【乳用牛の飼育頭数】1位だけで全国の6割を超え、2位との差は15倍以上

【乳用牛の飼育頭数】1位だけで全国の6割を超え、2位との差は15倍以上

乳用牛は、牛乳をしぼるために飼われている牛です。
この統計ではめすだけを数え、子牛も含みます。
涼しい気候のほうが乳の出がよいため、産地は北にかたよります。

使ったのは農林水産省「畜産統計調査」(令和6年2月1日現在)のデータです。

全国で1,313,000頭、飼養戸数は11,900戸。
1戸あたり110.3頭になります。
ただ都道府県別に並べると、1位の集中ぶりが際立っていました。

47都道府県の単純平均

27,931頭

乳用牛の飼養頭数(令和6年(2024年2月1日現在))

最も多い 北海道

821,500頭

最も少ない 和歌山県

500頭

地図で見る乳用牛の飼養頭数

乳用牛の飼養頭数(令和6年(2024年2月1日現在))
乳用牛の飼養頭数(令和6年(2024年2月1日現在)) 畜産統計調査(農林水産省)をもとに作成。単位は頭。 北海道 821,500頭青森 11,100頭岩手 38,700頭宮城 15,800頭秋田 3,530頭山形 9,660頭福島 10,500頭茨城 23,200頭栃木 52,800頭群馬 31,900頭埼玉 6,360頭千葉 25,700頭東京 1,390頭神奈川 4,020頭新潟 5,050頭富山 2,170頭石川 2,930頭福井 950頭山梨 3,070頭長野 13,000頭岐阜 5,060頭静岡 13,000頭愛知 18,500頭三重 6,860頭滋賀 2,370頭京都 3,750頭大阪 1,070頭兵庫 12,300頭奈良 2,780頭和歌山 500頭鳥取 8,370頭島根 10,600頭岡山 15,400頭広島 8,990頭山口 2,400頭徳島 3,420頭香川 5,070頭愛媛 4,500頭高知 2,960頭福岡 10,100頭佐賀 1,830頭長崎 5,620頭熊本 43,000頭大分 12,300頭宮崎 13,000頭鹿児島 12,000頭沖縄 3,680頭
乳用牛の飼養頭数(頭)
乳用牛の飼養頭数(令和6年(2024年2月1日現在))
項目乳用牛の飼養頭数
北海道821,500頭
青森県11,100頭
岩手県38,700頭
宮城県15,800頭
秋田県3,530頭
山形県9,660頭
福島県10,500頭
茨城県23,200頭
栃木県52,800頭
群馬県31,900頭
埼玉県6,360頭
千葉県25,700頭
東京都1,390頭
神奈川県4,020頭
新潟県5,050頭
富山県2,170頭
石川県2,930頭
福井県950頭
山梨県3,070頭
長野県13,000頭
岐阜県5,060頭
静岡県13,000頭
愛知県18,500頭
三重県6,860頭
滋賀県2,370頭
京都府3,750頭
大阪府1,070頭
兵庫県12,300頭
奈良県2,780頭
和歌山県500頭
鳥取県8,370頭
島根県10,600頭
岡山県15,400頭
広島県8,990頭
山口県2,400頭
徳島県3,420頭
香川県5,070頭
愛媛県4,500頭
高知県2,960頭
福岡県10,100頭
佐賀県1,830頭
長崎県5,620頭
熊本県43,000頭
大分県12,300頭
宮崎県13,000頭
鹿児島県12,000頭
沖縄県3,680頭

日本地図で見ると、色が濃く出るのは北海道だけです。
北海道が突出しているため、ほかの県はほぼ同じ薄さに見えてしまいます。

47都道府県の単純平均は27,931頭、中央値は6,860頭です。
平均が中央値の4.07倍もあるのは、北海道が上に大きく外れているためです。

平均を超えたのは5県だけ。
北海道を除いた46都府県で見直すと、平均は10,680頭になります。
地図の色分けも、北海道を別扱いにしたほうが県ごとの差が見えやすくなります。

