メーカーと小売店をつなぐ卸売業。
その事業所数は都道府県でどれほど違うのでしょうか。
使うのは総務省統計局の社会・人口統計体系、2021年の数字です。
全国26万7,215事業所のうち、東京都が36,197事業所で1位。
小売業とは違い、実数1位の都が人口あたりでも8位につけます。
47都道府県の単純平均
5,685事業所
卸売業事業所数(2021年)
最も多い 東京都
36,197事業所
最も少ない 鳥取県
1,180事業所
卸売業の事業所が多い5都府県
卸売業の事業所が多い上位5都府県です。
東京都は36,197事業所、大阪府は25,038事業所、愛知県は18,342事業所でした。
東京都は2位の大阪府の1.45倍です。
4位以下は福岡県、神奈川県と続き、上位5都府県で全国の39.2パーセント。
上位3都府県で29.8パーセント、上位10都道府県で56.3パーセントでした。
1位のシェアは13.5パーセント。
小売業の9.0パーセントより高く、卸売業のほうが大都市に集まりやすいことが分かります。
実数1位の東京都は人口あたりでも8位です
ここから先は、卸売業事業所数がこう分かれる理由についての見立てです。
ほかの指標と突き合わせて立てた推測で、統計そのものが示している事実ではありません。
人口10万人あたりで割り直しても、大都市が上位に残ります。
1位は香川県の294.37事業所、2位は宮城県290.74事業所、3位は大阪府284.33事業所。
実数1位の東京都も8位につけており、小売業で44位まで落ちたのとは対照的です。
逆に人口あたりの下位は千葉県121.2事業所、神奈川県116.04事業所。
香川県と神奈川県では2.5倍の開きです。
上位に香川県と宮城県が来るのは、四国と東北それぞれの物流拠点になっているためだと考えられます。
高松市と仙台市は、地方ブロックの支店経済都市としてよく知られます。
県外を相手にする商売が集まると、その県の人口に対して事業所が多くなる、という見方ができます。
千葉県と神奈川県が下位に沈むのは、隣接する東京都に卸売機能が集中しているためでしょう。
地方別に人口10万人あたりの平均を出すと、四国4県が246.9事業所で最も多く、関東7都県が177.6事業所で最も少なくなります。
中部9県243.3事業所と東北6県241.1事業所がそれに続きました。
実数で見ると順位は変わる
卸売業の事業所が少ない5県
卸売業の事業所が少ない下位5県です。
鳥取県は1,180事業所、島根県は1,481事業所、徳島県は1,508事業所でした。
東京都の36,197事業所とは30.7倍の差があります。
小売業の16.3倍に比べて、卸売業は30.7倍と開きが大きくなります。
消費者に近い小売業は全国に散らばり、事業者どうしをつなぐ卸売業は拠点に集まる、という違いです。
47都道府県の中央値は3,211事業所。
平均は5,685.4事業所なので、平均が中央値の1.8倍です。
地方別に見る
卸売業は拠点に集まる商売です。
地方別に合計を出すと、関東7都県が全国の28.9パーセントで最も大きくなります。
次いで中部9県が19.1パーセント、近畿7府県が18パーセント、九州・沖縄8県が12.2パーセントと続きました。
少ないほうは東北6県が7.7パーセント、中国5県が6.3パーセント、北海道が4.4パーセント、四国4県が3.4パーセントでした。
人口10万人あたりの平均で見ると並びが変わります。
四国4県が246.9事業所、中部9県が243.3事業所、東北6県が241.1事業所の順に多く、最も少ないのは関東7都県が177.6事業所です。
地図で見る
| 項目 | 卸売業事業所数 |
|---|---|
| 北海道 | 11,740事業所 |
| 青森県 | 2,849事業所 |
| 岩手県 | 2,666事業所 |
| 宮城県 | 6,658事業所 |
| 秋田県 | 2,104事業所 |
| 山形県 | 2,451事業所 |
| 福島県 | 3,811事業所 |
| 茨城県 | 4,971事業所 |
| 栃木県 | 3,880事業所 |
| 群馬県 | 4,004事業所 |
| 埼玉県 | 9,978事業所 |
| 千葉県 | 7,605事業所 |
| 東京都 | 36,197事業所 |
| 神奈川県 | 10,717事業所 |
| 新潟県 | 5,621事業所 |
| 富山県 | 2,580事業所 |
| 石川県 | 3,187事業所 |
| 福井県 | 2,050事業所 |
| 山梨県 | 1,817事業所 |
| 長野県 | 4,599事業所 |
| 岐阜県 | 4,536事業所 |
| 静岡県 | 8,391事業所 |
