パスポートの発行件数が10年でどう変わったかを、47都道府県で並べて比べます。
2014年と2024年の一般旅券発行件数を比べた変化率です。
使うのは総務省統計局の社会・人口統計体系。
全国は321万844件から370万111件へ、48万9,267件増えました。
増えたのが34都道府県、減ったのが13県で、県ごとに向きが割れた指標です。
47都道府県の単純平均
5.8%
一般旅券発行件数の10年変化率(2014年と2024年の比較)
最も多い 沖縄県
39.6%
最も少ない 福島県
-25.4%
増え方が大きかった5都県
増え方が大きかった上位5都県です。
沖縄県はプラス39.55パーセント、東京都はプラス35.71パーセント、福岡県はプラス31.89パーセント、大阪府はプラス26.77パーセント、熊本県はプラス21.93パーセントでした。
沖縄県は31,279件から43,651件へ12,372件増えています。
6位以下は神奈川県プラス18.25パーセント、京都府プラス16.96パーセント、愛知県プラス15.60パーセントと続きます。
20パーセント以上増えたのは5都府県。
件数そのものが最も多いのは東京都の721,683件です。
コロナで9割減ってから、2年で戻りました
以下は、10年間の一般旅券発行件数の変化にこれだけの差がつく理由についての推測です。
統計から確かめられる話ではなく、ほかの指標との突き合わせから考えたものです。
この指標の10年は、途中がまるごと消えています。
全国の発行件数は2014年の321万844件から2019年の436万5,290件まで増えました。
それが2020年に123万4,928件、2021年に51万3,943件まで落ちています。
ピークからの落ち込みは88.2パーセント。
新型コロナウイルスで海外への渡航が止まった時期です。
そこから2022年121万8,692件、2023年340万1,533件、2024年370万111件と戻りました。
2019年の水準にはまだ届いていません。
2024年は2019年の84.8パーセントです。
10年の変化率がプラス15.24パーセントなのは、起点の2014年が2019年よりずっと低かったためで、コロナ前の水準を超えたわけではありません。
県ごとの相関を見ると、出生数の変化率とはプラス0.79、人口増減率とはプラス0.69、15歳未満人口割合とはプラス0.57。
若い世代が残っている県ほど発行件数が伸びています。
パスポートは有効期間が5年か10年なので、更新も含めて動くのは働く世代が中心だと考えられます。
転入者数の変化率との相関はプラス0.49。
人が集まっている県ほど発行も増えるという、ゆるい関係が出ています。
実数で見ると景色が変わります。
10年で増えた件数がいちばん多いのは東京都のプラス189,881件で、全国の増加分48万9,267件の4割近くを占めます。
次いで大阪府プラス68,967件、神奈川県プラス55,941件でした。
減り方が大きかった5県
減り方が大きかった下位5県です。
福島県はマイナス25.43パーセント、岩手県はマイナス21.01パーセント、山形県はマイナス17.67パーセント、新潟県はマイナス16.71パーセント、秋田県はマイナス13.33パーセントでした。
沖縄県のプラス39.55パーセントとは64.98ポイントの差があります。
下位5県のうち4県が東北です。
東北6県の平均はマイナス16.01パーセントで、8地方のなかで唯一の2桁マイナスになりました。
減ったのは13県。
件数そのものが最も少ないのは秋田県の9,268件で、島根県9,397件、鳥取県9,787件と続きます。
地方別に見る10年の変化
地方別に平均を出すと、九州・沖縄が最も大きくなります。
九州・沖縄8県がプラス16.49パーセント、近畿7府県がプラス11.58パーセント、関東7都県がプラス9.60パーセント、四国4県がプラス8.70パーセント、中国5県がプラス7.80パーセントと続きます。
増え方が小さいほうは中部9県がプラス1.42パーセント、北海道がマイナス0.45パーセント、東北6県がマイナス16.01パーセントでした。
九州・沖縄と東北では32.50ポイントの差があります。
東北6県のマイナス16.01パーセントは、2位の北海道に15.56ポイントの差をつけた数字です。
