【博物館の数】が多い都道府県ランキング、人口あたりでは最大11.8倍差

【博物館の数】が多い都道府県ランキング、人口あたりでは最大11.8倍差

47都道府県で、博物館がどこに多いのかを比べます。

使うのは文部科学省の社会教育調査(令和3年度、2021年10月1日現在)で、博物館法に基づく登録博物館と博物館相当施設の合計です。
全国の博物館は1,305館。
実数だと人口の多い都県が上位に来てしまうので、人口100万人あたりの館数で比べます。

全国では100万人あたり10.54館。
人口あたりで見ると、上位の顔ぶれは大きく変わりました。

47都道府県の単純平均

14.8館

人口100万人あたり博物館数(令和3年度(2021年10月1日現在))

最も多い 長野県

41.8館

最も少ない 埼玉県

3.6館

地図で見る博物館の分布

人口100万人あたり博物館数(令和3年度(2021年10月1日現在))
人口100万人あたり博物館数(令和3年度(2021年10月1日現在)) 社会教育調査(博物館調査)と人口推計(文部科学省/総務省統計局)をもとに作成。単位は館。 北海道 13.1館青森 4.3館岩手 18.3館宮城 7.6館秋田 12.3館山形 15.8館福島 7.5館茨城 8.9館栃木 13.3館群馬 13.8館埼玉 3.6館千葉 7.0館東京 8.0館神奈川 5.5館新潟 17.6館富山 37.1館石川 28.2館福井 29.8館山梨 26.6館長野 41.8館岐阜 12館静岡 12.2館愛知 5.8館三重 12.3館滋賀 10.7館京都 15.1館大阪 4.3館兵庫 6.8館奈良 17.1館和歌山 14.8館鳥取 13.2館島根 32.7館岡山 18.0館広島 11.1館山口 18.7館徳島 16.1館香川 16.4館愛媛 19.6館高知 25.9館福岡 5.9館佐賀 16.5館長崎 12.8館熊本 11.2館大分 14.8館宮崎 7.7館鹿児島 13.1館沖縄 12.3館
人口100万人あたり博物館数(館)
人口100万人あたり博物館数(令和3年度(2021年10月1日現在))
項目人口100万人あたり博物館数
北海道13.1館
青森県4.3館
岩手県18.3館
宮城県7.6館
秋田県12.3館
山形県15.8館
福島県7.5館
茨城県8.9館
栃木県13.3館
群馬県13.8館
埼玉県3.6館
千葉県7.0館
東京都8.0館
神奈川県5.5館
新潟県17.6館
富山県37.1館
石川県28.2館
福井県29.8館
山梨県26.6館
長野県41.8館
岐阜県12館
静岡県12.2館
愛知県5.8館
三重県12.3館
滋賀県10.7館
京都府15.1館
大阪府4.3館
兵庫県6.8館
奈良県17.1館
和歌山県14.8館
鳥取県13.2館
島根県32.7館
岡山県18.0館
広島県11.1館
山口県18.7館
徳島県16.1館
香川県16.4館
愛媛県19.6館
高知県25.9館
福岡県5.9館
佐賀県16.5館
長崎県12.8館
熊本県11.2館
大分県14.8館
宮崎県7.7館
鹿児島県13.1館
沖縄県12.3館

日本地図で見ると、色が濃く出るのは中部の内陸と北陸、そして中国・四国の一部です。
逆に淡いのは関東の南部と近畿の一部でした。
人口の多い地域ほど1人あたりでは少なくなります。

47都道府県の単純平均は100万人あたり14.82館、中央値は13.09館です。
平均を超えたのは18県だけで、上位のいくつかが全体を引き上げています。
上下の差は11.77倍と、施設を数えた指標のなかでは大きな開きです。

