【医師の数を人口で割ると?】人口10万人あたり医師数、高齢化が進んだ県ほど多いわけではない

【医師の数を人口で割ると?】人口10万人あたり医師数、高齢化が進んだ県ほど多いわけではない

人口10万人あたりの医師数は、都道府県でどれほど違うのでしょうか。
この記事では、47都道府県の数字を比べます。

使うのは総務省統計局の社会・人口統計体系。
2022年の医師数を同じ年の総人口で割りました。

全国で最も多い京都府は355.6人、最も少ない埼玉県は186.2人で、1.91倍の開きがあります。
実数ではなく人口で割った値なので、都道府県の大きさに関係なく比べられます。

47都道府県の単純平均

280.9人

人口10万人あたり医師数(2022年)

最も多い 京都府

355.6人

最も少ない 埼玉県

186.2人

地図で見る人口あたりの医師数

人口10万人あたり医師数(2022年)
人口10万人あたり医師数(2022年) 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)(総務省統計局)をもとに作成。単位は人。 北海道 264.8人青森 232.1人岩手 233.5人宮城 269.3人秋田 262.2人山形 252.2人福島 228.8人茨城 212.3人栃木 259.2人群馬 243.4人埼玉 186.2人千葉 215.8人東京 346人神奈川 232人新潟 227.3人富山 284.1人石川 303.2人福井 283.1人山梨 267.8人長野 261.9人岐阜 237.9人静岡 238.3人愛知 247人三重 252.3人滋賀 253.7人京都 355.6人大阪 302人兵庫 288.8人奈良 296.2人和歌山 333.3人鳥取 345.2人島根 327.2人岡山 336.8人広島 285.1人山口 284.6人徳島 352人香川 304.7人愛媛 297.7人高知 347人福岡 326.9人佐賀 303.4人長崎 344.8人熊本 315.9人大分 312.5人宮崎 276.4人鹿児島 298.7人沖縄 274.5人
人口10万人あたり医師数(人)
人口10万人あたり医師数(2022年)
項目人口10万人あたり医師数
北海道264.8人
青森県232.1人
岩手県233.5人
宮城県269.3人
秋田県262.2人
山形県252.2人
福島県228.8人
茨城県212.3人
栃木県259.2人
群馬県243.4人
埼玉県186.2人
千葉県215.8人
東京都346人
神奈川県232人
新潟県227.3人
富山県284.1人
石川県303.2人
福井県283.1人
山梨県267.8人
長野県261.9人
岐阜県237.9人
静岡県238.3人
愛知県247人
三重県252.3人
滋賀県253.7人
京都府355.6人
大阪府302人
兵庫県288.8人
奈良県296.2人
和歌山県333.3人
鳥取県345.2人
島根県327.2人
岡山県336.8人
広島県285.1人
山口県284.6人
徳島県352人
香川県304.7人
愛媛県297.7人
高知県347人
福岡県326.9人
佐賀県303.4人
長崎県344.8人
熊本県315.9人
大分県312.5人
宮崎県276.4人
鹿児島県298.7人
沖縄県274.5人

日本地図で見ると、色が濃く出る(人口あたりの医師が多い)のは西日本の広い範囲と東京都です。
淡い(少ない)のは首都圏の周辺県と東北、新潟県でした。
東日本と西日本で分かれる、めずらしい分布になっています。

47都道府県の単純平均は280.93人、中央値は283.10人です。

300人以上は16都府県、250人未満は12県。
1位と47位で169.4人の差があり、1.91倍の開きになりました。

順位都道府県人口10万人あたり医師数(人)地方医師数65歳以上人口割合
1京都府355.6近畿906729.6
2徳島県352.0四国247834.9
3高知県347.0四国234636.1
4東京都346.0関東4857822.8
5鳥取県345.2中国187833.1
6長崎県344.8九州442433.9
7岡山県336.8中国627130.8
8和歌山県333.3近畿301034.0
9島根県327.2中国215334.8
10福岡県326.9九州1672228.3
11熊本県315.9九州542832.1
12大分県312.5九州345934.0
13香川県304.7四国284632.3
14佐賀県303.4九州243031.3
15石川県303.2中部339030.2
16大阪府302.0近畿2651827.7
17鹿児島県298.7九州466833.5
18愛媛県297.7四国388833.9
19奈良県296.2近畿386832.4
20兵庫県288.8近畿1560229.8
21広島県285.1中国787029.9
22山口県284.6中国373735.2
23富山県284.1中部288932.9
24福井県283.1中部213231.2
25宮崎県276.4九州290833.5
26沖縄県274.5九州402923.4
27宮城県269.3東北614028.9
28山梨県267.8中部214831.4
29北海道264.8北海道1361332.8
30秋田県262.2東北243838.6
31長野県261.9中部529032.5
32栃木県259.2関東494930.0
33滋賀県253.7近畿357526.8
34三重県252.3近畿439530.5
35山形県252.2東北262534.8
36愛知県247.0中部1851625.6
37群馬県243.4関東465730.8
38静岡県238.3中部853530.7
39岐阜県237.9中部463031.0
40岩手県233.5東北275834.5
41青森県232.1東北279534.8
42神奈川県232.0関東2142125.8
43福島県228.8東北409632.7
44新潟県227.3中部489433.5
45千葉県215.8関東1352128.0
46茨城県212.3関東602930.4
47埼玉県186.2関東1366127.4
社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)(2022年、総務省統計局)をもとに作成

