なすは、この一連の記事で扱う25の農産物のなかで、1位と最下位の差が最も小さい品目です。
特定の産地に集中せず、全国で広くつくられていることを表しています。
農林水産省の「作物統計調査」では、なすを多く生産する県を対象に調べています。
使ったのは農林水産省「作物統計調査」(令和6年産)のデータです。
全国28万200トンのうち、高知県が3万8,500トンで1位。
1位と最下位の差は40.7倍で、この記事で扱う25品目のなかで最も小さい数字です。
産地の差が小さい品目だといえます。
調査対象38県の単純平均
7,067t
なすの収穫量(2024年産)
最も多い 高知県
38,500t
最も少ない 福井県
946t
なすの収穫量が多い5県
なすの収穫量が多い上位5県です。
高知県は3万8,500トン、熊本県は3万3,600トン、群馬県は2万8,100トン、福岡県は1万7,600トン、茨城県は1万7,400トンでした。
高知県は2位の熊本県の1.15倍で、上位は接近しています。
6位以下は愛知県1万2,500トン、栃木県1万400トン、新潟県8,820トンと続きます。
上位3県で全国の35.8パーセント、上位5県で48.3パーセント。
1位のシェアは13.7パーセントにとどまります。
作付面積では群馬県が1位です
なすの収穫量が少ない5県
収穫量が少ない下位5県です。
福井県は946トン、長崎県は1,330トン、大分県は1,410トン、三重県は1,560トン、香川県は1,810トンでした。
高知県の3万8,500トンとは40.7倍の差があります。
40.7倍という開きは、この記事で扱う25品目のなかで最も小さい数字です。
2番目に小さいいちごでも40.8倍、かぼちゃは230.8倍でした。
調査対象38県の単純平均は7,067トン、中央値は3,470トン。
対象外は9県です。
地図で見る(白い県は調査の対象外)
| 項目 | なすの収穫量 |
|---|---|
| 岩手県 | 2,840t |
| 宮城県 | 2,820t |
| 秋田県 | 4,750t |
| 山形県 | 4,430t |
| 福島県 | 3,870t |
| 茨城県 | 17,400t |
| 栃木県 | 10,400t |
| 群馬県 | 28,100t |
| 埼玉県 | 8,120t |
| 千葉県 | 6,210t |
| 神奈川県 | 3,310t |
| 新潟県 | 8,820t |
| 富山県 | 1,820t |
| 福井県 | 946t |
| 山梨県 | 5,430t |
| 長野県 | 3,440t |
| 岐阜県 | 3,000t |
| 愛知県 | 12,500t |
| 三重県 | 1,560t |
| 滋賀県 | 1,840t |
| 京都府 | 5,950t |
| 大阪府 | 4,630t |
| 兵庫県 | 2,970t |
| 奈良県 | 3,500t |
| 島根県 | 1,970t |
| 岡山県 | 3,950t |
| 広島県 | 3,380t |
| 山口県 | 1,920t |
| 徳島県 | 5,790t |
| 香川県 | 1,810t |
| 愛媛県 | 3,250t |
| 高知県 | 38,500t |
| 福岡県 | 17,600t |
| 佐賀県 | 2,430t |
| 長崎県 | 1,330t |
| 熊本県 | 33,600t |
| 大分県 | 1,410t |
| 宮崎県 | 2,960t |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは高知県、熊本県、群馬県です。
次いで福岡県、茨城県が続きます。
四国、九州中部、関東北部の3か所が濃くなる分布です。
白く抜けている9県は「収穫量がゼロ」ではなく「調査の対象外」です。
作付面積では47都道府県すべてになすの記録があります。
調査対象38県の単純平均は7,067トン、中央値は3,470トンです。
高知県の3万8,500トンは平均の5.4倍にあたります。
上位3県で全国の35.8パーセント、1位と38位では40.7倍の開きがありました。
| 順位 | 都道府県 | なすの収穫量(t) | 地方 | なすの作付面積 | なすの10アール当たり収量 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 高知県 | 38500 | 四国 | 318 | 12100 |
| 2 | 熊本県 | 33600 | 九州 | 393 | 8550 |
| 3 | 群馬県 | 28100 | 関東 | 521 | 5390 |
| 4 | 福岡県 | 17600 | 九州 | 229 | 7690 |
| 5 | 茨城県 | 17400 | 関東 | 429 | 4060 |
| 6 | 愛知県 | 12500 | 中部 | 231 | 5410 |
| 7 | 栃木県 | 10400 | 関東 | 271 | 3840 |
| 8 | 新潟県 | 8820 | 中部 | 430 | 2050 |
| 9 | 埼玉県 | 8120 | 関東 | 231 | 3520 |
| 10 | 千葉県 | 6210 | 関東 | 278 | 2230 |
| 11 | 京都府 | 5950 | 近畿 | 164 | 3630 |
| 12 | 徳島県 | 5790 | 四国 | 82 | 7060 |
| 13 | 山梨県 | 5430 | 中部 | 124 | 4380 |