下の表に47都道府県すべての数値を、博物館数と美術博物館数と並べて掲載しました。
人口あたりの順位と実数の順位を見比べてみてください。

順位都道府県人口100万人あたり博物館数(館)地方博物館数美術博物館数
1長野県41.77中部8339
2富山県37.11中部3713
3島根県32.71中国2110
4福井県29.77中部226
5石川県28.23中部3116
6山梨県26.55中部2110
7高知県25.91四国175
8愛媛県19.59四国259
9山口県18.74中国248
10岩手県18.34東北214
11岡山県18.02中国3316
12新潟県17.63中部3716
13奈良県17.12近畿227
14佐賀県16.5九州137
15香川県16.36四国156
16徳島県16.06四国112
17山形県15.83東北166
18京都府15.08近畿3815
19和歌山県14.77近畿131
20大分県14.75九州163
21群馬県13.76関東2613
22栃木県13.26関東2511
23鳥取県13.18中国73
24北海道13.09北海道6618
25鹿児島県13.05九州209
26長崎県12.78九州162
27沖縄県12.28九州182
28三重県12.27近畿216
29秋田県12.26東北113
30静岡県12.19中部4316
31岐阜県12.0中部237
32熊本県11.2九州193
33広島県11.05中国3013
34滋賀県10.7近畿156
35茨城県8.91関東257
36東京都7.97関東11345
37宮崎県7.74九州83
38宮城県7.56東北176
39福島県7.46東北135
40千葉県7.04関東4410
41兵庫県6.75近畿368
42福岡県5.89九州308
43愛知県5.76中部4318
44神奈川県5.53関東5117
45大阪府4.34近畿3810
46青森県4.29東北52
47埼玉県3.55関東267
社会教育調査(博物館調査)と人口推計(令和3年度(2021年10月1日現在)、文部科学省/総務省統計局)をもとに作成

人口あたりで博物館が多い5県

上位5都道府県の人口100万人あたり博物館数
上位5都道府県の人口100万人あたり博物館数 社会教育調査(博物館調査)と人口推計(令和3年度(2021年10月1日現在)) 010203040長野県: 41.8館41.8館富山県: 37.1館37.1館島根県: 32.7館32.7館福井県: 29.8館29.8館石川県: 28.2館28.2館長野県富山県島根県福井県石川県
上位5都道府県の人口100万人あたり博物館数
項目人口100万人あたり博物館数
長野県41.8館
富山県37.1館
島根県32.7館
福井県29.8館
石川県28.2館
下位5都道府県の人口100万人あたり博物館数
下位5都道府県の人口100万人あたり博物館数 社会教育調査(博物館調査)と人口推計(令和3年度(2021年10月1日現在)) 012345埼玉県: 3.6館3.6館青森県: 4.3館4.3館大阪府: 4.3館4.3館神奈川県: 5.5館5.5館愛知県: 5.8館5.8館埼玉県青森県大阪府神奈川県愛知県
下位5都道府県の人口100万人あたり博物館数
項目人口100万人あたり博物館数
埼玉県3.6館
青森県4.3館
大阪府4.3館
神奈川県5.5館
愛知県5.8館

人口100万人あたりの博物館数が多い上位5県です。

長野県は41.77館、富山県は37.11館、島根県は32.71館、福井県は29.77館、石川県は28.23館でした。
全国の10.54館に対して、長野県は4.0倍という水準です。

上位5県のうち3県は北陸です。
富山県、福井県、石川県がそろって上位に入りました。
残る2県は中部の内陸と山陰で、いずれも人口が少ない県です。
地方別の平均でも中部9県が23.45館と8地方のトップになっています。

6位以下も26.55館、25.91館、19.59館と続きます。
20館を超えたのは7県でした。

上位5県はいずれも人口が210万人を下回ります。
母数が小さい県では、施設が1館増えるだけで人口あたりの数値が大きく動きます。

長野県は実数でも2位に入っている

ここからは統計から離れて、1位の長野県について考えてみます。
以下は確かめられた事実ではなく、同じ統計の別の数字と突き合わせて立てた推測です。

人口あたりのランキングでは、たいてい人口の少ない県が上位に来ます。
実数では下位でも、割り算をすると上に出てくるからです。
ところが長野県は違いました。

長野県の博物館は実数で83館。
これは東京都の113館に次ぐ全国2位です。
人口は約210万人で全国16位ですから、実数でも上位、人口あたりでも1位という珍しい形になっています。

