【精神科を掲げる診療所】全国7,761施設、大都市に集中

【精神科を掲げる診療所】全国7,761施設、大都市に集中

こころの不調を診る精神科の診療所は、全国にどれくらいあるのでしょうか。
精神科を掲げる一般診療所の数を47都道府県で比べます。

使うのは厚生労働省の医療施設静態調査、2023年の数字。

東京都が1,531施設で1位。
47都道府県の平均は165.1施設、中央値は75施設です。
1位と47位の間には52.8倍の開き、人口10万人あたりでは3.4倍の開きがありました。

47都道府県の単純平均

165施設

精神科を掲げる一般診療所数(2023年)

最も多い 東京都

1,531施設

最も少ない 福井県

29施設

精神科の診療所が多い上位5都府県

上位5都道府県の精神科を掲げる一般診療所数
上位5都道府県の精神科を掲げる一般診療所数 医療施設静態調査(令和5年・都道府県別)(2023年) 02004006008001,0001,2001,400東京都: 1,531施設1,531施設大阪府: 826施設826施設神奈川県: 688施設688施設愛知県: 416施設416施設兵庫県: 376施設376施設東京都大阪府神奈川県愛知県兵庫県
上位5都道府県の精神科を掲げる一般診療所数
項目精神科を掲げる一般診療所数
東京都1,531施設
大阪府826施設
神奈川県688施設
愛知県416施設
兵庫県376施設
下位5都道府県の精神科を掲げる一般診療所数
下位5都道府県の精神科を掲げる一般診療所数 医療施設静態調査(令和5年・都道府県別)(2023年) 05101520253035福井県: 29施設29施設鳥取県: 34施設34施設佐賀県: 37施設37施設石川県: 38施設38施設青森県: 39施設39施設秋田県: 39施設39施設福井県鳥取県佐賀県石川県青森県秋田県
下位5都道府県の精神科を掲げる一般診療所数
項目精神科を掲げる一般診療所数
福井県29施設
鳥取県34施設
佐賀県37施設
石川県38施設
青森県39施設
秋田県39施設

精神科の診療所が多い上位5都府県です。

東京都は1,531施設、大阪府は826施設、神奈川県は688施設でした。
東京都は2位の大阪府の1.85倍です。

4位は愛知県で416施設、5位は兵庫県で376施設。
上位5で全国の49.4パーセント、上位3で39.2パーセント、上位10で66.2パーセントでした。

1位だけで19.7パーセントを占めます。
47都道府県の平均は165.1施設なので、1位は平均の9.3倍。
中央値の75施設と比べると20.4倍にあたります。

6位以下は埼玉県で319施設、千葉県で296施設、福岡県で296施設と続きました。

2位と3位の差は138施設、3位と4位の差は272施設でした。
上位5より下の42都道府県で、全国の50.6パーセントを分け合っています。

1位と2位を合わせると2,357施設。
これだけで全国の30.4パーセントにあたります。

1位だけで全国の19.7パーセントを占めました。
5分の1が集まる計算です。

人口あたりでも東京都が1位です

ここからは統計を離れて、精神科を掲げる診療所の数の背景を推測します。
確かめられた事実ではなく、ほかの数字と並べて考えた見立てとして読んでください。

人口10万人あたりで割り直すと、並びが変わります。

1位は東京都の10.8施設、2位は大阪府9.43施設、3位は島根県8.41施設。

4位以下は徳島県、神奈川県と続きます。
逆に人口あたりの下位は鹿児島県3.33施設、茨城県3.21施設。
東京都と茨城県では3.4倍の開きです。

人口あたりでも東京都が1位で、大都市への集中がとくに強い診療科です。

通勤や人間関係のストレスを抱える働く世代が多い都市部で、通いやすい「街のメンタルクリニック」が増えてきました。

当サイトのこころの悩みやストレスの記事とあわせて見ると、需要と受け皿の関係が見えてきます。

地方別に人口10万人あたりの平均を出すと、近畿7府県が7.5施設で最も多く、北海道が4.2施設で最も少なくなります。
関東7都県7.1施設と四国4県6.6施設がそれに続きました。

実数で見ると順位は変わる

人口10万人あたりの精神科を掲げる一般診療所数の上位5都道府県
人口10万人あたりの精神科を掲げる一般診療所数の上位5都道府県 医療施設静態調査(令和5年・都道府県別)(2023年) 0246810東京都: 10.810.8大阪府: 9.49.4島根県: 8.48.4徳島県: 7.77.7神奈川県: 7.57.5東京都大阪府島根県徳島県神奈川県
人口10万人あたりの精神科を掲げる一般診療所数の上位5都道府県
項目人口10万人あたりの精神科を掲げる一般診療所数
東京都10.8
大阪府9.4
島根県8.4
徳島県7.7
神奈川県7.5

