耕地とは、作物を育てるために使われている土地のことです。
田と畑を合わせたもので、畑には果樹園や牧草地も含みます。
国土のおよそ11%にあたり、県による開きは186倍にもなります。
使ったのは農林水産省「耕地及び作付面積統計」(令和6年7月15日現在)のデータです。
全国では427万2,000ヘクタール、国土のおよそ11%にあたります。
都道府県別には186.86倍という大きな開きがありました。
47都道府県の単純平均
90,887ha
耕地面積(令和6年(2024年7月15日現在))
最も多い 北海道
1,138,000ha
最も少ない 東京都
6,090ha
耕地面積が広い5道県
耕地面積が広い上位5道県です。
北海道は1,138,000ヘクタール、新潟県は166,500ヘクタール、茨城県は158,300ヘクタール、青森県は147,300ヘクタール、岩手県は146,000ヘクタールでした。
北海道だけで全国の26.6パーセント、2位の新潟県の6.8倍あります。
6位以下は秋田県145,600ヘクタール、福島県133,700ヘクタール、宮城県123,900ヘクタールと続きます。
上位5道県で全国の41.1パーセントを占めました。
面積との相関係数はプラス0.98。
広い道県ほど耕地も広いという、ほぼ完全な連動になっています。
田が中心か畑が中心かで、県の農業の形が分かれる
ここから先は、耕地面積がこう分かれる理由についての見立てです。
ほかの指標と突き合わせて立てた推測で、統計そのものが示している事実ではありません。
耕地面積は田と畑に分かれます。
この比率を見ると、県ごとの農業の形が出ます。
耕地に占める田の割合で並べると、1位は富山県の95.3パーセント、2位が滋賀県93.0パーセント、3位が兵庫県91.5パーセント、4位が福井県90.7パーセント、5位が新潟県88.8パーセント。
ほとんど田だけという県です。
逆に低いのは沖縄県2.1パーセント、東京都3.3パーセント、北海道19.4パーセント、神奈川県19.5パーセントでした。
耕地面積1位の北海道が、田の割合では下から3番目というのが目を引きます。
北海道の耕地1,138,000ヘクタールのうち、田は220,700ヘクタールで畑が917,300ヘクタール。
畑には普通畑のほか牧草地も含まれるので、酪農と畑作の道だということが数字に出ています。
農業産出額を比べた記事では、北海道の畜産が8,399億円で全体の56.7パーセントを占めていました。
広大な牧草地がその裏づけになります。
面積で割った耕地率を見ると、また違う顔が出ます。
1位は茨城県の25.96パーセント、2位が千葉県23.17パーセント、3位が佐賀県20.32パーセント、4位が埼玉県19.14パーセント。
関東の平野部と佐賀平野が上位に来ます。
逆に低いのは東京都2.77パーセント、高知県3.52パーセント、奈良県と岐阜県が5.07パーセントでした。
高知県が下から2番目というのは意外に見えるかもしれません。
森林率が83.6パーセントで全国1位の県なので、農地に使える平地がそもそも少ないということになります。
耕地面積は農業産出額ともプラス0.91で強く連動します。
ただ産出額の記事で見たとおり、面積あたりの稼ぎは何を作るかで大きく変わります。
地図で見ると、上位5県は地方がばらける
| 項目 | 耕地面積 |
|---|---|
| 北海道 | 1,138,000ha |
| 青森県 | 147,300ha |
| 岩手県 | 146,000ha |
| 宮城県 | 123,900ha |
| 秋田県 | 145,600ha |
| 山形県 | 113,200ha |
| 福島県 | 133,700ha |
| 茨城県 | 158,300ha |
| 栃木県 | 120,400ha |
| 群馬県 | 63,200ha |
| 埼玉県 | 72,700ha |
| 千葉県 | 119,500ha |
| 東京都 | 6,090ha |
| 神奈川県 | 17,800ha |
| 新潟県 | 166,500ha |
| 富山県 | 57,400ha |
| 石川県 | 39,500ha |
| 福井県 | 39,500ha |
| 山梨県 | 23,000ha |
| 長野県 | 103,800ha |
| 岐阜県 | 53,900ha |
| 静岡県 | 58,300ha |
| 愛知県 | 72,000ha |
| 三重県 | 55,700ha |
| 滋賀県 | 49,600ha |
| 京都府 | 29,000ha |
| 大阪府 | 11,900ha |
| 兵庫県 | 71,300ha |
| 奈良県 | 18,700ha |
| 和歌山県 | 30,700ha |
| 鳥取県 | 32,300ha |
| 島根県 | 35,600ha |
| 岡山県 | 61,600ha |
| 広島県 | 50,500ha |
| 山口県 | 42,900ha |
| 徳島県 | 27,200ha |
| 香川県 | 28,100ha |
| 愛媛県 | 43,600ha |
| 高知県 | 25,000ha |
| 福岡県 | 78,000ha |
| 佐賀県 | 49,600ha |
| 長崎県 | 44,900ha |
| 熊本県 | 103,300ha |
| 大分県 | 53,800ha |
| 宮崎県 | 62,500ha |
| 鹿児島県 | 110,400ha |
