人口に占める大学生の割合は、都道府県でどれほど違うのでしょうか。
この記事では、47都道府県の数字を比べます。
使うのは文部科学省の学校基本調査(令和7年度)で、都道府県別の学生数が公表されています。
全国の大学生は297万2,400人。
総人口1億2,380万人で割ると、全国では2.40パーセントになります。
およそ42人に1人が大学生という計算です。
大学の数を比べた記事とは、また違う顔ぶれが並びました。
47都道府県の単純平均
1.8%
人口に占める大学生の割合(令和7年度(2025年度))
最も多い 京都府
6.9%
最も少ない 三重県
0.9%
人口に占める大学生の割合が高い5都府県
人口に占める大学生の割合が高い上位5都府県です。
京都府は6.90パーセント、東京都は5.61パーセント、大阪府は3.00パーセント、石川県は2.99パーセント、愛知県は2.63パーセントでした。
全国の2.40パーセントを上回ったのは7都府県だけです。
京都府と東京都だけが5パーセントを超えています。
3位の大阪府は3.00パーセントですから、上位2府県とそれ以下のあいだに2.6ポイントの段差があります。
京都府では府民の14.5人に1人、東京都では17.8人に1人が大学生。
街を歩けば学生に出会う、という状態が数字にも出ています。
6位以下も2.54パーセント、2.44パーセント、2.33パーセントと続きます。
2パーセントを超えたのは13都府県でした。
上位5都府県のうち石川県だけが人口100万人台です。
ほかは人口の多い都府県で、大学が集まる大都市圏と、地方の中核都市を抱える県の2種類が混ざっています。
学生はどこから来ているのか
ここからは統計から離れて、学生がどこから来ているのかを考えてみます。
以下は確かめられた事実ではなく、別の統計と突き合わせて立てた推測です。
京都府の学生数は17万3,902人。
人口が約252万人ですから、6.90パーセントにあたります。
ただし学校基本調査は、学生が通う大学のある県で数えます。
実家から離れて下宿している学生も、帰省先ではなく大学のある県に計上されます。
転入者を比べた記事で、京都府の人口100人あたりの転入者数は5.16人で8位でした。
人口規模のわりに人の出入りが多い府です。
大学が34校あり、府外から学生が集まる構造が数字に出ていると考えられます。
石川県が4位に入るのも似た形です。
人口約110万人に対して学生は3万2,832人。
金沢市に大学が集まり、北陸一帯から学生が集まると考えられます。
一方、47位の三重県は0.86パーセント、46位の福島県は0.88パーセントでした。
どちらも人口は100万人を超えており、大学がないわけではありません。
近隣に大学の多い府県があると、そちらへ進学する学生が多くなるという事情はありそうです。
大学の数を比べた記事では、人口100万人あたりの大学数で京都府が1位、石川県が2位でした。
大学の数と学生の割合は、この2府県では同じ方向を向いています。
実数では東京都に79万人
学生の数そのままで並べると、1位は東京都の794,719人、2位は大阪府の262,998人、3位は愛知県の196,363人、4位は神奈川県の191,531人、5位は京都府の173,902人でした。
人口あたりで1位だった京都府は、実数では5位です。
実数1位の東京都は人口に占める割合では5.61パーセントで2位ですから、この指標は実数と割合の顔ぶれが近くなっています。
全国297万2,400人のうち26.7パーセントが東京都の大学に通っています。
4人に1人以上という集中ぶりです。
人口に占める大学生の割合が低い5県
人口に占める大学生の割合が低い下位5県です。
三重県は0.86パーセント、福島県は0.88パーセント、宮崎県は0.97パーセント、長野県は1.01パーセント、静岡県は1.03パーセントでした。
京都府の6.90パーセントと三重県の0.86パーセントでは8.02倍の差があります。
1パーセントを下回ったのは3県だけでした。
三重県では県民の116人に1人が大学生という計算になります。
京都府の14.5人に1人と比べると、8倍の開きです。
下位に並んだ県は、いずれも大都市圏に隣接しています。
三重県は名古屋圏、福島県は首都圏、静岡県はその中間です。
県境をまたいで通学したり下宿したりする学生は、この統計では進学先の県に数えられます。
なお下位の県でも大学はあります。
三重県には7校、静岡県には14校の大学があり、まったくないわけではありません。
下位5県はいずれも人口が100万人を超えています。
人口が少ないから割合が低いのではなく、進学先が県外にあることが効いていると考えられます。
地図で見る大学生の割合
| 項目 | 人口に占める大学生の割合 |
|---|---|
| 北海道 | 1.8% |
| 青森県 | 1.4% |
| 岩手県 | 1.1% |
| 宮城県 | 2.5% |
| 秋田県 | 1.1% |
| 山形県 | 1.3% |
| 福島県 | 0.9% |
| 茨城県 | 1.3% |
| 栃木県 | 1.2% |
| 群馬県 | 1.6% |
| 埼玉県 | 1.5% |
| 千葉県 | 1.9% |
