【キャンプをする人の割合】は自然の豊かさだけで決まるのか比較しました

【キャンプをする人の割合】は自然の豊かさだけで決まるのか比較しました

趣味としてキャンプをする人がどれだけいるかを、47都道府県で並べて比べます。

使うのは総務省統計局の社会生活基本調査(令和3年)で、10歳以上の人のうち過去1年間にキャンプをした人の割合です。
回数や日数は問いません。

全国の行動者率は6.0パーセント。
およそ17人に1人という計算になります。
同じ調査には「遊園地、動植物園、水族館などの見物」もあるので、あわせて見ていきます。

47都道府県の単純平均

5.4%

キャンプの行動者率(令和3年(2021年))

最も多い 北海道

9.1%

最も少ない 長崎県

3.3%

キャンプをする人が多い5道県

上位5都道府県のキャンプの行動者率
上位5都道府県のキャンプの行動者率 社会生活基本調査(都道府県、趣味・娯楽の種類別行動者率)(令和3年(2021年)) 02468北海道: 9.1%9.1%愛知県: 8.9%8.9%滋賀県: 7.3%7.3%神奈川県: 6.8%6.8%広島県: 6.8%6.8%北海道愛知県滋賀県神奈川県広島県
上位5都道府県のキャンプの行動者率
項目キャンプの行動者率
北海道9.1%
愛知県8.9%
滋賀県7.3%
神奈川県6.8%
広島県6.8%
下位5都道府県のキャンプの行動者率
下位5都道府県のキャンプの行動者率 社会生活基本調査(都道府県、趣味・娯楽の種類別行動者率)(令和3年(2021年)) 01234長崎県: 3.3%3.3%島根県: 3.6%3.6%岩手県: 3.7%3.7%愛媛県: 3.8%3.8%秋田県: 4%4%長崎県島根県岩手県愛媛県秋田県
下位5都道府県のキャンプの行動者率
項目キャンプの行動者率
長崎県3.3%
島根県3.6%
岩手県3.7%
愛媛県3.8%
秋田県4%

キャンプの行動者率が高い上位です。
4位が同数で2県あるため、5道県を掲載します。

北海道は9.1パーセント、愛知県は8.9パーセント、滋賀県は7.3パーセント、4位は6.8パーセントが2県でした。
全国の6.0パーセントを上回ったのは11都道府県だけです。

ここで意外なのは2位の愛知県です。
人口が多く、都市が発達した地域として知られています。
4位に並んだ神奈川県も、政令指定都市を抱える県でした。
キャンプは自然の近くに住む人の趣味だと思われがちですが、上位には大都市を抱える県が複数入っています。

6位以下も6.7パーセント、6.6パーセント、6.5パーセントと続きます。
上位10のうち5つが人口300万人を超える都道府県でした。

北海道は9.1パーセントで、2位との差は0.2ポイントしかありません。
全国で唯一9パーセント台に乗った地域ですが、2位とはほとんど並んでいます。
上位は僅差の争いです。

一方で、上位10のうち4県は人口が200万人に満たない県でした。
大都市を抱える県ばかりが並んでいるわけではなく、両方が混ざっているのがこの指標の特徴です。

自然が近い県ほど、キャンプをするのか

この分布の背景を、ここから考えてみます。
趣味としてキャンプをする人の割合の統計が答えを持っているわけではないので、以下はほかの数字と照らして立てた推測です。

自然が近い県ほどキャンプをするのなら、森林率の高い県が上位に並ぶはずです。
しかし森林率を比べた記事で1位だった県はキャンプでは8位、2位だった県は22位でした。
上位に入ってはいますが、突出してはいません。

そこで同じ調査の「遊園地、動植物園、水族館などの見物」を見てみます。
全国は19.0パーセントで、上位は25.5パーセント、24.0パーセント、23.9パーセント、23.7パーセント。
いずれも人口の多い都府県です。
キャンプで2位の愛知県と4位の神奈川県は、こちらでも1位と2位に入っていました。

つまりキャンプの行動者率が高い地域は、余暇の外出全般が活発な地域と重なって見えます。
キャンプは道具をそろえ、車で移動し、日程を確保して行うものです。
自然が近いかどうかより、そうした余裕があるかどうかが効いている、という見方ができます。

例外もあります。
北海道は人口密度が全国最下位でありながら、キャンプの行動者率が全国唯一の9パーセント台でした。
ここは自然の近さと余暇の活発さが両立している地域だと考えられます。

なお行動者率は「過去1年間に1回でもしたか」を聞いた数字です。
年に1回の人も毎週行く人も同じ1人として数えられるので、キャンプの盛んさそのものを表しているわけではありません。

