【米の収穫量】が多い県は生産効率も高いのか、2つの指標で比較

【米の収穫量】が多い県は生産効率も高いのか、2つの指標で比較

米は日本の農業の土台にある作物です。
産地の名前は何となく思い浮かぶかもしれませんが、実際にどれだけの差があるのかを地図とランキングで確かめていきましょう。
ここで数えるのは水稲(子実用)で、陸稲は含みません。

使ったのは令和6年産の農林水産省「作物統計調査」のデータです。
全国の収穫量は734万5,000トン、作付面積は135万9,000ヘクタールでした。

全国の収穫量は734万5,000トン、作付面積は135万9,000ヘクタールでした。
10アール当たりの収量は全国平均で540キログラムです。
産地の名前は何となく思い浮かぶかもしれませんが、実際にどれだけの差があるのかを地図とランキングで確かめていきましょう。

47都道府県の単純平均

156,276t

収穫量(令和6年産(2024年産))

最も多い 新潟県

622,800t

最も少ない 東京都

443t

47都道府県の米の収穫量

収穫量(令和6年産(2024年産))
収穫量(令和6年産(2024年産)) 作物統計調査(令和6年産水陸稲の収穫量)(農林水産省)をもとに作成。単位はt。 北海道 562,400t青森 264,200t岩手 258,900t宮城 366,100t秋田 490,000t山形 354,500t福島 356,800t茨城 338,800t栃木 286,200t群馬 71,400t埼玉 140,900t千葉 287,900t東京 443t神奈川 13,700t新潟 622,800t富山 189,000t石川 116,200t福井 124,800t山梨 25,000t長野 187,900t岐阜 101,900t静岡 70,200t愛知 130,200t三重 120,800t滋賀 146,800t京都 71,700t大阪 20,700t兵庫 166,900t奈良 42,100t和歌山 28,700t鳥取 59,200t島根 80,300t岡山 142,800t広島 108,400t山口 86,200t徳島 46,500t香川 48,200t愛媛 63,800t高知 46,700t福岡 152,200t佐賀 113,100t長崎 45,900t熊本 153,300t大分 88,400t宮崎 69,700t鹿児島 80,400t沖縄 1,950t
収穫量(t)
収穫量(令和6年産(2024年産))
項目収穫量
北海道562,400t
青森県264,200t
岩手県258,900t
宮城県366,100t
秋田県490,000t
山形県354,500t
福島県356,800t
茨城県338,800t
栃木県286,200t
群馬県71,400t
埼玉県140,900t
千葉県287,900t
東京都443t
神奈川県13,700t
新潟県622,800t
富山県189,000t
石川県116,200t
福井県124,800t
山梨県25,000t
長野県187,900t
岐阜県101,900t
静岡県70,200t
愛知県130,200t
三重県120,800t
滋賀県146,800t
京都府71,700t
大阪府20,700t
兵庫県166,900t
奈良県42,100t
和歌山県28,700t
鳥取県59,200t
島根県80,300t
岡山県142,800t
広島県108,400t
山口県86,200t
徳島県46,500t
香川県48,200t
愛媛県63,800t
高知県46,700t
福岡県152,200t
佐賀県113,100t
長崎県45,900t
熊本県153,300t
大分県88,400t
宮崎県69,700t
鹿児島県80,400t
沖縄県1,950t

日本地図で見ると、色が濃く出るのは東北と北陸、そして北海道です。
関東の一部にも濃い県があります。
逆に淡いのは近畿から四国、九州南部にかけての一帯でした。

47都道府県の単純平均は15万6,276トンですが、中央値は11万3,100トンです。
平均を超えたのは14道県だけで、上位のいくつかが全体を大きく引き上げていることが分かります。
米は上位に集中しやすい指標です。

下の表に47都道府県すべての収穫量を、作付面積・10アール当たり収量と並べて掲載しました。
採れた量と、その土地の効率は別の数字なので、あわせて見てみてください。

