1年間にどれだけの人が転入してきたかは、都道府県でどれほど違うのでしょうか。
この記事では、47都道府県の数字を比べます。
使うのは総務省の住民基本台帳に基づく人口動態(令和7年、2025年の1年間)です。
全国の転入者は604万9,100人。
人口1億2,376万7,642人で割ると、人口100人あたり4.89人が転入した計算になります。
県をまたぐ引っ越しと国外からの転入を合わせた数字で、同じ県内での引っ越しは含みません。
47都道府県の単純平均
3.9人
人口100人あたり転入者数(令和7年(2025年の1年間))
最も多い 東京都
7.7人
最も少ない 秋田県
2.2人
転入者の割合が高い5都府県
人口100人あたりの転入者数が多い上位5都府県です。
東京都は7.66人、大阪府は5.88人、福岡県は5.61人、千葉県は5.57人、神奈川県は5.45人でした。
全国の4.89人を上回ったのは10都府県だけです。
上位5のうち4つは三大都市圏ですが、3位に福岡県が入りました。
九州の地方別平均も4.19人で、東北の2.99人や四国の3.14人を大きく上回ります。
福岡県が九州全体の数字を押し上げている形です。
人が集まる場所は三大都市圏だけではない、ということになります。
6位以下も5.44人、5.38人、5.16人と続きます。
5人を超えたのは9都府県でした。
1位の東京都と2位の大阪府の差は1.78人で、東京都だけが7人台と大きく抜けています。
2位から6位までは5人台に5府県が固まりました。
東京都は、出ていく人も多いのか
ここからは統計から離れて、1位の中身を考えてみます。
以下は確かめられた事実ではなく、同じ統計の別の数字と突き合わせて立てた推測です。
東京都の転入者は107万8,129人で、これは全国の転入者604万9,100人の17.8パーセントにあたります。
ただし東京都からは93万123人が転出しています。
差し引きすると14万8,006人の転入超過です。
つまり東京都は、入ってくる人も多いけれど出ていく人も多い。
人の出入りが激しい都だということになります。
転入者数の順位と転入超過の順位は、必ずしも一致しません。
転入超過が大きいのは東京都の14万8,006人、大阪府の6万7,473人、千葉県の4万8,493人、埼玉県の4万8,443人、神奈川県の4万6,461人でした。
上位は三大都市圏で固まります。
転入者の割合で3位だった福岡県は、転入超過では上位5に入りません。
逆に転出のほうが多い県もあります。
福島県は5,699人、新潟県は3,929人、山形県は3,769人の転出超過でした。
転入者の割合が低い県は、出ていく人のほうが多い県でもあります。
なお、この統計は住民票の移動をもとにしています。
住民票を移さずに引っ越した場合は数字に出てきません。
学生の一人暮らしなどは反映されにくい点に注意してください。
実数では東京都に108万人が転入
転入者の数そのままで並べると、1位は東京都の1,078,129人、2位は大阪府の515,771人、3位は神奈川県の501,490人、4位は愛知県の406,633人、5位は埼玉県の377,446人でした。
人口100人あたりで1位だった東京都は、実数でも1位です。
この指標は人口の多い都府県がそのまま上位に来るため、実数と人口あたりの顔ぶれがほとんど同じになります。
全国604万9,100人のうち17.8パーセントが東京都への転入です。
転入者の割合が低い5県
人口100人あたりの転入者数が少ない下位5県です。
秋田県は2.20人、山形県は2.64人、和歌山県は2.67人、青森県は2.75人、鳥取県は2.78人でした。
東京都の7.66人と秋田県の2.20人では3.48倍の差があります。
下位に並んだのは東北3県と近畿・中国の県です。
地方別の平均でも東北6県が2.99人で最も低く、四国4県が3.14人と続きました。
秋田県の2.20人は、45人に1人が1年間に転入したという水準です。
東京都の13人に1人と比べると、人の入れ替わりのペースがかなり違います。
これらの県は高齢者割合が高く、子どもの割合が低い県とも重なります。
人が入ってこない地域では人口構成の偏りも進みやすい、という関係が読み取れます。
下位5県はいずれも高齢者割合が全国平均を上回る県です。
人が入ってこないことと人口構成の偏りは、同じ方向に動いています。
地方別に見る転入者の割合
地方別に平均を出すと、大都市圏の高さが目立ちます。
最も高いのは関東7都県の5.16人です。
次いで北海道が4.98人、九州8県が4.19人、近畿7府県が4.16人と続きます。
北海道が2位に入るのは、札幌市への集中が効いていると考えられます。
低いほうを見ると、中部9県が3.73人、中国5県が3.45人、四国4県が3.14人、東北6県が2.99人でした。
最も高い関東と最も低い東北では1.73倍の差があります。
県別の3.48倍と比べると地方別の幅は小さくなります。
同じ地方のなかでも、県庁所在地を抱える県とそうでない県で差が出ているためです。
地図で見る転入者の割合
| 項目 | 人口100人あたり転入者数 |
|---|---|
| 北海道 | 5.0人 |
| 青森県 | 2.8人 |
| 岩手県 | 3.0人 |
| 宮城県 | 4.5人 |
| 秋田県 | 2.2人 |
| 山形県 | 2.6人 |
| 福島県 | 2.8人 |
| 茨城県 | 4.5人 |
| 栃木県 | 3.8人 |
| 群馬県 | 4.1人 |
