47都道府県で、農業の産出額が10年でどう変わったかを比べます。
2013年と2023年の農業産出額を比べた変化率です。
産出額は作った量に販売価格をかけたもので、農家の所得ではありません。
使うのは総務省統計局の社会・人口統計体系。
全国は8兆5,748億円から9兆5,543億円へ、9,795億円増えました。
増えたのが36道府県、減ったのが11都県です。
47都道府県の単純平均
8.4%
農業産出額の10年変化率(2013年と2023年の比較)
最も多い 山梨県
46.3%
最も少ない 東京都
-24.9%
地図で見る10年の変化
| 項目 | 農業産出額の10年変化率 |
|---|---|
| 北海道 | 25.9% |
| 青森県 | 22.3% |
| 岩手県 | 22.3% |
| 宮城県 | 8.9% |
| 秋田県 | 3.7% |
| 山形県 | 6.5% |
| 福島県 | 5.6% |
| 茨城県 | 4.1% |
| 栃木県 | 10% |
| 群馬県 | 15.3% |
| 埼玉県 | -18.7% |
| 千葉県 | -2.7% |
| 東京都 | -24.9% |
| 神奈川県 | -14.7% |
| 新潟県 | -14.6% |
| 富山県 | -8.6% |
| 石川県 | 0.6% |
| 福井県 | 1.6% |
| 山梨県 | 46.3% |
| 長野県 | 23.1% |
| 岐阜県 | 11.6% |
| 静岡県 | 5% |
| 愛知県 | 4.0% |
| 三重県 | 9.3% |
| 滋賀県 | -1.3% |
| 京都府 | 10.1% |
| 大阪府 | -3.3% |
| 兵庫県 | 13.6% |
| 奈良県 | -4.4% |
| 和歌山県 | 13.6% |
| 鳥取県 | 12.8% |
| 島根県 | 11.2% |
| 岡山県 | 40.6% |
| 広島県 | 28.7% |
| 山口県 | 5.2% |
| 徳島県 | 0.2% |
| 香川県 | 28.7% |
| 愛媛県 | 0.3% |
| 高知県 | 20.3% |
| 福岡県 | -6.1% |
| 佐賀県 | 6.4% |
| 長崎県 | 10.1% |
| 熊本県 | 15.6% |
| 大分県 | 5.2% |
| 宮崎県 | 15.8% |
| 鹿児島県 | 32.3% |
| 沖縄県 | -0.7% |
| 項目 | 全国の農業産出額 |
|---|---|
| 2013年 | 8,574,800% |
| 2014年 | 8,427,900% |
| 2015年 | 8,863,100% |
| 2016年 | 9,305,100% |
| 2017年 | 9,378,700% |
| 2018年 | 9,128,300% |
| 2019年 | 8,938,700% |
| 2020年 | 8,955,700% |
| 2021年 | 8,860,000% |
| 2022年 | 9,011,600% |
| 2023年 | 9,554,300% |
色が濃く出る(増え方が大きい)のは山梨県と岡山県、鹿児島県、広島県、香川県、北海道です。
淡い(減り方が大きい)のは首都圏と新潟県、富山県でした。
47都道府県の単純平均はプラス8.44パーセント、中央値はプラス6.45パーセント。
全国値のプラス11.42パーセントより小さいのは、額の大きい道県ほど増え方が大きいためです。
県を1つずつ平等に扱うと、全国値より下に振れます。
20パーセント以上増えたのは10道県、減ったのは11都県。
1位と47位で71.17ポイントと、幅の広い分布になりました。
| 順位 | 都道府県 | 農業産出額の10年変化率(%) | 地方 | 2023年の農業産出額 | 2013年の農業産出額 | 10年間の増減数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 山梨県 | 46.26 | 中部 | 119200 | 81500 | 37700 |
| 2 | 岡山県 | 40.63 | 中国 | 177200 | 126000 | 51200 |
| 3 | 鹿児島県 | 32.34 | 九州 | 543800 | 410900 | 132900 |
| 4 | 広島県 | 28.71 | 中国 | 144800 | 112500 | 32300 |
