絵画や仏像、書跡など、国が指定した重要文化財の美術工芸品。
どこの都道府県に多いのでしょうか。
このランキングは、文化庁の「都道府県別指定等文化財件数」をもとにしています。
2026年8月1日現在の件数です。
全国では10,937件。
1都道府県あたりの平均は233件、中央値は72件です。
最も多い東京都2,777件と最も少ない宮崎県14件の差は2,763件、倍率にすると198.4倍でした。
47都道府県の単純平均
233件
重要文化財のうち美術工芸品の件数(2026年8月1日現在)
最も多い 東京都
2,777件
最も少ない 秋田県
14件
重要文化財のうち美術工芸品の件数が多い5都道府県
件数が多い上位5都道府県です。
1位は東京都の2,777件。
2位の京都府は1,932件で、1.44倍の差がつきました。
3位は1,072件、4位は645件、5位は583件と続きます。
上位5つを合わせると7,009件。
全国10,937件の64%にあたります。
6位以下は兵庫県363件、和歌山県312件、神奈川県296件。
5位と8位のあいだは287件で、このあたりから件数の落ち方がゆるやかになります。
1位の東京都は、1都道府県あたりの平均233件の11.9倍。
中央値72件とくらべると38.6倍にあたります。
順位が下がるにつれて件数の落ち方はゆるやかになります。
1位から3位までの幅は1,705件ありますが、3位から8位までは776件しかありません。
ランキングの形としては、上のほうに大きく偏った並びだといえます。
9位以下は愛知県260件、静岡県192件、福岡県174件。
10位でも192件あり、全国の1都道府県あたりの平均233件を上回っています。
なぜ東京に集まるのか
1位の東京都2,777件は、2位の京都府1,932件を1.44倍上回ります。
古いものが多いのは京都や奈良のはずなのに、東京が1位。
ここに、この統計の読み方の鍵があります。
文化財は「作られた場所」ではなく「いま置かれている場所」で数えます。
東京には東京国立博物館をはじめ、全国から集められた美術工芸品を収蔵する施設が集中しています。
寺社が手放したものや、旧大名家が伝えたものも東京に移りました。
つまりこのランキングは、その土地の歴史の古さではなく、いま「どこが預かっているか」を映しています。
2位の京都府、3位の奈良県は、寺社が今もその場で守り続けているぶんが積み上がった数字です。
性格の違うものが同じランキングに並んでいることになります。
近畿7府県の平均は725件で、関東7都県の484件を上回ります。
地方全体で見れば、やはり近畿が厚いことがわかります。
数字の大小をそのまま「価値の差」と読まないほうがよさそうです。
国の指定は、残っているもののうち申請と審査を経たものに限られます。
指定されていないだけで、その土地に大切に守られてきたものは数えきれません。
1位の東京都と47位の宮崎県の差は198.4倍。
ランキングとしては大きな開きですが、これは制度の対象になった件数の差だということを頭に置いて読んでください。
重要文化財のうち美術工芸品の件数が少ない5都道府県
件数が少ない下位5都道府県です。
最も少ないのは宮崎県の14件。
46位は14件、45位は21件、44位は28件、43位は29件でした。
下位5つを合わせても106件で、1位の東京都1つに届きません。
倍率にすると1位と47位で198.4倍の開きです。
ただし件数の少なさは、その土地に歴史がないという意味ではありません。
国の指定は、残っているもののうち申請と審査を経たものに限られます。
木造の建物は火事や地震で失われやすく、古い建物がどれだけ残ったかは災害の歴史にも左右されます。
都道府県や市町村が指定した文化財は、この数字に入っていません。
地域で大切にされているものの多くは、そちらに数えられています。
40位から42位は徳島県32件、北海道31件、富山県30件。
下位のほうは14件から32件のあいだに10県以上が並んでいて、わずかな差で順位が入れかわります。
この範囲では、順位そのものにあまり意味はありません。
47都道府県の重要文化財のうち美術工芸品の件数