順位都道府県収穫量(t)地方作付面積10a当たり収量
1新潟県622800中部116200536
2北海道562400北海道95000592
3秋田県490000東北84200582
4宮城県366100東北62800583
5福島県356800東北62700569
6山形県354500東北60800583
7茨城県338800関東62500542
8千葉県287900関東50600569
9栃木県286200関東53000540
10青森県264200東北42400623
11岩手県258900東北45500569
12富山県189000中部35000540
13長野県187900中部30300620
14兵庫県166900近畿34000491
15熊本県153300九州29700516
16福岡県152200九州32600467
17滋賀県146800近畿28400517
18岡山県142800中国28000510
19埼玉県140900関東29600476
20愛知県130200中部26200497
21福井県124800中部23500531
22三重県120800近畿24900485
23石川県116200中部22300521
24佐賀県113100九州22400505
25広島県108400中国20600526
26岐阜県101900中部21100483
27大分県88400九州18000491
28山口県86200中国16800513
29鹿児島県80400九州17100470
30島根県80300中国15900505
31京都府71700近畿13600527
32群馬県71400関東14300499
33静岡県70200中部14500484
34宮崎県69700九州14500481
35愛媛県63800四国12700502
36鳥取県59200中国11800502
37香川県48200四国9820491
38高知県46700四国10300453
39徳島県46500四国9890470
40長崎県45900九州9420487
41奈良県42100近畿8000526
42和歌山県28700近畿5680506
43山梨県25000中部4680534
44大阪府20700近畿4290483
45神奈川県13700関東2840481
46沖縄県1950九州599326
47東京都443関東107414
作物統計調査(令和6年産水陸稲の収穫量)(令和6年産(2024年産)、農林水産省)をもとに作成

地方別に見る米の収穫量

地方別の平均(収穫量)
地方別の平均(収穫量) 作物統計調査(令和6年産水陸稲の収穫量)(令和6年産(2024年産)) 0200,000400,000北海道: 562,400t562,400t東北: 348,417t348,417t関東: 162,763t162,763t中部: 174,222t174,222t近畿: 85,386t85,386t中国: 95,380t95,380t四国: 51,300t51,300t九州: 88,119t88,119t北海道東北関東中部近畿中国四国九州
地方別の平均(収穫量)
項目収穫量の平均
北海道562,400t
東北348,417t
関東162,763t
中部174,222t
近畿85,386t
中国95,380t
四国51,300t
九州88,119t

地方別に平均を出すと、産地のかたよりがはっきり出ます。

最も多いのは北海道の56万2,400トンです。
ただしこれは1道だけの数字なので、複数県の平均と単純には比べられません。
県の集まりで見ると、東北6県の平均が34万8,417トンで最も多く、中部9県が17万4,222トン、関東7都県が16万2,763トンと続きます。

少ないほうを見ると、中国5県が9万5,380トン、九州8県が8万8,119トン、近畿7府県が8万5,386トン、四国4県が5万1,300トンでした。
最も多い東北と最も少ない四国では6.8倍の差があります。

東北と北陸を抱える中部、そして北海道。
米の産地は日本海側と北日本に集まっていることが、地方別の平均からも読み取れます。

収穫量が多い5道県

上位5都道府県の収穫量
上位5都道府県の収穫量 作物統計調査(令和6年産水陸稲の収穫量)(令和6年産(2024年産)) 0100,000200,000300,000400,000500,000600,000新潟県: 622,800t622,800t北海道: 562,400t562,400t秋田県: 490,000t490,000t宮城県: 366,100t366,100t福島県: 356,800t356,800t新潟県北海道秋田県宮城県福島県
上位5都道府県の収穫量
項目収穫量
新潟県622,800t
北海道562,400t
秋田県490,000t
宮城県366,100t
福島県356,800t
下位5都道府県の収穫量
下位5都道府県の収穫量 作物統計調査(令和6年産水陸稲の収穫量)(令和6年産(2024年産)) 05,00010,00015,00020,00025,000東京都: 443t443t沖縄県: 1,950t1,950t神奈川県: 13,700t13,700t大阪府: 20,700t20,700t山梨県: 25,000t25,000t東京都沖縄県神奈川県大阪府山梨県
下位5都道府県の収穫量
項目収穫量
東京都443t
沖縄県1,950t
神奈川県13,700t
大阪府20,700t
山梨県25,000t

