47都道府県で、民営の公園・遊園地が何か所あるのかを比べます。
使うのは総務省・経済産業省の「経済センサス-活動調査」(令和3年、2021年6月1日現在)で、産業小分類805(公園、遊園地)に分類された民営事業所の数です。
全国の合計は1,720か所。
1つ大事な注意があります。
この統計は民営の事業所を数えたもので、市町村が管理する街の公園は含まれていません。
47都道府県の単純平均
37か所
事業所数(令和3年(2021年6月1日現在))
最も多い 東京都
155か所
最も少ない 徳島県
10か所
公園・遊園地の数が多い5都道県
公園・遊園地の数が多い上位5都道県です。
東京都は155か所、神奈川県は114か所、北海道は113か所、兵庫県は90か所、愛知県は85か所でした。
上位5都道県を合計すると557か所で、全国の32.4パーセントを占めます。
3位に北海道が入っているのが目を引きます。
人口は504万3千人で全国8位ですが、施設の数では2位の神奈川県に1か所差まで迫りました。
面積が広く観光地を多く抱える地域という性格が、施設の数に出ていると考えられます。
6位以下も79か所、74か所、65か所と続きます。
50か所を超えたのは10都道府県でした。
上位5都道県のうち4つは三大都市圏です。
人口の多い地域に施設が集まるという、実数のランキングらしい形になっています。
数と規模はまったく別の話
ここからは統計から離れて、この数字の読み方を考えてみます。
以下は確かめられた事実ではなく、同じ統計の別の数字と突き合わせて立てた推測です。
この分類は「公園」と「遊園地」を一緒に数えています。
大規模なテーマパークも、民営の小さな公園も、どちらも1事業所です。
従業者数を見ると、その違いがはっきりします。
全国では1,720か所に60,744人、1事業所あたり35.3人です。
ところが従業者数が最も多いのは千葉県の22,757人で、全国の37.5パーセントを1県が占めています。
千葉県の事業所数は74か所で全国7位ですから、1事業所あたり307.5人という計算になります。
一方、実数1位の東京都は155か所に3,870人で、1事業所あたり25.0人。
数では1位ですが、規模では千葉県に遠く及びません。
つまりこのランキングは「遊べる場所の規模」ではなく「施設の数」を測っています。
大きなテーマパークを持つ県が上位に来るとは限りません。
数を数えるか、働く人の数を数えるか、人口で割るか。
同じ1,720か所から、3つの違うランキングが作れることになります。
人口で割ると顔ぶれが入れ替わる
人口100万人あたりに直すと、上位の顔ぶれは完全に入れ替わります。
1位は島根県の43.61か所、2位は鳥取県の32.79か所、3位は富山県の27.32か所、4位は宮崎県の25.45か所、5位は栃木県の22.90か所でした。
実数1位の東京都は11.06か所で41位まで下がります。
逆に人口あたり1位の島根県は29か所で、実数では20位でした。
実数と人口あたりで、東京都は1位から41位へ40順位も動きます。
このメディアで扱ってきた指標のなかでも、とりわけ落差の大きい例です。
公園・遊園地の数が少ない8県
公園・遊園地の数が少ない下位です。
38位に4県が同数で並ぶため、8県を掲載します。
徳島県と佐賀県が10か所、福井県が13か所、秋田県が14か所、38位は石川県・三重県・奈良県・香川県の15か所でした。
東京都の155か所と徳島県・佐賀県の10か所では15.5倍の差があります。
下位に並んだのは四国、九州、北陸、東北、近畿の県です。
人口の少ない県が多いものの、三重県のように人口171万人の県も入っています。
なお全国1,720か所を47で割ると1県あたり37か所ですが、中央値は27か所です。
上位のいくつかが平均を引き上げています。
数が少ないぶん、1か所の開業や閉鎖で順位が動きやすい指標でもあります。
下位に並んだ県でも10か所以上はあります。
まったくない県はなく、47都道府県すべてに民営の公園か遊園地が存在します。
地図で見る公園・遊園地の数
| 項目 | 事業所数 |
|---|---|
| 北海道 | 113か所 |
| 青森県 | 16か所 |
| 岩手県 | 16か所 |
| 宮城県 | 32か所 |
| 秋田県 | 14か所 |
| 山形県 | 17か所 |
| 福島県 | 31か所 |
| 茨城県 | 37か所 |
| 栃木県 | 44か所 |
| 群馬県 | 24か所 |
| 埼玉県 | 65か所 |
| 千葉県 | 74か所 |
| 東京都 | 155か所 |
| 神奈川県 | 114か所 |
| 新潟県 | 32か所 |
| 富山県 | 28か所 |
| 石川県 | 15か所 |
| 福井県 | 13か所 |
| 山梨県 | 16か所 |
| 長野県 | 29か所 |
| 岐阜県 | 30か所 |
