同じきゅうりでも、とれた量で見るか、育てている畑の広さで見るかで順位は変わります。
ハウスで年に何度も収穫する産地と、露地で一度だけ育てる産地では、同じ面積からとれる量が大きく違うためです。
今回は47都道府県のきゅうりの作付面積を、農林水産省の「2020年農林業センサス」のデータを使って比べました。
全国4,742ヘクタールのうち、宮崎県が520ヘクタール、福島県が517ヘクタール。
1位と2位の差は3ヘクタールしかありません。
1位のシェアも11.0%で、産地が広く分かれています。
47都道府県の単純平均
101ha
きゅうりの作付面積(2020年)
最も多い 宮崎県
520ha
最も少ない 富山県
8ha
地図で見る
| 項目 | きゅうりの作付面積 |
|---|---|
| 北海道 | 122ha |
| 青森県 | 38ha |
| 岩手県 | 142ha |
| 宮城県 | 97ha |
| 秋田県 | 82ha |
| 山形県 | 117ha |
| 福島県 | 517ha |
| 茨城県 | 161ha |
| 栃木県 | 107ha |
| 群馬県 | 392ha |
| 埼玉県 | 291ha |
| 千葉県 | 324ha |
| 東京都 | 53ha |
| 神奈川県 | 105ha |
| 新潟県 | 65ha |
| 富山県 | 8ha |
| 石川県 | 18ha |
| 福井県 | 14ha |
| 山梨県 | 52ha |
| 長野県 | 133ha |
| 岐阜県 | 38ha |
| 静岡県 | 51ha |
| 愛知県 | 68ha |
| 三重県 | 16ha |
| 滋賀県 | 17ha |
| 京都府 | 46ha |
| 大阪府 | 29ha |
| 兵庫県 | 36ha |
| 奈良県 | 20ha |
| 和歌山県 | 33ha |
| 鳥取県 | 12ha |
| 島根県 | 20ha |
| 岡山県 | 30ha |
| 広島県 | 30ha |
| 山口県 | 27ha |
| 徳島県 | 45ha |
| 香川県 | 48ha |
| 愛媛県 | 95ha |
| 高知県 | 115ha |
| 福岡県 | 86ha |
| 佐賀県 | 76ha |
| 長崎県 | 74ha |
| 熊本県 | 227ha |
| 大分県 | 41ha |
| 宮崎県 | 520ha |
| 鹿児島県 | 67ha |
| 沖縄県 | 37ha |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは宮崎県と福島県です。
次いで群馬県、千葉県、埼玉県が続きます。
南九州、南東北、関東北部の3か所が濃くなる分布です。
北陸と中国地方は淡い色が続きます。
47都道府県の平均は100.9ヘクタール、中央値は53ヘクタールです。
宮崎県の520ヘクタールは平均の5.2倍にあたります。
上位3県で30.1パーセント、栽培がゼロの県はありません。
1位と47位で65.0倍の開きがありました。
| 順位 | 都道府県 | きゅうりの作付面積(ha) | 地方 | きゅうりの作付経営体数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 宮崎県 | 520 | 九州 | 1744 |
| 2 | 福島県 | 517 | 東北 | 3180 |
| 3 | 群馬県 | 392 | 関東 | 1871 |
| 4 | 千葉県 | 324 | 関東 | 1819 |
| 5 | 埼玉県 | 291 | 関東 | 2590 |
| 6 | 熊本県 | 227 | 九州 | 1017 |
| 7 | 茨城県 | 161 | 関東 | 1284 |
| 8 | 岩手県 | 142 | 東北 | 1558 |
| 9 | 長野県 | 133 | 中部 | 1871 |
| 10 | 北海道 | 122 | 北海道 | 827 |
| 11 | 山形県 | 117 | 東北 | 1117 |
| 12 | 高知県 | 115 | 四国 | 718 |
| 13 | 栃木県 | 107 | 関東 | 1212 |
| 14 | 神奈川県 | 105 | 関東 | 2141 |
| 15 | 宮城県 | 97 | 東北 | 1277 |
| 16 | 愛媛県 | 95 | 四国 | 925 |
| 17 | 福岡県 | 86 | 九州 | 892 |
| 18 | 秋田県 | 82 | 東北 | 846 |
