都道府県が1年間に新しく借り入れた地方債は、全国で45,867.48億円。
道路や学校など長く使うものを造るための借金です。
47都道府県で比べます。
使うのは総務省統計局の社会・人口統計体系、2022年の数字。
愛知県が2,834.6億円で1位。
実数の差は9.6倍と小さく、どの県も似た規模で借りています。
47都道府県の平均は975.9億円、中央値は737.71億円です。
1位と47位の間には9.6倍の開き、人口10万人あたりでは6.9倍の開きがありました。
47都道府県の単純平均
975.9億円
地方債(2022年)
最も多い 愛知県
2,834.6億円
最も少ない 香川県
294.8億円
都道府県の借入額が大きい5都道県
都道府県の借入額が大きい上位5都道県です。
愛知県は2,834.6億円、北海道は2,729.84億円、東京都は2,386.95億円でした。
愛知県は2位の北海道の1.04倍です。
4位は埼玉県で2,121.57億円、5位は兵庫県で1,930.55億円。
上位5で全国の26.2パーセント、上位3で17.3パーセント、上位10で43.4パーセントでした。
1位だけで6.2パーセントを占めます。
47都道府県の平均は975.9億円なので、1位は平均の2.9倍。
中央値の737.71億円と比べると3.8倍にあたります。
6位以下は福岡県で1,925.03億円、神奈川県で1,623.14億円、千葉県で1,492.12億円と続きました。
2位と3位の差は342.89億円、3位と4位の差は265.38億円でした。
上位5より下の42都道府県で、全国の73.8パーセントを分け合っています。
1位と2位を合わせると5,564.44億円。
これだけで全国の12.1パーセントにあたります。
1位と2位はごくわずかな差でした。
人口の多い県と面積の広い道が並ぶところに、この指標の性格が出ています。
実数の差は9.6倍と、この記事では最も小さい部類です
ここからは統計を離れて、都道府県が1年に借りた地方債の背景を推測します。
確かめられた事実ではなく、ほかの数字と並べて考えた見立てとして読んでください。
人口10万人あたりで割り直すと、差はむしろ広がります。
1位は佐賀県の95.98億円、2位は福井県85.16億円、3位は高知県83.56億円。
4位以下は和歌山県、島根県と続きます。
逆に人口あたりの下位は東京都17億円、大阪府14億円。
佐賀県と大阪府では6.9倍の開きです。
地方債の発行額には、臨時財政対策債が大きく含まれます。
これは地方交付税の代わりに発行を認められる特別な借金で、返済額は後から交付税で措置されます。
ですから財政力の弱い県ほど、この枠が大きくなります。
人口あたりで地方の県が上位に来るのはそのためだと考えられます。
実数では9.6倍だった差が、人口あたりでは6.9倍に広がります。
借金の重さは、人口で割ってはじめて見えてきます。
市町村の借金残高を比べた記事とあわせて見ると、地方財政の借入の全体像がつかめます。
地方別に人口10万人あたりの平均を出すと、東北6県が55.3億円で最も多く、関東7都県が23.6億円で最も少なくなります。
北海道53.1億円と四国4県51億円がそれに続きました。
実数で見ると順位は変わる
都道府県の借入額が小さい5県
都道府県の借入額が小さい下位5県です。
47位の香川県は294.82億円、46位の沖縄県は322.54億円、45位の鳥取県は344.87億円でした。
1位の愛知県とは9.6倍の差があります。
44位は奈良県で450.79億円、43位は徳島県で453.01億円、42位は青森県で492.94億円と続きます。
1位と47位で9.6倍。
人口の差の3分の1ほどにとどまります。
借入は各県でならされています。
47都道府県の中央値は737.71億円。
平均は975.9億円なので、平均が中央値の1.3倍です。
47位の香川県は平均の30.2パーセント、中央値の40.0パーセントにあたります。
下位5県を合わせても全国の4.1パーセントにしかなりません。
1位の愛知県1つで6.2パーセントを占めるのとは対照的です。
47位の香川県は、1位の愛知県の10.4パーセントにあたる水準です。
