果物にいくら使うかは、その土地でとれるものや食べる習慣によって変わります。
ここではりんごやみかんなどの生鮮果物に、ジャムや缶詰といった加工品を合わせた金額を見ます。
なお家計調査の数字は県庁所在市(東京都は都区部)で調べたもので、県全体の平均ではありません。
使ったのは2023年から2025年の総務省統計局「家計調査」(二人以上の世帯)の3年平均です。
全国の平均は年42,925円。
1か月あたりにすると3,577円です。
なお家計調査のこの数字は各都道府県の県庁所在市(東京都は都区部)で調べたもので、県全体の平均ではありません。
47都道府県の単純平均
42,928円
果物への年間支出(2023年〜2025年平均)
最も多い 山形県
53,608円
最も少ない 大分県
33,748円
果物によくお金を使う5都県
果物への支出が多い上位5都県です。
いずれも年49,000円を超えました。
山形県は53,608円、千葉県は51,604円、東京都は50,856円、茨城県は49,747円、長野県は49,732円でした。
全国平均の42,925円を上回ったのは20都府県です。
上位5のうち山形県と長野県は果物の産地として知られる県です。
一方で千葉県と東京都、茨城県は関東で、地方別の平均でも関東7都県が47,870円と8地方のトップでした。
産地だからよく買うとも、都市部だからよく買うとも言い切れない並びになっています。
6位以下も48,686円、48,547円、47,768円と続きます。
48,000円を超えたのは7都県でした。
1位の山形県と5位の長野県の差は3,876円です。
上位は5万円前後に固まっており、山形県だけが53,000円台とやや抜けています。
山形県は、何を買っているのか
ここからは統計から離れて、1位の中身を考えてみます。
以下は確かめられた事実ではなく、同じ調査の別の数字と突き合わせて立てた推測です。
家計調査の果物は、生鮮果物と果物加工品に分かれています。
全国では42,925円のうち39,126円が生鮮果物で、91.1パーセントを占めます。
ほとんどが生の果物ということです。
山形県の生鮮果物への支出は49,503円で、これも全国1位でした。
2位は千葉県の47,060円、3位は茨城県の46,141円です。
果物全体の順位とほぼ同じ顔ぶれになります。
加工品の差ではなく、生の果物をよく買う県が上位に来ていることになります。
山形県はさくらんぼや西洋なしの産地として知られています。
産地では贈答用の高級品が動く一方、家庭では手ごろな価格で手に入るという両面があります。
どちらが効いているかは、この統計だけでは分かりません。
一方、同じく果物の産地である長野県は5位ですが、りんごで知られる青森県は34位でした。
産地であることが必ずしも支出額の高さに直結するわけではないようです。
支出額のランキングは「よく食べる順」ではなく「買う量×単価」の掛け算です。
産地では安く買えるぶん、たくさん食べても金額が上がらない可能性もあります。
順位だけを見て消費量の差と決めつけないほうがよさそうです。
果物への支出が少ない5県
果物への支出が少ない下位5県です。
大分県は33,748円、佐賀県は33,818円、沖縄県は36,554円、鹿児島県は36,667円、福岡県は37,206円でした。
山形県の53,608円と大分県の33,748円では1.59倍の差があります。
金額にすると年19,860円、月にして約1,655円の差です。
下位5県は5県とも九州です。
地方別の平均でも九州8県が37,559円で最も低く、北海道が38,320円と続きました。
九州は温暖でみかんやいちごの産地でもありますが、家計調査の支出額では下から並ぶ形になっています。
産地と支出額が結びつかない例です。
なお下位でも年3万円台は使っています。
1か月に直すと2,800円ほどで、上位の4,000円台と比べて極端に少ないわけではありません。
1か月に直すと大分県は2,812円、山形県は4,467円です。
月に1,655円の差ですが、1年では2万円近くになります。
地図で見る果物への支出
| 項目 | 果物への年間支出 |
|---|---|
| 北海道 | 38,320円 |
| 青森県 | 40,395円 |
| 岩手県 | 44,230円 |
| 宮城県 | 42,925円 |
| 秋田県 | 45,162円 |
| 山形県 | 53,608円 |
| 福島県 | 46,910円 |
| 茨城県 | 49,747円 |
| 栃木県 | 45,953円 |
| 群馬県 | 41,947円 |
| 埼玉県 | 47,768円 |
| 千葉県 | 51,604円 |
| 東京都 | 50,856円 |
| 神奈川県 | 47,217円 |
| 新潟県 | 46,927円 |
| 富山県 | 48,547円 |
| 石川県 | 41,035円 |
| 福井県 | 39,455円 |
| 山梨県 | 43,128円 |