キャンプをする人が少ない5県

キャンプの行動者率が低い下位5県です。

長崎県は3.3パーセント、島根県は3.6パーセント、岩手県は3.7パーセント、愛媛県は3.8パーセント、秋田県は4.0パーセントでした。
北海道の9.1パーセントと長崎県の3.3パーセントでは2.76倍の差があります。

下位に並んだのは九州、中国、東北、四国の県です。
地方別の平均でも四国4県が4.8パーセント、中国5県が4.9パーセントと下から並びました。

ただし全体の散らばりは小さめです。
上下の差が2.76倍というのは、これまで扱ってきた指標のなかでは中くらい。
47都道府県すべてが3パーセントから9パーセントの範囲に収まっています。

下位5県は5県とも人口が150万人を下回ります。
人口の少ない県が下位に集まっていますが、上位にも人口の少ない県が入っているため、人口だけで説明できる差ではありません。

なお長崎県の3.3パーセントは、30人に1人という水準です。
ゼロではありませんが、身近な趣味とは言いにくい割合になります。

地図で見るキャンプの行動者率

キャンプの行動者率(令和3年(2021年))
キャンプの行動者率(令和3年(2021年)) 社会生活基本調査(都道府県、趣味・娯楽の種類別行動者率)(総務省統計局)をもとに作成。単位は%。 北海道 9.1%青森 5.3%岩手 3.7%宮城 6.2%秋田 4%山形 5.9%福島 4.7%茨城 4.9%栃木 5.2%群馬 4.8%埼玉 6.3%千葉 5.8%東京 6.7%神奈川 6.8%新潟 5.1%富山 4.3%石川 4.6%福井 5%山梨 6%長野 5.8%岐阜 5.4%静岡 5.6%愛知 8.9%三重 4.7%滋賀 7.3%京都 5.8%大阪 5.5%兵庫 5.4%奈良 5.7%和歌山 5.2%鳥取 4.2%島根 3.6%岡山 5.6%広島 6.8%山口 4.3%徳島 4.1%香川 4.7%愛媛 3.8%高知 6.5%福岡 6%佐賀 5.4%長崎 3.3%熊本 6.5%大分 4.7%宮崎 5.3%鹿児島 6.6%沖縄 4.1%
キャンプの行動者率(%)
キャンプの行動者率(令和3年(2021年))
項目キャンプの行動者率
北海道9.1%
青森県5.3%
岩手県3.7%
宮城県6.2%
秋田県4%
山形県5.9%
福島県4.7%
茨城県4.9%
栃木県5.2%
群馬県4.8%
埼玉県6.3%
千葉県5.8%
東京都6.7%
神奈川県6.8%
新潟県5.1%
富山県4.3%
石川県4.6%
福井県5%
山梨県6%
長野県5.8%
岐阜県5.4%
静岡県5.6%
愛知県8.9%
三重県4.7%
滋賀県7.3%
京都府5.8%
大阪府5.5%
兵庫県5.4%
奈良県5.7%
和歌山県5.2%
鳥取県4.2%
島根県3.6%
岡山県5.6%
広島県6.8%
山口県4.3%
徳島県4.1%
香川県4.7%
愛媛県3.8%
高知県6.5%
福岡県6%
佐賀県5.4%
長崎県3.3%
熊本県6.5%
大分県4.7%
宮崎県5.3%
鹿児島県6.6%
沖縄県4.1%

日本地図で見ると、色が濃く出るのは北海道と中部から近畿にかけての一帯、そして関東の一部です。
逆に淡いのは東北の日本海側と中国、四国、九州の一部でした。

47都道府県の単純平均は5.4パーセント、中央値も5.4パーセントで一致しています。
全国値の6.0パーセントより低いのは、人口の多い都道府県の数字が全国値を押し上げているためです。
平均を超えたのは21都道府県でした。