| 東京都 | 5.6% |
| 神奈川県 | 2.1% |
| 新潟県 | 1.6% |
| 富山県 | 1.3% |
| 石川県 | 3.0% |
| 福井県 | 1.5% |
| 山梨県 | 2.2% |
| 長野県 | 1.0% |
| 岐阜県 | 1.1% |
| 静岡県 | 1.0% |
| 愛知県 | 2.6% |
| 三重県 | 0.9% |
| 滋賀県 | 2.2% |
| 京都府 | 6.9% |
| 大阪府 | 3% |
| 兵庫県 | 2.3% |
| 奈良県 | 1.7% |
| 和歌山県 | 1.2% |
| 鳥取県 | 1.5% |
| 島根県 | 1.3% |
| 岡山県 | 2.3% |
| 広島県 | 2.2% |
| 山口県 | 1.7% |
| 徳島県 | 1.9% |
| 香川県 | 1.1% |
| 愛媛県 | 1.5% |
| 高知県 | 1.7% |
| 福岡県 | 2.4% |
| 佐賀県 | 1.1% |
| 長崎県 | 1.5% |
| 熊本県 | 1.6% |
| 大分県 | 1.6% |
| 宮崎県 | 1.0% |
| 鹿児島県 | 1.1% |
| 沖縄県 | 1.4% |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは近畿の一部と関東の南部、そして北陸です。
逆に淡いのは東北と中部の一部、九州でした。
人口の多い県が必ずしも上位に来ないのが、この指標の特徴です。
47都道府県の単純平均は1.82パーセント、中央値は1.53パーセントです。
全国値の2.40パーセントより県別の平均が低いのは、上位のいくつかが全国値を押し上げているためです。
平均を超えたのは15都府県でした。
下の表に47都道府県すべての数値を、学生数と大学数と並べて掲載しました。
学生の実数と、人口に占める割合を見比べてみてください。
| 順位 | 都道府県 | 人口に占める大学生の割合(%) | 地方 | 学生数 | 大学数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 京都府 | 6.9 | 近畿 | 173902 | 34 |
| 2 | 東京都 | 5.61 | 関東 | 794719 | 143 |
| 3 | 大阪府 | 3.0 | 近畿 | 262998 | 58 |
| 4 | 石川県 | 2.99 | 中部 | 32832 | 14 |
| 5 | 愛知県 | 2.63 | 中部 | 196363 | 53 |
| 6 | 宮城県 | 2.54 | 東北 | 57007 | 15 |
| 7 | 福岡県 | 2.44 | 九州 | 124039 | 34 |
| 8 | 兵庫県 | 2.33 | 近畿 | 124526 | 35 |
| 9 | 岡山県 | 2.29 | 中国 | 41962 | 18 |
| 10 | 滋賀県 | 2.22 | 近畿 | 31131 | 9 |
| 11 | 広島県 | 2.21 | 中国 | 59997 | 20 |
| 12 | 山梨県 | 2.15 | 中部 | 16979 | 7 |
| 13 | 神奈川県 | 2.08 | 関東 | 191531 | 33 |
| 14 | 徳島県 | 1.94 | 四国 | 13262 | 4 |
| 15 | 千葉県 | 1.88 | 関東 | 117516 | 27 |
| 16 | 北海道 | 1.8 | 北海道 | 90625 | 38 |
| 17 | 高知県 | 1.65 | 四国 | 10802 | 6 |
| 17 | 山口県 | 1.65 | 中国 | 21142 | 10 |
| 17 | 奈良県 | 1.65 | 近畿 | 21148 | 10 |
| 20 | 熊本県 | 1.62 | 九州 | 27475 | 9 |
| 21 | 新潟県 | 1.61 | 中部 | 33736 | 22 |
| 22 | 群馬県 | 1.58 | 関東 | 29897 | 15 |
| 23 | 大分県 | 1.56 | 九州 | 16913 | 5 |
| 24 | 長崎県 | 1.53 | 九州 | 19121 | 8 |
| 25 | 鳥取県 | 1.52 | 中国 | 8051 | 3 |
| 26 | 福井県 | 1.51 | 中部 | 11150 | 6 |
| 27 | 埼玉県 | 1.48 | 関東 | 108223 | 28 |
| 28 | 愛媛県 | 1.47 | 四国 | 18786 | 5 |
| 29 | 沖縄県 | 1.37 | 九州 | 20130 | 8 |
| 29 | 青森県 | 1.37 | 東北 | 16007 | 10 |
| 31 | 山形県 | 1.33 | 東北 | 13457 | 8 |
| 32 | 茨城県 | 1.3 | 関東 | 36458 | 11 |
| 33 | 島根県 | 1.29 | 中国 | 8307 | 2 |
| 33 | 富山県 | 1.29 | 中部 | 12876 | 5 |
| 35 | 栃木県 | 1.22 | 関東 | 23079 | 9 |
