47都道府県で、都道府県立自然公園の数を比べます。
国立公園でも国定公園でもなく、都道府県が自分の条例で指定した公園だけを数えたものです。
使うのは総務省統計局の社会・人口統計体系、2024年の数字。
全国311か所のうち、高知県が18か所で1位。
一方で群馬県は0か所で、47都道府県のなかで唯一この種の公園を持ちません。
人口とはほとんど関係なく並ぶ指標です。
47都道府県の単純平均
7箇所
都道府県立自然公園数(2024年)
最も多い 高知県
18箇所
最も少ない 群馬県
0箇所
都道府県立自然公園が多い5道県
都道府県立自然公園が多い上位5道県です。
高知県は18か所、岐阜県は15か所、新潟県は13か所、和歌山県は12か所、北海道は11か所でした。
5位は11か所で、北海道のほかに兵庫県と島根県も並びます。
8位以下は福島県10か所、埼玉県10か所、鹿児島県10か所と続きます。
上位4県で全国の18.6パーセント、上位10道県で38.9パーセントを占めます。
1位が18か所なので、そもそも集中しようがない規模の指標です。
上位に並ぶのは、山地や海岸線を広く抱える県です。
ただし同じように山の多い群馬県や山梨県は下位に入ります。
地形だけでは決まらず、国が指定した公園がどれだけあるかが効いてきます。
ゼロの県がある一方で、高知県には18か所あります
1位が18か所、最下位が0か所。
ほかの記事とはスケールがまったく違います。
この小ささの意味をここから考えます。
1位が18か所、最下位が0か所。
ほかの記事とはスケールがまったく違います。
全国311か所を47で割ると、1県あたり6.6か所。
中央値は6か所です。
平均と中央値がほぼ同じで、上位が全体を引っ張り上げるという形になっていません。
この一連の記事では例外的な分布です。
人口10万人あたりで割り直すと、1位は高知県の2.74か所。
実数でも1位なので、割り直しても順位が変わりません。
2位は島根県1.71か所、3位は和歌山県1.36か所。
人口の少ない県が上位に来ます。
逆に人口あたりの下位は群馬県0か所、大阪府0.02か所、神奈川県0.04か所、東京都0.04か所。
大都市圏がまとまって並びます。
実数と人口10万人あたりの相関係数はプラス0.66。
数が多い県ほど人口あたりでも多い、という同じ向きの関係です。
人口とはほとんど無関係に並ぶため、実数の順位がそのまま人口あたりにも残ります。
地方別に人口10万人あたりの平均を出すと、四国4県が1.07か所で最も多く、関東7都県が0.16か所で最も少なくなります。
6.7倍の差です。
高知県と徳島県が四国の平均を押し上げています。
実数で見ると順位は変わる
都道府県立自然公園が少ない5府県
都道府県立自然公園が少ない下位5府県です。
群馬県は0か所、香川県と福井県が1か所、大阪府と山梨県が2か所でした。
高知県の18か所との差は18か所です。
群馬県は面積21位、県土の3分の2が森林という県ですが、都道府県立自然公園は0か所です。
ただし尾瀬国立公園や日光国立公園、上信越高原国立公園など、国が指定した公園を多く抱えています。
県が独自に指定する必要が薄かった、という読み方ができそうです。
3か所以下は9府県。
47県を順に並べたときの真ん中は6か所なので、この9府県は中央値の半分ということになります。
地方別に見る
地方ごとに足し上げると、中部が最も大きくなります。
中部9県が全国の18.6パーセント、九州・沖縄8県が15.8パーセント、東北6県が14.8パーセント、関東7都県が14.5パーセントと続きます。
少ないほうは近畿7府県が12.5パーセント、四国4県が10.3パーセント、中国5県が10.0パーセント、北海道が3.5パーセントでした。
地方どうしの差がきわめて小さい指標です。
最も多い中部9県と最も少ない北海道でも、5倍ほどしか違いません。
人口10万人あたりの平均で見ると差は開きます。
四国4県が1.07か所、中国5県が0.64か所、東北6県が0.60か所と続き、関東7都県は0.16か所で最下位でした。
四国と関東では6.7倍の差になります。
地図で見る
| 項目 | 都道府県立自然公園数 |
|---|---|
| 北海道 | 11箇所 |
| 青森県 | 7箇所 |
| 岩手県 | 7箇所 |
| 宮城県 | 8箇所 |
| 秋田県 | 8箇所 |
| 山形県 | 6箇所 |
| 福島県 | 10箇所 |
| 茨城県 | 9箇所 |
| 栃木県 | 8箇所 |
| 群馬県 | 0箇所 |
| 埼玉県 | 10箇所 |
| 千葉県 | 8箇所 |
| 東京都 | 6箇所 |
| 神奈川県 | 4箇所 |
