ガソリンにいくら使うかは、車をどれだけ使う暮らしかを映します。
電車やバスの便がよい地域では少なく、車がないと動けない地域では多くなります。
通勤の距離や、1世帯が持つ車の台数とも深くかかわる数字です。
今回は47都道府県の1世帯が1年間にガソリンへ使う金額を、2023年から2025年の総務省統計局「家計調査」(二人以上の世帯)の3年平均で比べました。
数値は県庁所在市(東京都は都区部)で調べたもので、県全体の平均ではありません。
全国平均は年間71,200円。
上位と下位では4.93倍の差がありました。
多い県ほど何が多いのかを、ほかの数字と突き合わせながら探ります。
47都道府県の単純平均
75,825円
ガソリンへの年間支出(2023年〜2025年平均)
最も多い 鳥取県
107,406円
最も少ない 東京都
21,767円
地図で見るガソリンへの支出
| 項目 | ガソリンへの年間支出 |
|---|---|
| 北海道 | 59,512円 |
| 青森県 | 74,769円 |
| 岩手県 | 89,968円 |
| 宮城県 | 68,429円 |
| 秋田県 | 86,280円 |
| 山形県 | 93,561円 |
| 福島県 | 91,626円 |
| 茨城県 | 98,829円 |
| 栃木県 | 99,142円 |
| 群馬県 | 102,136円 |
| 埼玉県 | 40,081円 |
| 千葉県 | 52,822円 |
| 東京都 | 21,767円 |
| 神奈川県 | 40,754円 |
| 新潟県 | 87,737円 |
| 富山県 | 101,587円 |
| 石川県 | 94,862円 |
| 福井県 | 87,322円 |
| 山梨県 | 84,439円 |
| 長野県 | 100,243円 |
| 岐阜県 | 90,615円 |
| 静岡県 | 71,219円 |
| 愛知県 | 59,621円 |
| 三重県 | 103,794円 |
| 滋賀県 | 66,014円 |
| 京都府 | 38,695円 |
| 大阪府 | 25,102円 |
| 兵庫県 | 38,217円 |
| 奈良県 | 58,288円 |
| 和歌山県 | 62,476円 |
| 鳥取県 | 107,406円 |
| 島根県 | 101,440円 |
| 岡山県 | 73,262円 |
| 広島県 | 65,904円 |
| 山口県 | 105,987円 |
| 徳島県 | 85,429円 |
| 香川県 | 83,355円 |
| 愛媛県 | 60,809円 |
| 高知県 | 88,332円 |
| 福岡県 | 53,656円 |
| 佐賀県 | 85,716円 |
| 長崎県 | 58,796円 |
| 熊本県 | 80,701円 |
| 大分県 | 90,904円 |
| 宮崎県 | 83,046円 |
| 鹿児島県 | 89,725円 |
| 沖縄県 | 59,379円 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは山陰から中国地方、北陸、北関東、東海の内陸です。
淡いのは首都圏と近畿の都市部、それに北海道でした。
47都道府県の単純平均は75,825円、中央値は83,355円です。
中央値のほうが7,530円高いのは、東京都と大阪府が下に大きく外れているためです。
平均を超えたのは26県。
多くの県が8万円から10万円のあいだに集まっており、少数の都市部だけが大きく低い分布になっています。
| 順位 | 都道府県 | ガソリンへの年間支出(円) | 地方 | ガソリンの購入量 | 1世帯当たり乗用車保有台数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 鳥取県 | 107406 | 中国 | 635.3 | 1.433 |
| 2 | 山口県 | 105987 | 中国 | 641.3 | 1.239 |
| 3 | 三重県 | 103794 | 近畿 | 650.8 | 1.413 |
| 4 | 群馬県 | 102136 | 関東 | 633.4 | 1.554 |
| 5 | 富山県 | 101587 | 中部 | 612.6 | 1.604 |
| 6 | 島根県 | 101440 | 中国 | 602.4 | 1.388 |
| 7 | 長野県 | 100243 | 中部 | 580.1 | 1.532 |
| 8 | 栃木県 | 99142 | 関東 | 609.1 | 1.533 |
| 9 | 茨城県 | 98829 | 関東 | 603.8 | 1.501 |
| 10 | 石川県 | 94862 | 中部 | 578.0 | 1.45 |
| 11 | 山形県 | 93561 | 東北 | 570.6 | 1.616 |
| 12 | 福島県 | 91626 | 東北 | 549.7 | 1.508 |
| 13 | 大分県 | 90904 | 九州 | 530.8 | 1.263 |
| 14 | 岐阜県 | 90615 | 中部 | 561.6 | 1.5 |
| 15 | 岩手県 | 89968 | 東北 | 565.1 | 1.371 |
| 16 | 鹿児島県 | 89725 | 九州 | 536.4 | 1.192 |
| 17 | 高知県 | 88332 | 四国 | 506.3 | 1.135 |
| 18 | 新潟県 | 87737 | 中部 | 544.3 | 1.498 |
