写真を撮る人は、10歳以上のおよそ4.6人に1人です。
この調査ではスマートフォンでの撮影も含み、過去1年間に趣味として撮ったかどうかだけを聞いています。
仕事や記録のための撮影は入りません。
今回は47都道府県の写真の撮影・プリントの行動者率を、令和3年の総務省統計局「社会生活基本調査」のデータを使って比べました。
全国の行動者率は21.9%。
およそ4.6人に1人が、1年のうちに趣味として写真を撮ったことになります。
47都道府県の単純平均
19.7%
写真の撮影・プリントの行動者率(令和3年(2021年))
最も多い 東京都
27.2%
最も少ない 青森県
14.6%
写真を撮る人が多い5都府県
写真の撮影・プリントの行動者率が高い上位5都府県です。
東京都は27.2パーセント、神奈川県は26.7パーセント、愛知県は23.8パーセント、埼玉県は23.6パーセント、京都府は23.5パーセントでした。
全国の21.9パーセントを上回ったのは7都府県だけです。
上位5都府県はいずれも人口の多い地域です。
読書、楽器の演奏、映画館での映画鑑賞でも上位に並んだ顔ぶれと、ほとんど同じになりました。
園芸だけが逆の分布を示したことを思うと、写真は他の余暇活動と同じ「都市部で高い」型に入ります。
6位以下も22.4パーセント、22.2パーセント、21.8パーセントと続きます。
22パーセントを超えたのは7都県でした。
1位の東京都と2位の神奈川県の差は0.5ポイントで、上位2都県が抜けています。
3位以下は23パーセント台に3府県が並びました。
写真と美術鑑賞は同じ地図を描くのか
ここからは統計を離れて、趣味として写真を撮る人の割合の背景を推測します。
確かめられた事実ではなく、ほかの数字と並べて考えた見立てとして読んでください。
写真は道具のハードルが低い趣味です。
スマートフォンがあれば誰でも撮れます。
それでも都市部と地方で1.86倍の差が出ました。
道具の有無では説明がつきません。
そこで同じ調査の「美術鑑賞」を見てみます。
全国は11.4パーセントで、上位は東京都の17.8パーセント、京都府の15.4パーセント、福井県の13.8パーセント。
写真とよく似た顔ぶれですが、3位以下には福井県や石川県、富山県といった北陸の県が入ります。
美術鑑賞は美術館という施設が必要な活動です。
写真には施設が要りません。
それなのに両方とも都市部が上位に来るということは、施設の有無ではなく「撮りに行く場所があるか」「そういう活動をする習慣があるか」が効いている可能性があります。
もう1つ考えられるのは、この調査が「趣味・娯楽として」の行動を聞いている点です。
日常の記録として撮る写真は、趣味と意識されなければ行動者に含まれないかもしれません。
都市部のほうが「趣味としての写真」と自覚する機会が多い、という説明もありえます。
いずれも統計で確かめた話ではありません。
ただ、道具が手元にある趣味でも地域差が出るという事実は、余暇の過ごし方が環境に左右されることを示しています。
写真を撮る人が少ない5県
写真の撮影・プリントの行動者率が低い下位5県です。
45位に2県が同数で並びました。
青森県は14.6パーセント、45位は秋田県と沖縄県の15.9パーセント、徳島県は16.0パーセント、長崎県は16.6パーセントでした。
東京都の27.2パーセントと青森県の14.6パーセントでは1.86倍の差があります。
下位に並んだのは東北2県と九州2県、四国1県です。
地方別の平均でも四国4県が17.4パーセント、東北6県が17.5パーセントと下から並びました。
青森県の14.6パーセントは、7人に1人という水準です。
47都道府県で唯一15パーセントを下回りました。
なお下位でも7人に1人は写真を撮っています。
上下の差が1.86倍というのは、余暇の指標としては中くらいの開きです。
下位5県はいずれも人口が150万人を下回ります。
上位5都府県はどれも人口の多い地域でしたから、この指標は人口規模とゆるやかに結びついているようです。
地図で見る写真の行動者率
| 項目 | 写真の撮影・プリントの行動者率 |
|---|---|
| 北海道 | 21.2% |
| 青森県 | 14.6% |
| 岩手県 | 18.2% |
| 宮城県 | 21.5% |
| 秋田県 | 15.9% |
| 山形県 | 17.8% |
| 福島県 | 17% |
| 茨城県 | 22.2% |
| 栃木県 | 19.3% |
| 群馬県 | 21.7% |
| 埼玉県 | 23.6% |
| 千葉県 | 22.4% |
| 東京都 | 27.2% |
| 神奈川県 | 26.7% |
| 新潟県 | 19% |
| 富山県 | 18.3% |