| 5 | 香川県 | 28.68 | 四国 | 97800 | 76000 | 21800 |
| 6 | 北海道 | 25.9 | 北海道 | 1347800 | 1070500 | 277300 |
| 7 | 長野県 | 23.14 | 中部 | 289000 | 234700 | 54300 |
| 8 | 岩手県 | 22.28 | 東北 | 297500 | 243300 | 54200 |
| 9 | 青森県 | 22.26 | 東北 | 346600 | 283500 | 63100 |
| 10 | 高知県 | 20.26 | 四国 | 112800 | 93800 | 19000 |
| 11 | 宮崎県 | 15.78 | 九州 | 372000 | 321300 | 50700 |
| 12 | 熊本県 | 15.6 | 九州 | 375700 | 325000 | 50700 |
| 13 | 群馬県 | 15.28 | 関東 | 265500 | 230300 | 35200 |
| 14 | 兵庫県 | 13.62 | 近畿 | 167700 | 147600 | 20100 |
| 15 | 和歌山県 | 13.6 | 近畿 | 112800 | 99300 | 13500 |
| 16 | 鳥取県 | 12.81 | 中国 | 76600 | 67900 | 8700 |
| 17 | 岐阜県 | 11.57 | 中部 | 126300 | 113200 | 13100 |
| 18 | 島根県 | 11.18 | 中国 | 67600 | 60800 | 6800 |
| 19 | 長崎県 | 10.11 | 九州 | 159000 | 144400 | 14600 |
| 20 | 京都府 | 10.06 | 近畿 | 76600 | 69600 | 7000 |
| 21 | 栃木県 | 10.0 | 関東 | 295900 | 269000 | 26900 |
| 22 | 三重県 | 9.34 | 近畿 | 121800 | 111400 | 10400 |
| 23 | 宮城県 | 8.89 | 東北 | 192400 | 176700 | 15700 |
| 24 | 山形県 | 6.45 | 東北 | 244100 | 229300 | 14800 |
| 25 | 佐賀県 | 6.38 | 九州 | 128400 | 120700 | 7700 |
| 26 | 福島県 | 5.56 | 東北 | 216300 | 204900 | 11400 |
| 27 | 山口県 | 5.19 | 中国 | 68900 | 65500 | 3400 |
| 28 | 大分県 | 5.17 | 九州 | 134200 | 127600 | 6600 |
| 29 | 静岡県 | 5.0 | 中部 | 224500 | 213800 | 10700 |
| 30 | 茨城県 | 4.13 | 関東 | 453600 | 435600 | 18000 |
| 31 | 愛知県 | 3.99 | 中部 | 320700 | 308400 | 12300 |
| 32 | 秋田県 | 3.67 | 東北 | 177900 | 171600 | 6300 |
| 33 | 福井県 | 1.64 | 中部 | 43300 | 42600 | 700 |
| 34 | 石川県 | 0.58 | 中部 | 52100 | 51800 | 300 |
| 35 | 愛媛県 | 0.31 | 四国 | 129500 | 129100 | 400 |
| 36 | 徳島県 | 0.2 | 四国 | 98600 | 98400 | 200 |
| 37 | 沖縄県 | -0.68 | 九州 | 87900 | 88500 | -600 |
| 38 | 滋賀県 | -1.29 | 近畿 | 61000 | 61800 | -800 |
| 39 | 千葉県 | -2.7 | 関東 | 402900 | 414100 | -11200 |
| 40 | 大阪府 | -3.32 | 近畿 | 32000 | 33100 | -1100 |
| 41 | 奈良県 | -4.4 | 近畿 | 41300 | 43200 | -1900 |
| 42 | 福岡県 | -6.05 | 九州 | 209600 | 223100 | -13500 |
