人口10万人あたりの一般診療所の数は、都道府県でどれほど違うのでしょうか。
この記事では、47都道府県の数字を比べます。
ベッドが19床以下または無床の医療機関で、いわゆる町のクリニックにあたります。
使うのは総務省統計局の統計でみる都道府県のすがた2026、2023年の数字。
全国は84.4施設でした。
47都道府県の単純平均
84.5施設
人口10万人あたり一般診療所数(2023年)
最も多い 和歌山県
113施設
最も少ない 埼玉県
61.8施設
地図で見る診療所の多さ
| 項目 | 人口10万人あたり一般診療所数 |
|---|---|
| 北海道 | 66.8施設 |
| 青森県 | 71.8施設 |
| 岩手県 | 75.6施設 |
| 宮城県 | 76.1施設 |
| 秋田県 | 88.2施設 |
| 山形県 | 85.9施設 |
| 福島県 | 77.6施設 |
| 茨城県 | 62.3施設 |
| 栃木県 | 78.1施設 |
| 群馬県 | 82.2施設 |
| 埼玉県 | 61.8施設 |
| 千葉県 | 63施設 |
| 東京都 | 105.7施設 |
| 神奈川県 | 77.5施設 |
| 新潟県 | 77.8施設 |
| 富山県 | 73.9施設 |
| 石川県 | 79.3施設 |
| 福井県 | 76.7施設 |
| 山梨県 | 91.2施設 |
| 長野県 | 79.8施設 |
| 岐阜県 | 82.8施設 |
| 静岡県 | 76.6施設 |
| 愛知県 | 76施設 |
| 三重県 | 86.7施設 |
| 滋賀県 | 81.2施設 |
| 京都府 | 98.1施設 |
| 大阪府 | 101.3施設 |
| 兵庫県 | 96.8施設 |
| 奈良県 | 93.6施設 |
| 和歌山県 | 113施設 |
| 鳥取県 | 88.3施設 |
| 島根県 | 106施設 |
| 岡山県 | 83.9施設 |
| 広島県 | 92.1施設 |
| 山口県 | 92施設 |
| 徳島県 | 99施設 |
| 香川県 | 88.1施設 |
| 愛媛県 | 91施設 |
| 高知県 | 77.2施設 |
| 福岡県 | 94.2施設 |
| 佐賀県 | 87.2施設 |
| 長崎県 | 103.9施設 |
| 熊本県 | 86施設 |
| 大分県 | 86.4施設 |
| 宮崎県 | 86.9施設 |
| 鹿児島県 | 88.4施設 |
| 沖縄県 | 63.2施設 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは近畿と山陰、九州の西部、それに東京都です。
淡いのは首都圏の周辺県と北海道、沖縄県でした。
47都道府県の単純平均は84.49施設、中央値は85.90施設です。
全国値の84.4施設とほぼ同じで、人口による偏りの小さい指標だと分かります。
95施設を超えたのは8都府県、70施設を下回ったのは5道県。
真ん中に多くの県が集まりました。
| 順位 | 都道府県 | 人口10万人あたり一般診療所数(施設) | 地方 | 一般病院数 | 歯科診療所数 | 65歳以上人口割合 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 和歌山県 | 113.0 | 近畿 | 8.4 | 57.3 | 34.5 |
| 2 | 島根県 | 106.0 | 中国 | 5.7 | 38.6 | 35.2 |
| 3 | 東京都 | 105.7 | 関東 | 4.2 | 75.3 | 22.7 |
| 4 | 長崎県 | 103.9 | 九州 | 9.3 | 54.3 | 34.7 |
| 5 | 大阪府 | 101.3 | 近畿 | 5.3 | 61.7 | 27.6 |
| 6 | 徳島県 | 99.0 | 四国 | 12.9 | 59.1 | 35.7 |
| 7 | 京都府 | 98.1 | 近畿 | 5.9 | 49.3 | 29.8 |
| 8 | 兵庫県 | 96.8 | 近畿 | 5.8 | 54.3 | 30.2 |
| 9 | 福岡県 | 94.2 | 九州 | 7.6 | 59.6 | 28.6 |
| 10 | 奈良県 | 93.6 | 近畿 | 5.5 | 52.2 | 32.9 |
| 11 | 広島県 | 92.1 | 中国 | 7.3 | 53.9 | 30.4 |
| 12 | 山口県 | 92.0 | 中国 | 8.6 | 47.9 | 35.5 |
| 13 | 山梨県 | 91.2 | 中部 | 6.5 | 52.5 | 32.0 |
| 14 | 愛媛県 | 91.0 | 四国 | 9.4 | 49.3 | 34.5 |
| 15 | 鹿児島県 | 88.4 | 九州 | 12.3 | 49.9 | 34.2 |
