商店主の数は、都道府県でどれほど違うのでしょうか。
この記事では、47都道府県の数字を比べます。
使うのは総務省統計局の社会・人口統計体系。
2020年の数字です。
全国37万4,940人のうち、東京都が3万1,280人で1位。
同じ調査の工場主57万6,970人と比べると、20万人あまり少ない計算になります。
最も少ない鳥取県は2,160人です。
47都道府県の単純平均
7,977人
商店主(2020年)
最も多い 東京都
31,280人
最も少ない 鳥取県
2,160人
商店主が多い5都道府県
商店主が多い上位5都道府県です。
東京都は3万1,280人、大阪府は2万8,010人、愛知県は1万8,730人、福岡県は1万8,090人、神奈川県は1万7,420人でした。
東京都と大阪府の差は3,270人しかありません。
6位以下は兵庫県1万6,100人、北海道1万5,530人、埼玉県1万4,730人と続きます。
上位5都道府県で全国の30.3パーセント、上位10都道府県で49.3パーセントを占めます。
工場主の34.5パーセントより、集中はやや弱めです。
人口あたりの上位に、和歌山県と高知県が並びます
以下は、商店主の数にこれだけの差がつく理由についての推測です。
統計から確かめられる話ではなく、ほかの指標との突き合わせから考えたものです。
人口10万人あたりで割り直すと、まったく別の顔ぶれが出てきます。
1位は和歌山県の534.09人、2位は高知県510.67人、3位は長崎県480.03人、4位は宮崎県474.35人、5位は青森県450.64人。
実数では40位前後の県が、人口あたりでは上位を占めます。
和歌山県は実数31位、高知県は41位でした。
逆に人口あたりの下位は神奈川県188.83人、千葉県198.37人、埼玉県200.90人。
東京都も220.62人で44位です。
和歌山県と神奈川県では2.8倍の開きがあります。
上位に並ぶのは、人口が減っている県が多いという共通点があります。
個人商店が残りやすい土地であること、そして人口の分母が小さいことの両方が効いていると考えられます。
ただしこの統計からは店の規模や売上は分かりません。
実数と人口10万人あたりの相関係数はマイナス0.58。
工場主のマイナス0.20より強い逆相関で、数が多い都府県ほど人口あたりでは少ないという関係がはっきり出ています。
地方別に人口10万人あたりの平均を出すと、九州・沖縄8県が413.27人で最も多く、関東7都県が244.91人で最も少なくなります。
1.7倍の差です。
四国4県401.15人、東北6県394.30人と続き、大都市を抱えない地方が上位に来ました。
実数で見ると順位は変わる
商店主が少ない5県
商店主が少ない下位5県です。
鳥取県は2,160人、島根県は2,530人、徳島県は2,690人、香川県は2,880人、山梨県は3,320人でした。
東京都の3万1,280人とは14.5倍の差があります。
下位に並ぶ県も、人口10万人あたりで見ると位置が変わります。
鳥取県は12位、島根県は17位まで上がりました。
人口の少なさが数字を押し下げているだけで、割合として少ないわけではありません。
3,400人を下回るのは6県。
47都道府県の中央値は5,620人なので、下位の県は中央値の6割ほどということになります。
地方別に見る
地方別に合計を出すと、関東が最も大きくなります。
関東7都県が全国の25.5パーセント、近畿7府県が19.6パーセント、中部9県が18.0パーセント、九州・沖縄8県が14.6パーセントと続きます。
少ないほうは東北6県が8.2パーセント、中国5県が6.2パーセント、北海道が4.1パーセント、四国4県が3.7パーセントでした。
工場主では関東7都県が32.0パーセントを占めていたので、商店主のほうが地方に散っている形です。
近畿7府県の19.6パーセントも、工場主の17.1パーセントを上回ります。
人口10万人あたりの平均で見ると順番はほぼ逆になります。
九州・沖縄8県が413.27人で1位、四国4県が401.15人で2位、東北6県が394.30人で3位。
関東7都県は244.91人で最下位でした。
地図で見る
| 項目 | 商店主 |
|---|---|
| 北海道 | 15,530人 |
| 青森県 | 5,250人 |
| 岩手県 | 4,520人 |
| 宮城県 | 6,680人 |
| 秋田県 | 3,950人 |
| 山形県 | 4,400人 |
| 福島県 | 6,060人 |
| 茨城県 | 7,870人 |
| 栃木県 | 5,980人 |
| 群馬県 | 5,820人 |
| 埼玉県 | 14,730人 |
| 千葉県 | 12,400人 |
| 東京都 | 31,280人 |
| 神奈川県 | 17,420人 |
| 新潟県 | 7,940人 |