| 埼玉県 | 5.1人 |
| 千葉県 | 5.6人 |
| 東京都 | 7.7人 |
| 神奈川県 | 5.5人 |
| 新潟県 | 2.9人 |
| 富山県 | 3.0人 |
| 石川県 | 3.8人 |
| 福井県 | 3.1人 |
| 山梨県 | 4.1人 |
| 長野県 | 3.8人 |
| 岐阜県 | 3.8人 |
| 静岡県 | 3.8人 |
| 愛知県 | 5.4人 |
| 三重県 | 3.8人 |
| 滋賀県 | 4.1人 |
| 京都府 | 5.2人 |
| 大阪府 | 5.9人 |
| 兵庫県 | 4.1人 |
| 奈良県 | 3.4人 |
| 和歌山県 | 2.7人 |
| 鳥取県 | 2.8人 |
| 島根県 | 3.1人 |
| 岡山県 | 3.8人 |
| 広島県 | 4.4人 |
| 山口県 | 3.3人 |
| 徳島県 | 3.1人 |
| 香川県 | 3.5人 |
| 愛媛県 | 3.0人 |
| 高知県 | 3.0人 |
| 福岡県 | 5.6人 |
| 佐賀県 | 3.7人 |
| 長崎県 | 3.5人 |
| 熊本県 | 4.6人 |
| 大分県 | 3.6人 |
| 宮崎県 | 3.3人 |
| 鹿児島県 | 3.8人 |
| 沖縄県 | 5.4人 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは関東と近畿、そして福岡県と沖縄県です。
逆に淡いのは東北と山陰、四国でした。
47都道府県の単純平均は3.94人、中央値は3.77人です。
全国値の4.89人より県別の平均が低いのは、人口の多い都府県ほど転入者の割合が高いためで、全国値が大都市に引っ張られています。
平均を超えたのは18都道府県でした。
下の表に47都道府県すべての数値を、転入者数と転出者数の実数と並べて掲載しました。
転入と転出の差を見ると、その県が人を集めているかどうかが分かります。
| 順位 | 都道府県 | 人口100人あたり転入者数(人) | 地方 | 転入者数 | 転出者数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 東京都 | 7.66 | 関東 | 1078129 | 930123 |
| 2 | 大阪府 | 5.88 | 近畿 | 515771 | 448298 |
| 3 | 福岡県 | 5.61 | 九州 | 284722 | 262014 |
| 4 | 千葉県 | 5.57 | 関東 | 351697 | 303204 |
| 5 | 神奈川県 | 5.45 | 関東 | 501490 | 455029 |
| 6 | 愛知県 | 5.44 | 中部 | 406633 | 375586 |
| 7 | 沖縄県 | 5.38 | 九州 | 79820 | 76320 |
| 8 | 京都府 | 5.16 | 近畿 | 126862 | 121323 |
| 9 | 埼玉県 | 5.12 | 関東 | 377446 | 329003 |
| 10 | 北海道 | 4.98 | 北海道 | 248872 | 242670 |
| 11 | 熊本県 | 4.64 | 九州 | 78973 | 77730 |
| 12 | 宮城県 | 4.53 | 東北 | 100061 | 98560 |
| 13 | 茨城県 | 4.48 | 関東 | 126884 | 117304 |
| 14 | 広島県 | 4.35 | 中国 | 117614 | 118516 |
| 15 | 兵庫県 | 4.14 | 近畿 | 221947 | 211405 |
| 16 | 群馬県 | 4.11 | 関東 | 77827 | 71403 |
| 17 | 山梨県 | 4.1 | 中部 | 32551 | 31508 |
| 18 | 滋賀県 | 4.08 | 近畿 | 57210 | 54394 |
| 19 | 長野県 | 3.84 | 中部 | 76602 | 73663 |
| 20 | 三重県 | 3.81 | 近畿 | 65742 | 66456 |
| 21 | 岡山県 | 3.79 | 中国 | 68906 | 69085 |
| 21 | 静岡県 | 3.79 | 中部 | 134208 | 133235 |
| 23 | 岐阜県 | 3.78 | 中部 | 73158 | 71433 |
| 24 | 鹿児島県 | 3.77 | 九州 | 58178 | 60748 |
| 25 | 栃木県 | 3.76 | 関東 | 71059 | 67336 |
| 26 | 石川県 | 3.75 | 中部 | 40854 | 40737 |
| 27 | 佐賀県 | 3.69 | 九州 | 29063 | 28654 |
| 28 | 大分県 | 3.62 | 九州 | 39505 | 39141 |
| 29 | 香川県 | 3.51 | 四国 | 32739 | 32144 |
| 29 | 長崎県 | 3.51 | 九州 | 44088 | 47716 |
| 31 | 奈良県 | 3.37 | 近畿 | 43645 | 42913 |
| 32 | 宮崎県 | 3.3 | 九州 | 34153 | 36223 |
| 33 | 山口県 | 3.29 | 中国 | 41989 | 45334 |
| 34 | 徳島県 | 3.07 | 四国 | 21229 | 22508 |