| 19 | 福井県 | 87322 | 中部 | 527.6 | 1.661 |
| 20 | 秋田県 | 86280 | 東北 | 523.5 | 1.363 |
| 21 | 佐賀県 | 85716 | 九州 | 525.4 | 1.468 |
| 22 | 徳島県 | 85429 | 四国 | 520.8 | 1.341 |
| 23 | 山梨県 | 84439 | 中部 | 514.9 | 1.497 |
| 24 | 香川県 | 83355 | 四国 | 501.5 | 1.315 |
| 25 | 宮崎県 | 83046 | 九州 | 497.6 | 1.277 |
| 26 | 熊本県 | 80701 | 九州 | 497.9 | 1.288 |
| 27 | 青森県 | 74769 | 東北 | 462.6 | 1.214 |
| 28 | 岡山県 | 73262 | 中国 | 449.5 | 1.333 |
| 29 | 静岡県 | 71219 | 中部 | 426.9 | 1.34 |
| 30 | 宮城県 | 68429 | 東北 | 421.2 | 1.231 |
| 31 | 滋賀県 | 66014 | 近畿 | 401.9 | 1.314 |
| 32 | 広島県 | 65904 | 中国 | 402.9 | 1.089 |
| 33 | 和歌山県 | 62476 | 近畿 | 396.9 | 1.224 |
| 34 | 愛媛県 | 60809 | 四国 | 368.7 | 1.137 |
| 35 | 愛知県 | 59621 | 中部 | 367.3 | 1.203 |
| 36 | 北海道 | 59512 | 北海道 | 368.7 | 0.993 |
| 37 | 沖縄県 | 59379 | 九州 | 359.8 | 1.307 |
| 38 | 長崎県 | 58796 | 九州 | 345.1 | 1.105 |
| 39 | 奈良県 | 58288 | 近畿 | 359.0 | 1.061 |
| 40 | 福岡県 | 53656 | 九州 | 325.7 | 1.035 |
| 41 | 千葉県 | 52822 | 関東 | 324.7 | 0.917 |
| 42 | 神奈川県 | 40754 | 関東 | 248.7 | 0.661 |
| 43 | 埼玉県 | 40081 | 関東 | 245.5 | 0.909 |
| 44 | 京都府 | 38695 | 近畿 | 232.3 | 0.786 |
| 45 | 兵庫県 | 38217 | 近畿 | 235.3 | 0.879 |
| 46 | 大阪府 | 25102 | 近畿 | 152.5 | 0.611 |
| 47 | 東京都 | 21767 | 関東 | 131.7 | 0.408 |
ガソリンへの支出が多い5県
ガソリンへの支出が多い上位5県です。
鳥取県は107,406円、山口県は105,987円、三重県は103,794円、群馬県は102,136円、富山県は101,587円でした。
10万円を超えたのは7県で、6位以下は島根県101,440円、長野県100,243円と続きます。
上位に並んだのは山陰と中国地方、北陸、それに北関東と東海の一部です。
大都市を抱える都府県はひとつも入っていません。
鳥取県の107,406円は全国平均71,200円の1.51倍。
月あたりにすると約9千円をガソリンに使っている計算になります。
車の保有台数とほぼ連動している
この分布の背景を、ここから考えてみます。
1世帯が1年間に使うガソリンの金額の統計が答えを持っているわけではないので、以下はほかの数字と照らして立てた推測です。
多い県ほど何が多いのか。
答えははっきりしていて、車です。
ガソリンへの支出と1世帯当たり乗用車保有台数の相関係数はプラス0.88。
人口密度とはマイナス0.68でした。
車を持つ世帯が多い県ほどガソリンを使い、人が密集した都市ほど使いません。
灯油と同じで、単価による説明は要りません。
支出額を購入量で割ると1リットルあたりの金額が出ますが、全国平均164.5円に対して最も多い鳥取県は169.1円、最も少ない東京都は165.3円。
むしろ東京都のほうが安いくらいです。
差は買う量から生まれています。
購入量で見ると、1位は三重県の650.75リットル、最下位は東京都の131.69リットル。
4.94倍の差で、支出の4.93倍とほぼ同じ幅でした。
東京都の1世帯当たり乗用車保有台数は0.408台で全国最下位、人口密度は6,444.7人で全国1位です。
車を持たなくても移動できる街では、ガソリン代という費目自体が家計から消えていきます。
おもしろいのは、支出額の1位と購入量の1位がずれていることです。
支出では鳥取県、購入量では三重県が1位でした。
三重県は650.75リットルを103,794円で買っており、1リットルあたり159.5円。
鳥取県より安く給油できています。
給油所の密度や競争の差が、わずかに単価に表れているのかもしれません。
なお映画館での映画鑑賞の行動者率との相関がマイナス0.50あるのは、車社会の県ほど都市型の余暇が少ないという間接的な関係だと考えられます。
ガソリン代そのものが映画を遠ざけているわけではないでしょう。
ガソリンへの支出が少ない5都府県
ガソリンへの支出が少ない下位5都府県です。
東京都は21,767円、大阪府は25,102円、兵庫県は38,217円、京都府は38,695円、埼玉県は40,081円でした。
