警察官の数は10年でどう変わった?全国は横ばいでも県ごとに18ポイントの開き

警察官の数は10年でどう変わった?全国は横ばいでも県ごとに18ポイントの開き

2014年に256,828人だった警察官は、2024年に259,644人になりました。
10年で2,816人、率にして1.10%の増加です。

数字だけ見ると、ほとんど動いていません。
ですが全国の合計は、増えた県と減った県を足し引きしたあとの数字です。

この記事では、その足し引きの中身を開きます。
県ごとに見ると、横ばいという言葉からは遠い形をしていました。

増えた県は38、減った県は9

10年で人数がふえたのは38都道府県、減ったのは9道県でした。
数のうえでは、ふえた県のほうが圧倒的に多いことになります。

ふえかたがいちばん大きいのは沖縄県で12.72%。
減りかたがいちばん大きいのは千葉県で-5.57%です。

都道府県10年の変化率2014年2024年
ふえた沖縄県12.72%2,594人2,924人
ふえた福岡県4.37%10,720人11,188人
ふえた栃木県4.06%3,329人3,464人
減った福島県-2.74%3,536人3,439人
減った岩手県-2.76%2,172人2,112人
減った千葉県-5.57%11,716人11,063人
総務省統計局「社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)」(2014年と2024年の比較)をもとに作成。

上と下の幅は18.3ポイント。
全国の1.10%という数字は、この幅をならしたあとに残ったものです。

全国の合計が動いていないときほど、中で何が打ち消し合っているのかを見たほうがよさそうです。

減った9道県のうち、千葉県だけで61%

率ではなく人数で見ると、また別のことが分かります。

都道府県10年の増減数変化率
ふえた福岡県468人4.37%
ふえた神奈川県400人2.61%
ふえた埼玉県373人3.28%
減った福島県-97人-2.74%
減った北海道-162人-1.53%
減った千葉県-653人-5.57%
同じ資料から作成。増減数は2024年と2014年の差。

減った9道県を合わせると1,069人の減少です。
そのうち千葉県が653人。
減った分の61.1%が1県に集まっています。

千葉県は人口では全国6位の県です。
人口の少ない県が減らしているという話ではありません。

なぜこの県だけこれだけ動いたのかは、この統計からは分かりません。
この数字は都道府県警察の定員なので、人の採用そのものというより、定員の決め方が変わった可能性もあります。

増減とは別に、いまの水準を見る

ここまでは10年の動きでした。
では2024年時点で、警察官1人あたり何人の住民を受け持っているのでしょうか。
全国では477人です。

都道府県警察官1人あたりの人口警察官数
少ない東京都325人43,685人
少ない京都府382人6,602人
少ない和歌山県404人2,179人
多い宮城県592人3,798人
多い滋賀県596人2,352人
多い埼玉県625人11,731人
警察官数と総務省統計局「人口推計」(2024年10月1日現在)から当サイトで計算。

いちばん少ないのは東京都の325人、いちばん多いのは埼玉県の625人。
1.93倍の開きがありました。

10年でいちばんふえた沖縄県は、いまの水準では28位。
ふえている県と、もともと手厚い県は別だということです。

増減の話と水準の話は、つい混ぜて読んでしまいます。ふえた県が手厚いとは限りませんでした。

地方でまとめると、ふえ方も水準も分かれる

増減の幅が大きかったので、地方の単位でもならしてみます。
県ごとの凸凹がならされて、固まりで見えてきます。

地方県の数2014年2024年10年の変化率警察官1人あたりの人口
北海道110,602人10,440人-1.53%483人
東北615,771人15,641人-0.82%525人
関東793,354人94,006人0.70%463人
中部937,718人38,473人2.00%536人
近畿749,294人49,816人1.06%439人
中国514,518人14,657人0.96%478人
四国47,400人7,483人1.12%472人
九州・沖縄828,171人29,128人3.40%479人
同じ資料から当サイトで集計。変化率と1人あたりは、地方の合計どうしで計算した。

