47都道府県で、飼料用の稲の作付面積を比べます。
家畜のえさにするために育てる稲です。
使うのは農林水産省の2020年農林業センサス。
全国91,133ヘクタールのうち、栃木県が9,238ヘクタールで1位。
食用の水稲128万5,655ヘクタールの14分の1ほどの規模になります。
47都道府県の単純平均
1,939ha
飼料用の稲の作付面積(2020年)
最も多い 栃木県
9,238ha
最も少ない 東京都
2ha
飼料用の稲が多い5県
飼料用の稲の作付面積が広い上位5県です。
栃木県は9,238ヘクタール、茨城県は6,335ヘクタール、宮城県は5,663ヘクタール、熊本県は4,851ヘクタール、福島県は4,750ヘクタールでした。
栃木県は2位の茨城県の1.46倍あります。
6位以下は岩手県4,739ヘクタール、青森県4,292ヘクタール、山形県4,173ヘクタールと続きます。
上位3県で全国の23.3パーセント、上位5県で33.8パーセント、上位10県で56.6パーセントを占めます。
1位のシェアは10.1パーセントで、散らばった分布です。
食用の水稲とは、上位の顔ぶれが入れ替わります
なぜこういう並びになるのか、ここからは考えてみます。
以下は飼料用の稲の作付面積の統計から直接読み取れることではなく、別の数字と照らして立てた推測です。
食用の水稲とは、上位の顔ぶれが入れ替わります。
食用の水稲では1位が新潟県、2位が北海道、3位が秋田県でした。
飼料用では1位が栃木県、2位が茨城県、3位が宮城県。
新潟県は食用で1位でしたが、飼料用では上位10に入りません。
北海道も3,842ヘクタールで4.2パーセントにとどまります。
飼料用の稲は家畜のえさになります。
牛を飼う農家の近くで作られるほうが運びやすいため、畜産の盛んな地域に寄ると考えられます。
栃木県、熊本県、宮城県、岩手県はいずれも乳用牛や肉用牛の多い県です。
ただしこの統計から直接その関係を確かめることはできません。
作付経営体数は42,816で、1位は栃木県4,454、2位は熊本県2,857、3位は茨城県2,590、4位は山形県2,280、5位は福島県2,241。
1経営体あたりの面積は全国で2.13ヘクタール。
食用の水稲の1.80ヘクタールより広くなります。
1経営体あたりで広いのは北海道5.65ヘクタール、静岡県5.08ヘクタール、青森県4.10ヘクタールでした。
地方別では東北6県が28.9パーセント、関東7都県が24.3パーセント、九州・沖縄8県が19.2パーセント。
この3地方で72.4パーセントを占めます。
食用の水稲では関東が14.7パーセントだったので、飼料用のほうが関東に寄っています。
実数で見ると順位は変わる
飼料用の稲が少ない5都府県
飼料用の稲の作付面積が狭い下位5都府県です。
東京都は2ヘクタール、沖縄県は2ヘクタール、神奈川県は4ヘクタール、和歌山県は4ヘクタール、大阪府は6ヘクタールでした。
栃木県の9,238ヘクタールとは4,619.0倍の差があります。
栽培がゼロの県はひとつもありません。
ただし食用の水稲で下位だった東京都、沖縄県、神奈川県、大阪府が、飼料用でもそのまま下位に並びます。
47都道府県の中央値は1,184ヘクタール。
平均は1,939ヘクタールなので、平均が中央値の1.6倍にとどまります。
地方別に見る
地方別に合計を出すと、東北が最も大きくなります。
東北6県が全国の28.9パーセント、関東7都県が24.3パーセント、九州・沖縄8県が19.2パーセント、中部9県が11.4パーセントと続きます。
少ないほうは中国5県が5.7パーセント、近畿7府県が4.5パーセント、北海道が4.2パーセント、四国4県が1.8パーセントでした。
関東7都県の24.3パーセントは、栃木県9,238ヘクタールと茨城県6,335ヘクタールの2県でほとんどを占めます。
北海道が4.2パーセントにとどまるのが目を引きます。
食用の水稲では8.0パーセント、小麦では57.1パーセントを占めていた北海道が、飼料用の稲では小さい存在です。
北海道では牧草やとうもろこしなど、ほかの飼料作物が使われていると考えられます。
地図で見る
| 項目 | 飼料用の稲の作付面積 |
|---|---|
| 北海道 | 3,842ha |
| 青森県 | 4,292ha |
| 岩手県 | 4,739ha |
| 宮城県 | 5,663ha |
| 秋田県 | 2,676ha |
| 山形県 | 4,173ha |
| 福島県 | 4,750ha |
