この記事では、1人当たり県民所得を47都道府県で比べます。
使うのは総務省統計局の統計でみる都道府県のすがた2026で、2021年度の数字です。
全国は333万円。
最も高い都と最も低い県では2.55倍の差がありました。
個人の手取り収入とは意味が違う点に注意してください。
47都道府県の単純平均
2,995.9千円
1人当たり県民所得(2021年度)
最も多い 東京都
5,761千円
最も少ない 沖縄県
2,258千円
1人当たり県民所得が高い5都県
1人当たり県民所得が高い上位5都県です。
東京都は576.1万円、愛知県は359.7万円、茨城県は343.8万円、静岡県は331.4万円、栃木県は330.7万円でした。
東京都と最下位の沖縄県では2.55倍の差があります。
6位以下は富山県329.1万円、福井県326.3万円、山梨県324.3万円と続きます。
300万円を超えたのは20都府県でした。
東京都の576.1万円は2位の愛知県の1.60倍。
1位だけが大きく離れた形です。
数字を並べるところまでが統計の仕事で、ここから先は解釈になります。
1人当たり県民所得の分布について、ほかの指標と突き合わせて立てた推測を書きます。
事実として確かめたものではありません。
上位に製造業の県が並ぶので、ものづくりが所得を支えていると考えたくなります。
ところが数字はそう言っていません。
効いているのはもっと単純な構造かもしれません。
県民所得には雇用者報酬だけでなく企業所得も含まれます。
本社が集まる東京都に企業所得が積み上がり、それを都の人口で割るために突出した値になる。
576.1万円という数字は、都民一人ひとりの手取りではなく、そういう合計を割った結果です。
消費者物価地域差指数との相関係数はプラス0.36。
所得の高い都府県ほど物価も高い傾向はありますが、所得の差2.55倍に対して物価の差は1.08倍しかありません。
額面の差ほどには、暮らし向きの差は開いていないことになります。
地方別では関東7都県が357.1万円で1位、九州8県が260.4万円で最下位。
1.37倍の差でした。
1人当たり県民所得が低い5県
1人当たり県民所得が低い下位5県です。
沖縄県は225.8万円、宮崎県は240.9万円、鳥取県は250.7万円、奈良県は254.9万円、長崎県は257.1万円でした。
東京都の576.1万円とは2.55倍の差があります。
260万円を下回ったのは5県。
九州と山陰に集まっています。
全国の333万円は47都道府県の単純平均299.6万円を大きく上回ります。
東京都の突出が全国値を押し上げているためです。
地図で見る1人当たり県民所得
| 項目 | 1人当たり県民所得 |
|---|---|
| 北海道 | 2,811千円 |
| 青森県 | 2,858千円 |
| 岩手県 | 2,685千円 |
| 宮城県 | 2,865千円 |
| 秋田県 | 2,689千円 |
| 山形県 | 2,861千円 |
| 福島県 | 2,921千円 |
| 茨城県 | 3,438千円 |
| 栃木県 | 3,307千円 |
| 群馬県 | 3,187千円 |
| 埼玉県 | 3,049千円 |
| 千葉県 | 3,059千円 |
| 東京都 | 5,761千円 |
| 神奈川県 | 3,199千円 |
| 新潟県 | 2,919千円 |
| 富山県 | 3,291千円 |
| 石川県 | 2,963千円 |
| 福井県 | 3,263千円 |
| 山梨県 | 3,243千円 |
| 長野県 | 2,949千円 |
| 岐阜県 | 3,092千円 |
| 静岡県 | 3,314千円 |
| 愛知県 | 3,597千円 |
| 三重県 | 3,111千円 |
| 滋賀県 | 3,161千円 |
| 京都府 | 3,026千円 |
| 大阪府 | 3,051千円 |
| 兵庫県 | 2,997千円 |
| 奈良県 | 2,549千円 |
| 和歌山県 | 3,084千円 |
| 鳥取県 | 2,507千円 |
| 島根県 | 2,909千円 |
| 岡山県 | 2,743千円 |
| 広島県 | 3,179千円 |
| 山口県 | 2,960千円 |
| 徳島県 | 3,202千円 |
| 香川県 | 2,851千円 |
| 愛媛県 | 2,670千円 |
| 高知県 | 2,653千円 |
| 福岡県 | 2,733千円 |
| 佐賀県 | 2,744千円 |
| 長崎県 | 2,571千円 |
| 熊本県 | 2,746千円 |
| 大分県 | 2,769千円 |
| 宮崎県 | 2,409千円 |
| 鹿児島県 | 2,605千円 |
| 沖縄県 | 2,258千円 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは東京都と東海、北関東、北陸です。
淡いのは九州と山陰、沖縄県でした。
47都道府県の単純平均は299.6万円、中央値は294.9万円です。
全国値の333万円より低いのは、東京都の突出が単純平均では薄まるためです。
300万円を超えたのは20都府県、260万円を下回ったのは5県。
上位に東京都が大きく離れて立つ分布でした。
| 順位 | 都道府県 | 1人当たり県民所得(千円) | 地方 |
|---|---|---|---|
| 1 | 東京都 | 5761.0 | 関東 |
| 2 | 愛知県 | 3597.0 | 中部 |
| 3 | 茨城県 | 3438.0 | 関東 |
| 4 | 静岡県 | 3314.0 | 中部 |
| 5 | 栃木県 | 3307.0 | 関東 |
| 6 | 富山県 | 3291.0 | 中部 |
| 7 | 福井県 | 3263.0 | 中部 |
| 8 | 山梨県 | 3243.0 | 中部 |
| 9 | 徳島県 | 3202.0 | 四国 |
| 10 | 神奈川県 | 3199.0 | 関東 |