人口あたりの医師が多い5都県

上位5都道府県の人口10万人あたり医師数
上位5都道府県の人口10万人あたり医師数 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)(2022年) 050100150200250300350京都府: 355.6人355.6人徳島県: 352人352人高知県: 347人347人東京都: 346人346人鳥取県: 345.2人345.2人京都府徳島県高知県東京都鳥取県
上位5都道府県の人口10万人あたり医師数
項目人口10万人あたり医師数
京都府355.6人
徳島県352人
高知県347人
東京都346人
鳥取県345.2人
下位5都道府県の人口10万人あたり医師数
下位5都道府県の人口10万人あたり医師数 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)(2022年) 050100150200埼玉県: 186.2人186.2人茨城県: 212.3人212.3人千葉県: 215.8人215.8人新潟県: 227.3人227.3人福島県: 228.8人228.8人埼玉県茨城県千葉県新潟県福島県
下位5都道府県の人口10万人あたり医師数
項目人口10万人あたり医師数
埼玉県186.2人
茨城県212.3人
千葉県215.8人
新潟県227.3人
福島県228.8人

人口あたりの医師が多い上位5都県です。

京都府は355.6人、徳島県は352.0人、高知県は347.0人、東京都は346.0人、鳥取県は345.2人でした。
上位5つのうち3つが人口の少ない県です。

6位以下は長崎県344.8人、岡山県336.8人、和歌山県333.3人と続きます。

300人以上は16都府県。
京都府、徳島県、高知県、鳥取県、岡山県はいずれも医学部のある県で、上位には大学病院を抱える県が目立ちます。

高齢化が進んだ県ほど医師が多い、わけではありません

高齢化率と人口あたり医師数(47都道府県)
高齢化率と人口あたり医師数(47都道府県) 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)(2022年)/47都道府県 2002202402602803003203402426283032343638X 32.8 / Y 264.8X 34.8 / Y 232.1X 34.5 / Y 233.5X 28.9 / Y 269.3X 38.6 / Y 262.2X 34.8 / Y 252.2X 32.7 / Y 228.8X 30.4 / Y 212.3X 30 / Y 259.2X 30.8 / Y 243.4X 27.4 / Y 186.2X 28 / Y 215.8X 22.8 / Y 346X 25.8 / Y 232X 33.5 / Y 227.3X 32.9 / Y 284.1X 30.2 / Y 303.2X 31.2 / Y 283.1X 31.4 / Y 267.8X 32.5 / Y 261.9X 31 / Y 237.9X 30.7 / Y 238.3X 25.6 / Y 247X 30.5 / Y 252.3X 26.8 / Y 253.7X 29.6 / Y 355.6X 27.7 / Y 302X 29.8 / Y 288.8X 32.4 / Y 296.2X 34 / Y 333.3X 33.1 / Y 345.2X 34.8 / Y 327.2X 30.8 / Y 336.8X 29.9 / Y 285.1X 35.2 / Y 284.6X 34.9 / Y 352X 32.3 / Y 304.7X 33.9 / Y 297.7X 36.1 / Y 347X 28.3 / Y 326.9X 31.3 / Y 303.4X 33.9 / Y 344.8X 32.1 / Y 315.9X 34 / Y 312.5X 33.5 / Y 276.4X 33.5 / Y 298.7X 23.4 / Y 274.5
高齢化率と人口あたり医師数(47都道府県)
系列XY
人口10万人あたり医師数32.8264.8
人口10万人あたり医師数34.8232.1
人口10万人あたり医師数34.5233.5
人口10万人あたり医師数28.9269.3
人口10万人あたり医師数38.6262.2
人口10万人あたり医師数34.8252.2
人口10万人あたり医師数32.7228.8
人口10万人あたり医師数30.4212.3
人口10万人あたり医師数30259.2
人口10万人あたり医師数30.8243.4
人口10万人あたり医師数27.4186.2
人口10万人あたり医師数28215.8
人口10万人あたり医師数22.8346
人口10万人あたり医師数25.8232
人口10万人あたり医師数33.5227.3
人口10万人あたり医師数32.9284.1
人口10万人あたり医師数30.2303.2
人口10万人あたり医師数31.2283.1
人口10万人あたり医師数31.4267.8
人口10万人あたり医師数32.5261.9
人口10万人あたり医師数31237.9
人口10万人あたり医師数30.7238.3
人口10万人あたり医師数25.6247
人口10万人あたり医師数30.5252.3
人口10万人あたり医師数26.8253.7
人口10万人あたり医師数29.6355.6
人口10万人あたり医師数27.7302
人口10万人あたり医師数29.8288.8
人口10万人あたり医師数32.4296.2
人口10万人あたり医師数34333.3
人口10万人あたり医師数33.1345.2
人口10万人あたり医師数34.8327.2
人口10万人あたり医師数30.8336.8
人口10万人あたり医師数29.9285.1
人口10万人あたり医師数35.2284.6
人口10万人あたり医師数34.9352
人口10万人あたり医師数32.3304.7
人口10万人あたり医師数33.9297.7
人口10万人あたり医師数36.1347
人口10万人あたり医師数28.3326.9
人口10万人あたり医師数31.3303.4
人口10万人あたり医師数33.9344.8
人口10万人あたり医師数32.1315.9
人口10万人あたり医師数34312.5
人口10万人あたり医師数33.5276.4
人口10万人あたり医師数33.5298.7
人口10万人あたり医師数23.4274.5