| 14 | 秋田県 | 4750 | 東北 | 360 | 1320 |
| 15 | 大阪府 | 4630 | 近畿 | 82 | 5650 |
| 16 | 山形県 | 4430 | 東北 | 292 | 1520 |
| 17 | 岡山県 | 3950 | 中国 | 119 | 3320 |
| 18 | 福島県 | 3870 | 東北 | 232 | 1670 |
| 19 | 奈良県 | 3500 | 近畿 | 76 | 4610 |
| 20 | 長野県 | 3440 | 中部 | 210 | 1640 |
| 21 | 広島県 | 3380 | 中国 | 134 | 2520 |
| 22 | 神奈川県 | 3310 | 関東 | 145 | 2280 |
| 23 | 愛媛県 | 3250 | 四国 | 107 | 3040 |
| 24 | 岐阜県 | 3000 | 中部 | 105 | 2860 |
| 25 | 兵庫県 | 2970 | 近畿 | 131 | 2270 |
| 26 | 宮崎県 | 2960 | 九州 | 60 | 4930 |
| 27 | 岩手県 | 2840 | 東北 | 112 | 2540 |
| 28 | 宮城県 | 2820 | 東北 | 176 | 1600 |
| 29 | 佐賀県 | 2430 | 九州 | 55 | 4420 |
| 30 | 島根県 | 1970 | 中国 | 124 | 1590 |
| 31 | 山口県 | 1920 | 中国 | 106 | 1810 |
| 32 | 滋賀県 | 1840 | 近畿 | 90 | 2040 |
| 33 | 富山県 | 1820 | 中部 | 132 | 1380 |
| 34 | 香川県 | 1810 | 四国 | 68 | 2660 |
| 35 | 三重県 | 1560 | 近畿 | 145 | 1080 |
| 36 | 大分県 | 1410 | 九州 | 95 | 1480 |
| 37 | 長崎県 | 1330 | 九州 | 52 | 2560 |
| 38 | 福井県 | 946 | 中部 | 91 | 1040 |
このグラフについての豆知識
土地あたりでは高知県が12.1トン
10アール当たり収量は高知県が1万2,100キログラムで1位。
次いで熊本県8,550キログラム、福岡県7,690キログラムと続きます。
高知県の作付面積は319ヘクタールで、群馬県521ヘクタールより狭い数字。
それでも収穫量で1位になるのは、土地あたりの収量が群馬県5,390キログラムの2.2倍あるためです。
面積は群馬県が1位
作付面積は群馬県521ヘクタール、新潟県430ヘクタール、茨城県429ヘクタールの順。
高知県は上位5に入りません。
作付面積を比べた記事でも群馬県が1位でした。
面積と収穫量で1位が入れ替わるのは、ハウスで長い期間作るか露地で夏だけ作るかの違いによると考えられます。
数字は令和6年産のものです。
順位の並びがにている記事
このなすの収穫量の並びに近い記事を、全記事の順位から機械で洗い出しました。
最も似ていたのは【なすの作付面積】全国3,179ha、1位と47位の差が24.6倍しかない(順位相関0.87)です。
逆に、ほぼ裏返しの並びになったのが【高校生のむし歯】全国45.75パーセント、差は1.98倍(相関-0.4)でした。
順位が近いことと、原因がつながっていることは別の話です。
それでも、見くらべると気づくことがあります。
地方のなかで見たなすの収穫量
| 地方 | 最も多い(t) | 最も少ない(t) |
|---|---|---|
| 東北 | 秋田県 4750 | 宮城県 2820 |
| 関東 | 群馬県 28100 | 神奈川県 3310 |
| 中部 | 愛知県 12500 | 福井県 946 |
| 近畿 | 京都府 5950 | 三重県 1560 |
| 中国 | 岡山県 3950 | 山口県 1920 |
| 四国 | 高知県 38500 | 香川県 1810 |
| 九州 | 熊本県 33600 | 長崎県 1330 |
まとめ
なすの収穫量を比べると、最も多い高知県で3万8,500トン、調査対象38県のなかで最も少ない福井県で946トンでした。
1位と最下位の差は40.7倍で、この記事で扱う25品目のなかで最も小さい数字です。
なすの収穫量をほかの数字と見くらべる前に、3つ確かめてください。
1つ目は、作型の内訳が分からないこと。
2つ目は、載っていない9県は「ゼロ」ではなく「調査対象外」であること。
3つ目は令和6年産の数字であることです。
10アール当たり収量では高知県が1万2,100キログラムで1位。
作付面積319ヘクタールという狭さで収穫量1位になっています。
作付面積の1位は群馬県521ヘクタール。
面積と収穫量で1位が入れ替わります。
なすの作付面積を比べた記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 作物統計調査 作況調査(令和6年産)
- 調査年: 2024年産
- 公開元: 農林水産省
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?tstat=000001013427
- 備考: 作物統計調査はなすについて主産県だけを調べる。残りの9県は調査の対象外で、栽培がないという意味ではない
注記: 作物統計調査はなすについて主産県だけを調べる。
残りの9県は調査の対象外で、栽培がないという意味ではない