収穫量が多い上位5道県です。
いずれも35万トンを超えています。

新潟県は62万2,800トンで、北海道は56万2,400トン、秋田県は49万トン、宮城県は36万6,100トン、福島県は35万6,800トンでした。
上位5道県を合計すると239万8,100トンで、全国の32.6パーセントを占めます。
47のうち5つで全国の3分の1近くという集中ぶりです。

ここで作付面積を見ると、新潟県は11万6,200ヘクタールで、これも全国1位でした。
北海道は9万5,000ヘクタール、秋田県は8万4,200ヘクタール。
収穫量の順位と作付面積の順位は、上位3つでぴたりと一致しています。
つまり上位の顔ぶれは、田んぼの広さでほぼ決まっているということです。

6位以下も35万4,500トン、33万8,800トン、28万7,900トンと続きます。
上位10道県のうち5つが東北で、産地としてのまとまりが数字にも出ていました。

新潟県は、なぜ米が多いのか

ここからは統計から離れて、なぜ1位なのかを考えてみます。
以下は確かめられた事実ではなく、同じ統計の別の数字と突き合わせて立てた推測です。

新潟県の10アール当たり収量は536キログラムでした。
これは全国平均の540キログラムを下回り、47都道府県のなかでは13位です。
同じ面積から採れる量でいえば、飛び抜けているわけではありません。

では10アール当たり収量の上位はどこかというと、青森県の623キログラム、長野県の620キログラム、北海道の592キログラムと続きます。
いずれも収穫量1位の新潟県ではありません。
土地の効率で見ると、まったく別の顔ぶれが並びます。

つまり収穫量1位という結果は、1ヘクタールあたりたくさん採れるからではなく、田んぼが広いから、という見方ができます。
作付面積11万6,200ヘクタールは2位より2万1,200ヘクタール広く、この差が最終的な収穫量の差につながっていると考えられます。

もう1つ、地形の話も関係しているかもしれません。
新潟県は森林率を比べた記事では24位と中位でしたが、平野の広さでは全国有数です。
米の産地が日本海側の平野に集まっているのは、水田に向いた平地がまとまって存在するからだ、という説明はよく見られます。
ただし気候や品種、水利の整備なども絡むため、平地の広さだけで決まると言い切ることはできません。

収穫量が少ない5都府県

収穫量が少ない下位5都府県です。
単位がトンなので、上位との差は桁で変わります。

東京都は443トン、沖縄県は1,950トン、神奈川県は1万3,700トン、大阪府は2万700トン、山梨県は2万5,000トンでした。
新潟県の62万2,800トンと東京都の443トンでは1,406倍の差になります。
今回の47都道府県ランキングのなかでも、とりわけ開きの大きい指標です。

47位と46位はいずれも作付面積が小さく、米作りに使える平地そのものが限られています。
45位から43位も、都市化が進んだ地域や山がちな地域が並びました。

ただし収穫量が少ないことと、米を作っていないことは違います。
東京都でも443トンが収穫されており、田んぼが残っていることは数字が示しています。

作付面積で見ると差はもっとはっきりします。
東京都は107ヘクタール、沖縄県は599ヘクタールで、新潟県の11万6,200ヘクタールとは3桁ちがう規模です。
神奈川県は2,840ヘクタール、大阪府は4,290ヘクタール、山梨県は4,680ヘクタールでした。

米は水と平地を必要とする作物です。
下位に並んだ都府県は、都市が広がっている、あるいは山がちで水田に向いた平地が少ないという事情を抱えています。
順位の低さは、作る意欲の差というより土地の条件の差だと考えたほうが実態に近そうです。