下の表に47都道府県すべての行動者率を、遊園地・動植物園などの行動者率と並べて掲載しました。
2つの数字が同じ方向に動いているかどうかを見比べてみてください。

順位都道府県キャンプの行動者率(%)地方遊園地・動植物園などの行動者率
1北海道9.1北海道16.3
2愛知県8.9中部25.5
3滋賀県7.3近畿16.9
4広島県6.8中国16.3
4神奈川県6.8関東24
6東京都6.7関東23.7
7鹿児島県6.6九州16
8熊本県6.5九州17.1
8高知県6.5四国18.1
10埼玉県6.3関東18.5
11宮城県6.2東北17.9
12山梨県6中部14.7
12福岡県6九州19.5
14山形県5.9東北12.6
15京都府5.8近畿23.9
15千葉県5.8関東19.1
15長野県5.8中部13.4
18奈良県5.7近畿18
19岡山県5.6中国15
19静岡県5.6中部16.7
21大阪府5.5近畿22.1
22岐阜県5.4中部15.5
22佐賀県5.4九州16.4
22兵庫県5.4近畿19
25宮崎県5.3九州13.4
25青森県5.3東北10.7
27栃木県5.2関東18.5
27和歌山県5.2近畿16.3
29新潟県5.1中部16.7
30福井県5中部14.8
31茨城県4.9関東17.4
32群馬県4.8関東16.5
33香川県4.7四国17.6
33三重県4.7近畿15
33大分県4.7九州16.4
33福島県4.7東北13
37石川県4.6中部14.7
38山口県4.3中国16.1
38富山県4.3中部16.6
40鳥取県4.2中国10.5
41沖縄県4.1九州13.7
41徳島県4.1四国12.2
43秋田県4東北14.6
44愛媛県3.8四国13.2
45岩手県3.7東北8.2
46島根県3.6中国12.2
47長崎県3.3九州13
社会生活基本調査(都道府県、趣味・娯楽の種類別行動者率)(令和3年(2021年)、総務省統計局)をもとに作成

このグラフについての豆知識

遊園地や動物園のほうが3倍多い

同じ社会生活基本調査で「遊園地、動植物園、水族館などの見物」の全国の行動者率は19.0パーセントです。
キャンプの6.0パーセントの3倍以上あります。

余暇の外出としては、日帰りで行ける施設のほうが圧倒的に多く選ばれているということです。
キャンプは宿泊をともなうことが多く、道具も必要になるため、参加のハードルが高い趣味だと言えます。

県別に見ると、遊園地などの上位は人口の多い都府県が占めます。
施設が近くにあることと、行く人が多いことが素直に結びついている指標です。
キャンプとは性格が違います。

令和3年という調査年

この調査は令和3年、2021年10月に行われました。
新型コロナウイルスの影響が続いていた時期にあたります。

社会生活基本調査は5年ごとの調査で、前回は平成28年、次回は令和8年の予定です。
屋外で人と距離を取れる余暇として、この時期にキャンプが注目されたという話はよく聞かれました。
ただし今回のデータは1時点のものなので、増えたのか減ったのかはこの記事では判断できません。

次回の調査結果が出れば、この時期の数字が一時的なものだったのかどうかが分かります。

順位の並びがにている記事

同じ形の地図になる記事はあるでしょうか。
趣味としてキャンプをする人の割合の順位で探してみます。

並びが最も重なったのは【写真を撮る人の割合】を47都道府県で比べると地域差は1.86倍で、相関は0.67です。
最も食い違ったのは【自家用車通勤の割合】8割を超える県と1割に届かない都、通勤の景色はこれほど違う(順位相関-0.54)でした。

似ているからといって理由が同じとはかぎりません。
それでも、2つを重ねると土地の性格が見えてくることがあります。

地方のなかで見たキャンプの行動者率

地方最も多い(%)最も少ない(%)
東北宮城県 6.2岩手県 3.7
関東神奈川県 6.8群馬県 4.8
中部愛知県 8.9富山県 4.3
近畿滋賀県 7.3三重県 4.7
中国広島県 6.8島根県 3.6
四国高知県 6.5愛媛県 3.8
九州鹿児島県 6.6長崎県 3.3
社会生活基本調査(都道府県、趣味・娯楽の種類別行動者率)(令和3年(2021年)、総務省統計局)をもとに作成

まとめ

47都道府県のキャンプの行動者率を比べると、北海道は9.1パーセント、長崎県は3.3パーセントで、その差は2.76倍でした。
全国は6.0パーセントで、これを上回ったのは11都道府県だけです。
地方別では北海道が9.1パーセントと最も高く、四国が4.8パーセントで最も低い結果になりました。

趣味としてキャンプをする人の割合の数字を受け取る前に、3つ添えておきます。
1つ目は、この数字が過去1年間に1回でもした人の割合であり、回数や日数ではないことです。
2つ目は、令和3年(2021年)という調査時期です。
3つ目は、10歳以上が対象であることです。

キャンプをする人が多いのは、自然が近い県とは限りませんでした。
上位には大都市を抱える県が複数入っています。
趣味は環境だけでなく、時間とお金の余裕にも左右されるのかもしれません。

キャンプは道具も時間も必要な趣味です。
それでも47都道府県すべてで、少なくとも30人に1人はしていました。

関連記事

出典

  • 統計名: 社会生活基本調査(都道府県、趣味・娯楽の種類別行動者率)
  • 調査年: 令和3年(2021年)
  • 公開元: 総務省統計局
  • 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000032262823
  • 備考: 10歳以上の人のうち、過去1年間に趣味・娯楽としてキャンプをした人の割合。回数や日数は問わない

注記: 10歳以上の人のうち、過去1年間に趣味・娯楽としてキャンプをした人の割合。
回数や日数は問わない

この記事をシェアする

記事一覧へ戻る

関連記事 Relation Entry