この記事では、環境省が公表している「温泉利用状況」をもとに、47都道府県の温泉宿の数を比べます。
ここでいう温泉宿とは、温泉を利用している宿泊施設のことです。
温泉を使っていない宿は含まれません。
使うのは令和6年度のデータで、令和7年3月末時点の集計です。
単位は軒で、全国の合計は13,425軒。
同じ資料に載っている温泉地数と源泉総数も並べているので、宿の多さと温泉そのものの多さがどう違うのかも見ていきます。
47都道府県の単純平均
286軒
宿泊施設数(令和6年度(2025年3月末現在))
最も多い 静岡県
2,397軒
最も少ない 沖縄県
19軒
47都道府県の温泉宿の数
| 項目 | 宿泊施設数 |
|---|---|
| 北海道 | 740軒 |
| 青森県 | 216軒 |
| 岩手県 | 227軒 |
| 宮城県 | 252軒 |
| 秋田県 | 203軒 |
| 山形県 | 252軒 |
| 福島県 | 474軒 |
| 茨城県 | 74軒 |
| 栃木県 | 414軒 |
| 群馬県 | 631軒 |
| 埼玉県 | 53軒 |
| 千葉県 | 188軒 |
| 東京都 | 41軒 |
| 神奈川県 | 586軒 |
| 新潟県 | 490軒 |
| 富山県 | 115軒 |
| 石川県 | 191軒 |
| 福井県 | 125軒 |
| 山梨県 | 208軒 |
| 長野県 | 998軒 |
| 岐阜県 | 331軒 |
| 静岡県 | 2,397軒 |
| 愛知県 | 90軒 |
| 三重県 | 363軒 |
| 滋賀県 | 56軒 |
| 京都府 | 182軒 |
| 大阪府 | 42軒 |
| 兵庫県 | 322軒 |
| 奈良県 | 73軒 |
| 和歌山県 | 364軒 |
| 鳥取県 | 100軒 |
| 島根県 | 106軒 |
| 岡山県 | 81軒 |
| 広島県 | 75軒 |
| 山口県 | 131軒 |
| 徳島県 | 29軒 |
| 香川県 | 55軒 |
| 愛媛県 | 97軒 |
| 高知県 | 73軒 |
| 福岡県 | 97軒 |
| 佐賀県 | 86軒 |
| 長崎県 | 94軒 |
| 熊本県 | 392軒 |
| 大分県 | 914軒 |
| 宮崎県 | 67軒 |
| 鹿児島県 | 311軒 |
| 沖縄県 | 19軒 |
地図で地図の色が濃いのは中部です。
中部9県の合計は4,945軒で、全国の36.8パーセントを占めます。
次いで関東が1,987軒(14.8パーセント)、九州が1,980軒(14.7パーセント)と続きました。
一方、四国4県は254軒で1.9パーセント、中国5県は493軒で3.7パーセントにとどまります。
1県あたりの平均は286軒ですが、中央値は182軒。
平均が中央値の1.6倍で、上位の数県が全体を引き上げている形です。
平均を超えたのは15県だけでした。
源泉数や温泉地数のときよりも上位への集中が強く、宿の数は特定の県に偏っていることが分かります。
下の表に47都道府県すべての数値を、温泉地数と源泉総数と並べて掲載しました。
| 順位 | 都道府県 | 宿泊施設数(軒) | 地方 | 源泉総数 | 温泉地数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 静岡県 | 2397 | 中部 | 2185 | 118 |
| 2 | 長野県 | 998 | 中部 | 955 | 193 |
| 3 | 大分県 | 914 | 九州 | 5094 | 63 |
| 4 | 北海道 | 740 | 北海道 | 2249 | 226 |
| 5 | 群馬県 | 631 | 関東 | 459 | 98 |
| 6 | 神奈川県 | 586 | 関東 | 602 | 36 |
| 7 | 新潟県 | 490 | 中部 | 536 | 135 |
| 8 | 福島県 | 474 | 東北 | 799 | 122 |
| 9 | 栃木県 | 414 | 関東 | 633 | 66 |
| 10 | 熊本県 | 392 | 九州 | 1339 | 55 |
| 11 | 和歌山県 | 364 | 近畿 | 506 | 50 |
| 12 | 三重県 | 363 | 近畿 | 214 | 74 |
| 13 | 岐阜県 | 331 | 中部 | 506 | 55 |
| 14 | 兵庫県 | 322 | 近畿 | 443 | 78 |
| 15 | 鹿児島県 | 311 | 九州 | 2735 | 87 |
