都道府県の中央値は40ヘクタール。
栽培がゼロの県はひとつもありません。
地方別に見る
地方別に合計を出すと、関東が最も大きくなります。
関東7都県が全国の33.1パーセント、九州・沖縄8県が17.3パーセント、四国4県が11.8パーセント、中部9県が11.5パーセントと続きます。
少ないほうは東北6県が10.7パーセント、近畿7府県が10.3パーセント、中国5県が4.7パーセント、北海道が0.8パーセントでした。
8地方のうち5地方が10パーセントを超えます。
この記事で扱う野菜のなかで、これだけ均等に分かれる品目はほかにありません。
北海道の0.8パーセント、25ヘクタールという小ささが目を引きます。
だいこんでは17.9パーセント、にんじんでは31.7パーセントを占めていた北海道が、なすではほとんど作っていません。
なすは暖かい土地の作物だということがうかがえます。
地図で見る
| 項目 | なすの作付面積 |
|---|---|
| 北海道 | 25ha |
| 青森県 | 18ha |
| 岩手県 | 54ha |
| 宮城県 | 52ha |
| 秋田県 | 45ha |
| 山形県 | 77ha |
| 福島県 | 94ha |
| 茨城県 | 233ha |
| 栃木県 | 183ha |
| 群馬県 | 271ha |
| 埼玉県 | 115ha |
| 千葉県 | 91ha |
| 東京都 | 66ha |
| 神奈川県 | 92ha |
| 新潟県 | 64ha |
| 富山県 | 26ha |
| 石川県 | 12ha |
| 福井県 | 12ha |
| 山梨県 | 55ha |
| 長野県 | 40ha |
| 岐阜県 | 28ha |
| 静岡県 | 33ha |
| 愛知県 | 95ha |
| 三重県 | 16ha |
| 滋賀県 | 15ha |
| 京都府 | 146ha |
| 大阪府 | 58ha |
| 兵庫県 | 37ha |
| 奈良県 | 32ha |
| 和歌山県 | 22ha |
| 鳥取県 | 12ha |
| 島根県 | 30ha |
| 岡山県 | 51ha |
| 広島県 | 29ha |
| 山口県 | 26ha |
| 徳島県 | 57ha |
| 香川県 | 44ha |
| 愛媛県 | 36ha |
| 高知県 | 237ha |
| 福岡県 | 161ha |
| 佐賀県 | 34ha |
| 長崎県 | 27ha |
| 熊本県 | 236ha |
| 大分県 | 30ha |
| 宮崎県 | 34ha |
| 鹿児島県 | 17ha |
| 沖縄県 | 11ha |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは群馬県、高知県、熊本県、茨城県、栃木県です。
関東北部、四国、九州中部に分かれて濃くなります。
ただし色の差は小さく、この記事で扱う野菜のなかでは最ものっぺりした地図になります。
47都道府県の平均は67.6ヘクタール、中央値は40ヘクタールです。
群馬県の271ヘクタールは平均の4.0倍にあたります。
上位3県で23.4パーセント、栽培がゼロの県はありません。
1位と47位で24.6倍の開きがありました。
| 順位 | 都道府県 | なすの作付面積(ha) | 地方 | なすの作付経営体数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 群馬県 | 271 | 関東 | 1788 |
| 2 | 高知県 | 237 | 四国 | 1272 |
| 3 | 熊本県 | 236 | 九州 | 1135 |
| 4 | 茨城県 | 233 | 関東 | 1551 |
| 5 | 栃木県 | 183 | 関東 | 1556 |
| 6 | 福岡県 | 161 | 九州 | 1317 |
| 7 | 京都府 | 146 | 近畿 | 1009 |
| 8 | 埼玉県 | 115 | 関東 | 2024 |
| 9 | 愛知県 | 95 | 中部 | 1307 |
| 10 | 福島県 | 94 | 東北 | 1540 |
| 11 | 神奈川県 | 92 | 関東 | 2164 |
| 12 | 千葉県 | 91 | 関東 | 1595 |
| 13 | 山形県 | 77 | 東北 | 1155 |
| 14 | 東京都 | 66 | 関東 | 1790 |
| 15 | 新潟県 | 64 | 中部 | 1476 |
| 16 | 大阪府 | 58 | 近畿 | 774 |
| 17 | 徳島県 | 57 | 四国 | 582 |
| 18 | 山梨県 | 55 | 中部 | 614 |
| 19 | 岩手県 | 54 | 東北 | 1036 |
| 20 | 宮城県 | 52 | 東北 | 1087 |
| 21 | 岡山県 | 51 | 中国 | 974 |
| 22 | 秋田県 | 45 | 東北 | 814 |
| 23 | 香川県 | 44 | 四国 | 379 |
| 24 | 長野県 | 40 | 中部 | 1239 |