| 石川県 | 18.1% |
| 福井県 | 19.2% |
| 山梨県 | 19.2% |
| 長野県 | 19.8% |
| 岐阜県 | 18.5% |
| 静岡県 | 21% |
| 愛知県 | 23.8% |
| 三重県 | 20% |
| 滋賀県 | 21.8% |
| 京都府 | 23.5% |
| 大阪府 | 21.2% |
| 兵庫県 | 21.1% |
| 奈良県 | 21.4% |
| 和歌山県 | 17.8% |
| 鳥取県 | 17.7% |
| 島根県 | 17.1% |
| 岡山県 | 20% |
| 広島県 | 21% |
| 山口県 | 19.1% |
| 徳島県 | 16% |
| 香川県 | 18% |
| 愛媛県 | 18.9% |
| 高知県 | 16.9% |
| 福岡県 | 21.2% |
| 佐賀県 | 18.9% |
| 長崎県 | 16.6% |
| 熊本県 | 21.3% |
| 大分県 | 17.5% |
| 宮崎県 | 18.6% |
| 鹿児島県 | 19.6% |
| 沖縄県 | 15.9% |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは関東と東海、近畿です。
逆に淡いのは東北と四国、九州の一部でした。
これまで見てきた余暇の指標とよく似た分布になります。
47都道府県の単純平均は19.7パーセント、中央値は19.2パーセントです。
全国値の21.9パーセントより県別の平均が低いのは、人口の多い都府県の数字が全国値を押し上げているためです。
平均を超えたのは21都府県でした。
下の表に47都道府県すべての行動者率を、美術鑑賞の行動者率と並べて掲載しました。
2つの数字が同じ方向に動いているかどうかを見比べてみてください。
| 順位 | 都道府県 | 写真の撮影・プリントの行動者率(%) | 地方 | 美術鑑賞の行動者率 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 東京都 | 27.2 | 関東 | 17.8 |
| 2 | 神奈川県 | 26.7 | 関東 | 12.3 |
| 3 | 愛知県 | 23.8 | 中部 | 12.1 |
| 4 | 埼玉県 | 23.6 | 関東 | 9.4 |
| 5 | 京都府 | 23.5 | 近畿 | 15.4 |
| 6 | 千葉県 | 22.4 | 関東 | 8.7 |
| 7 | 茨城県 | 22.2 | 関東 | 8.5 |
| 8 | 滋賀県 | 21.8 | 近畿 | 11.1 |
| 9 | 群馬県 | 21.7 | 関東 | 8.7 |
| 10 | 宮城県 | 21.5 | 東北 | 9.2 |
| 11 | 奈良県 | 21.4 | 近畿 | 12.1 |
| 12 | 熊本県 | 21.3 | 九州 | 9.6 |
| 13 | 大阪府 | 21.2 | 近畿 | 11.7 |
| 13 | 福岡県 | 21.2 | 九州 | 11.1 |
| 13 | 北海道 | 21.2 | 北海道 | 8.8 |
| 16 | 兵庫県 | 21.1 | 近畿 | 12.4 |
| 17 | 広島県 | 21 | 中国 | 11.4 |
| 17 | 静岡県 | 21 | 中部 | 10.5 |
| 19 | 岡山県 | 20 | 中国 | 11.2 |
| 19 | 三重県 | 20 | 近畿 | 8.4 |
| 21 | 長野県 | 19.8 | 中部 | 11.7 |
| 22 | 鹿児島県 | 19.6 | 九州 | 8.7 |
| 23 | 栃木県 | 19.3 | 関東 | 7.1 |
| 24 | 山梨県 | 19.2 | 中部 | 12.1 |
| 24 | 福井県 | 19.2 | 中部 | 13.8 |
| 26 | 山口県 | 19.1 | 中国 | 8.7 |
| 27 | 新潟県 | 19 | 中部 | 12.5 |
| 28 | 愛媛県 | 18.9 | 四国 | 8.8 |
| 28 | 佐賀県 | 18.9 | 九州 | 10.3 |
| 30 | 宮崎県 | 18.6 | 九州 | 9.7 |
| 31 | 岐阜県 | 18.5 | 中部 | 8.7 |
| 32 | 富山県 | 18.3 | 中部 | 13.1 |
| 33 | 岩手県 | 18.2 | 東北 | 8.9 |
| 34 | 石川県 | 18.1 | 中部 | 13.4 |
| 35 | 香川県 | 18 | 四国 | 9.3 |
| 36 | 山形県 | 17.8 | 東北 | 10.9 |
| 36 | 和歌山県 | 17.8 | 近畿 | 8.1 |