| 16 | 鳥取県 | 88.3 | 中国 | 7.3 | 47.7 | 33.7 |
| 17 | 秋田県 | 88.2 | 東北 | 5.3 | 44.2 | 39.5 |
| 18 | 香川県 | 88.1 | 四国 | 8.1 | 50.4 | 32.8 |
| 19 | 佐賀県 | 87.2 | 九州 | 10.3 | 49.8 | 32.0 |
| 20 | 宮崎県 | 86.9 | 九州 | 10.7 | 46.0 | 33.9 |
| 21 | 三重県 | 86.7 | 近畿 | 4.7 | 45.7 | 30.9 |
| 22 | 大分県 | 86.4 | 九州 | 11.5 | 46.9 | 34.4 |
| 23 | 熊本県 | 86.0 | 九州 | 9.5 | 48.5 | 32.6 |
| 24 | 山形県 | 85.9 | 東北 | 5.1 | 44.2 | 35.6 |
| 25 | 岡山県 | 83.9 | 中国 | 7.7 | 51.5 | 31.2 |
| 26 | 岐阜県 | 82.8 | 中部 | 4.2 | 48.6 | 31.4 |
| 27 | 群馬県 | 82.2 | 関東 | 6.0 | 50.9 | 31.1 |
| 28 | 滋賀県 | 81.2 | 近畿 | 3.6 | 39.9 | 27.3 |
| 29 | 長野県 | 79.8 | 中部 | 5.4 | 48.6 | 32.9 |
| 30 | 石川県 | 79.3 | 中部 | 6.8 | 42.6 | 30.7 |
| 31 | 栃木県 | 78.1 | 関東 | 4.7 | 49.8 | 30.5 |
| 32 | 新潟県 | 77.8 | 中部 | 4.7 | 51.4 | 34.2 |
| 33 | 福島県 | 77.6 | 東北 | 5.6 | 46.1 | 33.7 |
| 34 | 神奈川県 | 77.5 | 関東 | 3.1 | 53.1 | 26.0 |
| 35 | 高知県 | 77.2 | 四国 | 16.1 | 50.8 | 36.6 |
| 36 | 福井県 | 76.7 | 中部 | 7.7 | 38.6 | 31.8 |
| 37 | 静岡県 | 76.6 | 中部 | 3.9 | 48.2 | 31.2 |
| 38 | 宮城県 | 76.1 | 東北 | 4.8 | 45.8 | 29.6 |
| 39 | 愛知県 | 76.0 | 中部 | 3.7 | 49.4 | 25.8 |
| 40 | 岩手県 | 75.6 | 東北 | 6.5 | 46.6 | 35.4 |
| 41 | 富山県 | 73.9 | 中部 | 8.5 | 42.8 | 33.2 |
| 42 | 青森県 | 71.8 | 東北 | 6.1 | 40.6 | 35.7 |
| 43 | 北海道 | 66.8 | 北海道 | 9.1 | 53.8 | 33.3 |
| 44 | 沖縄県 | 63.2 | 九州 | 5.2 | 40.9 | 24.2 |
| 45 | 千葉県 | 63.0 | 関東 | 4.1 | 51.2 | 28.1 |
| 46 | 茨城県 | 62.3 | 関東 | 5.4 | 47.6 | 30.9 |
| 47 | 埼玉県 | 61.8 | 関東 | 4.0 | 47.9 | 27.5 |
人口あたりの診療所が多い5都府県
人口10万人あたりの診療所が多い上位5都府県です。
和歌山県は113.0施設、島根県は106.0施設、東京都は105.7施設、長崎県は103.9施設、大阪府は101.3施設でした。
和歌山県と最下位の埼玉県では1.83倍の差があります。
6位以下は徳島県99.0施設、京都府98.1施設、兵庫県96.8施設と続きます。
95施設を超えたのは8都府県でした。
上位に和歌山県・島根県という人口の少ない県と、東京都・大阪府という大都市が同居しているのがこのランキングの特徴です。
高齢者が多い県に診療所が多い、わけではない
ここからは統計を離れて、人口あたりで見る一般診療所の背景を推測します。
確かめられた事実ではなく、ほかの数字と並べて考えた見立てとして読んでください。
高齢者が多い県ほど診療所も多いだろう、という予想は当たりませんでした。
65歳以上人口割合との相関係数はプラス0.18。
ほとんど関係がありません。
高齢化率が全国1位の秋田県は診療所88.2施設で17位、2位の青森県は71.8施設で42位。
逆に高齢化率が最も低い東京都が診療所では3位に入ります。
通院者率との相関係数もプラス0.13で、患者の多さとも結びついていませんでした。
効いているのは、そこが古くからの市街地かどうかでしょう。
診療所は開業医が構えるもので、患者が歩いて来られる範囲に人が住んでいることが前提になります。
和歌山県、島根県、長崎県はいずれも古い城下町や港町を抱え、大阪府や京都府は市街地が連続しています。