| 43 | 富山県 | -8.55 | 中部 | 58800 | 64300 | -5500 |
| 44 | 新潟県 | -14.6 | 中部 | 228100 | 267100 | -39000 |
| 45 | 神奈川県 | -14.68 | 関東 | 68600 | 80400 | -11800 |
| 46 | 埼玉県 | -18.69 | 関東 | 163600 | 201200 | -37600 |
| 47 | 東京都 | -24.91 | 関東 | 22000 | 29300 | -7300 |
増え方が大きかった5道県
増え方が大きかった上位5道県です。
山梨県はプラス46.26パーセント、岡山県はプラス40.63パーセント、鹿児島県はプラス32.34パーセント、広島県はプラス28.71パーセント、香川県はプラス28.68パーセントでした。
山梨県は815億円から1,192億円へ377億円増えています。
6位以下は北海道プラス25.90パーセント、長野県プラス23.14パーセント、岩手県プラス22.28パーセントと続きます。
20パーセント以上増えたのは10道県で、額そのものが最も大きいのは北海道の1兆3,478億円です。
上位5のうち山梨県は果樹、鹿児島県は畜産と、得意な部門がはっきり分かれています。
同じ「農業産出額が伸びた県」でも、何が伸びたかは県によって違います。
農家は減っているのに、産出額は増えました
農家は減り続けているのに、産出額はふえている。
この2つは両立するのでしょうか。
ここからは、ほかの数字と照らして立てた推測です。
同じ社会・人口統計体系で農家数を見ると、この10年でどの県も大きく減っています。
それでも産出額は9,795億円増えました。
農家数の変化率とこの記事の変化率の相関係数はプラス0.19。
農家が減った県ほど産出額も減る、という関係はほとんどありません。
担い手が減っても、1戸あたりの規模が大きくなれば産出額は保たれます。
北海道がプラス25.90パーセントで額も全国の14パーセントを占めるのは、その典型と読めます。
人口の指標との相関は、ほかの記事と逆を向きました。
人口増減率とはマイナス0.41、65歳以上人口割合とはプラス0.40、人口密度とはマイナス0.52。
人が減って高齢化が進んだ県ほど、産出額が伸びています。
農業が主な産業である県ほど人口も減りやすい、という関係の裏返しでしょう。
下位に東京都、埼玉県、神奈川県が並ぶのも同じ構図です。
都市化が進めば農地が住宅や商業地に変わります。
減り方が大きいのは、もともと農業の比重が小さい都県でした。
実数で見ると景色が変わります。
10年で増えた額がいちばん大きいのは北海道のプラス2,773億円、次いで鹿児島県プラス1,329億円、青森県プラス631億円。
率で1位の山梨県は377億円増で、額では上位に入りません。
もうひとつ、この指標は販売価格ベースだという点も押さえておきたいところです。
同じ量を作っても値段が上がれば産出額は増えます。
10年の伸びには、生産量の変化と価格の変化の両方が混ざっています。
減り方が大きかった5都県
減り方が大きかった下位5都県です。
東京都はマイナス24.91パーセント、埼玉県はマイナス18.69パーセント、神奈川県はマイナス14.68パーセント、新潟県はマイナス14.60パーセント、富山県はマイナス8.55パーセントでした。
山梨県のプラス46.26パーセントとは71.17ポイントの差があります。
新潟県が44位に入るのは意外に見えるかもしれません。
米どころとして知られる県ですが、2,671億円から2,281億円へ390億円減っており、減った額では全国で最も大きくなります。
減ったのは11都県。
額そのものが最も小さいのは東京都の220億円で、大阪府320億円、奈良県413億円と続きます。
地方別に見る10年の変化
8つの地方でならしてみると、北海道が最も大きくなります。
北海道がプラス25.90パーセント、中国5県がプラス19.70パーセント、四国4県がプラス12.36パーセント、東北6県がプラス11.52パーセント、九州・沖縄8県がプラス9.83パーセントと続きます。
増え方が小さいほうは中部9県がプラス7.67パーセント、近畿7府県がプラス5.37パーセント、関東7都県がマイナス4.51パーセントでした。
北海道と関東では30.41ポイントの差があります。
8地方のうち平均がマイナスになったのは関東7都県だけです。