| 静岡県 | 58か所 |
| 愛知県 | 85か所 |
| 三重県 | 15か所 |
| 滋賀県 | 24か所 |
| 京都府 | 39か所 |
| 大阪府 | 79か所 |
| 兵庫県 | 90か所 |
| 奈良県 | 15か所 |
| 和歌山県 | 19か所 |
| 鳥取県 | 18か所 |
| 島根県 | 29か所 |
| 岡山県 | 23か所 |
| 広島県 | 30か所 |
| 山口県 | 17か所 |
| 徳島県 | 10か所 |
| 香川県 | 15か所 |
| 愛媛県 | 18か所 |
| 高知県 | 15か所 |
| 福岡県 | 55か所 |
| 佐賀県 | 10か所 |
| 長崎県 | 23か所 |
| 熊本県 | 27か所 |
| 大分県 | 16か所 |
| 宮崎県 | 27か所 |
| 鹿児島県 | 33か所 |
| 沖縄県 | 15か所 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは関東の南部と北海道、近畿の一部です。
逆に淡いのは四国と北陸、東北の一部でした。
人口の多い地域が上位に来るという、実数のランキングらしい形になっています。
47都道府県の単純平均は37か所、中央値は27か所です。
上下の差は15.5倍で、施設を数えた指標としては中くらいの開きです。
平均を超えたのは13都道府県でした。
下の表に47都道府県すべての数値を、人口100万人あたりの事業所数と従業者数と並べて掲載しました。
数・人口あたり・働く人の数で、それぞれ別の県が上位に来ます。
| 順位 | 都道府県 | 事業所数(か所) | 地方 | 人口100万人あたり事業所数 | 従業者数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 東京都 | 155 | 関東 | 11.06 | 3870 |
| 2 | 神奈川県 | 114 | 関東 | 12.34 | 2062 |
| 3 | 北海道 | 113 | 北海道 | 21.8 | 1538 |
| 4 | 兵庫県 | 90 | 近畿 | 16.57 | 2014 |
| 5 | 愛知県 | 85 | 中部 | 11.31 | 3819 |
| 6 | 大阪府 | 79 | 近畿 | 8.97 | 5601 |
| 7 | 千葉県 | 74 | 関東 | 11.79 | 22757 |
| 8 | 埼玉県 | 65 | 関東 | 8.86 | 1154 |
| 9 | 静岡県 | 58 | 中部 | 16.08 | 1156 |
| 10 | 福岡県 | 55 | 九州 | 10.73 | 827 |
| 11 | 栃木県 | 44 | 関東 | 22.9 | 1357 |
| 12 | 京都府 | 39 | 近畿 | 15.23 | 678 |
| 13 | 茨城県 | 37 | 関東 | 12.97 | 837 |
| 14 | 鹿児島県 | 33 | 九州 | 20.94 | 585 |
| 15 | 宮城県 | 32 | 東北 | 13.97 | 253 |
| 15 | 新潟県 | 32 | 中部 | 14.7 | 366 |
| 17 | 福島県 | 31 | 東北 | 17.11 | 333 |
| 18 | 岐阜県 | 30 | 中部 | 15.3 | 605 |
| 18 | 広島県 | 30 | 中国 | 10.79 | 400 |
| 20 | 長野県 | 29 | 中部 | 14.26 | 391 |
| 20 | 島根県 | 29 | 中国 | 43.61 | 417 |
| 22 | 富山県 | 28 | 中部 | 27.32 | 303 |
| 23 | 宮崎県 | 27 | 九州 | 25.45 | 243 |
| 23 | 熊本県 | 27 | 九州 | 15.62 | 428 |
| 25 | 群馬県 | 24 | 関東 | 12.45 | 300 |
| 25 | 滋賀県 | 24 | 近畿 | 17.01 | 334 |
| 27 | 岡山県 | 23 | 中国 | 12.26 | 407 |
| 27 | 長崎県 | 23 | 九州 | 17.73 | 1391 |
| 29 | 和歌山県 | 19 | 近畿 | 20.79 | 247 |
| 30 | 愛媛県 | 18 | 四国 | 13.63 | 254 |
| 30 | 鳥取県 | 18 | 中国 | 32.79 | 134 |
| 32 | 山形県 | 17 | 東北 | 16.11 | 180 |
| 32 | 山口県 | 17 | 中国 | 12.8 | 185 |
| 34 | 岩手県 | 16 | 東北 | 13.38 | 151 |
| 34 | 山梨県 | 16 | 中部 | 19.88 | 379 |
| 34 | 青森県 | 16 | 東北 | 13.1 | 156 |