逆に下位に並ぶ埼玉県61.8施設、茨城県62.3施設、千葉県63.0施設は、戦後に人口が急増した地域です。
人の増え方に診療所の数が追いついていないという読み方ができます。
地方別では近畿7府県が95.81施設で1位、北海道が66.80施設で最下位。
近畿と北海道では1.43倍の差でした。
北海道は面積が広く人口が散らばっているため、1つの診療所が受け持つ範囲が広くなります。
人口あたりの診療所が少ない5県
人口10万人あたりの診療所が少ない下位5県です。
埼玉県は61.8施設、茨城県は62.3施設、千葉県は63.0施設、沖縄県は63.2施設、北海道は66.8施設でした。
和歌山県の113.0施設とは1.83倍の差があります。
下位5県のうち埼玉県・茨城県・千葉県は首都圏です。
人口が多いことと、人口あたりの医療機関が多いことは別だということがはっきり出ました。
70施設を下回ったのは5道県。
首都圏の3県と沖縄県、北海道でした。
沖縄県は高齢化率が全国46位と若い県ですが、診療所も少ない。
若さと施設の少なさが重なっています。
このグラフについての豆知識
診療所と病院の違い
医療法では、入院用のベッドが20床以上あるものを病院、19床以下または無床のものを診療所と呼び分けます。
この記事は一般診療所の数です。
全国の一般診療所は人口10万人あたり84.4施設なのに対し、一般病院は5.7施設。
診療所のほうが約15倍多くあります。
歯科診療所は別に数えられていて、全国で53.7施設です。
施設数と医師数は別
診療所の数が多くても、そこで働く医師が多いとは限りません。
1人の開業医が構える診療所も、複数の医師がいる診療所も同じ1施設です。
医療の充実度を見たいときは、医師数や病床数もあわせて見る必要があります。
数字は2023年10月1日現在のものです。
順位の並びがにている記事
人口あたりで見る一般診療所の順位を、当サイトの全記事の並びと突き合わせてみました。
0.7という高い相関を示したのが【医師の数を人口で割ると?】人口10万人あたり医師数、高齢化が進んだ県ほど多いわけではないでした。
正反対だったのは【100歳以上の人・10年推移】全国で1.8倍、伸び方は県で3倍以上の開きで、相関は-0.61です。
相関は因果ではないので、関係があると決めつけることはできません。
見くらべる手がかりとして使ってください。
地方のなかで見た人口10万人あたり一般診療所数
| 地方 | 最も多い(施設) | 最も少ない(施設) |
|---|---|---|
| 東北 | 秋田県 88.2 | 青森県 71.8 |
| 関東 | 東京都 105.7 | 埼玉県 61.8 |
| 中部 | 山梨県 91.2 | 富山県 73.9 |
| 近畿 | 和歌山県 113.0 | 滋賀県 81.2 |
| 中国 | 島根県 106.0 | 岡山県 83.9 |
| 四国 | 徳島県 99.0 | 高知県 77.2 |
| 九州 | 長崎県 103.9 | 沖縄県 63.2 |
まとめ
人口10万人あたりの一般診療所の数を比べると、最も多い和歌山県は113.0施設、最も少ない埼玉県は61.8施設で、その差は1.83倍でした。
全国は84.4施設です。
人口あたりで見る一般診療所の統計を読むときの注意点は3つです。
1つ目は、ベッド19床以下または無床の医療機関に限ること。
2つ目は、施設の数であって医師の数ではないこと。
3つ目は2023年10月1日現在の数字であることです。
65歳以上人口割合との相関係数はプラス0.18。
高齢者が多い県に診療所が多いという関係は、ほとんどありませんでした。
下位5県のうち3県は首都圏です。
人口が多いことと、人口あたりの医療機関が多いことは別でした。
医療・福祉で働く人の割合や通院者率を比べた記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 統計でみる都道府県のすがた2026
- 調査年: 2023年
- 公開元: 総務省統計局
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?layout=datalist&lid=000001477298&page=1
- 備考: 「統計でみる都道府県のすがた」は社会・人口統計体系から主要な指標を抜き出したもので、元になる統計は指標ごとに異なる。一般診療所は入院用のベッドが19床以下または無床の医療機関で、いわゆる「町のクリニック」にあたる。病院(20床以上)とは別に数える
注記: 「統計でみる都道府県のすがた」は社会・人口統計体系から主要な指標を抜き出したもので、元になる統計は指標ごとに異なる。
一般診療所は入院用のベッドが19床以下または無床の医療機関で、いわゆる「町のクリニック」にあたる。
病院(20床以上)とは別に数える