| 茨城県 | 6,335ha |
| 栃木県 | 9,238ha |
| 群馬県 | 1,454ha |
| 埼玉県 | 1,387ha |
| 千葉県 | 3,741ha |
| 東京都 | 2ha |
| 神奈川県 | 4ha |
| 新潟県 | 2,545ha |
| 富山県 | 1,517ha |
| 石川県 | 594ha |
| 福井県 | 1,066ha |
| 山梨県 | 31ha |
| 長野県 | 446ha |
| 岐阜県 | 2,048ha |
| 静岡県 | 904ha |
| 愛知県 | 1,232ha |
| 三重県 | 1,612ha |
| 滋賀県 | 1,184ha |
| 京都府 | 186ha |
| 大阪府 | 6ha |
| 兵庫県 | 1,022ha |
| 奈良県 | 72ha |
| 和歌山県 | 4ha |
| 鳥取県 | 914ha |
| 島根県 | 1,184ha |
| 岡山県 | 1,137ha |
| 広島県 | 815ha |
| 山口県 | 1,133ha |
| 徳島県 | 470ha |
| 香川県 | 154ha |
| 愛媛県 | 335ha |
| 高知県 | 722ha |
| 福岡県 | 2,726ha |
| 佐賀県 | 1,451ha |
| 長崎県 | 850ha |
| 熊本県 | 4,851ha |
| 大分県 | 2,708ha |
| 宮崎県 | 2,715ha |
| 鹿児島県 | 2,201ha |
| 沖縄県 | 2ha |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは栃木県、茨城県、宮城県、熊本県、福島県です。
関東北部と南東北、九州中部が濃くなります。
食用の水稲とはかなり違う地図になります。
47都道府県の平均は1,939ヘクタール、中央値は1,184ヘクタールです。
栃木県の9,238ヘクタールは平均の4.8倍にあたります。
上位3県で23.3パーセント、栽培がゼロの県はありません。
1位と47位で4,619.0倍の開きがありました。
| 順位 | 都道府県 | 飼料用の稲の作付面積(ha) | 地方 | 飼料用の稲の作付経営体数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 栃木県 | 9238 | 関東 | 4454 |
| 2 | 茨城県 | 6335 | 関東 | 2590 |
| 3 | 宮城県 | 5663 | 東北 | 2191 |
| 4 | 熊本県 | 4851 | 九州 | 2857 |
| 5 | 福島県 | 4750 | 東北 | 2241 |
| 6 | 岩手県 | 4739 | 東北 | 2141 |
| 7 | 青森県 | 4292 | 東北 | 1046 |
| 8 | 山形県 | 4173 | 東北 | 2280 |
| 9 | 北海道 | 3842 | 北海道 | 680 |
| 10 | 千葉県 | 3741 | 関東 | 1287 |
| 11 | 福岡県 | 2726 | 九州 | 1576 |
| 12 | 宮崎県 | 2715 | 九州 | 1910 |
| 13 | 大分県 | 2708 | 九州 | 1438 |
| 14 | 秋田県 | 2676 | 東北 | 1369 |
| 15 | 新潟県 | 2545 | 中部 | 1476 |
| 16 | 鹿児島県 | 2201 | 九州 | 1498 |
| 17 | 岐阜県 | 2048 | 中部 | 574 |
| 18 | 三重県 | 1612 | 近畿 | 478 |
| 19 | 富山県 | 1517 | 中部 | 377 |
| 20 | 群馬県 | 1454 | 関東 | 807 |
| 21 | 佐賀県 | 1451 | 九州 | 918 |
| 22 | 埼玉県 | 1387 | 関東 | 813 |
| 23 | 愛知県 | 1232 | 中部 | 348 |
| 24 | 滋賀県 | 1184 | 近畿 | 605 |
| 24 | 島根県 | 1184 | 中国 | 572 |
| 26 | 岡山県 | 1137 | 中国 | 687 |
| 27 | 山口県 | 1133 | 中国 | 358 |
| 28 | 福井県 | 1066 | 中部 | 404 |
| 29 | 兵庫県 | 1022 | 近畿 | 909 |
| 30 | 鳥取県 | 914 | 中国 | 717 |