精神科の診療所が少ない下位5県

精神科の診療所が少ない下位5県です。

47位の福井県は29施設、46位の鳥取県は34施設、45位の佐賀県は37施設でした。
1位の東京都とは52.8倍の差があります。

44位は石川県で38施設、43位は秋田県で39施設、42位は青森県で39施設と続きます。

52.8倍という開きです。
この記事で扱う診療科のなかで最も大きい差です。

47都道府県の中央値は75施設。
平均は165.1施設なので、平均が中央値の2.2倍です。

47位の福井県は平均の17.6パーセント、中央値の38.7パーセントにあたります。

下位5県を合わせても全国の2.3パーセントにしかなりません。
1位の東京都1つで19.7パーセントを占めるのとは対照的です。

47位の福井県は、1位の東京都の1.89パーセントにあたる水準です。

46位との差は5施設、45位との差は8施設でした。
1位の東京都と47位の福井県の間には1,502施設の開きがあります。

地方別に見る

地方別の平均(精神科を掲げる一般診療所数)
地方別の平均(精神科を掲げる一般診療所数) 医療施設静態調査(令和5年・都道府県別)(2023年) 0100200300400北海道: 211施設211施設東北: 68施設68施設関東: 443施設443施設中部: 115施設115施設近畿: 233施設233施設中国: 81施設81施設四国: 58施設58施設九州: 92施設92施設北海道東北関東中部近畿中国四国九州
地方別の平均(精神科を掲げる一般診療所数)
項目精神科を掲げる一般診療所数の平均
北海道211施設
東北68施設
関東443施設
中部115施設
近畿233施設
中国81施設
四国58施設
九州92施設

精神科の診療所は、大都市に集中しています。

地方別に合計を出すと、関東7都県が全国の40パーセントで最も大きくなります。
次いで近畿7府県が21.1パーセント、中部9県が13.3パーセント、九州・沖縄8県が9.5パーセントと続きました。

少ないほうは東北6県が5.3パーセント、中国5県が5.2パーセント、四国4県が3パーセント、北海道が2.7パーセントでした。

人口10万人あたりの平均で見ると並びが変わります。
近畿7府県が7.5施設、関東7都県が7.1施設、四国4県が6.6施設の順に多く、最も少ないのは北海道が4.2施設です。

地図で見る

精神科を掲げる一般診療所数(2023年)
精神科を掲げる一般診療所数(2023年) 医療施設静態調査(令和5年・都道府県別)(厚生労働省)をもとに作成。単位は施設。 北海道 211施設青森 39施設岩手 41施設宮城 110施設秋田 39施設山形 75施設福島 105施設茨城 90施設栃木 77施設群馬 100施設埼玉 319施設千葉 296施設東京 1,531施設神奈川 688施設新潟 114施設富山 40施設石川 38施設福井 29施設山梨 44施設長野 105施設岐阜 96施設静岡 152施設愛知 416施設三重 69施設滋賀 54施設京都 182施設大阪 826施設兵庫 376施設奈良 74施設和歌山 53施設鳥取 34施設島根 54施設岡山 106施設広島 143施設山口 66施設徳島 53施設香川 53施設愛媛 85施設高知 41施設福岡 296施設佐賀 37施設長崎 60施設熊本 70施設大分 61施設宮崎 63施設鹿児島 51施設沖縄 99施設
精神科を掲げる一般診療所数(施設)
精神科を掲げる一般診療所数(2023年)
項目精神科を掲げる一般診療所数
北海道211施設
青森県39施設
岩手県41施設
宮城県110施設
秋田県39施設
山形県75施設
福島県105施設
茨城県90施設
栃木県77施設
群馬県100施設
埼玉県319施設
千葉県296施設
東京都1,531施設
神奈川県688施設
新潟県114施設
富山県40施設
石川県38施設
福井県29施設
山梨県44施設
長野県105施設
岐阜県96施設
静岡県152施設
愛知県416施設
三重県69施設
滋賀県54施設
京都府182施設
大阪府826施設
兵庫県376施設
奈良県74施設
和歌山県53施設
鳥取県34施設
島根県54施設
岡山県106施設
広島県143施設
山口県66施設
徳島県53施設
香川県53施設
愛媛県85施設
高知県41施設
福岡県296施設
佐賀県37施設
長崎県60施設
熊本県70施設
大分県61施設
宮崎県63施設
鹿児島県51施設
沖縄県99施設