| 16 | 宮城県 | 252 | 東北 | 740 | 39 |
| 16 | 山形県 | 252 | 東北 | 412 | 67 |
| 18 | 岩手県 | 227 | 東北 | 393 | 81 |
| 19 | 青森県 | 216 | 東北 | 1089 | 120 |
| 20 | 山梨県 | 208 | 中部 | 304 | 29 |
| 21 | 秋田県 | 203 | 東北 | 616 | 104 |
| 22 | 石川県 | 191 | 中部 | 330 | 48 |
| 23 | 千葉県 | 188 | 関東 | 144 | 95 |
| 24 | 京都府 | 182 | 近畿 | 146 | 37 |
| 25 | 山口県 | 131 | 中国 | 404 | 40 |
| 26 | 福井県 | 125 | 中部 | 158 | 38 |
| 27 | 富山県 | 115 | 中部 | 169 | 61 |
| 28 | 島根県 | 106 | 中国 | 267 | 41 |
| 29 | 鳥取県 | 100 | 中国 | 363 | 15 |
| 30 | 愛媛県 | 97 | 四国 | 192 | 37 |
| 30 | 福岡県 | 97 | 九州 | 422 | 46 |
| 32 | 長崎県 | 94 | 九州 | 203 | 37 |
| 33 | 愛知県 | 90 | 中部 | 133 | 35 |
| 34 | 佐賀県 | 86 | 九州 | 187 | 21 |
| 35 | 岡山県 | 81 | 中国 | 221 | 32 |
| 36 | 広島県 | 75 | 中国 | 374 | 56 |
| 37 | 茨城県 | 74 | 関東 | 157 | 39 |
| 38 | 高知県 | 73 | 四国 | 96 | 37 |
| 38 | 奈良県 | 73 | 近畿 | 77 | 34 |
| 40 | 宮崎県 | 67 | 九州 | 199 | 29 |
| 41 | 滋賀県 | 56 | 近畿 | 86 | 27 |
| 42 | 香川県 | 55 | 四国 | 200 | 28 |
| 43 | 埼玉県 | 53 | 関東 | 117 | 31 |
| 44 | 大阪府 | 42 | 近畿 | 173 | 17 |
| 45 | 東京都 | 41 | 関東 | 168 | 22 |
| 46 | 徳島県 | 29 | 四国 | 82 | 25 |
| 47 | 沖縄県 | 19 | 九州 | 22 | 15 |
温泉宿が多い5都道府県
1位は静岡県の2,397軒です。
全国の温泉宿のおよそ17.9パーセントが静岡県にあり、2位の長野県998軒と比べると2.40倍という大きな差がつきました。
3位は大分県の914軒、4位は北海道の740軒、5位は群馬県の631軒と続きます。
上位5県の合計は5,680軒で、全国の42.3パーセントにあたります。
ここで、温泉地の数と見比べてみます。
1つの温泉地あたりの宿の数を計算すると、静岡県は約20.3軒、大分県は約14.5軒、群馬県は約6.4軒、長野県は約5.2軒、北海道は約3.3軒です。
静岡県は温泉地の数では6位の118か所ですから、1か所あたりに多くの宿が集まっているタイプだと言えます。
逆に北海道は温泉地の数が226か所と全国で最も多い一方、宿の数では4位です。
同じ「温泉が多い県」でも、宿が密集しているか、広く点在しているかで姿がかなり違います。
源泉の数と比べても順位は入れ替わります。
源泉総数が全国1位の大分県は、温泉宿の数では3位です。
逆に静岡県は源泉総数では4位の2,185本でした。
宿の多さは、源泉の多さだけで決まるわけではないようです。
温泉宿が少ない5都道府県
温泉宿の数が少ない側を見ると、47位は沖縄県の19軒でした。
46位は徳島県の29軒、45位は東京都の41軒、44位は大阪府の42軒、43位は埼玉県の53軒です。
下位5都府県の合計は184軒で、全国のわずか1.4パーセントにとどまります。
1位の静岡県と47位の沖縄県では、およそ126倍の差があります。
下位には東京都、大阪府、埼玉県といった人口の多い地域が並びました。
温泉地の数で見ても東京都は22か所、大阪府は17か所と少なく、都市部では温泉宿というかたちの施設が限られることが読み取れます。
ただし源泉の数を見ると東京都は168本、大阪府は173本、埼玉県は117本があり、温泉そのものが無いわけではありません。
宿泊をともなわない日帰りの温泉施設はこの数字に含まれないため、実際に入れる場所の多さとは別の指標だと考えてください。