| 愛知県 | 18,342事業所 |
| 三重県 | 3,211事業所 |
| 滋賀県 | 2,151事業所 |
| 京都府 | 4,974事業所 |
| 大阪府 | 25,038事業所 |
| 兵庫県 | 8,955事業所 |
| 奈良県 | 1,653事業所 |
| 和歌山県 | 2,060事業所 |
| 鳥取県 | 1,180事業所 |
| 島根県 | 1,481事業所 |
| 岡山県 | 4,002事業所 |
| 広島県 | 7,427事業所 |
| 山口県 | 2,813事業所 |
| 徳島県 | 1,508事業所 |
| 香川県 | 2,773事業所 |
| 愛媛県 | 3,178事業所 |
| 高知県 | 1,574事業所 |
| 福岡県 | 13,517事業所 |
| 佐賀県 | 1,761事業所 |
| 長崎県 | 2,859事業所 |
| 熊本県 | 3,564事業所 |
| 大分県 | 2,371事業所 |
| 宮崎県 | 2,409事業所 |
| 鹿児島県 | 3,651事業所 |
| 沖縄県 | 2,351事業所 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは東京都、大阪府、愛知県、福岡県、神奈川県です。
地方ブロックの中心を抱える都道府県が濃くなります。
淡いのは鳥取県、島根県、徳島県でした。
47都道府県の平均は5,685.4事業所、中央値は3,211事業所です。
東京都の36,197事業所は平均の6.4倍にあたります。
上位3都府県で29.8パーセント、1位と47位で30.7倍の開きがありました。
| 順位 | 都道府県 | 卸売業事業所数(事業所) | 地方 | 人口10万人あたりの卸売業事業所数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 東京都 | 36197 | 関東 | 258.37 |
| 2 | 大阪府 | 25038 | 近畿 | 284.33 |
| 3 | 愛知県 | 18342 | 中部 | 244.01 |
| 4 | 福岡県 | 13517 | 九州 | 263.80 |
| 5 | 北海道 | 11740 | 北海道 | 226.51 |
| 6 | 神奈川県 | 10717 | 関東 | 116.04 |
| 7 | 埼玉県 | 9978 | 関東 | 135.94 |
| 8 | 兵庫県 | 8955 | 近畿 | 164.86 |
| 9 | 静岡県 | 8391 | 中部 | 232.57 |
| 10 | 千葉県 | 7605 | 関東 | 121.20 |
| 11 | 広島県 | 7427 | 中国 | 267.16 |
| 12 | 宮城県 | 6658 | 東北 | 290.74 |
| 13 | 新潟県 | 5621 | 中部 | 258.20 |
| 14 | 京都府 | 4974 | 近畿 | 194.22 |
| 15 | 茨城県 | 4971 | 関東 | 174.30 |
| 16 | 長野県 | 4599 | 中部 | 226.22 |
| 17 | 岐阜県 | 4536 | 中部 | 231.31 |
| 18 | 群馬県 | 4004 | 関東 | 207.78 |
| 19 | 岡山県 | 4002 | 中国 | 213.33 |
| 20 | 栃木県 | 3880 | 関東 | 201.98 |
| 21 | 福島県 | 3811 | 東北 | 210.32 |
| 22 | 鹿児島県 | 3651 | 九州 | 231.66 |
| 23 | 熊本県 | 3564 | 九州 | 206.25 |
| 24 | 三重県 | 3211 | 近畿 | 182.86 |
| 25 | 石川県 | 3187 | 中部 | 283.29 |
| 26 | 愛媛県 | 3178 | 四国 | 240.58 |
| 27 | 長崎県 | 2859 | 九州 | 220.43 |
| 28 | 青森県 | 2849 | 東北 | 233.33 |
| 29 | 山口県 | 2813 | 中国 | 211.82 |
| 30 | 香川県 | 2773 | 四国 | 294.37 |
| 31 | 岩手県 | 2666 | 東北 | 222.91 |
| 32 | 富山県 | 2580 | 中部 | 251.71 |
| 33 | 山形県 | 2451 | 東北 | 232.32 |
| 34 | 宮崎県 | 2409 | 九州 | 227.05 |
| 35 | 大分県 | 2371 | 九州 | 212.84 |