| 項目 | 重要文化財のうち美術工芸品の件数 |
|---|---|
| 北海道 | 31件 |
| 青森県 | 28件 |
| 岩手県 | 54件 |
| 宮城県 | 46件 |
| 秋田県 | 14件 |
| 山形県 | 72件 |
| 福島県 | 65件 |
| 茨城県 | 46件 |
| 栃木県 | 125件 |
| 群馬県 | 37件 |
| 埼玉県 | 57件 |
| 千葉県 | 50件 |
| 東京都 | 2,777件 |
| 神奈川県 | 296件 |
| 新潟県 | 51件 |
| 富山県 | 30件 |
| 石川県 | 88件 |
| 福井県 | 86件 |
| 山梨県 | 58件 |
| 長野県 | 101件 |
| 岐阜県 | 107件 |
| 静岡県 | 192件 |
| 愛知県 | 260件 |
| 三重県 | 165件 |
| 滋賀県 | 645件 |
| 京都府 | 1,932件 |
| 大阪府 | 583件 |
| 兵庫県 | 363件 |
| 奈良県 | 1,072件 |
| 和歌山県 | 312件 |
| 鳥取県 | 38件 |
| 島根県 | 75件 |
| 岡山県 | 113件 |
| 広島県 | 151件 |
| 山口県 | 101件 |
| 徳島県 | 32件 |
| 香川県 | 91件 |
| 愛媛県 | 112件 |
| 高知県 | 69件 |
| 福岡県 | 174件 |
| 佐賀県 | 38件 |
| 長崎県 | 38件 |
| 熊本県 | 41件 |
| 大分県 | 57件 |
| 宮崎県 | 14件 |
| 鹿児島県 | 29件 |
| 沖縄県 | 21件 |
日本地図で見ると、色の濃さがはっきり分かれます。
上位は東京都2,777件、京都府1,932件、奈良県1,072件、滋賀県645件、大阪府583件。
6位は兵庫県363件、7位は和歌山県312件、8位は神奈川県296件です。
上位5つだけで全国の64%を占めます。
上位3つでも53%です。
一方で下のほうは沖縄県21件、秋田県14件、宮崎県14件。
中央値は72件で、平均の233件を大きく下回ります。
少数の都道府県に集まっている形です。
| 順位 | 都道府県 | 重要文化財のうち美術工芸品の件数(件) | 地方 |
|---|---|---|---|
| 1 | 東京都 | 2777 | 関東 |
| 2 | 京都府 | 1932 | 近畿 |
| 3 | 奈良県 | 1072 | 近畿 |
| 4 | 滋賀県 | 645 | 近畿 |
| 5 | 大阪府 | 583 | 近畿 |
| 6 | 兵庫県 | 363 | 近畿 |
| 7 | 和歌山県 | 312 | 近畿 |
| 8 | 神奈川県 | 296 | 関東 |
| 9 | 愛知県 | 260 | 中部 |
| 10 | 静岡県 | 192 | 中部 |
| 11 | 福岡県 | 174 | 九州 |
| 12 | 三重県 | 165 | 近畿 |
| 13 | 広島県 | 151 | 中国 |
| 14 | 栃木県 | 125 | 関東 |
| 15 | 岡山県 | 113 | 中国 |
| 16 | 愛媛県 | 112 | 四国 |
| 17 | 岐阜県 | 107 | 中部 |
| 18 | 山口県 | 101 | 中国 |
| 18 | 長野県 | 101 | 中部 |
| 20 | 香川県 | 91 | 四国 |
| 21 | 石川県 | 88 | 中部 |
| 22 | 福井県 | 86 | 中部 |
| 23 | 島根県 | 75 | 中国 |
| 24 | 山形県 | 72 | 東北 |
| 25 | 高知県 | 69 | 四国 |
| 26 | 福島県 | 65 | 東北 |
| 27 | 山梨県 | 58 | 中部 |
| 28 | 埼玉県 | 57 | 関東 |
| 28 | 大分県 | 57 | 九州 |
| 30 | 岩手県 | 54 | 東北 |
| 31 | 新潟県 | 51 | 中部 |
| 32 | 千葉県 | 50 | 関東 |
| 33 | 茨城県 | 46 | 関東 |
| 33 | 宮城県 | 46 | 東北 |