鳥取県の107,406円とは4.93倍の差があります。
東京都の21,767円と大阪府の25,102円は、3位の兵庫県38,217円から1万3千円以上離れています。
この2都府だけが別の水準にありました。
下位に並んだのは首都圏と近畿の都市部です。
鉄道網が発達し、車がなくても暮らせる地域が並びました。
地方別でも近畿7府県が56,084円で最も低く、北海道が59,512円、関東7都県が65,076円と続きます。
北海道が59,512円で下から2番目に入るのは意外に見えるかもしれません。
1世帯当たり乗用車保有台数は0.993台で40位と、地方のなかでは少ないほうです。
人口が札幌市に集中していることが影響していそうです。
地方別に見るガソリンへの支出
地方別に平均を出すと、都市部とそれ以外ではっきり分かれます。
最も多いのは中国5県の90,800円です。
次いで中部9県が86,405円、東北6県が84,106円、四国4県が79,481円、九州8県が75,240円と続きます。
少ないほうは関東7都県が65,076円、北海道が59,512円、近畿7府県が56,084円でした。
中国と近畿では1.62倍の差があります。
近畿7府県が最も低いのは、大阪府25,102円と京都府38,695円、兵庫県38,217円という3府県が引き下げているためです。
同じ近畿でも三重県は103,794円で全国3位。
地方でまとめると、この幅が見えなくなります。
このグラフについての豆知識
ガソリンの値段は県によってあまり変わらない
支出額を購入量で割ると、1リットルあたりの金額が出ます。
全国平均は164.5円でした。
最も高いのは鳥取県の169.1円、東京都は165.3円です。
地方のほうが高くなる場合もあり、都市と地方で一貫した差はありません。
そのためこのランキングは、価格ではなく走る距離と車の台数の差を表していると考えられます。
数字は県庁所在市のもので、県全体の平均ではない
家計調査の品目別ランキングは、各都道府県の県庁所在市(東京都は都区部)で調査された二人以上の世帯の平均です。
ガソリンではこの制約が大きく効きます。
県庁所在市は県内で最も鉄道やバスが整っている地域なので、郡部を含めた県全体の平均より低めに出ている可能性があります。
またこの数字には軽油やハイオクなど、車を動かすための燃料が広く含まれます。
事業用の給油は家計調査の対象外です。
順位の並びがにている記事
1世帯が1年間に使うガソリンの金額の順位を、当サイトの全記事の並びと突き合わせてみました。
1という高い相関を示したのが【ガソリン代への支出】平均年7万6,078円、車社会の固定費でした。
最も食い違ったのは【原付バイクの台数】全国637万台、人口あたり1位は和歌山県(順位相関-0.74)でした。
似ているからといって理由が同じとはかぎりません。
それでも、2つを重ねると土地の性格が見えてくることがあります。
地方のなかで見たガソリンへの年間支出
| 地方 | 最も多い(円) | 最も少ない(円) |
|---|---|---|
| 東北 | 山形県 93561 | 宮城県 68429 |
| 関東 | 群馬県 102136 | 東京都 21767 |
| 中部 | 富山県 101587 | 愛知県 59621 |
| 近畿 | 三重県 103794 | 大阪府 25102 |
| 中国 | 鳥取県 107406 | 広島県 65904 |
| 四国 | 高知県 88332 | 愛媛県 60809 |
| 九州 | 大分県 90904 | 福岡県 53656 |
まとめ
47都道府県のガソリンへの支出を比べると、最も多い鳥取県は107,406円、最も少ない東京都は21,767円で、その差は4.93倍でした。
全国平均は71,200円です。
1世帯が1年間に使うガソリンの金額の統計を読むときの注意点は3つです。
1つ目は、この数字が県庁所在市の二人以上の世帯を対象にしたものであること。
2つ目は、県庁所在市は県内で最も交通が整った地域であること。
3つ目は2023年から2025年の3年平均であることです。
1世帯当たり乗用車保有台数との相関係数はプラス0.88、人口密度とはマイナス0.68。
多い県ほど多いのは、車そのものでした。
1リットルあたりの金額は鳥取県169.1円、東京都165.3円で、地方のほうが安いわけではありません。
差は走る量から生まれています。
車の保有台数や人口密度を比べた記事とあわせて読むと、その関係がはっきりします。
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出典
- 統計名: 家計調査(二人以上の世帯、品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング)
- 調査年: 2023年〜2025年平均
- 公開元: 総務省統計局
- 参照URL: https://www.stat.go.jp/data/kakei/5.html
- 備考: 数値は各都道府県の県庁所在市(東京都は都区部)で調査された二人以上の世帯の1年間の平均であり、県全体の平均ではない。ガソリンの購入量は同じ調査の数量。1世帯当たり乗用車保有台数は自動車保有車両数月報などによる
注記: 数値は各都道府県の県庁所在市(東京都は都区部)で調査された二人以上の世帯の1年間の平均であり、県全体の平均ではない。
ガソリンの購入量は同じ調査の数量。
1世帯当たり乗用車保有台数は自動車保有車両数月報などによる