| 38 | 鳥取県 | 17.7 | 中国 | 12.5 |
| 39 | 大分県 | 17.5 | 九州 | 12.8 |
| 40 | 島根県 | 17.1 | 中国 | 9.8 |
| 41 | 福島県 | 17 | 東北 | 9.8 |
| 42 | 高知県 | 16.9 | 四国 | 9.9 |
| 43 | 長崎県 | 16.6 | 九州 | 8.9 |
| 44 | 徳島県 | 16 | 四国 | 7.2 |
| 45 | 沖縄県 | 15.9 | 九州 | 6.4 |
| 45 | 秋田県 | 15.9 | 東北 | 9 |
| 47 | 青森県 | 14.6 | 東北 | 8.4 |
このグラフについての豆知識
美術鑑賞は北陸が強い
同じ社会生活基本調査で「美術鑑賞」の全国の行動者率は11.4パーセントです。
写真の21.9パーセントのおよそ半分になります。
上位は東京都の17.8パーセント、京都府の15.4パーセント、福井県の13.8パーセント、石川県の13.4パーセント、富山県の13.1パーセントでした。
3位から5位を北陸3県が占めています。
写真では北陸の県は上位に入りません。
同じ「見る・撮る」という趣味でも、地域の出方は違います。
美術館の数や地域の文化施策が関わっている可能性はありますが、この統計だけでは確かめられません。
スマートフォンでの撮影も含む
この項目は「写真の撮影・プリント」です。
フィルムカメラやデジタルカメラだけでなく、スマートフォンで撮った写真も含まれます。
ただし調査は「趣味・娯楽として」行った活動を聞いています。
日常の記録や仕事で撮る写真は対象外です。
同じ行為でも、本人がどう位置づけているかで回答が変わる可能性があります。
調査は5年ごとで、令和3年が直近です。
スマートフォンの普及で誰もが写真を撮る時代になりましたが、それが「趣味としての写真」として数えられているかどうかは、この数字だけでは分かりません。
順位の並びがにている記事
趣味として写真を撮る人の割合とよく似た並びになる記事が、当サイトにあるか探しました。
最も似ていたのは【鉄骨造の着工戸数】全国11万1,427戸、実数で108.6倍(順位相関0.87)です。
最も食い違ったのは【スーパーの数】が多いのは大都市ではありませんでした、人口あたりで比較(順位相関-0.83)でした。
相関は因果ではないので、関係があると決めつけることはできません。
見くらべる手がかりとして使ってください。
地方のなかで見た写真の撮影・プリントの行動者率
| 地方 | 最も多い(%) | 最も少ない(%) |
|---|---|---|
| 東北 | 宮城県 21.5 | 青森県 14.6 |
| 関東 | 東京都 27.2 | 栃木県 19.3 |
| 中部 | 愛知県 23.8 | 石川県 18.1 |
| 近畿 | 京都府 23.5 | 和歌山県 17.8 |
| 中国 | 広島県 21 | 島根県 17.1 |
| 四国 | 愛媛県 18.9 | 徳島県 16 |
| 九州 | 熊本県 21.3 | 沖縄県 15.9 |
まとめ
47都道府県の写真の行動者率を比べると、東京都は27.2パーセント、青森県は14.6パーセントで、その差は1.86倍でした。
全国は21.9パーセントで、これを上回ったのは7都府県だけです。
地方別では関東が23.3パーセントと最も高く、四国が17.4パーセントで最も低い結果になりました。
趣味として写真を撮る人の割合の数字を受け取る前に、3つ添えておきます。
1つ目は、この数字が過去1年間に1回でもした人の割合であり、頻度ではないことです。
2つ目は、趣味・娯楽としての撮影に限られ、仕事や記録のための撮影は含まれないことです。
3つ目は時点で、令和3年(2021年)の調査結果です。
スマートフォンがあれば撮れる趣味でも、上下で1.86倍の差がありました。
道具の有無だけでは説明がつかない差です。
余暇の過ごし方は、道具があるかどうかだけでは決まらないようです。
ほかの趣味を扱った記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 社会生活基本調査(都道府県、趣味・娯楽の種類別行動者率)
- 調査年: 令和3年(2021年)
- 公開元: 総務省統計局
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000032262823
- 備考: 10歳以上の人のうち、過去1年間に趣味・娯楽として写真の撮影・プリントをした人の割合。スマートフォンでの撮影も含まれる
注記: 10歳以上の人のうち、過去1年間に趣味・娯楽として写真の撮影・プリントをした人の割合。
スマートフォンでの撮影も含まれる