この分布の背景を、ここから考えてみます。
人口あたりの医師数の統計が答えを持っているわけではないので、以下はほかの数字と照らして立てた推測です。

高齢者が多い県ほど医療の必要も大きいはずなので、医師も多いのではないか。
散布図で確かめてみます。

横軸に65歳以上人口割合、縦軸に人口10万人あたり医師数をとって47都道府県を並べたのが上の散布図です。
点は右上がりにも右下がりにも並びません。
相関係数はプラス0.17で、ほとんど関係がありませんでした。

極端な例を見ると分かりやすくなります。
秋田県は高齢化率38.6パーセントで全国1位ですが、人口あたり医師数は262.2人で30位。
逆に東京都は高齢化率22.8パーセントで全国最低ですが、医師数は346.0人で4位です。
高齢者が多いことと医師が多いことは、県の単位では結びついていません。

医師数の実数で見ると、高齢化率との相関はマイナス0.66になります。
高齢化が進んだ県ほど医師の実数は少ない、という強い関係です。
人口で割ると関係が消えるのは、高齢化が進んだ県ほど人口そのものが少ないためでしょう。

では何が効いているのか。
散布図の上のほうに並ぶ京都府、徳島県、高知県、鳥取県、岡山県、長崎県は、いずれも医学部を持つ県です。
人口の割に大学病院や医育機関が厚い県で数字が上がる、という見方ができます。

下のほうに並ぶ埼玉県、茨城県、千葉県は首都圏です。
県内の医師は少なくても、東京都の医療機関を使える距離にあります。
県の境界で区切った数字が、暮らしの実感とずれる典型といえます。

実数で見ると順位は変わる

医師数の上位5都道府県
医師数の上位5都道府県 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)(2022年) 010,00020,00030,00040,000東京都: 48,57848,578大阪府: 26,51826,518神奈川県: 21,42121,421愛知県: 18,51618,516福岡県: 16,72216,722東京都大阪府神奈川県愛知県福岡県
医師数の上位5都道府県
項目医師数
東京都48,578
大阪府26,518
神奈川県21,421
愛知県18,516
福岡県16,722

人口あたりの医師が少ない5県

人口あたりの医師が少ない下位5県です。

埼玉県は186.2人、茨城県は212.3人、千葉県は215.8人、新潟県は227.3人、福島県は228.8人でした。
京都府の355.6人とは169.4人の差があります。

下位5県のうち埼玉県、茨城県、千葉県は首都圏です。
実数で見れば埼玉県は13,661人、千葉県は13,521人と全国でも多いほうですが、人口で割ると最下位近くに沈みます。
東京都に通院する人がいることを考えると、この数字だけで医療の手薄さは測れません。

