裸麦の作付面積を、47都道府県で並べて比べます。
麦みそや麦ごはんに使われる大麦の一種です。
使うのは農林水産省の2020年農林業センサス。
全国5,798ヘクタールのうち、愛媛県が1,851ヘクタールで1位。
四国4県だけで45.2パーセントを占めます。
6県では栽培がありません。
47都道府県の単純平均
123ha
裸麦の作付面積(2020年)
最も多い 愛媛県
1,851ha
最も少ない 石川県
0ha
裸麦が多い5県
裸麦の作付面積が広い上位5県です。
愛媛県は1,851ヘクタール、香川県は702ヘクタール、大分県は700ヘクタール、山口県は447ヘクタール、福岡県は447ヘクタールでした。
愛媛県は2位の香川県の2.64倍あります。
6位以下は佐賀県252ヘクタール、茨城県199ヘクタール、岡山県151ヘクタールと続きます。
上位3県で全国の56.1パーセント、上位5県で71.5パーセント、上位10県で86.0パーセントを占めます。
上位3県だけで半分を超える、集中の強い作物です。
四国4県で45.2パーセント、麦のなかでは異例の分布です
この分布の背景を、ここから考えてみます。
裸麦の作付面積の統計が答えを持っているわけではないので、以下はほかの数字と照らして立てた推測です。
麦のなかで、四国が主役になる唯一の作物です。
地方別に見ると四国4県が45.2パーセント、九州・沖縄8県が28.1パーセント。
この2地方で73.3パーセントを占めます。
小麦では四国が1.2パーセント、六条大麦でも0.8パーセントでした。
同じ麦でも、裸麦だけがまったく違う分布になります。
四国の45.2パーセントは、愛媛県1,851ヘクタールと香川県702ヘクタールの2県によるものです。
高知県は1ヘクタール、徳島県も小さく、四国のなかでも瀬戸内側に寄っています。
裸麦は麦みそや麦ごはんの原料になります。
愛媛県は麦みその産地として知られますが、この統計から用途までは分かりません。
作付経営体数は1,604で、この記事で扱う39品目のなかで最も少ない数字です。
1位は愛媛県371、2位は香川県285、3位は大分県161、4位は愛知県106、5位は福岡県96。
1経営体あたりの面積は全国で3.61ヘクタール。
小麦の6.74ヘクタール、六条大麦の4.67ヘクタールに次ぐ広さです。
麦類はいずれも1戸あたりの規模が大きくなります。
実数で見ると順位は変わる
裸麦が少ない5県
裸麦の作付面積が狭い県です。
栽培がまったくない県が6つあります。
石川県、福井県、山梨県、大阪府、和歌山県、沖縄県です。
面積が記録されている県のなかで小さいのは、高知県、神奈川県、富山県、静岡県、京都府で、いずれも1ヘクタールでした。
愛媛県の1,851ヘクタールとは1,851.0倍の差があります。
高知県が1ヘクタールというのは意外かもしれません。
同じ四国の愛媛県は1,851ヘクタールで1位、香川県は702ヘクタールで2位です。
四国のなかでも大きく分かれます。
47都道府県の中央値は21ヘクタール。
栽培がゼロの県が6つあるため、多くの県ではごく小さな規模にとどまります。
地方別に見る
地方別に合計を出すと、四国が最も大きくなります。
四国4県が全国の45.2パーセント、九州・沖縄8県が28.1パーセント、中国5県が11.9パーセント、関東7都県が5.7パーセントと続きます。
少ないほうは近畿7府県が3.8パーセント、中部9県が2.5パーセント、北海道が2.1パーセント、東北6県が0.7パーセントでした。
4県しかない四国が、8県ある九州・沖縄を大きく上回ります。
東北6県の0.7パーセント、40ヘクタールという小ささが目を引きます。
北海道も120ヘクタールで2.1パーセント。
小麦では北海道が57.1パーセントを占めていましたが、裸麦ではほとんど作られていません。
裸麦は暖かい西日本の作物だということがうかがえます。
地図で見る
| 項目 | 裸麦の作付面積 |
|---|---|
| 北海道 | 120ha |
| 青森県 | 9ha |
| 岩手県 | 2ha |
| 宮城県 | 15ha |
| 秋田県 | 2ha |
| 山形県 | 4ha |