美術博物館だけを見ても、長野県は39館で東京都の45館に次ぐ2位でした。
全国の美術博物館457館のうち、8.5パーセントが長野県にあることになります。

なぜ長野県に多いのかは、この統計だけでは分かりません。
ただ、市町村の数が多く各地に施設が分散していること、観光地を抱える地域が多いことは関係していそうです。
長野県の市町村数は77で、北海道に次いで全国2位です。

比較として47位の埼玉県を見ると、実数は26館。
人口が約733万人なので、人口あたりでは3.55館まで下がります。
実数でも人口あたりでも下位という県もあります。

実数でも長野県は2位に入る

博物館数の上位5都道府県
博物館数の上位5都道府県 社会教育調査(博物館調査)と人口推計(令和3年度(2021年10月1日現在)) 020406080100東京都: 113館113館長野県: 83館83館北海道: 66館66館神奈川県: 51館51館千葉県: 44館44館東京都長野県北海道神奈川県千葉県
博物館数の上位5都道府県
項目博物館数
東京都113館
長野県83館
北海道66館
神奈川県51館
千葉県44館

館の数そのままで並べると、1位は東京都の113館、2位は長野県の83館、3位は北海道の66館、4位は神奈川県の51館、5位は千葉県の44館でした。

人口あたりで1位だった長野県は、実数でも2位です。
人口あたりのランキングでは人口の少ない県が上位に来やすいのですが、長野県は実数でも上位という珍しい形になっています。

一方、実数1位の東京都は人口100万人あたりでは7.97館で36位でした。
同じ1,305館を数えても、割り算をすると景色が変わります。

人口あたりで博物館が少ない5都府県

人口100万人あたりの博物館数が少ない下位5都府県です。

埼玉県は3.55館、青森県は4.29館、大阪府は4.34館、神奈川県は5.53館、愛知県は5.76館でした。
長野県の41.77館と埼玉県の3.55館では11.77倍の差があります。

下位5都府県のうち4つは大都市を抱える地域です。
人口が多いぶん、1人あたりに直すと下がります。
ただし青森県は人口が約116万人で、実数が5館と少ないため下位に入りました。

実数で見ると、埼玉県は26館、大阪府は38館、神奈川県は51館です。
神奈川県は実数では全国4位ですが、人口あたりでは44位まで下がります。

地方別の平均でも関東7都県が8.57館で最も少なく、近畿7府県が11.58館と続きました。

下位でも100万人あたり3館から6館はあります。
まったくない地域ではなく、人の数に対して少ないという読み方になります。

地方別に見る博物館の多さ

地方別の平均(人口100万人あたり博物館数)
地方別の平均(人口100万人あたり博物館数) 社会教育調査(博物館調査)と人口推計(令和3年度(2021年10月1日現在)) 05101520北海道: 13.1館13.1館東北: 11.0館11.0館関東: 8.6館8.6館中部: 23.5館23.5館近畿: 11.6館11.6館中国: 18.7館18.7館四国: 19.5館19.5館九州: 11.8館11.8館北海道東北関東中部近畿中国四国九州
地方別の平均(人口100万人あたり博物館数)
項目人口100万人あたり博物館数の平均
北海道13.1館
東北11.0館
関東8.6館
中部23.5館
近畿11.6館
中国18.7館
四国19.5館
九州11.8館

地方別に平均を出すと、中部の高さが目立ちます。

最も多いのは中部9県の23.45館です。
次いで四国4県が19.48館、中国5県が18.74館、北海道が13.09館、九州8県が11.77館と続きます。

少ないほうを見ると、近畿7府県が11.58館、東北6県が10.96館、関東7都県が8.57館でした。
最も多い中部と最も少ない関東では2.7倍の差があります。

中部が突出しているのは、北陸3県と長野県、山梨県がそろって上位に入っているためです。
同じ地方のなかでもばらつきはありますが、内陸と日本海側に博物館が多いという傾向は読み取れます。