| 19 | 佐賀県 | 76 | 九州 | 447 |
| 20 | 長崎県 | 74 | 九州 | 682 |
| 21 | 愛知県 | 68 | 中部 | 1018 |
| 22 | 鹿児島県 | 67 | 九州 | 492 |
| 23 | 新潟県 | 65 | 中部 | 1208 |
| 24 | 東京都 | 53 | 関東 | 1812 |
| 25 | 山梨県 | 52 | 中部 | 615 |
| 26 | 静岡県 | 51 | 中部 | 1139 |
| 27 | 香川県 | 48 | 四国 | 367 |
| 28 | 京都府 | 46 | 近畿 | 909 |
| 29 | 徳島県 | 45 | 四国 | 377 |
| 30 | 大分県 | 41 | 九州 | 539 |
| 31 | 岐阜県 | 38 | 中部 | 711 |
| 31 | 青森県 | 38 | 東北 | 542 |
| 33 | 沖縄県 | 37 | 九州 | 213 |
| 34 | 兵庫県 | 36 | 近畿 | 1112 |
| 35 | 和歌山県 | 33 | 近畿 | 400 |
| 36 | 岡山県 | 30 | 中国 | 781 |
| 36 | 広島県 | 30 | 中国 | 844 |
| 38 | 大阪府 | 29 | 近畿 | 564 |
| 39 | 山口県 | 27 | 中国 | 635 |
| 40 | 島根県 | 20 | 中国 | 616 |
| 40 | 奈良県 | 20 | 近畿 | 446 |
| 42 | 石川県 | 18 | 中部 | 260 |
| 43 | 滋賀県 | 17 | 近畿 | 364 |
| 44 | 三重県 | 16 | 近畿 | 396 |
| 45 | 福井県 | 14 | 中部 | 292 |
| 46 | 鳥取県 | 12 | 中国 | 329 |
| 47 | 富山県 | 8 | 中部 | 202 |
きゅうりが多い5県
きゅうりの作付面積が広い上位5県です。
宮崎県は520ヘクタール、福島県は517ヘクタール、群馬県は392ヘクタール、千葉県は324ヘクタール、埼玉県は291ヘクタールでした。
宮崎県と福島県の差は1.01倍で、ほとんど並んでいます。
6位以下は熊本県227ヘクタール、茨城県161ヘクタール、岩手県142ヘクタールと続きます。
上位3県で全国の30.1パーセント、上位5県で43.1パーセント、上位10県で59.7パーセントを占めます。
上位10県でようやく6割という、散らばった分布です。
作付経営体数は45,201、面積のわりに作り手が多い野菜です
この分布の背景を、ここから考えてみます。
きゅうりの作付面積の統計が答えを持っているわけではないので、以下はほかの数字と照らして立てた推測です。
面積は小さいのに、作っている経営体はとても多い品目です。
全国4,742ヘクタールに対して、作付経営体数は45,201。
だいこんの53,558、ねぎの49,674に近い数字です。
それでいて面積はだいこんの4分の1しかありません。
1経営体あたりは0.10ヘクタールで、なすとピーマンの0.08ヘクタールに次いで小さい数字です。
作付経営体数で並べると、1位は福島県3,180、2位は埼玉県2,590、3位は神奈川県2,141、4位は群馬県1,871、5位は長野県1,871。
面積1位の宮崎県は1,725で上位5に入りません。
1経営体あたりで見ると、宮崎県は0.30ヘクタールで全国最大。
福島県は0.16ヘクタールなので、面積はほぼ同じでも1戸あたりの規模は2倍近く違います。
宮崎県は冬春きゅうり、福島県は夏秋きゅうりの産地として知られます。
作る時期が違うため、ハウスの有無や規模も変わってくると考えられます。
ただしこのセンサスに作型の内訳はありません。
地方別では関東7都県が30.2パーセント、九州・沖縄8県が23.8パーセント、東北6県が20.9パーセント。
この3地方で74.9パーセントを占めます。
北海道は122ヘクタール、2.6パーセントにとどまりました。
実数で見ると順位は変わる
きゅうりが少ない5県
きゅうりの作付面積が狭い下位5県です。
富山県は8ヘクタール、鳥取県は12ヘクタール、福井県は14ヘクタール、三重県は16ヘクタール、滋賀県は17ヘクタールでした。
宮崎県の520ヘクタールとは65.0倍の差があります。
1位と47位の差が65.0倍というのは、この記事で扱う野菜のなかでなすの24.6倍に次いで小さい数字です。