46位との差は27.72億円、45位との差は50.05億円でした。
1位の愛知県と47位の香川県の間には2,539.78億円の開きがあります。
地方別に見る
地方債の発行は、財政力の弱い地方で人口あたりが大きくなります。
地方別に合計を出すと、関東7都県が全国の22.4パーセントで最も大きくなります。
次いで中部9県が21.5パーセント、九州・沖縄8県が14.7パーセント、近畿7府県が14.5パーセントと続きました。
少ないほうは東北6県が10.2パーセント、中国5県が6.7パーセント、北海道が6パーセント、四国4県が4パーセントでした。
人口10万人あたりの平均で見ると並びが変わります。
東北6県が55.3億円、北海道が53.1億円、四国4県が51億円の順に多く、最も少ないのは関東7都県が23.6億円です。
地図で見る
| 項目 | 地方債 |
|---|---|
| 北海道 | 2,729.8億円 |
| 青森県 | 492.9億円 |
| 岩手県 | 609.8億円 |
| 宮城県 | 790.3億円 |
| 秋田県 | 729.6億円 |
| 山形県 | 642.9億円 |
| 福島県 | 1,390.4億円 |
| 茨城県 | 1,165.0億円 |
| 栃木県 | 828.1億円 |
| 群馬県 | 677.6億円 |
| 埼玉県 | 2,121.6億円 |
| 千葉県 | 1,492.1億円 |
| 東京都 | 2,387.0億円 |
| 神奈川県 | 1,623.1億円 |
| 新潟県 | 1,065.2億円 |
| 富山県 | 549.5億円 |
| 石川県 | 579.2億円 |
| 福井県 | 641.3億円 |
| 山梨県 | 495.4億円 |
| 長野県 | 1,035.2億円 |
| 岐阜県 | 1,190.2億円 |
| 静岡県 | 1,476.3億円 |
| 愛知県 | 2,834.6億円 |
| 三重県 | 948.1億円 |
| 滋賀県 | 571.9億円 |
| 京都府 | 781.1億円 |
| 大阪府 | 1,229.1億円 |
| 兵庫県 | 1,930.6億円 |
| 奈良県 | 450.8億円 |
| 和歌山県 | 737.7億円 |
| 鳥取県 | 344.9億円 |
| 島根県 | 531.5億円 |
| 岡山県 | 557.3億円 |
| 広島県 | 1,128.9億円 |
| 山口県 | 514.7億円 |
| 徳島県 | 453.0億円 |
| 香川県 | 294.8億円 |
| 愛媛県 | 533.0億円 |
| 高知県 | 564.9億円 |
| 福岡県 | 1,925.0億円 |
| 佐賀県 | 768.8億円 |
| 長崎県 | 676.4億円 |
| 熊本県 | 963.7億円 |
| 大分県 | 666.6億円 |
| 宮崎県 | 641.8億円 |
| 鹿児島県 | 783.1億円 |
| 沖縄県 | 322.5億円 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは愛知県です。
次いで北海道、東京都、埼玉県、兵庫県が続きます。
淡いのは香川県、沖縄県、鳥取県でした。
47都道府県の平均は975.9億円、中央値は737.71億円です。
愛知県の2,834.6億円は平均の2.9倍にあたります。
上位3で17.3パーセント、1位と47位で9.6倍の開きがありました。
人口10万人あたりに直すと佐賀県が95.98億円で最も多く、開きは6.9倍になります。
実数1位の愛知県は人口あたりでは33位、人口あたり1位の佐賀県は実数では23位でした。
| 順位 | 都道府県 | 地方債(億円) | 地方 | 人口10万人あたりの地方債 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 愛知県 | 2834.6 | 中部 | 37.82 |
| 2 | 北海道 | 2729.84 | 北海道 | 53.11 |
| 3 | 東京都 | 2386.95 | 関東 | 17.00 |
| 4 | 埼玉県 | 2121.57 | 関東 | 28.92 |