福島県、岩手県、山形県、秋田県が10パーセント以上減っており、地方としてまとまって落ち込みました。
九州・沖縄8県のプラス16.49パーセントは、沖縄県プラス39.55パーセントと福岡県プラス31.89パーセント、熊本県プラス21.93パーセントが引き上げた結果です。
地図で見る10年の変化
| 項目 | 一般旅券発行件数の10年変化率 |
|---|---|
| 北海道 | -0.5% |
| 青森県 | -8.8% |
| 岩手県 | -21.0% |
| 宮城県 | -9.8% |
| 秋田県 | -13.3% |
| 山形県 | -17.7% |
| 福島県 | -25.4% |
| 茨城県 | -0.3% |
| 栃木県 | -6.9% |
| 群馬県 | -2.5% |
| 埼玉県 | 9.8% |
| 千葉県 | 13.1% |
| 東京都 | 35.7% |
| 神奈川県 | 18.3% |
| 新潟県 | -16.7% |
| 富山県 | -7.1% |
| 石川県 | 4.4% |
| 福井県 | 6.0% |
| 山梨県 | 7.1% |
| 長野県 | 4.2% |
| 岐阜県 | 1.4% |
| 静岡県 | -2.1% |
| 愛知県 | 15.6% |
| 三重県 | 0.2% |
| 滋賀県 | 12.1% |
| 京都府 | 17.0% |
| 大阪府 | 26.8% |
| 兵庫県 | 15.0% |
| 奈良県 | 6.9% |
| 和歌山県 | 3.2% |
| 鳥取県 | 8.7% |
| 島根県 | 4.4% |
| 岡山県 | 6.8% |
| 広島県 | 7.8% |
| 山口県 | 11.3% |
| 徳島県 | 5.3% |
| 香川県 | 5.1% |
| 愛媛県 | 11.9% |
| 高知県 | 12.6% |
| 福岡県 | 31.9% |
| 佐賀県 | 11.6% |
| 長崎県 | 14.5% |
| 熊本県 | 21.9% |
| 大分県 | 4.5% |
| 宮崎県 | 7.2% |
| 鹿児島県 | 0.8% |
| 沖縄県 | 39.6% |
| 項目 | 全国の一般旅券発行件数 |
|---|---|
| 2014年 | 3,210,844% |
| 2015年 | 3,249,593% |
| 2016年 | 3,738,380% |
| 2017年 | 3,959,468% |
| 2018年 | 4,182,207% |
| 2019年 | 4,365,290% |
| 2020年 | 1,234,928% |
| 2021年 | 513,943% |
| 2022年 | 1,218,692% |
| 2023年 | 3,401,533% |
| 2024年 | 3,700,111% |
日本地図で見ると、色が濃く出る(増え方が大きい)のは沖縄県と福岡県、熊本県、東京都、大阪府、京都府です。
淡い(減り方が大きい)のは東北全域と新潟県でした。
47都道府県の単純平均はプラス5.75パーセント、中央値はプラス6.01パーセントです。
全国値のプラス15.24パーセントより小さいのは、件数の多い都府県ほど増え方が大きいためです。
20パーセント以上増えたのは5都府県、減ったのは13県。
1位と47位で64.98ポイントと、幅の広い分布になりました。
| 順位 | 都道府県 | 一般旅券発行件数の10年変化率(%) | 地方 | 2024年の一般旅券発行件数 | 2014年の一般旅券発行件数 | 10年間の増減数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 沖縄県 | 39.55 | 九州 | 43651 | 31279 | 12372 |
| 2 | 東京都 | 35.71 | 関東 | 721683 | 531802 | 189881 |
| 3 | 福岡県 | 31.89 | 九州 | 167682 | 127139 | 40543 |
| 4 | 大阪府 | 26.77 | 近畿 | 326643 | 257676 | 68967 |
| 5 | 熊本県 | 21.93 | 九州 | 39928 | 32748 | 7180 |
| 6 | 神奈川県 | 18.25 | 関東 | 362409 | 306468 | 55941 |