| 34 | 大分県 | 16 | 九州 | 14.36 | 519 |
| 38 | 沖縄県 | 15 | 九州 | 10.22 | 521 |
| 38 | 香川県 | 15 | 四国 | 15.92 | 448 |
| 38 | 高知県 | 15 | 四国 | 21.93 | 189 |
| 38 | 三重県 | 15 | 近畿 | 8.54 | 1907 |
| 38 | 石川県 | 15 | 中部 | 13.33 | 275 |
| 38 | 奈良県 | 15 | 近畿 | 11.41 | 152 |
| 44 | 秋田県 | 14 | 東北 | 14.81 | 192 |
| 45 | 福井県 | 13 | 中部 | 17.11 | 173 |
| 46 | 佐賀県 | 10 | 九州 | 12.41 | 113 |
| 46 | 徳島県 | 10 | 四国 | 14.04 | 143 |
このグラフについての豆知識
従業者数の4割近くが1つの県に
経済センサスでは事業所数と一緒に従業者数も公表されています。
全国では60,744人ですが、そのうち22,757人が千葉県に集中しています。
全国の37.5パーセントです。
千葉県の事業所数は74か所で全国7位。
事業所の数では中位なのに、働いている人の数では全国の4割近くを占めます。
大規模な施設が1県に集まっていることが、この差を生んでいます。
2位以下は大阪府の5,601人、東京都の3,870人、愛知県の3,819人と続きます。
施設の数と規模は別々に見る必要がある、という典型的な例です。
街の公園は入っていない
この統計が数えているのは民営の事業所です。
市町村が管理している街区公園や近隣公園は、事業所として登録されていないため含まれません。
そのため「公園が多い県」という言葉から思い浮かべるものとは、少しずれた数字になります。
自治体の公園まで含めた数を知りたい場合は、国土交通省の都市公園等整備現況調査など、別の統計を見ることになります。
この記事の数字は、あくまで「民営の公園・遊園地がどれだけあるか」を表したものだと考えてください。
順位の並びがにている記事
同じ形の地図になる記事はあるでしょうか。
民営の公園・遊園地の事業所数の順位で探してみます。
最も似ていたのは【働く助産師の数】全国3万7,940人、お産を支える(順位相関0.88)です。
逆に、ほぼ裏返しの並びになったのが【スーパーの数】が多いのは大都市ではありませんでした、人口あたりで比較(相関-0.63)でした。
順位が近いことと、原因がつながっていることは別の話です。
それでも、見くらべると気づくことがあります。
地方のなかで見た事業所数
| 地方 | 最も多い(か所) | 最も少ない(か所) |
|---|---|---|
| 東北 | 宮城県 32 | 秋田県 14 |
| 関東 | 東京都 155 | 群馬県 24 |
| 中部 | 愛知県 85 | 福井県 13 |
| 近畿 | 兵庫県 90 | 奈良県 15 |
| 中国 | 広島県 30 | 山口県 17 |
| 四国 | 愛媛県 18 | 徳島県 10 |
| 九州 | 福岡県 55 | 佐賀県 10 |
まとめ
47都道府県の民営の公園・遊園地の数を比べると、東京都は155か所、徳島県と佐賀県は10か所で、その差は15.5倍でした。
全国の合計は1,720か所で、上位5都道県だけで32.4パーセントを占めます。
この民営の公園・遊園地の事業所数の数字には、読み違えやすい点が3つあります。
1つ目は、市町村が管理する街の公園が含まれないことです。
2つ目は、公園と遊園地が同じ分類にまとめられていることです。
3つ目は時点で、2021年6月1日現在の調査です。
施設の数では1位でも、働く人の数では全国の6パーセントほど。
数を数えるか規模を数えるかで、地図はまったく変わります。
公園は身近な施設のようでいて、統計に出てくる民営の数は限られています。
人口あたりで比べた記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 経済センサス-活動調査(サービス関連産業に関する集計)
- 調査年: 令和3年(2021年6月1日現在)
- 公開元: 総務省・経済産業省
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040032976
- 備考: 産業小分類805(公園、遊園地)に分類された民営事業所の総数。自治体が直接管理している公園は含まない。人口100万人あたりの数は2021年10月1日現在の人口推計で割って算出した
注記: 産業小分類805(公園、遊園地)に分類された民営事業所の総数。
自治体が直接管理している公園は含まない。
人口100万人あたりの数は2021年10月1日現在の人口推計で割って算出した