レタスは4,261倍、たまねぎは1,661.9倍でした。
きゅうりはどの県にもそれなりの産地があります。
47都道府県の中央値は53ヘクタール。
栽培がゼロの県はひとつもありません。
地方別に見る
地方別に合計を出すと、関東が最も大きくなります。
関東7都県が全国の30.2パーセント、九州・沖縄8県が23.8パーセント、東北6県が20.9パーセント、中部9県が9.4パーセントと続きます。
少ないほうは四国4県が6.4パーセント、近畿7府県が4.2パーセント、北海道が2.6パーセント、中国5県が2.5パーセントでした。
関東7都県の30.2パーセントは、群馬県392ヘクタール、千葉県324ヘクタール、埼玉県291ヘクタール、茨城県161ヘクタールと複数の県に分かれています。
東北6県が20.9パーセントで3番目に入るのも目を引きます。
福島県517ヘクタールと岩手県142ヘクタールが中心です。
だいこんの16.1パーセント、キャベツの6.0パーセントと比べて高く、東北はきゅうりの産地としての比重が大きいことになります。
このグラフについての豆知識
冬春と夏秋の内訳は分からない
きゅうりは作型によって冬春きゅうりと夏秋きゅうりに分かれますが、このセンサスでは合計だけが分かります。
宮崎県は冬春、福島県は夏秋の産地として知られます。
作る時期をずらすことで一年中出回る仕組みになっていますが、それを数字で確かめることはできません。
面積のわりに作り手が多い
作付面積4,742ヘクタールに対して作付経営体数は45,201。
1経営体あたり0.10ヘクタールで、この記事で扱う野菜のなかでも小さいほうです。
だいこんは18,085ヘクタールを53,558の経営体で作っており、1戸あたり0.34ヘクタール。
きゅうりは3分の1以下の規模で、小さなハウスや畑で作られている姿がうかがえます。
数字は2020年のものです。
5年ごとの調査で、次は2025年の結果が出ます。
順位の並びがにている記事
同じ形の地図になる記事はあるでしょうか。
きゅうりの作付面積の順位で探してみます。
最も似ていたのは【きゅうり・収穫量】全国50万2,900t、43県が調査対象という広さ(順位相関0.9)です。
正反対だったのは【喫茶店の数】が多い都道府県ランキング、上位2県はわずか0.8店差で、相関は-0.67です。
並びが似ていても、そこに関係があるとまでは言えません。
ただ、2つの地図をならべると読み方のヒントにはなります。
地方のなかで見たきゅうりの作付面積
| 地方 | 最も多い(ha) | 最も少ない(ha) |
|---|---|---|
| 東北 | 福島県 517 | 青森県 38 |
| 関東 | 群馬県 392 | 東京都 53 |
| 中部 | 長野県 133 | 富山県 8 |
| 近畿 | 京都府 46 | 三重県 16 |
| 中国 | 岡山県 30 | 鳥取県 12 |
| 四国 | 高知県 115 | 徳島県 45 |
| 九州 | 宮崎県 520 | 沖縄県 37 |
まとめ
きゅうりの作付面積を47都道府県で比べると、最も広い宮崎県で520ヘクタール、最も狭い富山県で8ヘクタールでした。
1位と2位の差は3ヘクタールしかありません。
ここまでのきゅうりの作付面積の数字には、注意点が3つあります。
1つ目は、作型の内訳が分からないこと。
2つ目は、販売目的の栽培だけを数えていること。
3つ目は5年ごとの調査で2020年の数字であることです。
作付経営体数は45,201で、面積4,742ヘクタールのわりに多い数字。
1経営体あたり0.10ヘクタールは、なすとピーマンの0.08ヘクタールに次いで小さい数字です。
1位と47位の差も65.0倍と小さく、どの県にも産地があります。
作付経営体数では福島県3,180が1位でした。
トマトやなすを比べた記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 2020年農林業センサス(第1巻 都道府県別統計書)
- 調査年: 2020年
- 公開元: 農林水産省
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?tstat=000001032920
- 備考: 販売を目的にきゅうりを育てている経営体の面積。自分の家で食べるぶんだけの栽培は含まない。5年ごとの調査
注記: 販売を目的にきゅうりを育てている経営体の面積。
自分の家で食べるぶんだけの栽培は含まない。
5年ごとの調査