| 沖縄県 | 35,900ha |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは北海道と東北全域、それに新潟県と茨城県です。
淡いのは近畿と四国、大都市を抱える都府県でした。
47都道府県の単純平均は90,887ヘクタール、中央値は55,700ヘクタールです。
平均が中央値の1.63倍もあるのは、北海道が上に大きく外れているためです。
平均を超えたのは14道県。
北海道を除いた46都府県の平均は68,124ヘクタールになります。
| 順位 | 都道府県 | 耕地面積(ha) | 地方 | 田の面積 | 畑の面積 | 耕地率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 北海道 | 1138000 | 北海道 | 220700 | 917300 | 13.64 |
| 2 | 新潟県 | 166500 | 中部 | 147800 | 18700 | 13.23 |
| 3 | 茨城県 | 158300 | 関東 | 93900 | 64500 | 25.96 |
| 4 | 青森県 | 147300 | 東北 | 77500 | 69800 | 15.27 |
| 5 | 岩手県 | 146000 | 東北 | 91500 | 54500 | 9.56 |
| 6 | 秋田県 | 145600 | 東北 | 127700 | 17800 | 12.51 |
| 7 | 福島県 | 133700 | 東北 | 94800 | 38900 | 9.7 |
| 8 | 宮城県 | 123900 | 東北 | 101700 | 22200 | 17.01 |
| 9 | 栃木県 | 120400 | 関東 | 93600 | 26800 | 18.79 |
| 10 | 千葉県 | 119500 | 関東 | 70900 | 48700 | 23.17 |
| 11 | 山形県 | 113200 | 東北 | 89800 | 23300 | 12.14 |
| 12 | 鹿児島県 | 110400 | 九州 | 33500 | 76900 | 12.02 |
| 13 | 長野県 | 103800 | 中部 | 50700 | 53100 | 7.65 |
| 14 | 熊本県 | 103300 | 九州 | 63800 | 39500 | 13.94 |
| 15 | 福岡県 | 78000 | 九州 | 63300 | 14700 | 15.64 |
| 16 | 埼玉県 | 72700 | 関東 | 40600 | 32100 | 19.14 |
| 17 | 愛知県 | 72000 | 中部 | 40800 | 31200 | 13.92 |
| 18 | 兵庫県 | 71300 | 近畿 | 65200 | 6060 | 8.49 |
| 19 | 群馬県 | 63200 | 関東 | 23500 | 39700 | 9.93 |
| 20 | 宮崎県 | 62500 | 九州 | 33400 | 29000 | 8.08 |
| 21 | 岡山県 | 61600 | 中国 | 48500 | 13200 | 8.66 |
| 22 | 静岡県 | 58300 | 中部 | 21100 | 37200 | 7.5 |
| 23 | 富山県 | 57400 | 中部 | 54700 | 2720 | 13.51 |
| 24 | 三重県 | 55700 | 近畿 | 42600 | 13100 | 9.65 |
| 25 | 岐阜県 | 53900 | 中部 | 41200 | 12700 | 5.07 |
| 26 | 大分県 | 53800 | 九州 | 38000 | 15800 | 8.48 |
| 27 | 広島県 | 50500 | 中国 | 38200 | 12200 | 5.96 |
| 28 | 佐賀県 | 49600 | 九州 | 41400 | 8180 | 20.32 |
| 28 | 滋賀県 | 49600 | 近畿 | 46200 | 3460 | 12.35 |
| 30 | 長崎県 | 44900 | 九州 | 20500 | 24400 | 10.87 |
| 31 | 愛媛県 | 43600 | 四国 | 20700 | 23000 | 7.68 |
| 32 | 山口県 | 42900 | 中国 | 36100 | 6790 | 7.02 |
| 33 | 石川県 | 39500 | 中部 | 32900 | 6550 | 9.44 |
| 33 | 福井県 | 39500 | 中部 | 35800 | 3660 | 9.43 |
| 35 | 沖縄県 | 35900 | 九州 | 751 | 35200 | 15.73 |
| 36 | 島根県 | 35600 | 中国 | 28800 | 6840 | 5.31 |
| 37 | 鳥取県 | 32300 | 中国 | 22000 | 10400 | 9.21 |
| 38 | 和歌山県 | 30700 | 近畿 | 8930 | 21800 | 6.5 |
| 39 | 京都府 | 29000 | 近畿 | 22600 | 6480 | 6.29 |
| 40 | 香川県 | 28100 | 四国 | 23500 | 4660 | 14.97 |