東京都マイナス24.91パーセント、埼玉県マイナス18.69パーセント、神奈川県マイナス14.68パーセントが押し下げました。
同じ関東でも茨城県はプラス4.13パーセントです。
中国5県のプラス19.70パーセントが2位に入るのは、岡山県プラス40.63パーセントと広島県プラス28.71パーセントが引き上げた結果です。
このグラフについての豆知識
2016年と2023年に山がある
全国の農業産出額は2013年の8兆5,748億円から2023年の9兆5,543億円へ、9,795億円増えました。
ただし一直線ではありません。
2016年に9兆3,051億円まで伸びたあと2019年の8兆9,387億円まで下がり、そこから2023年に9兆5,543億円まで戻っています。
2023年は10年で最も大きい額です。
前年の9兆116億円から5,427億円増えており、10年のなかで最大の伸びでした。
「増えた」の中身は2つある
この指標は耕種と畜産を合わせた農業産出額です。
作った量に販売価格をかけて求めるので、量が同じでも値段が上がれば額は増えます。
つまり10年の伸びには、生産量の変化と価格の変化の両方が混ざっています。
どちらがどれだけ効いたのかは、この統計だけでは分けられません。
2022年から2023年にかけての5,427億円という大きな伸びも、飼料や肥料の値上がりが販売価格に転嫁された影響を含んでいる可能性があります。
もうひとつ、産出額は農家の手もとに残る所得ではありません。
肥料や飼料の費用は差し引かれていない点に注意が必要です。
費用が上がって売値も上がれば、産出額は増えても手取りは減ることがあります。
この記事の順位を「もうかっている県の順」と読まないでください。
産出額が最も大きいのは北海道
2023年に産出額が最も大きいのは北海道の1兆3,478億円。
最も小さい東京都の220億円とは61.3倍の開きがあります。
変化率で1位の山梨県は815億円から1,192億円で、増えた額は377億円。
実数で最も増えたのは北海道のプラス2,773億円でした。
数字は2013年と2023年の比較です。
地方のなかで見た農業産出額の10年変化率
| 地方 | 最も多い(%) | 最も少ない(%) |
|---|---|---|
| 東北 | 岩手県 22.28 | 秋田県 3.67 |
| 関東 | 群馬県 15.28 | 東京都 -24.91 |
| 中部 | 山梨県 46.26 | 新潟県 -14.6 |
| 近畿 | 兵庫県 13.62 | 奈良県 -4.4 |
| 中国 | 岡山県 40.63 | 山口県 5.19 |
| 四国 | 香川県 28.68 | 徳島県 0.2 |
| 九州 | 鹿児島県 32.34 | 福岡県 -6.05 |
まとめ
農業の産出額の10年変化を比べると、最も伸びた山梨県でプラス46.26パーセント、最も減った東京都でマイナス24.91パーセントでした。
全国は9,795億円増、増えたのが36道府県で減ったのが11都県です。
この数字は販売価格をかけた額であって所得ではありません。
値段が上がれば量が同じでも額は増えるため、伸びには生産量と価格の両方が混ざっています。
比較しているのは2013年と2023年です。
農家数の変化率との相関係数はプラス0.19。
担い手が減った県ほど産出額も減る、という関係はほとんどありませんでした。
実数では北海道が10年でプラス2,773億円と、いちばん大きく増えています。
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出典
- 統計名: 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)
- 調査年: 2013年と2023年の比較
- 公開元: 総務省統計局
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/regional-statistics/ssdsview/prefectures
- 備考: 指標コードC3101(農業産出額)を2013年と2023年で比べた。耕種と畜産を合わせた産出額。生産額ではなく販売価格ベース。e-Stat APIで取得した値をそのまま使用
注記: 指標コードC3101(農業産出額)を2013年と2023年で比べた。
耕種と畜産を合わせた産出額。
生産額ではなく販売価格ベース。
e-Stat APIで取得した値をそのまま使用