| 5 | 兵庫県 | 1930.55 | 近畿 | 35.74 |
| 6 | 福岡県 | 1925.03 | 九州 | 37.63 |
| 7 | 神奈川県 | 1623.14 | 関東 | 17.58 |
| 8 | 千葉県 | 1492.12 | 関東 | 23.81 |
| 9 | 静岡県 | 1476.25 | 中部 | 41.21 |
| 10 | 福島県 | 1390.39 | 東北 | 77.68 |
| 11 | 大阪府 | 1229.14 | 近畿 | 14.00 |
| 12 | 岐阜県 | 1190.24 | 中部 | 61.16 |
| 13 | 茨城県 | 1165.04 | 関東 | 41.02 |
| 14 | 広島県 | 1128.9 | 中国 | 40.90 |
| 15 | 新潟県 | 1065.15 | 中部 | 49.47 |
| 16 | 長野県 | 1035.21 | 中部 | 51.25 |
| 17 | 熊本県 | 963.73 | 九州 | 56.10 |
| 18 | 三重県 | 948.12 | 近畿 | 54.43 |
| 19 | 栃木県 | 828.11 | 関東 | 43.38 |
| 20 | 宮城県 | 790.34 | 東北 | 34.66 |
| 21 | 鹿児島県 | 783.1 | 九州 | 50.10 |
| 22 | 京都府 | 781.14 | 近畿 | 30.63 |
| 23 | 佐賀県 | 768.76 | 九州 | 95.98 |
| 24 | 和歌山県 | 737.71 | 近畿 | 81.70 |
| 25 | 秋田県 | 729.6 | 東北 | 78.45 |
| 26 | 群馬県 | 677.63 | 関東 | 35.42 |
| 27 | 長崎県 | 676.41 | 九州 | 52.72 |
| 28 | 大分県 | 666.62 | 九州 | 60.22 |
| 29 | 山形県 | 642.89 | 東北 | 61.76 |
| 30 | 宮崎県 | 641.75 | 九州 | 61.00 |
| 31 | 福井県 | 641.26 | 中部 | 85.16 |
| 32 | 岩手県 | 609.84 | 東北 | 51.64 |
| 33 | 石川県 | 579.23 | 中部 | 51.81 |
| 34 | 滋賀県 | 571.94 | 近畿 | 40.59 |
| 35 | 高知県 | 564.88 | 四国 | 83.56 |
| 36 | 岡山県 | 557.28 | 中国 | 29.93 |
| 37 | 富山県 | 549.45 | 中部 | 54.03 |
| 38 | 愛媛県 | 533.04 | 四国 | 40.81 |
| 39 | 島根県 | 531.5 | 中国 | 80.78 |
| 40 | 山口県 | 514.68 | 中国 | 39.20 |
| 41 | 山梨県 | 495.42 | 中部 | 61.77 |
| 42 | 青森県 | 492.94 | 東北 | 40.94 |
| 43 | 徳島県 | 453.01 | 四国 | 64.35 |
| 44 | 奈良県 | 450.79 | 近畿 | 34.52 |
| 45 | 鳥取県 | 344.87 | 中国 | 63.40 |
| 46 | 沖縄県 | 322.54 | 九州 | 21.97 |
| 47 | 香川県 | 294.82 | 四国 | 31.57 |
このグラフについての豆知識
地方債とは
地方公共団体が発行する借金です。
道路、学校、上下水道など、長く使う施設の整備にあてるのが基本で、世代をまたいで負担を分ける考え方にもとづきます。
毎年の発行額と、返し終わっていない残高は別に集計されます。
この記事は1年間の発行額です。
臨時財政対策債
地方交付税の財源が足りないときに、その代わりとして発行を認められる地方債です。
返済額は後年度の交付税に算入されます。
全国の発行額は45,867.48億円。
市町村の地方債現在高54兆6,112億円と比べると、単年度の額は小さく見えます。