| 25 | 兵庫県 | 37 | 近畿 | 1243 |
| 26 | 愛媛県 | 36 | 四国 | 711 |
| 27 | 宮崎県 | 34 | 九州 | 296 |
| 27 | 佐賀県 | 34 | 九州 | 396 |
| 29 | 静岡県 | 33 | 中部 | 1074 |
| 30 | 奈良県 | 32 | 近畿 | 483 |
| 31 | 大分県 | 30 | 九州 | 578 |
| 31 | 島根県 | 30 | 中国 | 680 |
| 33 | 広島県 | 29 | 中国 | 894 |
| 34 | 岐阜県 | 28 | 中部 | 827 |
| 35 | 長崎県 | 27 | 九州 | 518 |
| 36 | 山口県 | 26 | 中国 | 773 |
| 36 | 富山県 | 26 | 中部 | 307 |
| 38 | 北海道 | 25 | 北海道 | 455 |
| 39 | 和歌山県 | 22 | 近畿 | 374 |
| 40 | 青森県 | 18 | 東北 | 359 |
| 41 | 鹿児島県 | 17 | 九州 | 349 |
| 42 | 三重県 | 16 | 近畿 | 432 |
| 43 | 滋賀県 | 15 | 近畿 | 428 |
| 44 | 石川県 | 12 | 中部 | 254 |
| 44 | 鳥取県 | 12 | 中国 | 369 |
| 44 | 福井県 | 12 | 中部 | 294 |
| 47 | 沖縄県 | 11 | 九州 | 94 |
このグラフについての豆知識
冬春と夏秋の内訳は分からない
なすは作型によって冬春なすと夏秋なすに分かれますが、このセンサスでは合計だけが分かります。
高知県と熊本県は冬春、群馬県と茨城県は夏秋の産地として知られます。
上位に両方の型の県が混ざっていることになりますが、それを数字で確かめることはできません。
野菜のなかで最も差が小さい
1位のシェア8.5パーセント、上位10県のシェア55.7パーセント、1位と47位の差24.6倍。
いずれもこの記事で扱う野菜17品目のなかで最も小さい数字です。
作付面積は3,179ヘクタールでピーマンに次いで小さいのに、作付経営体数は42,366と多め。
全国どこでも少しずつ作られている野菜だといえます。
数字は2020年のものです。
5年ごとの調査で、次は2025年の結果が出ます。
順位の並びがにている記事
このなすの作付面積の並びに近い記事を、全記事の順位から機械で洗い出しました。
0.87という高い相関を示したのが【なす・収穫量】全国28万200t、1位と最下位の差が40.7倍と小さいでした。
逆に、ほぼ裏返しの並びになったのが【ひとりが使う部屋数】全国1.93室、差は1.52倍(相関-0.47)でした。
順位が近いことと、原因がつながっていることは別の話です。
それでも、見くらべると気づくことがあります。
地方のなかで見たなすの作付面積
| 地方 | 最も多い(ha) | 最も少ない(ha) |
|---|---|---|
| 東北 | 福島県 94 | 青森県 18 |
| 関東 | 群馬県 271 | 東京都 66 |
| 中部 | 愛知県 95 | 福井県 12 |
| 近畿 | 京都府 146 | 滋賀県 15 |
| 中国 | 岡山県 51 | 鳥取県 12 |
| 四国 | 高知県 237 | 愛媛県 36 |
| 九州 | 熊本県 236 | 沖縄県 11 |
まとめ
なすの作付面積を47都道府県で比べると、最も広い群馬県で271ヘクタール、最も狭い沖縄県で11ヘクタールでした。
1位のシェア8.5パーセント、1位と47位の差24.6倍は、いずれもこの記事で扱う野菜のなかで最も小さい数字です。
なすの作付面積をほかの数字と見くらべる前に、3つ確かめてください。
1つ目は、作型の内訳が分からないこと。
2つ目は、販売目的の栽培だけを数えていること。
3つ目は5年ごとの調査で2020年の数字であることです。
上位10県を合わせても55.7パーセント。
8地方のうち5地方が10パーセントを超え、産地がきわめて均等に分かれます。
作付経営体数は42,366で、1位は神奈川県2,164、3位に東京都1,790が入ります。
1経営体あたりは0.08ヘクタールで、ピーマンと並んで最小でした。
きゅうりやトマトを比べた記事とあわせて読んでみてください。
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- 【なす・収穫量】全国28万200t、1位と最下位の差が40.7倍と小さい
出典
- 統計名: 2020年農林業センサス(第1巻 都道府県別統計書)
- 調査年: 2020年
- 公開元: 農林水産省
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?tstat=000001032920
- 備考: 販売を目的になすを育てている経営体の面積。自分の家で食べるぶんだけの栽培は含まない。5年ごとの調査
注記: 販売を目的になすを育てている経営体の面積。
自分の家で食べるぶんだけの栽培は含まない。
5年ごとの調査
