いちごの畑は、九州・沖縄と関東で全国の6割を分け合います。
離れた2つの地域が同時に上位に並ぶのは、ハウス栽培によって気候の差を乗り越えているからです。
使ったのは農林水産省「2020年農林業センサス」のデータです。
全国3,803ヘクタールのうち、栃木県が565ヘクタールで1位、福岡県が361ヘクタールで2位です。
九州・沖縄8県と関東7都県で全国の6割を分け合います。
47都道府県の単純平均
81ha
いちごの作付面積(2020年)
最も多い 栃木県
565ha
最も少ない 石川県
2ha
いちごが多い5県
いちごの作付面積が広い上位5県です。
栃木県は565ヘクタール、福岡県は361ヘクタール、熊本県は271ヘクタール、長崎県は240ヘクタール、静岡県は237ヘクタールでした。
栃木県は2位の福岡県の1.57倍あります。
6位以下は茨城県236ヘクタール、佐賀県216ヘクタール、愛知県170ヘクタールと続きます。
上位3県で全国の31.5パーセント、上位5県で44.0パーセント、上位10県で67.1パーセントを占めます。
1位のシェアは14.9パーセントで、上位への偏りは小さめです。
九州8県と関東7都県で6割を分け合います
以下は、いちごの作付面積にこれだけの差がつく理由についての推測です。
統計から確かめられる話ではなく、ほかの指標との突き合わせから考えたものです。
産地は九州と関東の2か所に大きく分かれます。
地方別に見ると、九州・沖縄8県が32.4パーセント、関東7都県が28.7パーセント。
この2地方で61.1パーセントを占めます。
九州の中身は福岡県361ヘクタール、熊本県271ヘクタール、長崎県240ヘクタール、佐賀県216ヘクタールと複数の県に分かれ、関東は栃木県565ヘクタールと茨城県236ヘクタールが中心です。
栃木県と福岡県はいちごの品種でも知られます。
ただしこのセンサスに品種の内訳はないため、それを数字で確かめることはできません。
作付経営体数では、1位は栃木県1,687、2位は福岡県1,639、3位は静岡県980、4位は熊本県956、5位は長崎県951。
面積の順位とおおむね重なりますが、静岡県が3位に上がります。
1経営体あたりの面積は全国で0.23ヘクタール。
広いのは茨城県0.43ヘクタール、奈良県0.40ヘクタール、京都府0.39ヘクタール。
栃木県は0.33ヘクタール、福岡県は0.22ヘクタールでした。
静岡県は980の経営体で237ヘクタールなので0.24ヘクタール。
経営体数では3位ですが、1戸あたりは全国平均並みです。
実数で見ると順位は変わる
地図で見ると、上位5県のうち3つが九州・沖縄
| 項目 | いちごの作付面積 |
|---|---|
| 北海道 | 86ha |
| 青森県 | 22ha |
| 岩手県 | 16ha |
| 宮城県 | 116ha |
| 秋田県 | 18ha |
| 山形県 | 23ha |
| 福島県 | 53ha |
| 茨城県 | 236ha |
| 栃木県 | 565ha |
| 群馬県 | 63ha |
| 埼玉県 | 62ha |
| 千葉県 | 137ha |
| 東京都 | 5ha |
| 神奈川県 | 25ha |
| 新潟県 | 37ha |
| 富山県 | 3ha |
| 石川県 | 2ha |
| 福井県 | 2ha |
| 山梨県 | 9ha |
| 長野県 | 38ha |
| 岐阜県 | 71ha |
| 静岡県 | 237ha |
| 愛知県 | 170ha |
| 三重県 | 44ha |
| 滋賀県 | 22ha |
| 京都府 | 40ha |
| 大阪府 | 6ha |
| 兵庫県 | 48ha |
| 奈良県 | 120ha |
| 和歌山県 | 31ha |
| 鳥取県 | 11ha |
| 島根県 | 12ha |
| 岡山県 | 22ha |
| 広島県 | 13ha |
| 山口県 | 34ha |
| 徳島県 | 53ha |
| 香川県 | 56ha |
| 愛媛県 | 42ha |
| 高知県 | 22ha |
| 福岡県 | 361ha |
| 佐賀県 | 216ha |
| 長崎県 | 240ha |
| 熊本県 | 271ha |
| 大分県 | 38ha |
| 宮崎県 | 56ha |
| 鹿児島県 | 47ha |