| 新潟県 | 13箇所 |
| 富山県 | 6箇所 |
| 石川県 | 5箇所 |
| 福井県 | 1箇所 |
| 山梨県 | 2箇所 |
| 長野県 | 5箇所 |
| 岐阜県 | 15箇所 |
| 静岡県 | 4箇所 |
| 愛知県 | 7箇所 |
| 三重県 | 5箇所 |
| 滋賀県 | 3箇所 |
| 京都府 | 3箇所 |
| 大阪府 | 2箇所 |
| 兵庫県 | 11箇所 |
| 奈良県 | 3箇所 |
| 和歌山県 | 12箇所 |
| 鳥取県 | 3箇所 |
| 島根県 | 11箇所 |
| 岡山県 | 7箇所 |
| 広島県 | 6箇所 |
| 山口県 | 4箇所 |
| 徳島県 | 6箇所 |
| 香川県 | 1箇所 |
| 愛媛県 | 7箇所 |
| 高知県 | 18箇所 |
| 福岡県 | 5箇所 |
| 佐賀県 | 6箇所 |
| 長崎県 | 6箇所 |
| 熊本県 | 7箇所 |
| 大分県 | 5箇所 |
| 宮崎県 | 6箇所 |
| 鹿児島県 | 10箇所 |
| 沖縄県 | 4箇所 |
濃い色になるのは高知県、岐阜県、新潟県、和歌山県です。
色が薄いのは群馬県、香川県、福井県、大阪府、山梨県でした。
全体としては色の差が小さく、まだらな地図になります。
47都道府県の平均をとると6.6か所、中央値は6か所で、その差は0.6か所しかありません。
平均と中央値がここまで近い指標は、当サイトでもめずらしいものです。
上位が全体を引っ張り上げるという形になっていません。
高知県の18か所も、平均の2.7倍にとどまります。
上位4県で18.6パーセント、3か所以下が9府県。
1位の高知県と47位の群馬県の差は18か所でした。
| 順位 | 都道府県 | 都道府県立自然公園数(箇所) | 地方 | 人口10万人あたりの都道府県立自然公園数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 高知県 | 18 | 四国 | 2.74 |
| 2 | 岐阜県 | 15 | 中部 | 0.78 |
| 3 | 新潟県 | 13 | 中部 | 0.62 |
| 4 | 和歌山県 | 12 | 近畿 | 1.36 |
| 5 | 島根県 | 11 | 中国 | 1.71 |
| 5 | 兵庫県 | 11 | 近畿 | 0.21 |
| 5 | 北海道 | 11 | 北海道 | 0.22 |
| 8 | 埼玉県 | 10 | 関東 | 0.14 |
| 8 | 鹿児島県 | 10 | 九州 | 0.65 |
| 8 | 福島県 | 10 | 東北 | 0.57 |
| 11 | 茨城県 | 9 | 関東 | 0.32 |
| 12 | 宮城県 | 8 | 東北 | 0.36 |
| 12 | 秋田県 | 8 | 東北 | 0.89 |
| 12 | 千葉県 | 8 | 関東 | 0.13 |
| 12 | 栃木県 | 8 | 関東 | 0.42 |
| 16 | 愛知県 | 7 | 中部 | 0.09 |
| 16 | 愛媛県 | 7 | 四国 | 0.55 |
| 16 | 岡山県 | 7 | 中国 | 0.38 |
| 16 | 岩手県 | 7 | 東北 | 0.61 |
| 16 | 熊本県 | 7 | 九州 | 0.41 |
| 16 | 青森県 | 7 | 東北 | 0.6 |
| 22 | 宮崎県 | 6 | 九州 | 0.58 |
| 22 | 広島県 | 6 | 中国 | 0.22 |
| 22 | 佐賀県 | 6 | 九州 | 0.76 |
| 22 | 山形県 | 6 | 東北 | 0.59 |
| 22 | 長崎県 | 6 | 九州 | 0.48 |
| 22 | 東京都 | 6 | 関東 | 0.04 |
| 22 | 徳島県 | 6 | 四国 | 0.88 |
| 22 | 富山県 | 6 | 中部 | 0.6 |
| 30 | 三重県 | 5 | 近畿 | 0.29 |
| 30 | 石川県 | 5 | 中部 | 0.46 |
| 30 | 大分県 | 5 | 九州 | 0.46 |
| 30 | 長野県 | 5 | 中部 | 0.25 |
| 30 | 福岡県 | 5 | 九州 | 0.1 |
| 35 | 沖縄県 | 4 | 九州 | 0.27 |
| 35 | 山口県 | 4 | 中国 | 0.31 |
| 35 | 神奈川県 | 4 | 関東 | 0.04 |
| 35 | 静岡県 | 4 | 中部 | 0.11 |
| 39 | 京都府 | 3 | 近畿 | 0.12 |
| 39 | 滋賀県 | 3 | 近畿 | 0.21 |