ふえ方がいちばん大きいのは九州・沖縄の3.40%、いちばん小さいのは北海道の-1.53%でした。

水準のほうは、1人あたりの人口がいちばん少ない(手厚い)のが近畿の439人、いちばん多いのが中部の536人です。

ふえている地方と、もともと手厚い地方は一致しません。
県で見たときと同じことが、地方の単位でも起きています。

47都道府県の一覧

自分の県がどう動いたのかを見られるように、全部を並べておきます。
10年の変化率が大きい順です。

順位都道府県10年の変化率2014年2024年増減数1人あたりの人口地方
1沖縄県12.72%2,594人2,924人330人501人九州・沖縄
2福岡県4.37%10,720人11,188人468人455人九州・沖縄
3栃木県4.06%3,329人3,464人135人544人関東
4滋賀県3.80%2,266人2,352人86人596人近畿
5埼玉県3.28%11,358人11,731人373人625人関東
6茨城県3.05%4,752人4,897人145人573人関東
7佐賀県2.94%1,667人1,716人49人459人九州・沖縄
8岐阜県2.91%3,472人3,573人101人536人中部
9山梨県2.68%1,643人1,687人44人469人中部
10神奈川県2.61%15,301人15,701人400人588人関東
11福井県2.57%1,709人1,753人44人422人中部
12石川県2.39%1,963人2,010人47人546人中部
13兵庫県2.38%11,503人11,777人274人453人近畿
14大分県2.15%2,046人2,090人44人519人九州・沖縄
15長野県2.09%3,443人3,515人72人565人中部
16三重県2.09%3,019人3,082人63人555人近畿
17愛知県1.95%13,252人13,510人258人552人中部
18群馬県1.79%3,404人3,465人61人545人関東
19岡山県1.77%3,503人3,565人62人514人中国
20静岡県1.70%6,172人6,277人105人562人中部
21奈良県1.67%2,453人2,494人41人515人近畿
22新潟県1.55%4,141人4,205人64人499人中部
23徳島県1.50%1,533人1,556人23人440人四国
24青森県1.41%2,276人2,308人32人505人東北
25熊本県1.40%3,072人3,115人43人545人九州・沖縄
26愛媛県1.27%2,435人2,466人31人517人四国
27香川県1.16%1,818人1,839人21人499人四国
28長崎県1.15%3,055人3,090人35人405人九州・沖縄
29京都府1.09%6,531人6,602人71人382人近畿
30和歌山県1.07%2,156人2,179人23人404人近畿
31広島県1.05%5,167人5,221人54人520人中国
32富山県1.04%1,923人1,943人20人513人中部
33山口県0.99%3,125人3,156人31人406人中国
34秋田県0.96%1,969人1,988人19人451人東北
35山形県0.81%1,980人1,996人16人507人東北
36高知県0.50%1,614人1,622人8人404人四国
37東京都0.44%43,494人43,685人191人325人関東
38鳥取県0.08%1,216人1,217人1人436人中国
39宮崎県-0.05%2,018人2,017人-1人512人九州・沖縄
40大阪府-0.17%21,366人21,330人-36人411人近畿
41鹿児島県-0.37%2,999人2,988人-11人513人九州・沖縄
42島根県-0.60%1,507人1,498人-9人429人中国
43宮城県-1.04%3,838人3,798人-40人592人東北
44北海道-1.53%10,602人10,440人-162人483人北海道
45福島県-2.74%3,536人3,439人-97人507人東北
46岩手県-2.76%2,172人2,112人-60人542人東北
47千葉県-5.57%11,716人11,063人-653人565人関東
総務省統計局「社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)」(2014年と2024年の比較)をもとに作成。1人あたりの人口は当サイトで計算。

ふえた38都道府県と、減った9道県。
表の上のほうと下のほうで、地方の顔ぶれが入りまじっているのが分かります。

取り締まりのほうの数字は交通違反の検挙件数が多い都道府県は?で見ました。
人員の数と取り締まりの件数は、別の統計です。

よくある疑問

この人数は、実際に働いている警察官の数ですか

ちがいます。
都道府県警察の警察官の定員です。
条例で決められた枠の数なので、実際に配置されている人数とは差が出ます。

警察庁の職員も入っていません。
国の組織と都道府県の組織は別に数えられます。

警察官がふえると、犯罪は減りますか

この数字からは分かりません。
この記事で見たのは人数と、人口あたりの水準だけです。

事件の件数や検挙の状況は別の統計になります。
人数の増減と治安を結びつけて語るには、その両方を並べる必要があります。

なぜ千葉県だけ大きく減ったのですか

理由はこの統計からは分かりません。
千葉県は人口では全国6位の県で、人口が減ったから定員を減らした、という説明は当てはまりません。

定員の決め方が変わった可能性もありますが、それを確かめるにはこの数字の外にある資料が要ります。
分かるのは「そうなっている」ところまでです。

市町村ごとの警察官の数は分かりますか

分かりません。
警察は都道府県が置くものと法律で決まっているので、統計も47の単位までです(都道府県と市区町村は何が違うのか)。

同じ「まちの安全」でも、消防は市町村の持ちものなので、市町村ごとに数えられます。

この数字で言えないこと

この統計は都道府県警察の警察官の定員です。
警察庁の職員は入っていません。
実際に配置されている人数や、事件・事故の件数とは別の数字です。

警察が都道府県の仕事であることは法律で決まっています(都道府県と市区町村は何が違うのか)。
だから市町村ごとの比較はできず、47の単位でしか見られません。

同じ「まちの安全」でも、消防は市町村の持ちものです。
そちらは消防車が多いのはどの県かで数えました。

まとめ

  • 全国の警察官は256,828人(2014年)から259,644人(2024年)へ、1.10%の増加
  • ふえた県は38、減った県は9。変化率の幅は18.3ポイント
  • ふえかた1位は沖縄県の12.72%、減りかた1位は千葉県の-5.57%
  • 減った分1,069人のうち61.1%が千葉県の1県
  • 2024年の警察官1人あたりの人口は全国477人。東京都325人 〜 埼玉県625人で1.93倍

出典

  • 主指標: 警察官数の10年変化率(%)
  • 備考: 指標コードK4102(警察官数)を2014年と2024年で比べた。都道府県警察の警察官の定員。警察庁の職員は含まない。e-Stat APIで取得した値をそのまま使用
  • 変化率の幅、減少分の内訳、警察官1人あたりの人口は、上記の公表値をもとに当サイトで計算した

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