| 福島県 | 8ha |
| 茨城県 | 199ha |
| 栃木県 | 24ha |
| 群馬県 | 44ha |
| 埼玉県 | 62ha |
| 千葉県 | 1ha |
| 東京都 | 1ha |
| 神奈川県 | 1ha |
| 新潟県 | 99ha |
| 富山県 | 1ha |
| 石川県 | 0ha |
| 福井県 | 0ha |
| 山梨県 | 0ha |
| 長野県 | 2ha |
| 岐阜県 | 8ha |
| 静岡県 | 1ha |
| 愛知県 | 33ha |
| 三重県 | 24ha |
| 滋賀県 | 71ha |
| 京都府 | 1ha |
| 大阪府 | 0ha |
| 兵庫県 | 115ha |
| 奈良県 | 11ha |
| 和歌山県 | 0ha |
| 鳥取県 | 6ha |
| 島根県 | 22ha |
| 岡山県 | 151ha |
| 広島県 | 66ha |
| 山口県 | 447ha |
| 徳島県 | 66ha |
| 香川県 | 702ha |
| 愛媛県 | 1,851ha |
| 高知県 | 1ha |
| 福岡県 | 447ha |
| 佐賀県 | 252ha |
| 長崎県 | 64ha |
| 熊本県 | 107ha |
| 大分県 | 700ha |
| 宮崎県 | 37ha |
| 鹿児島県 | 21ha |
| 沖縄県 | 0ha |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは愛媛県です。
次いで香川県、大分県、山口県、福岡県が続きます。
瀬戸内から九州北部にかけてが濃く、東日本と北日本はほとんど白く抜けます。
47都道府県の平均は123.4ヘクタール、中央値は21ヘクタールです。
愛媛県の1,851ヘクタールは平均の15.0倍にあたります。
上位3県で56.1パーセント、栽培がないのが6県。
1位と、記録のある県の最小値では1,851.0倍の開きがありました。
| 順位 | 都道府県 | 裸麦の作付面積(ha) | 地方 | 裸麦の作付経営体数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 愛媛県 | 1851 | 四国 | 371 |
| 2 | 香川県 | 702 | 四国 | 285 |
| 3 | 大分県 | 700 | 九州 | 161 |
| 4 | 山口県 | 447 | 中国 | 54 |
| 4 | 福岡県 | 447 | 九州 | 96 |
| 6 | 佐賀県 | 252 | 九州 | 35 |
| 7 | 茨城県 | 199 | 関東 | 27 |
| 8 | 岡山県 | 151 | 中国 | 54 |
| 9 | 北海道 | 120 | 北海道 | 25 |
| 10 | 兵庫県 | 115 | 近畿 | 35 |
| 11 | 熊本県 | 107 | 九州 | 37 |
| 12 | 新潟県 | 99 | 中部 | 11 |
| 13 | 滋賀県 | 71 | 近畿 | 16 |
| 14 | 広島県 | 66 | 中国 | 34 |
| 14 | 徳島県 | 66 | 四国 | 24 |
| 16 | 長崎県 | 64 | 九州 | 30 |
| 17 | 埼玉県 | 62 | 関東 | 16 |
| 18 | 群馬県 | 44 | 関東 | 12 |
| 19 | 宮崎県 | 37 | 九州 | 19 |
| 20 | 愛知県 | 33 | 中部 | 106 |
| 21 | 三重県 | 24 | 近畿 | 12 |
| 21 | 栃木県 | 24 | 関東 | 16 |
| 23 | 島根県 | 22 | 中国 | 7 |
| 24 | 鹿児島県 | 21 | 九州 | 25 |
| 25 | 宮城県 | 15 | 東北 | 2 |
| 26 | 奈良県 | 11 | 近畿 | 4 |
| 27 | 青森県 | 9 | 東北 | 3 |
| 28 | 岐阜県 | 8 | 中部 | 2 |
| 28 | 福島県 | 8 | 東北 | 11 |
| 30 | 鳥取県 | 6 | 中国 | 5 |