| 36 | 和歌山県 | 1.16 | 近畿 | 10194 | 5 |
| 37 | 岐阜県 | 1.14 | 中部 | 21794 | 13 |
| 37 | 鹿児島県 | 1.14 | 九州 | 17504 | 6 |
| 39 | 佐賀県 | 1.09 | 九州 | 8625 | 2 |
| 39 | 秋田県 | 1.09 | 東北 | 9814 | 7 |
| 41 | 香川県 | 1.07 | 四国 | 9843 | 4 |
| 42 | 岩手県 | 1.05 | 東北 | 11970 | 6 |
| 43 | 静岡県 | 1.03 | 中部 | 36199 | 14 |
| 44 | 長野県 | 1.01 | 中部 | 20092 | 11 |
| 45 | 宮崎県 | 0.97 | 九州 | 10038 | 7 |
| 46 | 福島県 | 0.88 | 東北 | 15385 | 8 |
| 47 | 三重県 | 0.86 | 近畿 | 14795 | 7 |
このグラフについての豆知識
学生数は1年で2万人増えた
学校基本調査は毎年実施されています。
全国の大学生は令和6年度が294万9,795人、令和7年度が297万2,412人。
1年で2万2,617人増えました。
一方、大学の数は令和6年度の813校から令和7年度の812校へ1校減っています。
学校の数は横ばいか微減で、学生数は増えている。
1校あたりの規模が少しずつ大きくなっていることになります。
少子化が進むなかで大学生が増えているのは、進学率が上がっているためだと考えられます。
ただし進学率そのものはこの統計では扱っていません。
大学のある県で数えられる
学校基本調査の学生数は、その学生が通う大学のある県で集計されます。
実家がどこにあるかは関係ありません。
そのため、この記事の数字は「その県の若者がどれだけ大学に通っているか」ではなく、「その県にどれだけ学生が集まっているか」を表します。
下宿している学生は下宿先の県に、実家から通う学生も大学のある県に数えられます。
調査は毎年5月1日現在で実施され、令和7年度が直近です。
学生数は大学の定員や入学者数の変化で少しずつ動きます。
順位の並びがにている記事
同じ形の地図になる記事はあるでしょうか。
人口に占める大学生の割合の順位で探してみます。
0.71という高い相関を示したのが【教育業界の月給】平均34.7万円、金融と並ぶ高水準でした。
逆に、ほぼ裏返しの並びになったのが【自家用車通勤の割合】8割を超える県と1割に届かない都、通勤の景色はこれほど違う(相関-0.6)でした。
順位が近いことと、原因がつながっていることは別の話です。
それでも、見くらべると気づくことがあります。
地方のなかで見た人口に占める大学生の割合
| 地方 | 最も多い(%) | 最も少ない(%) |
|---|---|---|
| 東北 | 宮城県 2.54 | 福島県 0.88 |
| 関東 | 東京都 5.61 | 栃木県 1.22 |
| 中部 | 石川県 2.99 | 長野県 1.01 |
| 近畿 | 京都府 6.9 | 三重県 0.86 |
| 中国 | 岡山県 2.29 | 島根県 1.29 |
| 四国 | 徳島県 1.94 | 香川県 1.07 |
| 九州 | 福岡県 2.44 | 宮崎県 0.97 |
まとめ
47都道府県の人口に占める大学生の割合を比べると、京都府は6.90パーセント、三重県は0.86パーセントで、その差は8.02倍でした。
全国は2.40パーセント、大学生の合計は297万2,400人です。
地方別では近畿が2.59パーセントと最も高く、東北が1.38パーセントで最も低い結果になりました。
人口に占める大学生の割合の統計を読むときの注意点は3つです。
1つ目は、学生が通う大学のある県で数えるため、住んでいる場所とは一致しない場合があることです。
2つ目は、短期大学や大学院大学を含まないことです。
3つ目は時点で、令和7年度の調査結果です。
上位2府県だけが5パーセントを超え、3位とは2.6ポイントの段差がありました。
学生が集まる街と、そうでない街ははっきり分かれています。
学生がどこに集まるかは、街の姿を大きく変えます。
大学の数を比べた記事とあわせて読んでみてください。
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- 【10代の転入】年17万1,729人、進学が動かす
出典
- 統計名: 学校基本調査(都道府県別学校数及び学生数)と人口推計
- 調査年: 令和7年度(2025年度)
- 公開元: 文部科学省/総務省統計局
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040392726
- 備考: 大学(学部を置く大学)の学生数を、2024年10月1日現在の人口推計で割って算出した。学生が通う大学のある県で数えるため、住んでいる場所とは一致しない場合がある
注記: 大学(学部を置く大学)の学生数を、2024年10月1日現在の人口推計で割って算出した。
学生が通う大学のある県で数えるため、住んでいる場所とは一致しない場合がある