順位都道府県乳用牛の飼養頭数(頭)地方飼養戸数1戸当たり飼養頭数
1北海道821500北海道5170158.9
2栃木県52800関東55395.5
3熊本県43000九州45794.1
4岩手県38700東北69255.9
5群馬県31900関東35589.9
6千葉県25700関東36370.8
7茨城県23200関東25092.8
8愛知県18500中部19993.0
9宮城県15800東北36842.9
10岡山県15400中国18185.1
11宮崎県13000九州20065.0
11静岡県13000中部15484.4
11長野県13000中部22258.6
14大分県12300九州94130.9
14兵庫県12300近畿20061.5
16鹿児島県12000九州13191.6
17青森県11100東北13681.6
18島根県10600中国72147.2
19福島県10500東北20950.2
20福岡県10100九州15465.6
21山形県9660東北17256.2
22広島県8990中国11081.7
23鳥取県8370中国9687.2
24三重県6860近畿27254.1
25埼玉県6360関東13148.5
26長崎県5620九州11051.1
27香川県5070四国5592.2
28岐阜県5060中部8261.7
29新潟県5050中部13338.0
30愛媛県4500四国7857.7
31神奈川県4020関東11734.4
32京都府3750近畿4583.3
33沖縄県3680九州6556.6
34秋田県3530東北7050.4
35徳島県3420四国6850.3
36山梨県3070中部4174.9
37高知県2960四国4172.2
38石川県2930中部3583.7
39奈良県2780近畿3286.9
40山口県2400中国4949.0
41滋賀県2370近畿3274.1
42富山県2170中部3170.0
43佐賀県1830九州3257.2
44東京都1390関東4233.1
45大阪府1070近畿2346.5
46福井県950中部1950.0
47和歌山県500近畿5100.0
畜産統計調査(令和6年(2024年2月1日現在)、農林水産省)をもとに作成

乳用牛の飼養頭数が多い5道県

上位5都道府県の乳用牛の飼養頭数
上位5都道府県の乳用牛の飼養頭数 畜産統計調査(令和6年(2024年2月1日現在)) 0400,000800,000北海道: 821,500頭821,500頭栃木県: 52,800頭52,800頭熊本県: 43,000頭43,000頭岩手県: 38,700頭38,700頭群馬県: 31,900頭31,900頭北海道栃木県熊本県岩手県群馬県
上位5都道府県の乳用牛の飼養頭数
項目乳用牛の飼養頭数
北海道821,500頭
栃木県52,800頭
熊本県43,000頭
岩手県38,700頭
群馬県31,900頭
下位5都道府県の乳用牛の飼養頭数
下位5都道府県の乳用牛の飼養頭数 畜産統計調査(令和6年(2024年2月1日現在)) 05001,0001,500和歌山県: 500頭500頭福井県: 950頭950頭大阪府: 1,070頭1,070頭東京都: 1,390頭1,390頭佐賀県: 1,830頭1,830頭和歌山県福井県大阪府東京都佐賀県
下位5都道府県の乳用牛の飼養頭数
項目乳用牛の飼養頭数
和歌山県500頭
福井県950頭
大阪府1,070頭
東京都1,390頭
佐賀県1,830頭

乳用牛の飼養頭数が多い上位5道県です。

北海道は821,500頭、栃木県は52,800頭、熊本県は43,000頭、岩手県は38,700頭、群馬県は31,900頭でした。
北海道の821,500頭は全国の62.6パーセント、2位の栃木県の15.56倍にあたります。

6位以下は千葉県25,700頭、茨城県23,200頭、愛知県18,500頭と続きます。
上位5道県で全国の75.3パーセント、上位10道県では82.8パーセントを占めました。

47都道府県の平均は27,931頭ですが、これを超えたのは5県だけです。
中央値は6,860頭で、真ん中あたりの県は北海道の120分の1ほどしかありません。

面積との相関0.97は、1道が作り出している

ここからは統計を離れて、乳用牛の飼養頭数の背景を推測します。
確かめられた事実ではなく、ほかの数字と並べて考えた見立てとして読んでください。

乳用牛の飼養頭数と都道府県の面積の相関係数を計算すると、プラス0.97になります。
ほぼ完全に一致するという、めったに見ない数字です。

ただ、これをそのまま「広い県ほど乳牛が多い」と読むのは危ういでしょう。

北海道を除いた46都府県で計算し直すと、相関係数はプラス0.34まで落ちます。
0.97という数字は、面積も飼養頭数も飛び抜けて大きい北海道が1点あることで作り出されていたことになります。
相関係数は、極端に外れた1点があるだけで簡単に大きくなります。

北海道を除くと、上位は栃木県52,800頭、熊本県43,000頭、岩手県38,700頭、群馬県31,900頭、千葉県25,700頭。
北海道以外の都府県の合計491,260頭に対し、栃木県のシェアは10.7パーセントです。
全国で見たときの北海道の62.6パーセントとは、集中の度合いがまったく違います。

栃木県や群馬県、千葉県が上位に来るのは、面積というより大消費地との距離でしょう。
生乳は日持ちしないので、飲用向けは産地と消費地が近いほうが有利になります。

一方の北海道は、飲用より加工向けの比重が高い産地です。
バターやチーズ、脱脂粉乳にすれば保存も輸送もききます。
同じ「乳牛が多い」でも、北海道と関東では成り立ちが違うと考えられます。

1戸当たり飼養頭数を見ると、1位は三重県の254.1頭、2位が北海道の158.9頭、3位が島根県の147.2頭。
頭数では中位以下の県が上位に来ます。
規模の大きさと産地の大きさは、別の話です。