| 36 | 沖縄県 | 2351 | 九州 | 160.15 |
| 37 | 滋賀県 | 2151 | 近畿 | 152.45 |
| 38 | 秋田県 | 2104 | 東北 | 222.65 |
| 39 | 和歌山県 | 2060 | 近畿 | 225.38 |
| 40 | 福井県 | 2050 | 中部 | 269.74 |
| 41 | 山梨県 | 1817 | 中部 | 225.71 |
| 42 | 佐賀県 | 1761 | 九州 | 218.49 |
| 43 | 奈良県 | 1653 | 近畿 | 125.70 |
| 44 | 高知県 | 1574 | 四国 | 230.12 |
| 45 | 徳島県 | 1508 | 四国 | 211.80 |
| 46 | 島根県 | 1481 | 中国 | 222.71 |
| 47 | 鳥取県 | 1180 | 中国 | 214.94 |
このグラフについての豆知識
卸売業と小売業の違い
卸売業は、商品を小売店や企業などに売る事業所です。
消費者に直接売る小売業とは区別されます。
全国26万7,215事業所は、小売業75万5,015事業所のおよそ3分の1にあたります。
消費者に近いほど全国へ散らばり、事業者どうしをつなぐ商売ほど拠点に集まる。
2つの統計を並べると、その違いがはっきり見えてきます。
支店経済都市が人口あたり上位
人口10万人あたりの1位は香川県294.37事業所、2位は宮城県290.74事業所。
どちらも地方ブロックの中心都市を抱える県です。
県外との取引を担う拠点が置かれると、その県の人口に対して事業所が多くなります。
人口あたりの数字は、その土地が誰に向けて商売をしているかを映していると言えそうです。
数字は2021年のものです。
10年前とくらべると
全国の卸売業事業所数は、2011年の371,663事業所から2021年の267,215事業所へ、この10年でおよそ28%減りました。
1位は2011年も東京都で、10年たっても変わっていません。
県ごとに見ると、減り方がいちばん小さかったのは宮城県で18%減でした。
順位の並びがにている記事
卸売業事業所数とよく似た並びになる記事が、当サイトにあるか探しました。
並びが最も重なったのは【卸売の事業所数】全国31万832か所、問屋街の地図で、相関は1です。
反対に、並びがいちばん逆だったのは【スーパーの数】が多いのは大都市ではありませんでした、人口あたりで比較(順位相関-0.71)です。
これは並びが近いというだけで、片方がもう片方を生んでいるという意味ではありません。
地図を2枚ならべてみてください。
地方のなかで見た卸売業事業所数
| 地方 | 最も多い(事業所) | 最も少ない(事業所) |
|---|---|---|
| 東北 | 宮城県 6658 | 秋田県 2104 |
| 関東 | 東京都 36197 | 栃木県 3880 |
| 中部 | 愛知県 18342 | 山梨県 1817 |
| 近畿 | 大阪府 25038 | 奈良県 1653 |
| 中国 | 広島県 7427 | 鳥取県 1180 |
| 四国 | 愛媛県 3178 | 徳島県 1508 |
| 九州 | 福岡県 13517 | 佐賀県 1761 |
まとめ
卸売業の事業所数を47都道府県で比べると、最も多い東京都で36,197事業所、最も少ない鳥取県で1,180事業所でした。
実数1位の東京都は人口あたりでも8位につけます。
卸売業事業所数の順位を見るときは、次の3点をあわせて見てください。
1つ目は、小売業とは別に集計されること。
2つ目は、事業所の規模は問わないこと。
3つ目は2021年の数字であることです。
1位と47位の差は30.7倍。
小売業の16.3倍より大きく、卸売業のほうが拠点に集まりやすいことを示します。
人口あたりの上位には香川県と宮城県という、地方ブロックの拠点都市を抱える県が並びました。
小売店の数や事業所の総数を比べた記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)
- 調査年: 2021年
- 公開元: 総務省統計局
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/regional-statistics/ssdsview/prefectures
- 備考: 指標コードC350201(卸売業事業所数)の2021年の値。人口10万人あたりは2021年の総人口で割った参考値
注記: 指標コードC350201(卸売業事業所数)の2021年の値。
人口10万人あたりは2021年の総人口で割った参考値