地方でくくって平均を出すと、四国4県が64軒、中国5県が99軒と低めに出ます。
四国では徳島県が29軒である一方、愛媛県は97軒、高知県は73軒、香川県は55軒でした。
同じ地方の中でも県によって差があります。
このグラフについての豆知識
| 項目 | 全国の温泉宿の数 |
|---|---|
| 1980年度 | 15,112軒 |
| 1990年度 | 15,119軒 |
| 2000年度 | 15,512軒 |
| 2010年度 | 14,052軒 |
| 2020年度 | 12,924軒 |
| 2024年度 | 13,425軒 |
長い目で見ると減少、直近は持ち直し
温泉宿の数は、長い目で見ると減っています。
経年変化表をたどると、1980年度は15,112軒、1990年度は15,119軒、2000年度は15,512軒と1万5千軒台を保っていましたが、2010年度は14,052軒、2020年度は12,924軒と下がりました。
2024年度は13,425軒です。
ピークは1995年度の15,714軒で、2024年度までに2,289軒減った計算になります。
一方で直近は増えています。
2020年度の12,924軒から2024年度の13,425軒へ、501軒の増加です。
長期では減少、直近では持ち直しという二つの動きが同時に見えます。
3つの指標はピークの時期が違う
同じ期間の温泉地数はピークの2010年度3,185か所から2024年度2,839か所へ、源泉総数はピークの2006年度28,154本から27,899本へと変化しました。
3つの指標はピークの時期も減り方も違います。
何を数えているかによって、温泉の増減の見え方は変わります。
わき出る量では大分県が1位
環境省の温泉利用状況によると、温泉のゆう出量(1分間にわき出るお湯の量)は大分県がおよそ29万リットルで全国1位です(令和7年3月末時点)。
学校の25メートルプール(およそ40万リットル)なら、1分半たらずでいっぱいになる量です。
1日に直すと、およそ4億2,000万リットルになります。
源泉の数とゆう出量は大分県、温泉地の数は北海道、そしてこの記事の温泉宿の数はまた別の県。
ものさしを変えるたびに、1位の顔ぶれが入れかわります。
地方のなかで見た宿泊施設数
| 地方 | 最も多い(軒) | 最も少ない(軒) |
|---|---|---|
| 東北 | 福島県 474 | 秋田県 203 |
| 関東 | 群馬県 631 | 東京都 41 |
| 中部 | 静岡県 2397 | 愛知県 90 |
| 近畿 | 和歌山県 364 | 大阪府 42 |
| 中国 | 山口県 131 | 広島県 75 |
| 四国 | 愛媛県 97 | 徳島県 29 |
| 九州 | 大分県 914 | 沖縄県 19 |
まとめ
47都道府県の温泉宿の数を比べると、1位は静岡県の2,397軒、最も少ないのは沖縄県の19軒でした。
全国計は13,425軒で、上位5県だけで42.3パーセントを占めます。
地方別では中部が36.8パーセントと突出し、四国は1.9パーセントでした。
対象は温泉を利用する宿泊施設に限られ、日帰りの温泉施設や温泉を使っていない宿は含みません。
令和6年度、令和7年3月末時点の集計です。
面積や人口で割れば順位の見え方は変わります。
源泉数1位は大分県、温泉地数1位は北海道、そして温泉宿の数では静岡県が1位でした。
同じ資料の中でも、数える対象を変えると上位の顔ぶれは入れ替わります。
平均は286軒、中央値は182軒で、平均を超えたのは15県です。
関連記事
- 【都道府県立自然公園の数】全国311か所、47都道府県でただ1県だけゼロ
- 【農業の産出額・10年推移】36道府県でプラス、農家が減っても額はふえる
- 【火事の件数・10年推移】出火件数の底は2020年
- 【幼稚園の数・10年推移】全国で4,375園の減少、制度の変更も混ざる
出典
- 統計名: 温泉利用状況
- 調査年: 令和6年度(2025年3月末現在)
- 公開元: 環境省
- 参照URL: https://www.env.go.jp/nature/onsen/data/
- 備考: 宿泊施設数は温泉を利用する宿泊施設の数です。温泉以外の宿は含みません。
- 考察の参照: 環境省「温泉利用状況」(令和7年3月末)(https://www.env.go.jp/nature/onsen/data/)
注記: 宿泊施設数は温泉を利用する宿泊施設の数です。
温泉以外の宿は含みません。