| 34 | 福井県 | 3.07 | 中部 | 22711 | 23630 |
| 36 | 島根県 | 3.05 | 中国 | 19356 | 20349 |
| 37 | 愛媛県 | 3.01 | 四国 | 38536 | 41489 |
| 38 | 岩手県 | 2.99 | 東北 | 33961 | 36818 |
| 39 | 高知県 | 2.97 | 四国 | 19449 | 22005 |
| 39 | 富山県 | 2.97 | 中部 | 29632 | 29639 |
| 41 | 新潟県 | 2.87 | 中部 | 59845 | 63774 |
| 42 | 福島県 | 2.84 | 東北 | 49612 | 55311 |
| 43 | 鳥取県 | 2.78 | 中国 | 14651 | 16221 |
| 44 | 青森県 | 2.75 | 東北 | 32090 | 35813 |
| 45 | 和歌山県 | 2.67 | 近畿 | 23792 | 25566 |
| 46 | 山形県 | 2.64 | 東北 | 26268 | 30037 |
| 47 | 秋田県 | 2.2 | 東北 | 19570 | 22988 |
このグラフについての豆知識
転入と転出はセットで見る
住民基本台帳の人口動態では、転入者数と転出者数の両方が公表されています。
この記事の主指標は転入者数だけですが、転出者数を合わせて見ると別の姿が出てきます。
全国の転入者は604万9,100人。
人口の4.89パーセントにあたる人が、1年のうちに県をまたいで住所を移したことになります。
20人に1人という水準です。
転入が多い県は転出も多くなる傾向があります。
人の出入りが活発な地域と、動きの少ない地域という違いです。
転入超過かどうかは、両方を引き算しないと分かりません。
県内の引っ越しは含まない
この数字は住民基本台帳の転入届をもとにしています。
他の市区町村から移ってきた人が対象で、同じ市区町村内での引っ越しは含まれません。
また県内の別の市へ移った場合、転入者としては数えられますが、都道府県別に集計する際は県外からの転入と区別されない場合があります。
この記事で使ったのは都道府県単位の集計値です。
住民票を移さない引っ越しは反映されません。
単身赴任や学生の一人暮らしでは住民票をそのままにする例も多く、実際の人の動きより少なめに出る可能性があります。
順位の並びがにている記事
人口に対してどれだけの人が転入したかの47都道府県の並びを、ほかの記事の並びと総当たりで比べました。
いちばん近かったのは【人口の増減】人口が増えたのは3都府県だけ、47都道府県の人口増減を比較で、順位相関は0.91でした。
最も食い違ったのは【高齢者の割合】を47都道府県で比較すると地域差は16.8ポイント(順位相関-0.86)でした。
似ているからといって理由が同じとはかぎりません。
それでも、2つを重ねると土地の性格が見えてくることがあります。
地方のなかで見た人口100人あたり転入者数
| 地方 | 最も多い(人) | 最も少ない(人) |
|---|---|---|
| 東北 | 宮城県 4.53 | 秋田県 2.2 |
| 関東 | 東京都 7.66 | 栃木県 3.76 |
| 中部 | 愛知県 5.44 | 新潟県 2.87 |
| 近畿 | 大阪府 5.88 | 和歌山県 2.67 |
| 中国 | 広島県 4.35 | 鳥取県 2.78 |
| 四国 | 香川県 3.51 | 高知県 2.97 |
| 九州 | 福岡県 5.61 | 宮崎県 3.3 |
まとめ
47都道府県の人口100人あたりの転入者数を比べると、東京都は7.66人、秋田県は2.20人で、その差は3.48倍でした。
全国は4.89人、転入者の合計は604万9,100人です。
地方別では関東が5.16人と最も高く、東北が2.99人で最も低い結果になりました。
ここまでの人口に対してどれだけの人が転入したかの数字には、注意点が3つあります。
1つ目は、住民票の移動をもとにした数字で、住民票を移さない引っ越しは含まれないことです。
2つ目は、同じ市区町村内での引っ越しが含まれないことです。
3つ目は期間で、令和7年(2025年)の1年間です。
転入者が最も多い東京都は、転出者も最も多い都でした。
人が集まる場所は、同時に人が去っていく場所でもあります。
人の動きは、その地域のこれからを映す数字です。
転入と転出の両方を表で確かめてみてください。
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出典
- 統計名: 住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数
- 調査年: 令和7年(2025年の1年間)
- 公開元: 総務省
- 参照URL: https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/daityo/jinkou_jinkoudoutai-setaisuu.html
- 備考: 令和7年(2025年)の1年間に住民票が記載された転入者数(国内・国外の合計)を、2026年1月1日現在の人口で割って100人あたりに直した。同じ県内での引っ越しは含まない
注記: 令和7年(2025年)の1年間に住民票が記載された転入者数(国内・国外の合計)を、2026年1月1日現在の人口で割って100人あたりに直した。
同じ県内での引っ越しは含まない