数字の開き
1位の愛知県は2,834.6億円、47位の香川県は294.82億円。
両者の間には9.6倍の開きがあります。
上位3で全国の17.3パーセント、上位10で43.4パーセントを占めます。
中央値は737.71億円、平均は975.9億円です。
平均が中央値を上回るのは、上位のいくつかの都道府県が全体を押し上げているためです。
人口10万人あたりに直すと6.9倍の開きになります。
実数の順位がどこまで人口の多さを映しているかは、この2つを見比べると分かります。
10年前とくらべると
全国の都道府県が1年に借りた地方債は、2012年の71,736.8億円から2022年の45,867.5億円へ、この10年でおよそ36%減りました。
1位は2012年も愛知県で、10年たっても変わっていません。
県ごとに見ると、いちばん増えたのは福島県で16%増です。
順位の並びがにている記事
都道府県が1年に借りた地方債とよく似た並びになる記事が、当サイトにあるか探しました。
0.89という高い相関を示したのが【行政の投資額】全国24兆9,953億円、福井県が人口あたりで最多でした。
反対に、並びがいちばん逆だったのは【スーパーの数】が多いのは大都市ではありませんでした、人口あたりで比較(順位相関-0.65)です。
相関は因果ではないので、関係があると決めつけることはできません。
見くらべる手がかりとして使ってください。
地方のなかで見た地方債
| 地方 | 最も多い(億円) | 最も少ない(億円) |
|---|---|---|
| 東北 | 福島県 1390.39 | 青森県 492.94 |
| 関東 | 東京都 2386.95 | 群馬県 677.63 |
| 中部 | 愛知県 2834.6 | 山梨県 495.42 |
| 近畿 | 兵庫県 1930.55 | 奈良県 450.79 |
| 中国 | 広島県 1128.9 | 鳥取県 344.87 |
| 四国 | 高知県 564.88 | 香川県 294.82 |
| 九州 | 福岡県 1925.03 | 沖縄県 322.54 |
まとめ
都道府県が1年に借りた地方債を47都道府県で比べると、最も多い愛知県で2,834.6億円、最も少ない香川県で294.82億円でした。
1位と47位の間には9.6倍の開きがあります。
上位3で全国の17.3パーセント、上位10で43.4パーセントを占めます。
47都道府県の中央値は737.71億円、平均は975.9億円でした。
人口10万人あたりに直すと6.9倍の開きになります。
都道府県が1年に借りた地方債をどう数えているかについて、3つ補っておきます。
1つ目は、残高ではなく1年間の発行額であること。
2つ目は、臨時財政対策債を含むこと。
3つ目は2022年の数字であることです。
人口10万人あたりでは佐賀県が95.98億円で最多。
実数の1位とは顔ぶれが変わります。
地方別に合計を出すと関東7都県が全国の22.4パーセントで最多、人口10万人あたりでは東北6県が55.3億円で最多でした。
市町村の借金残高や投資的経費を比べた記事とあわせて読んでみてください。
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- 【地方交付税】全国9兆5,298億円、1つの都だけがゼロ
- 【県の歳出】全国61兆7,395億円、島根県が人口あたりで最多
出典
- 統計名: 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)
- 調査年: 2022年
- 公開元: 総務省統計局
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/regional-statistics/ssdsview/prefectures
- 備考: 指標コードD310115(地方債)の2022年の値を億円に換算したもの。人口10万人あたりは2022年の総人口で割った参考値
注記: 指標コードD310115(地方債)の2022年の値を億円に換算したもの。
人口10万人あたりは2022年の総人口で割った参考値