| 35 | 熊本県 | 41 | 九州 |
| 36 | 佐賀県 | 38 | 九州 |
| 36 | 長崎県 | 38 | 九州 |
| 36 | 鳥取県 | 38 | 中国 |
| 39 | 群馬県 | 37 | 関東 |
| 40 | 徳島県 | 32 | 四国 |
| 41 | 北海道 | 31 | 北海道 |
| 42 | 富山県 | 30 | 中部 |
| 43 | 鹿児島県 | 29 | 九州 |
| 44 | 青森県 | 28 | 東北 |
| 45 | 沖縄県 | 21 | 九州 |
| 46 | 宮崎県 | 14 | 九州 |
| 46 | 秋田県 | 14 | 東北 |
このグラフについての豆知識
7つの分野の合計
美術工芸品の重要文化財は、絵画・彫刻・工芸品・書跡・古文書・考古資料・歴史資料の7つに分かれます。
この記事の数字は、その7分野を合わせたものです。
国宝はこの件数にふくまれていません。
国宝は重要文化財のなかから特に価値の高いものを指定する制度で、統計上も別に数えられています。
建造物とは分けて数える
同じ重要文化財でも、建物は別の項目です。
建物の重要文化財は全国2,607件で、美術工芸品の1万937件とくらべると4分の1ほどの規模になります。
この統計について
文化庁が都道府県別の指定等文化財件数として公表しているものです。
この記事の数字は2026年8月1日現在の件数です。
文化財は建っている場所、置かれている場所で数えます。
その土地で作られたものとは限らず、博物館や寺社が他の土地から受け継いだものもふくまれます。
国が指定したものだけの件数です。
都道府県や市町村が指定した文化財は、この数字には入っていません。
地方のなかで見た重要文化財のうち美術工芸品の件数
| 地方 | 最も多い(件) | 最も少ない(件) |
|---|---|---|
| 東北 | 山形県 72 | 秋田県 14 |
| 関東 | 東京都 2777 | 群馬県 37 |
| 中部 | 愛知県 260 | 富山県 30 |
| 近畿 | 京都府 1932 | 三重県 165 |
| 中国 | 広島県 151 | 鳥取県 38 |
| 四国 | 愛媛県 112 | 徳島県 32 |
| 九州 | 福岡県 174 | 宮崎県 14 |
まとめ
重要文化財のうち美術工芸品の件数は全国で10,937件。
最も多い東京都2,777件と最も少ない宮崎県14件の差は198.4倍でした。
東京都が1位ですが、これは博物館が全国から集めているためです。
京都・奈良が寺社で守り続けている数字とは性格が違います。
上位5つで全国の64%を占め、地方別では近畿7府県が725件で最も多く、北海道が31件で最も少ない結果です。
この数字は国が指定したものだけを数えています。
都道府県や市町村が指定した文化財は入っていません。
件数が少ない土地に見どころがないわけではないことは、読むときに気をつけてください。
1都道府県あたりの平均は233件、中央値は72件。
平均が中央値を大きく上回るのは、上位のいくつかが全体を引き上げているためです。
真ん中あたりの都道府県の実感に近いのは、中央値のほうになります。
文化財は、その土地の歴史がどれだけ形として残ったかを映すものです。
件数の多さは残ったものの数であって、その土地に何があったかをすべて表しているわけではありません。
ほかの文化財の記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 都道府県別指定等文化財件数
- 調査年: 2026年8月1日現在
- 公開元: 文化庁
- 参照URL: https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/shitei.html
- 備考: 絵画・彫刻・工芸品・書跡・古文書・考古資料・歴史資料の合計。建造物は別の項目になる。文化庁の統計を加工して47グラフが作成
注記: 絵画・彫刻・工芸品・書跡・古文書・考古資料・歴史資料の合計。
建造物は別の項目になる。
文化庁の統計を加工して47グラフが作成