| 富山県 | 3,570人 |
| 石川県 | 4,190人 |
| 福井県 | 3,330人 |
| 山梨県 | 3,320人 |
| 長野県 | 7,130人 |
| 岐阜県 | 6,420人 |
| 静岡県 | 12,680人 |
| 愛知県 | 18,730人 |
| 三重県 | 5,620人 |
| 滋賀県 | 4,350人 |
| 京都府 | 10,370人 |
| 大阪府 | 28,010人 |
| 兵庫県 | 16,100人 |
| 奈良県 | 4,470人 |
| 和歌山県 | 4,700人 |
| 鳥取県 | 2,160人 |
| 島根県 | 2,530人 |
| 岡山県 | 5,280人 |
| 広島県 | 8,390人 |
| 山口県 | 5,060人 |
| 徳島県 | 2,690人 |
| 香川県 | 2,880人 |
| 愛媛県 | 4,940人 |
| 高知県 | 3,350人 |
| 福岡県 | 18,090人 |
| 佐賀県 | 3,540人 |
| 長崎県 | 6,010人 |
| 熊本県 | 6,530人 |
| 大分県 | 4,370人 |
| 宮崎県 | 4,900人 |
| 鹿児島県 | 6,080人 |
| 沖縄県 | 5,320人 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは東京都、大阪府、愛知県、福岡県、神奈川県です。
淡いのは鳥取県、島根県、徳島県、香川県、山梨県でした。
人口の分布をなぞりつつ、福岡県がやや目立つ地図になります。
47都道府県の平均は7,977.4人、中央値は5,620人です。
東京都の3万1,280人は平均の3.9倍にあたります。
上位5都道府県で30.3パーセント、3,400人を下回るのが6県。
1位と47位で14.5倍の開きがありました。
| 順位 | 都道府県 | 商店主(人) | 地方 | 人口10万人あたりの商店主 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 東京都 | 31280 | 関東 | 220.62 |
| 2 | 大阪府 | 28010 | 近畿 | 319.86 |
| 3 | 愛知県 | 18730 | 中部 | 251.07 |
| 4 | 福岡県 | 18090 | 九州 | 355.26 |
| 5 | 神奈川県 | 17420 | 関東 | 188.83 |
| 6 | 兵庫県 | 16100 | 近畿 | 301.67 |
| 7 | 北海道 | 15530 | 北海道 | 307.95 |
| 8 | 埼玉県 | 14730 | 関東 | 200.9 |
| 9 | 静岡県 | 12680 | 中部 | 359.51 |
| 10 | 千葉県 | 12400 | 関東 | 198.37 |
| 11 | 京都府 | 10370 | 近畿 | 411.51 |
| 12 | 広島県 | 8390 | 中国 | 309.14 |
| 13 | 新潟県 | 7940 | 中部 | 378.28 |
| 14 | 茨城県 | 7870 | 関東 | 280.47 |
| 15 | 長野県 | 7130 | 中部 | 358.83 |
| 16 | 宮城県 | 6680 | 東北 | 297.15 |
| 17 | 熊本県 | 6530 | 九州 | 384.8 |
| 18 | 岐阜県 | 6420 | 中部 | 335.07 |
| 19 | 鹿児島県 | 6080 | 九州 | 396.87 |
| 20 | 福島県 | 6060 | 東北 | 347.68 |
| 21 | 長崎県 | 6010 | 九州 | 480.03 |
| 22 | 栃木県 | 5980 | 関東 | 317.24 |
| 23 | 群馬県 | 5820 | 関東 | 307.94 |
| 24 | 三重県 | 5620 | 近畿 | 328.46 |
| 25 | 沖縄県 | 5320 | 九州 | 362.89 |
| 26 | 岡山県 | 5280 | 中国 | 288.37 |
| 27 | 青森県 | 5250 | 東北 | 450.64 |
| 28 | 山口県 | 5060 | 中国 | 395.0 |
| 29 | 愛媛県 | 4940 | 四国 | 387.15 |
| 30 | 宮崎県 | 4900 | 九州 | 474.35 |
| 31 | 和歌山県 | 4700 | 近畿 | 534.09 |
| 32 | 岩手県 | 4520 | 東北 | 394.76 |
| 33 | 奈良県 | 4470 | 近畿 | 347.86 |
| 34 | 山形県 | 4400 | 東北 | 435.21 |
| 35 | 大分県 | 4370 | 九州 | 402.76 |