| 31 | 静岡県 | 904 | 中部 | 178 |
| 32 | 長崎県 | 850 | 九州 | 780 |
| 33 | 広島県 | 815 | 中国 | 373 |
| 34 | 高知県 | 722 | 四国 | 386 |
| 35 | 石川県 | 594 | 中部 | 225 |
| 36 | 徳島県 | 470 | 四国 | 359 |
| 37 | 長野県 | 446 | 中部 | 345 |
| 38 | 愛媛県 | 335 | 四国 | 244 |
| 39 | 京都府 | 186 | 近畿 | 142 |
| 40 | 香川県 | 154 | 四国 | 95 |
| 41 | 奈良県 | 72 | 近畿 | 42 |
| 42 | 山梨県 | 31 | 中部 | 19 |
| 43 | 大阪府 | 6 | 近畿 | 5 |
| 44 | 神奈川県 | 4 | 関東 | 12 |
| 44 | 和歌山県 | 4 | 近畿 | 6 |
| 46 | 沖縄県 | 2 | 九州 | 1 |
| 46 | 東京都 | 2 | 関東 | 3 |
このグラフについての豆知識
家畜のえさにする稲
飼料用の稲は、実だけでなく茎や葉ごと家畜のえさにする稲です。
食用の米とは品種も育て方も違います。
田んぼを使い続けながら、米の生産量を調整する手立てとしても位置づけられてきました。
ただしこのセンサスからは、そうした背景までは読み取れません。
食用の14分の1
全国91,133ヘクタールは、食用の水稲128万5,655ヘクタールの14分の1ほどです。
作付経営体数は42,816で、食用の713,792の6パーセントほど。
1経営体あたりは飼料用2.13ヘクタール、食用1.80ヘクタールで、飼料用のほうがやや広くなります。
数字は2020年のものです。
5年ごとの調査で、次は2025年の結果が出ます。
順位の並びがにている記事
飼料用の稲の作付面積とよく似た並びになる記事が、当サイトにあるか探しました。
並びが最も重なったのは【耕地面積】全国427万ヘクタール、1位だけで4分の1を占めますで、相関は0.86です。
逆に、ほぼ裏返しの並びになったのが【規則的な副業の割合】有業者の2.3%、習慣の副業は少数派(相関-0.62)でした。
並びが似ていても、そこに関係があるとまでは言えません。
ただ、2つの地図をならべると読み方のヒントにはなります。
地方のなかで見た飼料用の稲の作付面積
| 地方 | 最も多い(ha) | 最も少ない(ha) |
|---|---|---|
| 東北 | 宮城県 5663 | 秋田県 2676 |
| 関東 | 栃木県 9238 | 東京都 2 |
| 中部 | 新潟県 2545 | 山梨県 31 |
| 近畿 | 三重県 1612 | 和歌山県 4 |
| 中国 | 島根県 1184 | 広島県 815 |
| 四国 | 高知県 722 | 香川県 154 |
| 九州 | 熊本県 4851 | 沖縄県 2 |
まとめ
飼料用の稲の作付面積を47都道府県で比べると、最も広い栃木県で9,238ヘクタール、最も狭い東京都と沖縄県で2ヘクタールでした。
食用の水稲の14分の1ほどの規模です。
飼料用の稲の作付面積の数字を受け取る前に、3つ添えておきます。
1つ目は、食用の米とは品種も育て方も違うこと。
2つ目は、販売目的の栽培だけを数えていること。
3つ目は5年ごとの調査で2020年の数字であることです。
食用の水稲では1位だった新潟県が、飼料用では上位10に入りません。
北海道も4.2パーセントにとどまります。
地方別では東北6県28.9パーセント、関東7都県24.3パーセント、九州・沖縄8県19.2パーセント。
畜産の盛んな地域に寄っていることがうかがえます。
水稲や米の収穫量を比べた記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 2020年農林業センサス(第1巻 都道府県別統計書)
- 調査年: 2020年
- 公開元: 農林水産省
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?tstat=000001032920
- 備考: 販売を目的に飼料用の稲を育てている経営体の面積。自分の家で食べるぶんだけの栽培は含まない。5年ごとの調査
注記: 販売を目的に飼料用の稲を育てている経営体の面積。
自分の家で食べるぶんだけの栽培は含まない。
5年ごとの調査