| 沖縄県 | 2ha |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは栃木県です。
次いで福岡県、熊本県、長崎県、静岡県が続きます。
関東北部と九州北部が濃く、そこに静岡県と愛知県が加わる形です。
北陸と中国地方はほとんど白く抜けます。
47都道府県の平均は80.9ヘクタール、中央値は40ヘクタールです。
栃木県の565ヘクタールは平均の7.0倍にあたります。
上位3県で31.5パーセント、栽培がゼロの県はありません。
1位と47位で282.5倍の開きがありました。
| 順位 | 都道府県 | いちごの作付面積(ha) | 地方 | いちごの作付経営体数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 栃木県 | 565 | 関東 | 1687 |
| 2 | 福岡県 | 361 | 九州 | 1639 |
| 3 | 熊本県 | 271 | 九州 | 956 |
| 4 | 長崎県 | 240 | 九州 | 951 |
| 5 | 静岡県 | 237 | 中部 | 980 |
| 6 | 茨城県 | 236 | 関東 | 549 |
| 7 | 佐賀県 | 216 | 九州 | 809 |
| 8 | 愛知県 | 170 | 中部 | 683 |
| 9 | 千葉県 | 137 | 関東 | 482 |
| 10 | 奈良県 | 120 | 近畿 | 298 |
| 11 | 宮城県 | 116 | 東北 | 364 |
| 12 | 北海道 | 86 | 北海道 | 421 |
| 13 | 岐阜県 | 71 | 中部 | 303 |
| 14 | 群馬県 | 63 | 関東 | 339 |
| 15 | 埼玉県 | 62 | 関東 | 345 |
| 16 | 宮崎県 | 56 | 九州 | 240 |
| 16 | 香川県 | 56 | 四国 | 287 |
| 18 | 徳島県 | 53 | 四国 | 299 |
| 18 | 福島県 | 53 | 東北 | 334 |
| 20 | 兵庫県 | 48 | 近畿 | 382 |
| 21 | 鹿児島県 | 47 | 九州 | 197 |
| 22 | 三重県 | 44 | 近畿 | 290 |
| 23 | 愛媛県 | 42 | 四国 | 281 |
| 24 | 京都府 | 40 | 近畿 | 103 |
| 25 | 大分県 | 38 | 九州 | 194 |
| 25 | 長野県 | 38 | 中部 | 196 |
| 27 | 新潟県 | 37 | 中部 | 369 |
| 28 | 山口県 | 34 | 中国 | 268 |
| 29 | 和歌山県 | 31 | 近畿 | 196 |
| 30 | 神奈川県 | 25 | 関東 | 204 |
| 31 | 山形県 | 23 | 東北 | 162 |
| 32 | 岡山県 | 22 | 中国 | 162 |
| 32 | 高知県 | 22 | 四国 | 138 |
| 32 | 滋賀県 | 22 | 近畿 | 146 |
| 32 | 青森県 | 22 | 東北 | 123 |
| 36 | 秋田県 | 18 | 東北 | 112 |
| 37 | 岩手県 | 16 | 東北 | 109 |
| 38 | 広島県 | 13 | 中国 | 97 |
| 39 | 島根県 | 12 | 中国 | 103 |
| 40 | 鳥取県 | 11 | 中国 | 100 |
| 41 | 山梨県 | 9 | 中部 | 63 |
| 42 | 大阪府 | 6 | 近畿 | 107 |
| 43 | 東京都 | 5 | 関東 | 81 |
| 44 | 富山県 | 3 | 中部 | 37 |
| 45 | 沖縄県 | 2 | 九州 | 7 |
| 45 | 石川県 | 2 | 中部 | 32 |
| 45 | 福井県 | 2 | 中部 | 35 |
いちごが少ない5県
いちごの作付面積が狭い下位5県です。
石川県は2ヘクタール、福井県は2ヘクタール、沖縄県は2ヘクタール、富山県は3ヘクタール、東京都は5ヘクタールでした。
栃木県の565ヘクタールとは282.5倍の差があります。
北陸3県がそろって下位に入ります。
石川県2ヘクタール、福井県2ヘクタール、富山県3ヘクタール。