乳用牛の飼養頭数が少ない5都府県

乳用牛の飼養頭数が少ない下位5都府県です。

和歌山県は500頭、福井県は950頭、大阪府は1,070頭、東京都は1,390頭、佐賀県は1,830頭でした。
北海道の821,500頭とは1,643倍の差があります。

下位に並んだのは、平地が狭い県と大都市です。
乳用牛がゼロという都道府県はひとつもありませんが、和歌山県の500頭は北海道の1,600分の1以下という水準になります。

東京都に1,390頭いるというのは意外かもしれません。
1戸当たりでは33.1頭で全国最少ですが、それでも都内で牛を飼い、生乳を出荷している農家があるということになります。

下位の県では飼養戸数そのものが少なくなります。
和歌山県は5戸、福井県は19戸。
北海道の5,170戸とは桁が3つ違います。

このグラフについての豆知識

乳用牛はめすだけを数える

畜産統計の乳用牛は、乳をしぼる目的で飼われているめす牛です。
子牛も含まれますが、おす牛は肉用牛として集計されます。

全国1,313,000頭のうち、2歳以上の成畜は889,600頭。
そのうち実際に乳をしぼっている搾乳牛は704,800頭で、残りは出産前後で乳を休ませている乾乳牛です。

生乳の生産量そのものは、牛乳乳製品統計という別の調査で集計されます。
飼養頭数が多い県が生産量でも多いとは限りますが、1頭あたりの搾乳量には差があります。

調査は2月1日現在で、5年ごとに一部が休止する

畜産統計調査は毎年2月1日現在で行われます。
ただし西暦の末尾が0と5の年は農林業センサスの実施年にあたるため、豚・採卵鶏・ブロイラーの調査は休止されます。

乳用牛と肉用牛は毎年調査されるので、令和7年の数字も公表されています。
この記事では4つの畜種をそろえて比べるため、すべてが調査された令和6年の数字を使いました。

飼養頭数は表章単位未満を四捨五入しているため、47都道府県を足しても全国値とわずかにずれます。

順位の並びがにている記事

乳用牛の飼養頭数とよく似た並びになる記事が、当サイトにあるか探しました。

いちばん近かったのは【農業産出額】が大きい都道府県ランキング、上位5道県で全体の3割を占めますで、順位相関は0.81でした。
反対に、並びがいちばん逆だったのは【ぶりへの支出】平均年3,023円、年取り魚の東西(順位相関-0.53)です。

これは並びが近いというだけで、片方がもう片方を生んでいるという意味ではありません。
地図を2枚ならべてみてください。

地方のなかで見た乳用牛の飼養頭数

地方最も多い(頭)最も少ない(頭)
東北岩手県 38700秋田県 3530
関東栃木県 52800東京都 1390
中部愛知県 18500福井県 950
近畿兵庫県 12300和歌山県 500
中国岡山県 15400山口県 2400
四国香川県 5070高知県 2960
九州熊本県 43000佐賀県 1830
畜産統計調査(令和6年(2024年2月1日現在)、農林水産省)をもとに作成

まとめ

47都道府県の乳用牛の飼養頭数を比べると、最も多い北海道は821,500頭で全国の62.6パーセント、2位の栃木県52,800頭の15.56倍でした。
全国では1,313,000頭、飼養戸数は11,900戸です。

乳用牛の飼養頭数の順位を見るときは、次の3点をあわせて見てください。
1つ目は、乳用牛がめす牛だけを数えていること。
2つ目は、生乳の生産量は別の調査であること。
3つ目は令和6年2月1日現在の数字であることです。

面積との相関係数はプラス0.97ですが、北海道を除くとプラス0.34まで落ちます。
極端に外れた1点が、相関係数を大きく見せていました。

北海道を除いた上位は栃木県、熊本県、岩手県、群馬県。
首都圏に飲用の生乳を届ける産地が並びます。
肉用牛や農業産出額を比べた記事とあわせて読むと、畜産の地図が見えてきます。

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出典

  • 統計名: 畜産統計調査
  • 調査年: 令和6年(2024年2月1日現在)
  • 公開元: 農林水産省
  • 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&lid=000001447249
  • 備考: 飼養頭数・羽数は表章単位未満を四捨五入しているため、都道府県の合計は全国値と一致しない場合がある。乳用牛はめすのみを対象とし、子牛を含む。1戸当たり飼養頭数は飼養頭数を飼養戸数で割ったもの

注記: 飼養頭数・羽数は表章単位未満を四捨五入しているため、都道府県の合計は全国値と一致しない場合がある。
乳用牛はめすのみを対象とし、子牛を含む。
1戸当たり飼養頭数は飼養頭数を飼養戸数で割ったもの

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