| 長野県 | 49,732円 |
| 岐阜県 | 41,623円 |
| 静岡県 | 41,729円 |
| 愛知県 | 46,583円 |
| 三重県 | 40,217円 |
| 滋賀県 | 40,461円 |
| 京都府 | 46,479円 |
| 大阪府 | 41,354円 |
| 兵庫県 | 45,153円 |
| 奈良県 | 48,686円 |
| 和歌山県 | 40,046円 |
| 鳥取県 | 42,952円 |
| 島根県 | 43,743円 |
| 岡山県 | 42,048円 |
| 広島県 | 40,644円 |
| 山口県 | 38,446円 |
| 徳島県 | 41,384円 |
| 香川県 | 42,273円 |
| 愛媛県 | 38,078円 |
| 高知県 | 39,772円 |
| 福岡県 | 37,206円 |
| 佐賀県 | 33,818円 |
| 長崎県 | 42,117円 |
| 熊本県 | 38,129円 |
| 大分県 | 33,748円 |
| 宮崎県 | 42,236円 |
| 鹿児島県 | 36,667円 |
| 沖縄県 | 36,554円 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは関東と東北の南部、そして中部の内陸です。
逆に淡いのは九州と北海道、四国の一部でした。
47都道府県の単純平均は42,928円、中央値は42,117円です。
全国平均の42,925円とほとんど変わりません。
上下の差が1.59倍と小さいため、平均も中央値も全国値とそろう形になりました。
下の表に47都道府県すべての支出額を、生鮮果物への支出と並べて掲載しました。
果物全体の順位と生鮮果物だけの順位は、ほとんど同じ動きをします。
| 順位 | 都道府県 | 果物への年間支出(円) | 地方 | 生鮮果物への年間支出 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 山形県 | 53608 | 東北 | 49503 |
| 2 | 千葉県 | 51604 | 関東 | 47060 |
| 3 | 東京都 | 50856 | 関東 | 45712 |
| 4 | 茨城県 | 49747 | 関東 | 46141 |
| 5 | 長野県 | 49732 | 中部 | 44816 |
| 6 | 奈良県 | 48686 | 近畿 | 44557 |
| 7 | 富山県 | 48547 | 中部 | 43951 |
| 8 | 埼玉県 | 47768 | 関東 | 43182 |
| 9 | 神奈川県 | 47217 | 関東 | 42290 |
| 10 | 新潟県 | 46927 | 中部 | 43296 |
| 11 | 福島県 | 46910 | 東北 | 43093 |
| 12 | 愛知県 | 46583 | 中部 | 42912 |
| 13 | 京都府 | 46479 | 近畿 | 42913 |
| 14 | 栃木県 | 45953 | 関東 | 42103 |
| 15 | 秋田県 | 45162 | 東北 | 41356 |
| 16 | 兵庫県 | 45153 | 近畿 | 40947 |
| 17 | 岩手県 | 44230 | 東北 | 40244 |
| 18 | 島根県 | 43743 | 中国 | 40389 |
| 19 | 山梨県 | 43128 | 中部 | 39178 |
| 20 | 鳥取県 | 42952 | 中国 | 39952 |
| 21 | 宮城県 | 42925 | 東北 | 38646 |
| 22 | 香川県 | 42273 | 四国 | 38958 |
| 23 | 宮崎県 | 42236 | 九州 | 38942 |
| 24 | 長崎県 | 42117 | 九州 | 38476 |
| 25 | 岡山県 | 42048 | 中国 | 38489 |
| 26 | 群馬県 | 41947 | 関東 | 38711 |
| 27 | 静岡県 | 41729 | 中部 | 38110 |
| 28 | 岐阜県 | 41623 | 中部 | 38393 |
| 29 | 徳島県 | 41384 | 四国 | 37778 |
| 30 | 大阪府 | 41354 | 近畿 | 37890 |
| 31 | 石川県 | 41035 | 中部 | 37552 |
| 32 | 広島県 | 40644 | 中国 | 36755 |
| 33 | 滋賀県 | 40461 | 近畿 | 36649 |
| 34 | 青森県 | 40395 | 東北 | 36937 |
| 35 | 三重県 | 40217 | 近畿 | 36594 |
| 36 | 和歌山県 | 40046 | 近畿 | 37241 |
| 37 | 高知県 | 39772 | 四国 | 37707 |
| 38 | 福井県 | 39455 | 中部 | 35978 |