| 7 | 京都府 | 16.96 | 近畿 | 90391 | 77284 | 13107 |
| 8 | 愛知県 | 15.6 | 中部 | 247785 | 214355 | 33430 |
| 9 | 兵庫県 | 14.96 | 近畿 | 178247 | 155052 | 23195 |
| 10 | 長崎県 | 14.52 | 九州 | 25121 | 21936 | 3185 |
| 11 | 千葉県 | 13.1 | 関東 | 203153 | 179625 | 23528 |
| 12 | 高知県 | 12.59 | 四国 | 10675 | 9481 | 1194 |
| 13 | 滋賀県 | 12.09 | 近畿 | 44320 | 39541 | 4779 |
| 14 | 愛媛県 | 11.88 | 四国 | 23973 | 21428 | 2545 |
| 15 | 佐賀県 | 11.55 | 九州 | 17871 | 16021 | 1850 |
| 16 | 山口県 | 11.3 | 中国 | 25647 | 23043 | 2604 |
| 17 | 埼玉県 | 9.83 | 関東 | 218353 | 198806 | 19547 |
| 18 | 鳥取県 | 8.7 | 中国 | 9787 | 9004 | 783 |
| 19 | 広島県 | 7.84 | 中国 | 66137 | 61331 | 4806 |
| 20 | 宮崎県 | 7.24 | 九州 | 17580 | 16393 | 1187 |
| 21 | 山梨県 | 7.08 | 中部 | 18853 | 17606 | 1247 |
| 22 | 奈良県 | 6.89 | 近畿 | 40172 | 37582 | 2590 |
| 23 | 岡山県 | 6.75 | 中国 | 40335 | 37783 | 2552 |
| 24 | 福井県 | 6.01 | 中部 | 17262 | 16283 | 979 |
| 25 | 徳島県 | 5.28 | 四国 | 13365 | 12695 | 670 |
| 26 | 香川県 | 5.05 | 四国 | 19082 | 18164 | 918 |
| 27 | 大分県 | 4.47 | 九州 | 21070 | 20169 | 901 |
| 28 | 島根県 | 4.4 | 中国 | 9397 | 9001 | 396 |
| 29 | 石川県 | 4.37 | 中部 | 27488 | 26338 | 1150 |
| 30 | 長野県 | 4.2 | 中部 | 41413 | 39743 | 1670 |
| 31 | 和歌山県 | 3.17 | 近畿 | 19425 | 18828 | 597 |
| 32 | 岐阜県 | 1.43 | 中部 | 46761 | 46100 | 661 |
| 33 | 鹿児島県 | 0.8 | 九州 | 23432 | 23247 | 185 |
| 34 | 三重県 | 0.2 | 近畿 | 41967 | 41885 | 82 |
| 35 | 茨城県 | -0.33 | 関東 | 63427 | 63639 | -212 |
| 36 | 北海道 | -0.45 | 北海道 | 87778 | 88179 | -401 |
| 37 | 静岡県 | -2.11 | 中部 | 86379 | 88243 | -1864 |
| 38 | 群馬県 | -2.46 | 関東 | 37983 | 38939 | -956 |
| 39 | 栃木県 | -6.87 | 関東 | 38240 | 41059 | -2819 |
| 40 | 富山県 | -7.11 | 中部 | 20945 | 22549 | -1604 |
| 41 | 青森県 | -8.82 | 東北 | 12363 | 13559 | -1196 |
| 42 | 宮城県 | -9.78 | 東北 | 39178 | 43425 | -4247 |
| 43 | 秋田県 | -13.33 | 東北 | 9268 | 10693 | -1425 |
| 44 | 新潟県 | -16.71 | 中部 | 31911 | 38313 | -6402 |