| 39 | 鳥取県 | 3 | 中国 | 0.56 |
| 39 | 奈良県 | 3 | 近畿 | 0.23 |
| 43 | 山梨県 | 2 | 中部 | 0.25 |
| 43 | 大阪府 | 2 | 近畿 | 0.02 |
| 45 | 香川県 | 1 | 四国 | 0.11 |
| 45 | 福井県 | 1 | 中部 | 0.14 |
| 47 | 群馬県 | 0 | 関東 | 0.0 |
このグラフについての豆知識
国立公園や国定公園は別
日本の自然公園は、国立公園、国定公園、都道府県立自然公園の3つに分かれます。
この指標はそのうち都道府県が条例で指定したものだけの数です。
国立公園は国が指定し国が管理するもの、国定公園は国が指定して都道府県が管理するもの。
都道府県立自然公園は指定も管理も都道府県が行います。
群馬県が0か所である理由を面積で確かめる
47都道府県で唯一、群馬県だけが0か所です。
自然が少ない県だからでしょうか。
面積のほうから確かめてみます。
環境省の自然公園面積(2024年)で見ると、群馬県の自然公園は90,658ヘクタール。
県土の14.2パーセントにあたります。
その内訳は国立公園が82,595ヘクタール、国定公園が8,063ヘクタール。
足すとちょうど90,658ヘクタールになり、県立自然公園の面積は0です。
数と面積が一致しました。
尾瀬、日光、上信越高原、妙義荒船佐久高原。
群馬県の山や高原は、すでに国が指定した公園でほぼ覆われています。
県が独自に指定する余地が残っていなかった、と読むほうが自然でしょう。
逆に1位の高知県を同じように分けると、自然公園47,504ヘクタールのうち国立が6,041、国定が8,133。
残る約33,330ヘクタール、全体の7割が県立自然公園という計算になります。
同じ「自然公園」でも、誰が指定したかの内訳は県によってまったく違います。
面積は数と一致しない
この指標は公園の数なので、1か所あたりの広さは問いません。
広い公園を1つ持つ県と、小さな公園を5つ持つ県では、数の順位と面積の順位がずれます。
数字は2024年のものです。
10年前とくらべると
全国の都道府県立自然公園の数は、2014年の313か所から2024年の311か所へ、この10年でほとんど変わっていません。
1位は2014年も高知県でした。
地方のなかで見た都道府県立自然公園数
| 地方 | 最も多い(箇所) | 最も少ない(箇所) |
|---|---|---|
| 東北 | 福島県 10 | 山形県 6 |
| 関東 | 埼玉県 10 | 群馬県 0 |
| 中部 | 岐阜県 15 | 福井県 1 |
| 近畿 | 和歌山県 12 | 大阪府 2 |
| 中国 | 島根県 11 | 鳥取県 3 |
| 四国 | 高知県 18 | 香川県 1 |
| 九州 | 鹿児島県 10 | 沖縄県 4 |
まとめ
都道府県立自然公園の数を47都道府県で比べると、最も多い高知県で18か所、群馬県は0か所でした。
47都道府県で唯一、群馬県だけがこの種の公園を持ちません。
ただしこれは自然が少ないという意味ではありません。
群馬県の自然公園90,658ヘクタールは、国立公園と国定公園だけでちょうど埋まります。
国が指定した公園で覆われているぶん、県が独自に指定する余地がなかったということです。
この指標は国立公園や国定公園を含まず、公園の広さも問いません。
2024年のものです。
全国311か所を47で割ると1県あたり6.6か所、中央値は6か所。
平均と中央値がほぼ同じという、この形式ではめずらしい分布でした。
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出典
- 統計名: 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)
- 調査年: 2024年
- 公開元: 総務省統計局
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/regional-statistics/ssdsview/prefectures
- 備考: 指標コードB2102(都道府県立自然公園数)の2024年の値。都道府県が条例で指定した自然公園の数。国立公園や国定公園は含まない。人口10万人あたりは2024年の総人口で割った参考値
注記: 指標コードB2102(都道府県立自然公園数)の2024年の値。
都道府県が条例で指定した自然公園の数。
国立公園や国定公園は含まない。
人口10万人あたりは2024年の総人口で割った参考値