| 39 | 山口県 | 38446 | 中国 | 34972 |
| 40 | 北海道 | 38320 | 北海道 | 34488 |
| 41 | 熊本県 | 38129 | 九州 | 34598 |
| 42 | 愛媛県 | 38078 | 四国 | 35362 |
| 43 | 福岡県 | 37206 | 九州 | 33137 |
| 44 | 鹿児島県 | 36667 | 九州 | 33082 |
| 45 | 沖縄県 | 36554 | 九州 | 33475 |
| 46 | 佐賀県 | 33818 | 九州 | 30422 |
| 47 | 大分県 | 33748 | 九州 | 30231 |
このグラフについての豆知識
果物の9割は生鮮果物
全国の果物への支出42,925円のうち、生鮮果物は39,126円です。
割合にすると91.1パーセントで、果物への支出のほとんどが生の果物ということになります。
残りの8.9パーセントが果物加工品で、缶詰やジャムなどが含まれます。
ジュースは飲料に分類されるため、この数字には入りません。
家計調査ではりんご、みかん、いちご、バナナなど品目ごとの支出も公表されています。
県ごとの好みの違いは、品目別のランキングを見るとよりはっきりします。
1か月あたり3,577円
全国平均の42,925円を12で割ると、1か月あたり3,577円になります。
二人以上の世帯なので、世帯人員を全国平均の2.0人とすると1人あたり月1,800円ほどです。
もっともこれは家庭で買った分だけで、外出先で食べた分や、贈り物としてもらった分は含まれません。
果物は手みやげやお供えとして買われることも多く、自分で食べた量とはずれます。
家計調査は3年平均で公表されており、今回使ったのは2023年から2025年の平均です。
果物は天候で価格が大きく動く品目なので、単年の数字より3年平均のほうが傾向をつかみやすくなります。
順位の並びがにている記事
1世帯が1年間に果物へ使う金額の47都道府県の並びを、ほかの記事の並びと総当たりで比べました。
いちばん近かったのは【せんべいへの支出】平均年6,790円、米菓は東の菓子で、順位相関は0.71でした。
反対に、並びがいちばん逆だったのは【小学生の未処置のむし歯】全国23.76パーセント、半分は未処置(順位相関-0.59)です。
並びが似ていても、そこに関係があるとまでは言えません。
ただ、2つの地図をならべると読み方のヒントにはなります。
地方のなかで見た果物への年間支出
| 地方 | 最も多い(円) | 最も少ない(円) |
|---|---|---|
| 東北 | 山形県 53608 | 青森県 40395 |
| 関東 | 千葉県 51604 | 群馬県 41947 |
| 中部 | 長野県 49732 | 福井県 39455 |
| 近畿 | 奈良県 48686 | 和歌山県 40046 |
| 中国 | 島根県 43743 | 山口県 38446 |
| 四国 | 香川県 42273 | 愛媛県 38078 |
| 九州 | 宮崎県 42236 | 大分県 33748 |
まとめ
47都道府県の果物への支出を比べると、山形県は年53,608円、大分県は33,748円で、その差は1.59倍でした。
全国平均は42,925円で、これを上回ったのは20都府県です。
地方別では関東が47,870円と最も高く、九州が37,559円で最も低い結果になりました。
1世帯が1年間に果物へ使う金額を読み取るうえで、確かめておきたいことが3つあります。
1つ目は、この数字が県庁所在市(東京都は都区部)で調べた二人以上の世帯の平均であり、県全体の平均ではないことです。
2つ目は、果物ジュースが飲料に分類され含まれないことです。
3つ目は期間で、2023年から2025年の3年平均です。
産地の県が上位にいる一方で、産地を抱える九州は下から並びました。
支出額は買う量と単価の掛け算なので、産地だから高いとは限りません。
果物は季節で価格が動く食べものです。
表で自分の県の位置を確かめてみてください。
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出典
- 統計名: 家計調査(二人以上の世帯、品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング)
- 調査年: 2023年〜2025年平均
- 公開元: 総務省統計局
- 参照URL: https://www.stat.go.jp/data/kakei/5.html
- 備考: 生鮮果物と果物加工品を合わせた果物への支出。数値は各都道府県の県庁所在市(東京都は都区部)で調査された二人以上の世帯の平均であり、県全体の平均ではない
注記: 生鮮果物と果物加工品を合わせた果物への支出。
数値は各都道府県の県庁所在市(東京都は都区部)で調査された二人以上の世帯の平均であり、県全体の平均ではない