このグラフについての豆知識

採れた量と、土地の効率は別の数字

作物統計調査では、収穫量と一緒に10アール当たり収量が公表されています。
これは同じ面積からどれだけ採れたかを表す数字で、全国平均は540キログラムでした。

県ごとに見ると、最も高いのは623キログラム、次いで620キログラム、592キログラムです。
逆に低いほうは326キログラム、414キログラム、453キログラムでした。
上と下では1.9倍の差があります。
収穫量が1,406倍も開いていたのに対し、土地の効率でみれば2倍以内に収まる。
同じ米の話でも、何を測るかで景色がまったく変わります。

数字はふるい目幅で変わる

作物統計調査の10アール当たり収量には2種類の数字があります。
1つは1.70ミリメートルのふるいで選別した場合、もう1つは農家等が実際に使っているふるい目幅で選別した場合です。
この記事で使っているのは前者で、全国では540キログラム。
後者では519キログラムになります。

ふるい目幅を大きくすると小さい粒が落ちるため、収量は少なくなります。
作況指数の計算などでは農家等が使っている目幅の数字が使われます。
同じ調査の中に複数の数字があるので、他の資料と見比べるときはどちらの数字かを確かめてください。

順位の並びがにている記事

米の収穫量の並びと似ている記事、そして正反対の記事を挙げます。

最も似ていたのは【水稲の作付面積】全国128万5,655ha、1位と2位の差は1.10倍(順位相関0.99)です。
反対に、並びがいちばん逆だったのは【オートバイ通勤の割合】全国2.8%、上位と下位で25倍、西と東ではっきり分かれます(順位相関-0.66)です。

順位が近いことと、原因がつながっていることは別の話です。
それでも、見くらべると気づくことがあります。

地方のなかで見た収穫量

地方最も多い(t)最も少ない(t)
東北秋田県 490000岩手県 258900
関東茨城県 338800東京都 443
中部新潟県 622800山梨県 25000
近畿兵庫県 166900大阪府 20700
中国岡山県 142800鳥取県 59200
四国愛媛県 63800徳島県 46500
九州熊本県 153300沖縄県 1950
作物統計調査(令和6年産水陸稲の収穫量)(令和6年産(2024年産)、農林水産省)をもとに作成

まとめ

47都道府県の米の収穫量を比べると、新潟県は62万2,800トン、東京都は443トンで、その差は1,406倍でした。
全国の収穫量は734万5,000トンで、上位5道県だけで32.6パーセントを占めます。
地方別では東北6県の平均が34万8,417トンと最も多く、四国4県が5万1,300トンで最も少ない結果でした。
平均を超えたのは14道県です。

米の収穫量の数字を読むときは、3つの点に気をつけてください。
1つ目は、この数字が水稲の子実用の収穫量で、陸稲を含まないことです。
2つ目は、10アール当たり収量が1.70ミリメートルのふるいで選別した場合の数値であることです。
3つ目は年次で、令和6年産の数字です。
米の収穫量はその年の天候に左右されるため、単年では判断しないほうが安全です。

収穫量の順位は、田んぼの広さの順位とほとんど重なっていました。
ランキングを読むときは、その数字が何によって決まっているのかを一緒に確かめると、地域の姿がより正確に見えてきます。

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出典

  • 統計名: 作物統計調査(令和6年産水陸稲の収穫量)
  • 調査年: 令和6年産(2024年産)
  • 公開元: 農林水産省
  • 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040250327
  • 備考: 数値は水稲(子実用)の収穫量で、陸稲は含まない。10a当たり収量は農家等が使用しているふるい目幅ではなく1.70mmで選別した場合の数値

注記: 数値は水稲(子実用)の収穫量で、陸稲は含まない。
10a当たり収量は農家等が使用しているふるい目幅ではなく1.70mmで選別した場合の数値

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