日本地図で見ると、色が濃く出るのは東京都です。
次いで大阪府、神奈川県、愛知県、兵庫県が続きます。
淡いのは福井県、鳥取県、佐賀県でした。

47都道府県の平均は165.1施設、中央値は75施設です。
東京都の1,531施設は平均の9.3倍にあたります。

上位3で39.2パーセント、1位と47位で52.8倍の開きがありました。

人口10万人あたりに直すと東京都が10.8施設で最も多く、開きは3.4倍になります。

実数1位の東京都は人口あたりでは1位、人口あたり1位の東京都は実数では1位でした。

順位都道府県精神科を掲げる一般診療所数(施設)地方人口10万人あたりの精神科を掲げる一般診療所数
1東京都1531関東10.8
2大阪府826近畿9.43
3神奈川県688関東7.46
4愛知県416中部5.58
5兵庫県376近畿7.05
6埼玉県319関東4.35
7千葉県296関東4.74
7福岡県296九州5.81
9北海道211北海道4.18
10京都府182近畿7.22
11静岡県152中部4.31
12広島県143中国5.27
13新潟県114中部5.43
14宮城県110東北4.89
15岡山県106中国5.79
16長野県105中部5.28
16福島県105東北6.02
18群馬県100関東5.29
19沖縄県99九州6.75
20岐阜県96中部5.01
21茨城県90関東3.21
22愛媛県85四国6.66
23栃木県77関東4.08
24山形県75東北7.42
25奈良県74近畿5.76
26熊本県70九州4.12
27三重県69近畿4.03
28山口県66中国5.15
29宮崎県63九州6.1
30大分県61九州5.62
31長崎県60九州4.79
32滋賀県54近畿3.85
32島根県54中国8.41
34香川県53四国5.78
34徳島県53四国7.74
34和歌山県53近畿6.02
37鹿児島県51九州3.33
38山梨県44中部5.56
39岩手県41東北3.58
39高知県41四国6.25
41富山県40中部4.01
42秋田県39東北4.35
42青森県39東北3.35
44石川県38中部3.46
45佐賀県37九州4.7
46鳥取県34中国6.4
47福井県29中部3.92
医療施設静態調査(令和5年・都道府県別)(2023年、厚生労働省)をもとに作成

このグラフについての豆知識

入院から通院へ

精神科を掲げる一般診療所は全国で7,761施設。
精神科の医療は、長期入院から通院・在宅へと移りつつあります。

精神病床の入院患者は1日平均25万7,929人。
診療所の広がりは、その受け皿でもあります。

診療科目は重複計上

この記事の数字は、その診療科目を「掲げている」施設の数です。
内科と小児科を両方掲げる診療所は、それぞれの科目に1つずつ数えられます(重複計上)。

医療施設静態調査は3年ごとの調査で、これは2023年(令和5年)10月1日時点のものです。

施設の所在地で数えるため、県境をこえて通院する人のぶんは施設のある県に計上されます。

数字の開き

1位の東京都は1,531施設、47位の福井県は29施設。
両者の間には52.8倍の開きがあります。
上位3で全国の39.2パーセント、上位10で66.2パーセントを占めます。

中央値は75施設、平均は165.1施設です。
平均が中央値を上回るのは、上位のいくつかの都道府県が全体を押し上げているためです。

人口10万人あたりに直すと3.4倍の開きになります。
実数の順位がどこまで人口の多さを映しているかは、この2つを見比べると分かります。

順位の並びがにている記事

この精神科を掲げる診療所の数の並びに近い記事を、全記事の順位から機械で洗い出しました。

いちばん近かったのは【DKの住宅】全国1,288万1,200戸、LDKより古い間取りで、順位相関は0.93でした。
逆に、ほぼ裏返しの並びになったのが【体育館の数】全国8,111か所、人口が少ない県ほど多いという逆転が起きています(相関-0.71)でした。

これは並びが近いというだけで、片方がもう片方を生んでいるという意味ではありません。
地図を2枚ならべてみてください。

地方のなかで見た精神科を掲げる一般診療所数

地方最も多い(施設)最も少ない(施設)
東北宮城県 110秋田県 39
関東東京都 1531栃木県 77
中部愛知県 416福井県 29
近畿大阪府 826和歌山県 53
中国広島県 143鳥取県 34
四国愛媛県 85高知県 41
九州福岡県 296佐賀県 37
医療施設静態調査(令和5年・都道府県別)(2023年、厚生労働省)をもとに作成

まとめ

精神科を掲げる診療所の数を47都道府県で比べると、最も多い東京都で1,531施設、最も少ない福井県で29施設でした。
1位と47位の間には52.8倍の開きがあります。

上位3で全国の39.2パーセント、上位10で66.2パーセントを占めます。
47都道府県の中央値は75施設、平均は165.1施設でした。
人口10万人あたりに直すと3.4倍の開きになります。

この精神科を掲げる診療所の数の数字には、読み違えやすい点が3つあります。
1つ目は、科目を掲げる施設の重複計上であること。
2つ目は、施設の所在地で数えた数字であること。
3つ目は2023年の数字であることです。

人口10万人あたりでは東京都が10.8施設で最多。
実数1位の東京都は人口あたりでは1位でした。

地方別に合計を出すと関東7都県が全国の40パーセントで最多、人口10万人あたりでは近畿7府県が7.5施設で最多でした。
精神病床の入院患者やこころのストレスを比べた記事とあわせて読んでみてください。

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出典

  • 統計名: 医療施設静態調査(令和5年・都道府県別)
  • 調査年: 2023年
  • 公開元: 厚生労働省
  • 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/database?statdisp_id=0004024888
  • 備考: 診療科目に精神科を掲げる一般診療所の数(重複計上)。人口10万人あたりは2024年の総人口で割った参考値

注記: 診療科目に精神科を掲げる一般診療所の数(重複計上)。
人口10万人あたりは2024年の総人口で割った参考値

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