| 41 | 徳島県 | 27200 | 四国 | 18800 | 8340 | 6.56 |
| 42 | 高知県 | 25000 | 四国 | 18600 | 6380 | 3.52 |
| 43 | 山梨県 | 23000 | 中部 | 7540 | 15500 | 5.15 |
| 44 | 奈良県 | 18700 | 近畿 | 13200 | 5430 | 5.07 |
| 45 | 神奈川県 | 17800 | 関東 | 3460 | 14300 | 7.37 |
| 46 | 大阪府 | 11900 | 近畿 | 8200 | 3690 | 6.25 |
| 47 | 東京都 | 6090 | 関東 | 203 | 5890 | 2.77 |
耕地面積が狭い5都府県
耕地面積が狭い下位5都府県です。
東京都は6,090ヘクタール、大阪府は11,900ヘクタール、神奈川県は17,800ヘクタール、奈良県は18,700ヘクタール、山梨県は23,000ヘクタールでした。
北海道の1,138,000ヘクタールとは186.86倍の差があります。
東京都の6,090ヘクタールは、北海道の187分の1です。
耕地率でも2.77パーセントで最下位でした。
下位に並んだのは大都市を抱える都府県と、平地の狭い県です。
奈良県と山梨県はどちらも盆地の県で、耕地率はそれぞれ5.07パーセント、5.15パーセントにとどまります。
ただ狭いことは農業をしていないことを意味しません。
東京都の6,090ヘクタールのうち田はわずか200ヘクタールで、残りは野菜などを作る畑です。
農業産出額を比べた記事では、東京都の産出額226億円のうち57.5パーセントが野菜でした。
1位と47位で186.9倍。この統計で分かること、分からないこと
畑には牧草地も含まれる
耕地面積は田と畑の合計です。
畑には野菜などを作る普通畑のほか、果樹などの樹園地と、牧草を育てる牧草地が含まれます。
北海道の畑917,300ヘクタールには、広い牧草地が相当量含まれています。
同じ「畑」でも、野菜を作る畑と牛の飼料を作る牧草地では意味が違うことに注意してください。
全国では田2,319,000ヘクタール、畑1,952,000ヘクタール。
田のほうがやや広くなっています。
数値はまるめられている
耕地及び作付面積統計の数値は、有効数字のけた数でまるめて公表されています。
そのため47都道府県を合計しても、全国値とわずかにずれます。
この記事の47都道府県合計は4,271,690ヘクタールで、全国値4,272,000ヘクタールとは310ヘクタールの差があります。
調査は毎年7月15日現在で行われます。
この記事の数字は令和6年、2024年のものです。
順位の並びがにている記事
この耕地面積の並びに近い記事を、全記事の順位から機械で洗い出しました。
0.89という高い相関を示したのが【米の収穫量】が多い県は生産効率も高いのか、2つの指標で比較でした。
逆に、ほぼ裏返しの並びになったのが【医師の数を人口で割ると?】人口10万人あたり医師数、高齢化が進んだ県ほど多いわけではない(相関-0.6)でした。
順位が近いことと、原因がつながっていることは別の話です。
それでも、見くらべると気づくことがあります。
地方のなかで見た耕地面積
| 地方 | 最も多い(ha) | 最も少ない(ha) |
|---|---|---|
| 東北 | 青森県 147300 | 山形県 113200 |
| 関東 | 茨城県 158300 | 東京都 6090 |
| 中部 | 新潟県 166500 | 山梨県 23000 |
| 近畿 | 兵庫県 71300 | 大阪府 11900 |
| 中国 | 岡山県 61600 | 鳥取県 32300 |
| 四国 | 愛媛県 43600 | 高知県 25000 |
| 九州 | 鹿児島県 110400 | 沖縄県 35900 |
まとめ
47都道府県の耕地面積を比べると、最も広い北海道は1,138,000ヘクタール、最も狭い東京都は6,090ヘクタールで、その差は186.86倍でした。
全国では427万2,000ヘクタールです。
ここまでの耕地面積の数字には、注意点が3つあります。
1つ目は、畑に牧草地も含まれること。
2つ目は、数値がまるめられているため合計が全国値と一致しないこと。
3つ目は令和6年7月15日現在の数字であることです。
耕地に占める田の割合は、富山県95.3パーセントに対し北海道は19.4パーセント。
面積1位の北海道は、田の割合では下から3番目でした。
面積で割った耕地率では茨城県25.96パーセントが1位、東京都は2.77パーセントで最下位。
農業産出額や米の収穫量を比べた記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 作物統計調査(耕地及び作付面積統計)
- 調査年: 令和6年(2024年7月15日現在)
- 公開元: 農林水産省
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040250502
- 備考: 耕地面積は田と畑の合計。畑には普通畑・樹園地・牧草地を含む。数値は有効数字のけた数でまるめているため、都道府県の合計は全国値と一致しない場合がある
注記: 耕地面積は田と畑の合計。
畑には普通畑・樹園地・牧草地を含む。
数値は有効数字のけた数でまるめているため、都道府県の合計は全国値と一致しない場合がある