| 11 | 群馬県 | 3187.0 | 関東 |
| 12 | 広島県 | 3179.0 | 中国 |
| 13 | 滋賀県 | 3161.0 | 近畿 |
| 14 | 三重県 | 3111.0 | 近畿 |
| 15 | 岐阜県 | 3092.0 | 中部 |
| 16 | 和歌山県 | 3084.0 | 近畿 |
| 17 | 千葉県 | 3059.0 | 関東 |
| 18 | 大阪府 | 3051.0 | 近畿 |
| 19 | 埼玉県 | 3049.0 | 関東 |
| 20 | 京都府 | 3026.0 | 近畿 |
| 21 | 兵庫県 | 2997.0 | 近畿 |
| 22 | 石川県 | 2963.0 | 中部 |
| 23 | 山口県 | 2960.0 | 中国 |
| 24 | 長野県 | 2949.0 | 中部 |
| 25 | 福島県 | 2921.0 | 東北 |
| 26 | 新潟県 | 2919.0 | 中部 |
| 27 | 島根県 | 2909.0 | 中国 |
| 28 | 宮城県 | 2865.0 | 東北 |
| 29 | 山形県 | 2861.0 | 東北 |
| 30 | 青森県 | 2858.0 | 東北 |
| 31 | 香川県 | 2851.0 | 四国 |
| 32 | 北海道 | 2811.0 | 北海道 |
| 33 | 大分県 | 2769.0 | 九州 |
| 34 | 熊本県 | 2746.0 | 九州 |
| 35 | 佐賀県 | 2744.0 | 九州 |
| 36 | 岡山県 | 2743.0 | 中国 |
| 37 | 福岡県 | 2733.0 | 九州 |
| 38 | 秋田県 | 2689.0 | 東北 |
| 39 | 岩手県 | 2685.0 | 東北 |
| 40 | 愛媛県 | 2670.0 | 四国 |
| 41 | 高知県 | 2653.0 | 四国 |
| 42 | 鹿児島県 | 2605.0 | 九州 |
| 43 | 長崎県 | 2571.0 | 九州 |
| 44 | 奈良県 | 2549.0 | 近畿 |
| 45 | 鳥取県 | 2507.0 | 中国 |
| 46 | 宮崎県 | 2409.0 | 九州 |
| 47 | 沖縄県 | 2258.0 | 九州 |
このグラフについての豆知識
県民所得は手取りではない
県民所得は、雇用者報酬・財産所得・企業所得の合計です。
会社が得た利益も含まれるため、個人の手取り収入とは意味が違います。
また税や社会保険料を引く前の値です。
「1人当たり」といっても、赤ちゃんから高齢者まで含めた総人口で割っています。
働いている人の平均年収とは別物です。
国民経済計算の県民経済計算から取られていて、公表までに時間がかかります。
この記事の数字は2021年度です。
平成27年基準
県民経済計算は基準年を定めて計算されます。
この記事の数字は平成27年基準のものです。
基準が変わると過去の値も遡って改定されるため、古い記事の数字とは直接比べられない場合があります。
年度をそろえて見てください。
数字は2021年度のものです。
順位の並びがにている記事
この1人当たり県民所得の並びに近い記事を、全記事の順位から機械で洗い出しました。
0.79という高い相関を示したのが【世帯所得1000万円以上】全国16.1%、首都圏に集中でした。
逆に、ほぼ裏返しの並びになったのが【医療・福祉で働く人の割合】全国13.5%、上位に西日本が並ぶ理由を高齢化率から考えます(相関-0.76)でした。
並びが似ていても、そこに関係があるとまでは言えません。
ただ、2つの地図をならべると読み方のヒントにはなります。
地方のなかで見た1人当たり県民所得
| 地方 | 最も多い(千円) | 最も少ない(千円) |
|---|---|---|
| 東北 | 福島県 2921.0 | 岩手県 2685.0 |
| 関東 | 東京都 5761.0 | 埼玉県 3049.0 |
| 中部 | 愛知県 3597.0 | 新潟県 2919.0 |
| 近畿 | 滋賀県 3161.0 | 奈良県 2549.0 |
| 中国 | 広島県 3179.0 | 鳥取県 2507.0 |
| 四国 | 徳島県 3202.0 | 高知県 2653.0 |
| 九州 | 大分県 2769.0 | 沖縄県 2258.0 |
まとめ
1人当たり県民所得を比べると、最も高い東京都は576.1万円、最も低い沖縄県は225.8万円で、その差は2.55倍でした。
全国は333万円です。
1人当たり県民所得の順位を見るときは、次の3点をあわせて見てください。
1つ目は、企業所得を含む合計を総人口で割った値で個人の手取りではないこと。
2つ目は税や社会保険料を引く前の額であること。
3つ目は2021年度の数字であることです。
所得の差2.55倍に対し、物価の差は1.08倍。
額面の差ほど暮らし向きの差は開いていません。
物価や製造業で働く人の割合を比べた記事とあわせて読んでみてください。
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- 【県民所得】全国417兆円、上位3都県で3分の1
- 【1か月の消費支出】平均26万1,003円、実収入の56%を使う
- 【所得2000万円以上の世帯】全国1.7%、偏りは7.6倍
出典
- 統計名: 統計でみる都道府県のすがた2026
- 調査年: 2021年度
- 公開元: 総務省統計局
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?tclass=000001214011
- 備考: 指標コードC01321(1人当たり県民所得(平成27年基準))の2021年度の値
注記: 指標コードC01321(1人当たり県民所得(平成27年基準))の2021年度の値