| 31 | 山形県 | 4 | 東北 | 8 |
| 32 | 岩手県 | 2 | 東北 | 5 |
| 32 | 秋田県 | 2 | 東北 | 4 |
| 32 | 長野県 | 2 | 中部 | 12 |
| 35 | 京都府 | 1 | 近畿 | 4 |
| 35 | 高知県 | 1 | 四国 | 10 |
| 35 | 神奈川県 | 1 | 関東 | 5 |
| 35 | 静岡県 | 1 | 中部 | 3 |
| 35 | 千葉県 | 1 | 関東 | 7 |
| 35 | 東京都 | 1 | 関東 | 5 |
| 35 | 富山県 | 1 | 中部 | 1 |
| 42 | 沖縄県 | 0 | 九州 | 0 |
| 42 | 山梨県 | 0 | 中部 | 2 |
| 42 | 石川県 | 0 | 中部 | 0 |
| 42 | 大阪府 | 0 | 近畿 | 0 |
| 42 | 福井県 | 0 | 中部 | 0 |
| 42 | 和歌山県 | 0 | 近畿 | 3 |
このグラフについての豆知識
皮がむけやすい大麦
裸麦は実の皮がむけやすい大麦です。
麦みそ、麦ごはん、麦こがしなどに使われます。
六条大麦や二条大麦とは別に集計されます。
全国5,798ヘクタールは、六条大麦の16,881ヘクタールの3分の1ほどの規模です。
経営体数が39品目で最も少ない
作付経営体数は1,604。
この記事で扱う39品目のなかで最も少ない数字です。
2番目に少ない六条大麦でも3,617ありました。
最も多い水稲は713,792なので、裸麦はその445分の1。
作っている経営体はきわめて限られています。
数字は2020年のものです。
5年ごとの調査で、次は2025年の結果が出ます。
順位の並びがにている記事
裸麦の作付面積の順位を、当サイトの全記事の並びと突き合わせてみました。
0.61という高い相関を示したのが【小麦の作付面積】全国208,665ha、1経営体あたり6.74haという規模でした。
最も食い違ったのは【まぐろへの支出】平均年4,471円、差は8.5倍にひらく(順位相関-0.48)でした。
並びが似ていても、そこに関係があるとまでは言えません。
ただ、2つの地図をならべると読み方のヒントにはなります。
地方のなかで見た裸麦の作付面積
| 地方 | 最も多い(ha) | 最も少ない(ha) |
|---|---|---|
| 東北 | 宮城県 15 | 秋田県 2 |
| 関東 | 茨城県 199 | 神奈川県 1 |
| 中部 | 新潟県 99 | 山梨県 0 |
| 近畿 | 兵庫県 115 | 和歌山県 0 |
| 中国 | 山口県 447 | 鳥取県 6 |
| 四国 | 愛媛県 1851 | 高知県 1 |
| 九州 | 大分県 700 | 沖縄県 0 |
まとめ
裸麦の作付面積を47都道府県で比べると、最も広い愛媛県で1,851ヘクタール、栽培のない県が6つありました。
四国4県だけで全国の45.2パーセントを占めます。
この裸麦の作付面積の数字には、読み違えやすい点が3つあります。
1つ目は、六条大麦や二条大麦とは別に集計されること。
2つ目は、販売目的の栽培だけを数えていること。
3つ目は5年ごとの調査で2020年の数字であることです。
小麦では四国が1.2パーセント、六条大麦でも0.8パーセント。
裸麦だけが四国を主役にする、麦のなかで異例の分布です。
作付経営体数は1,604で、この記事で扱う39品目のなかで最も少ない数字でした。
小麦や六条大麦を比べた記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 2020年農林業センサス(第1巻 都道府県別統計書)
- 調査年: 2020年
- 公開元: 農林水産省
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?tstat=000001032920
- 備考: 販売を目的に裸麦を育てている経営体の面積。自分の家で食べるぶんだけの栽培は含まない。5年ごとの調査
注記: 販売を目的に裸麦を育てている経営体の面積。
自分の家で食べるぶんだけの栽培は含まない。
5年ごとの調査