250人未満は12県。
医師数そのものが最も多いのは東京都の48,578人で、大阪府26,518人、神奈川県21,421人と続きます。

地方別に見る人口あたりの医師数

地方別の平均(人口10万人あたり医師数)
地方別の平均(人口10万人あたり医師数) 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)(2022年) 050100150200250300北海道: 264.8人264.8人東北: 246.4人246.4人関東: 242.1人242.1人中部: 261.2人261.2人近畿: 297.4人297.4人中国: 315.8人315.8人四国: 325.4人325.4人九州: 306.6人306.6人北海道東北関東中部近畿中国四国九州
地方別の平均(人口10万人あたり医師数)
項目人口10万人あたり医師数の平均
北海道264.8人
東北246.4人
関東242.1人
中部261.2人
近畿297.4人
中国315.8人
四国325.4人
九州306.6人

地方別に平均を出すと、四国が最も多くなります。

四国4県が325.35人、中国5県が315.78人、九州・沖縄8県が306.64人、近畿7府県が297.41人と続きます。
少ないほうは北海道が264.80人、中部9県が261.18人、東北6県が246.35人、関東7都県が242.13人でした。

四国と関東では83.22人の差があります。

関東7都県の242.13人が最も少ないのは、埼玉県186.2人、茨城県212.3人、千葉県215.8人、神奈川県232.0人が押し下げた結果です。
同じ関東でも東京都は346.0人で全国4位につけています。

四国4県の325.35人は、徳島県352.0人と高知県347.0人が引き上げた結果です。
どちらも人口の少ない県ですが、人口あたりで見ると上位に並びます。

このグラフについての豆知識

散布図の読み方

考察のところに置いた散布図は、47の点がそれぞれ1つの都道府県を表します。
横軸が高齢化率、縦軸が人口あたりの医師数です。

点が右上がりに並べば「高齢化率が高い県ほど医師が多い」、右下がりなら逆の関係になります。
この記事の散布図はどちらでもなく、雲のように散らばりました。
関係がないことを見せるには、順位よりも散布図のほうが向いています。

医療施設以外の医師も含む

この指標は医師の総数です。
病院や診療所で働く人だけでなく、大学や行政、企業に所属する医師も含みます。

また、勤務先のある県で数えます。
人口は同じ2022年の総人口を使いました。
医師数は2年に一度の調査です。

数字は2022年のものです。

順位の並びがにている記事

この人口あたりの医師数の並びに近い記事を、全記事の順位から機械で洗い出しました。

最も似ていたのは【町のお医者さんが多い県】一般診療所数の47都道府県ランキング、人口10万人あたりで比較(順位相関0.7)です。
最も食い違ったのは【100歳以上の人・10年推移】全国で1.8倍、伸び方は県で3倍以上の開き(順位相関-0.72)でした。

相関は因果ではないので、関係があると決めつけることはできません。
見くらべる手がかりとして使ってください。

地方のなかで見た人口10万人あたり医師数

地方最も多い(人)最も少ない(人)
東北宮城県 269.3福島県 228.8
関東東京都 346.0埼玉県 186.2
中部石川県 303.2新潟県 227.3
近畿京都府 355.6三重県 252.3
中国鳥取県 345.2山口県 284.6
四国徳島県 352.0愛媛県 297.7
九州長崎県 344.8沖縄県 274.5
社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)(2022年、総務省統計局)をもとに作成

まとめ

人口10万人あたりの医師数を比べると、最も多い京都府で355.6人、最も少ない埼玉県で186.2人でした。
1.91倍の開きがあります。

人口あたりの医師数の順位を見るときは、次の3点をあわせて見てください。
1つ目は、医療施設以外で働く医師も含むこと。
2つ目は、勤務先のある県で数えること。
3つ目は2022年の数字であることです。

高齢化率との相関係数はプラス0.17。
散布図で見ても点は雲のように散らばり、高齢者が多い県ほど医師が多いという関係はありませんでした。
秋田県は高齢化率1位で医師数30位、東京都は高齢化率47位で医師数4位です。

実数では東京都の48,578人が最多で、人口あたりでも4位。
埼玉県は実数13,661人と多いのに人口あたりでは47位でした。
医師数の推移や診療所の数を比べた記事とあわせて読んでみてください。

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出典

  • 統計名: 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)
  • 調査年: 2022年
  • 公開元: 総務省統計局
  • 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/regional-statistics/ssdsview/prefectures
  • 備考: 指標コードI6100(医師数)を同じ2022年の総人口で割った。医師数は医療施設以外に従事する人も含む。65歳以上人口割合も同年の値

注記: 指標コードI6100(医師数)を同じ2022年の総人口で割った。
医師数は医療施設以外に従事する人も含む。
65歳以上人口割合も同年の値

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