| 45 | 山形県 | -17.67 | 東北 | 14139 | 17174 | -3035 |
| 46 | 岩手県 | -21.01 | 東北 | 12989 | 16443 | -3454 |
| 47 | 福島県 | -25.43 | 東北 | 24453 | 32793 | -8340 |
このグラフについての豆知識
2021年に51万件まで落ちた
全国の一般旅券発行件数は2019年の436万5,290件が山でした。
それが2020年に123万4,928件、2021年に51万3,943件まで落ちています。
2019年と比べると88.2パーセントの減少です。
そこからの戻りは急でした。
2022年121万8,692件、2023年340万1,533件、2024年370万111件。
2年で7.2倍になっています。
それでも2019年の水準には届いていません。
2024年に発行が最も多いのは東京都の721,683件。
最も少ない秋田県の9,268件とは77.9倍の開きがあります。
持っている人の数ではない
この指標は新規発給と切替発給を合わせた件数です。
有効なパスポートを持っている人の数ではありません。
有効期間は5年か10年なので、同じ人が10年のあいだに複数回数えられることもあります。
また、申請した都道府県の窓口で数えるため、住んでいる県とずれることは基本的にありません。
数字は2014年と2024年の比較です。
順位の並びがにている記事
10年間の一般旅券発行件数の変化とよく似た並びになる記事が、当サイトにあるか探しました。
並びが最も重なったのは【睡眠5時間未満の人】全国7.21パーセント、大都市圏で多いで、相関は0.77です。
最も食い違ったのは【灯油への支出】年間9万円を超える県と、2千円に満たない県の差は51倍(順位相関-0.8)でした。
順位が近いことと、原因がつながっていることは別の話です。
それでも、見くらべると気づくことがあります。
地方のなかで見た一般旅券発行件数の10年変化率
| 地方 | 最も多い(%) | 最も少ない(%) |
|---|---|---|
| 東北 | 青森県 -8.82 | 福島県 -25.43 |
| 関東 | 東京都 35.71 | 栃木県 -6.87 |
| 中部 | 愛知県 15.6 | 新潟県 -16.71 |
| 近畿 | 大阪府 26.77 | 三重県 0.2 |
| 中国 | 山口県 11.3 | 島根県 4.4 |
| 四国 | 高知県 12.59 | 香川県 5.05 |
| 九州 | 沖縄県 39.55 | 鹿児島県 0.8 |
まとめ
パスポートの発行件数の10年変化を比べると、最も増えた沖縄県でプラス39.55パーセント、最も減った福島県でマイナス25.43パーセントでした。
全国は48万9,267件増、増えたのが34都道府県で減ったのが13県です。
10年間の一般旅券発行件数の変化の統計を読むときの注意点は3つです。
1つ目は、持っている人の数ではなく発行の件数であること。
2つ目は、更新も件数に含むこと。
3つ目は2014年と2024年の比較であることです。
全国は2019年の436万5,290件が山で、2021年には51万3,943件まで落ちました。
88.2パーセントの減少です。
2024年も2019年の84.8パーセントにとどまります。
実数では東京都のプラス189,881件が、全国の増加分の4割近くを占めました。
転入者数や旅行への支出を比べた記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)
- 調査年: 2014年と2024年の比較
- 公開元: 総務省統計局
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/regional-statistics/ssdsview/prefectures
- 備考: 指標コードG5105(一般旅券発行件数)を2014年と2024年で比べた。新規発給と切替発給を合わせた件数。有効な旅券を持っている人の数ではない。e-Stat APIで取得した値をそのまま使用
注記: 指標コードG5105(一般旅券発行件数)を2014年と2024年で比べた。
新規発給と切替発給を合わせた件数。
有効な旅券を持っている人の数ではない。
e-Stat APIで取得した値をそのまま使用