はくさいやレタスでも北陸は下位でした。
冬に雪の多い地域では、施設で育てるいちごも広がりにくいと考えられます。
47都道府県の中央値は40ヘクタール。
栽培がゼロの県はひとつもありません。
地方でまとめると、関東が中国の8.5倍
地方別に合計を出すと、九州・沖縄が最も大きくなります。
九州・沖縄8県が全国の32.4パーセント、関東7都県が28.7パーセント、中部9県が15.0パーセント、近畿7府県が8.2パーセントと続きます。
少ないほうは東北6県が6.5パーセント、四国4県が4.5パーセント、中国5県が2.4パーセント、北海道が2.3パーセントでした。
九州・沖縄8県と関東7都県の2地方で61.1パーセント。
ただし中身の形は対照的です。
九州は福岡県361ヘクタール、熊本県271ヘクタール、長崎県240ヘクタール、佐賀県216ヘクタールと4県に分かれるのに対し、関東は栃木県565ヘクタールが半分以上を占めます。
同じシェアでも、1県に寄るか複数県に分かれるかが違います。
1位と47位で282.5倍。この数字が何を数えているか
野菜として数えている
いちごは果物として食べられますが、このセンサスでは野菜類に分類されます。
すいかやメロンも同じです。
木にならず、毎年植えかえる作物だからです。
果樹類として集計されるりんごやみかんとは別の枠になります。
作付経営体数は16,260
作付経営体数は16,260で、この記事で扱う野菜のなかでは少ないほうです。
やまのいもの9,411、メロンの9,398に次ぐ少なさになります。
1経営体あたりの面積は0.23ヘクタール。
施設で育てることが多い作物のため、1戸あたりの規模は小さめです。
数字は2020年のものです。
5年ごとの調査で、次は2025年の結果が出ます。
順位の並びがにている記事
同じ形の地図になる記事はあるでしょうか。
いちごの作付面積の順位で探してみます。
いちばん近かったのは【いちご・収穫量】全国15万6,600t、産地が広く分かれる果実野菜で、順位相関は0.78でした。
最も食い違ったのは【チューハイへの支出】平均年5,484円、新しい世代の酒(順位相関-0.49)でした。
似ているからといって理由が同じとはかぎりません。
それでも、2つを重ねると土地の性格が見えてくることがあります。
地方のなかで見たいちごの作付面積
| 地方 | 最も多い(ha) | 最も少ない(ha) |
|---|---|---|
| 東北 | 宮城県 116 | 岩手県 16 |
| 関東 | 栃木県 565 | 東京都 5 |
| 中部 | 静岡県 237 | 福井県 2 |
| 近畿 | 奈良県 120 | 大阪府 6 |
| 中国 | 山口県 34 | 鳥取県 11 |
| 四国 | 香川県 56 | 高知県 22 |
| 九州 | 福岡県 361 | 沖縄県 2 |
まとめ
いちごの作付面積を47都道府県で比べると、最も広い栃木県で565ヘクタール、最も狭い石川県・福井県・沖縄県で2ヘクタールでした。
九州・沖縄8県と関東7都県で全国の61.1パーセントを分け合います。
いちごの作付面積を読み取るうえで、確かめておきたいことが3つあります。
1つ目は、いちごは野菜類として集計されること。
2つ目は、品種の内訳が分からないこと。
3つ目は5年ごとの調査で2020年の数字であることです。
同じシェアでも中身は対照的です。
九州は4県に分かれ、関東は栃木県565ヘクタールが半分以上を占めます。
作付経営体数では栃木県1,687が1位、福岡県1,639が2位。
北陸3県はそろって下位に並びました。
トマトやメロンを比べた記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 2020年農林業センサス(第1巻 都道府県別統計書)
- 調査年: 2020年
- 公開元: 農林水産省
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?tstat=000001032920
- 備考: 販売を目的にいちごを育てている経営体の面積。自分の家で食べるぶんだけの栽培は含まない。5年ごとの調査
注記: 販売を目的にいちごを育てている経営体の面積。
自分の家で食べるぶんだけの栽培は含まない。
5年ごとの調査