| 36 | 滋賀県 | 4350 | 近畿 | 310.27 |
| 37 | 石川県 | 4190 | 中部 | 381.6 |
| 38 | 秋田県 | 3950 | 東北 | 440.36 |
| 39 | 富山県 | 3570 | 中部 | 358.07 |
| 40 | 佐賀県 | 3540 | 九州 | 449.24 |
| 41 | 高知県 | 3350 | 四国 | 510.67 |
| 42 | 福井県 | 3330 | 中部 | 450.61 |
| 43 | 山梨県 | 3320 | 中部 | 419.72 |
| 44 | 香川県 | 2880 | 四国 | 314.07 |
| 45 | 徳島県 | 2690 | 四国 | 392.7 |
| 46 | 島根県 | 2530 | 中国 | 394.08 |
| 47 | 鳥取県 | 2160 | 中国 | 406.78 |
このグラフについての豆知識
工場主とは上位の顔ぶれが違う
同じ国勢調査から作られる工場主の数では、東京都に次いで愛知県と大阪府が同数で並びます。
商店主では東京都に次ぐのが大阪府で、愛知県が3位、福岡県が4位に入ります。
福岡県は工場主では10位前後ですが、商店主では4位。
商業の色が濃い県だということが数字に表れています。
5年に一度しか更新されない
この指標は国勢調査にもとづくため、5年ごとにしか更新されません。
ここで使っている数字は2020年のものです。
全国37万4,940人を47で割ると1県あたり7,977.4人ですが、中央値は5,620人。
平均のほうが1.4倍大きく、上位の都道府県が全体を引き上げていることが分かります。
数字は2020年のものです。
10年前とくらべると
全国の商店主の数は、2010年の538,000人から2020年の374,940人へ、この10年でおよそ30%減りました。
東京都は2010年から1位を守っています。
最も踏みとどまったのは滋賀県で、減り方は15%です。
順位の並びがにている記事
商店主の数の順位を、当サイトの全記事の並びと突き合わせてみました。
最も似ていたのは【市町村の収入】全国70兆4,076億円、人口あたりの差は1.8倍(順位相関0.99)です。
逆に、ほぼ裏返しの並びになったのが【図書館の数】が多い県ほど本を読むのか、47都道府県のデータで確かめました(相関-0.71)でした。
順位が近いことと、原因がつながっていることは別の話です。
それでも、見くらべると気づくことがあります。
地方のなかで見た商店主
| 地方 | 最も多い(人) | 最も少ない(人) |
|---|---|---|
| 東北 | 宮城県 6680 | 秋田県 3950 |
| 関東 | 東京都 31280 | 群馬県 5820 |
| 中部 | 愛知県 18730 | 山梨県 3320 |
| 近畿 | 大阪府 28010 | 滋賀県 4350 |
| 中国 | 広島県 8390 | 鳥取県 2160 |
| 四国 | 愛媛県 4940 | 徳島県 2690 |
| 九州 | 福岡県 18090 | 佐賀県 3540 |
まとめ
商店主の数を47都道府県で比べると、最も多い東京都で3万1,280人、最も少ない鳥取県で2,160人でした。
全国37万4,940人は、同じ調査の工場主57万6,970人より20万人あまり少ない数字です。
商店主の数をどう数えているかについて、3つ補っておきます。
1つ目は、国勢調査の職業分類にもとづくこと。
2つ目は、従業員は含まないこと。
3つ目は5年ごとの調査で2020年の数字であることです。
人口10万人あたりで割り直すと1位は和歌山県534.09人、2位は高知県510.67人。
実数では31位と41位だった県が上位に来ます。
実数と人口あたりの相関係数はマイナス0.58で、工場主より強い逆相関でした。
地方別の人口あたり平均も九州・沖縄8県413.27人と関東7都県244.91人で1.7倍の差です。
工場主の数や自営業者の推移を比べた記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)
- 調査年: 2020年
- 公開元: 総務省統計局
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/regional-statistics/ssdsview/prefectures
- 備考: 指標コードF1304(商店主)の2020年の値。国勢調査による。商店を経営する人の数で、5年ごとの公表。人口10万人あたりは2024年の総人口で割った参考値
注記: 指標コードF1304(商店主)の2020年の値。
国勢調査による。
商店を経営する人の数で、5年ごとの公表。
人口10万人あたりは2024年の総人口で割った参考値