このグラフについての豆知識

美術博物館は457館

社会教育調査では、博物館を総合・科学・歴史・美術・野外・動物園・植物園・動物水族館の種類別に集計しています。
全国1,305館の内訳は、歴史博物館が476館で最も多く、美術博物館が457館、総合博物館が157館、科学博物館が100館と続きます。

美術博物館の実数で最も多いのは東京都の45館、次いで長野県の39館です。
3位は北海道と愛知県の18館でした。

種類によって分布は変わります。
歴史博物館は各地の城下町に、美術博物館は都市部と観光地に多いという傾向がありますが、この統計だけでは確かめられません。

博物館類似施設は含まない

社会教育調査では、博物館法に基づく登録博物館・博物館相当施設と、それ以外の博物館類似施設を分けて集計しています。
この記事の1,305館は前者だけです。

博物館類似施設まで含めると全国で4,000館を超えます。
郷土資料館や記念館の多くは類似施設に分類されるため、「その県で見学できる施設の数」とはかなりずれます。

他の資料と数字を見比べるときは、類似施設を含むかどうかを確かめてください。
調査は3年ごとに行われ、令和3年度が直近です。

順位の並びがにている記事

この人口あたりで見る博物館の数の並びに近い記事を、全記事の順位から機械で洗い出しました。

並びが最も重なったのは【美術館の数】を人口あたりで比べると、都道府県によって20倍以上の差で、相関は0.83です。
最も食い違ったのは【診療所の透析装置】全国2,091台、通いやすさを支える(順位相関-0.76)でした。

順位が近いことと、原因がつながっていることは別の話です。
それでも、見くらべると気づくことがあります。

地方のなかで見た人口100万人あたり博物館数

地方最も多い(館)最も少ない(館)
東北岩手県 18.34青森県 4.29
関東群馬県 13.76埼玉県 3.55
中部長野県 41.77愛知県 5.76
近畿奈良県 17.12大阪府 4.34
中国島根県 32.71広島県 11.05
四国高知県 25.91徳島県 16.06
九州佐賀県 16.5福岡県 5.89
社会教育調査(博物館調査)と人口推計(令和3年度(2021年10月1日現在)、文部科学省/総務省統計局)をもとに作成

まとめ

47都道府県の人口100万人あたりの博物館数を比べると、長野県は41.77館、埼玉県は3.55館で、その差は11.77倍でした。
全国では100万人あたり10.54館、博物館の合計は1,305館です。
地方別では中部が23.45館と最も多く、関東が8.57館で最も少ない結果になりました。

人口あたりで見る博物館の数の数字には、但し書きが3つつきます。
1つ目は、博物館類似施設が含まれないことです。
2つ目は、人口あたりの計算に2024年10月1日現在の人口推計を使っていることです。
3つ目は時点で、令和3年度(2021年10月1日現在)の調査です。

人口あたりのランキングは人口の少ない県が有利になりますが、1位の長野県は実数でも全国2位でした。
割り算をしなくても上位という県は珍しい例です。

博物館は、その土地の歴史や自然を残す施設です。
表で自分の県に何館あるか確かめてみてください。

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出典

  • 統計名: 社会教育調査(博物館調査)と人口推計
  • 調査年: 令和3年度(2021年10月1日現在)
  • 公開元: 文部科学省/総務省統計局
  • 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040038498
  • 備考: 博物館法に基づく登録博物館と博物館相当施設の合計。博物館類似施設は含まない。人口100万人あたりの数は2024年10月1日現在の人口推計で割って算出した

注記: 博物館法に基づく登録博物館と博物館相当施設の合計。
博物館類似施設は含まない。
人口100万人あたりの数は2024年10月1日現在の人口推計で割って算出した

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