ホテルや旅館、飲食店ではたらく人の割合です。
観光地をかかえる県で高くなりそうですが、都市部にも飲食店が集まるため、単純な観光の指標にはなりません。
なおこの調査は2020年のもので、人の動きが大きく制限された時期にあたります。
今回は47都道府県の宿泊・飲食就業者の割合を、令和2年の総務省統計局「国勢調査」のデータを使って比べました。
全国の就業者6,546万人のうち367万人で5.61%でした。
47都道府県の単純平均
5.5%
宿泊・飲食就業者の割合(令和2年(2020年10月1日現在))
最も多い 沖縄県
8.5%
最も少ない 茨城県
4.6%
地図で見る宿泊・飲食の割合
| 項目 | 宿泊・飲食就業者の割合 |
|---|---|
| 北海道 | 6.2% |
| 青森県 | 4.9% |
| 岩手県 | 5.1% |
| 宮城県 | 5.5% |
| 秋田県 | 4.8% |
| 山形県 | 5.0% |
| 福島県 | 5.1% |
| 茨城県 | 4.6% |
| 栃木県 | 5.5% |
| 群馬県 | 5.2% |
| 埼玉県 | 5.2% |
| 千葉県 | 5.6% |
| 東京都 | 5.8% |
| 神奈川県 | 5.6% |
| 新潟県 | 5.1% |
| 富山県 | 4.7% |
| 石川県 | 6.2% |
| 福井県 | 5.2% |
| 山梨県 | 6.7% |
| 長野県 | 6.1% |
| 岐阜県 | 5.4% |
| 静岡県 | 5.8% |
| 愛知県 | 5.4% |
| 三重県 | 5.4% |
| 滋賀県 | 5.2% |
| 京都府 | 7.2% |
| 大阪府 | 6.1% |
| 兵庫県 | 5.6% |
| 奈良県 | 5.5% |
| 和歌山県 | 5.7% |
| 鳥取県 | 5.4% |
| 島根県 | 5.1% |
| 岡山県 | 4.8% |
| 広島県 | 5.1% |
| 山口県 | 5.1% |
| 徳島県 | 4.9% |
| 香川県 | 5.2% |
| 愛媛県 | 5.1% |
| 高知県 | 5.9% |
| 福岡県 | 5.8% |
| 佐賀県 | 5.1% |
| 長崎県 | 5.9% |
| 熊本県 | 5.3% |
| 大分県 | 5.9% |
| 宮崎県 | 5.2% |
| 鹿児島県 | 5.8% |
| 沖縄県 | 8.5% |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは沖縄県と京都府、山梨県、石川県、北海道です。
淡いのは北関東と北陸の一部、山陽、東北の日本海側でした。
47都道府県の単純平均は5.51パーセント、中央値は5.37パーセントです。
全国値の5.61パーセントに近く、人口による偏りの小さい指標だということが分かります。
6パーセントを超えたのは7道府県、5パーセントを下回ったのは7県。
真ん中に多くの県が集まりました。
| 順位 | 都道府県 | 宿泊・飲食就業者の割合(%) | 地方 | 宿泊・飲食就業者数 | 生活関連サービス業就業者数 | 15歳以上就業者数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 沖縄県 | 8.49 | 九州 | 62082 | 29128 | 730954 |
| 2 | 京都府 | 7.17 | 近畿 | 92917 | 45143 | 1296738 |
| 3 | 山梨県 | 6.74 | 中部 | 28665 | 16669 | 425516 |
| 4 | 石川県 | 6.22 | 中部 | 37081 | 20910 | 596626 |
| 5 | 北海道 | 6.17 | 北海道 | 162718 | 95129 | 2636824 |
| 6 | 大阪府 | 6.09 | 近畿 | 273313 | 156394 | 4490257 |
| 7 | 長野県 | 6.07 | 中部 | 65946 | 36684 | 1086918 |
| 8 | 大分県 | 5.91 | 九州 | 32513 | 18913 | 550479 |
| 9 | 高知県 | 5.85 | 四国 | 20159 | 11705 | 344704 |
| 9 | 長崎県 | 5.85 | 九州 | 37915 | 22524 | 648138 |
| 11 | 東京都 | 5.82 | 関東 | 463597 | 292897 | 7970078 |
| 12 | 鹿児島県 | 5.78 | 九州 | 44456 | 27336 | 768983 |
| 13 | 静岡県 | 5.77 | 中部 | 111016 | 67438 | 1924210 |
| 14 | 福岡県 | 5.76 | 九州 | 146716 | 90608 | 2546552 |
| 15 | 和歌山県 | 5.66 | 近畿 | 26212 | 15384 | 463096 |
| 16 | 神奈川県 | 5.61 | 関東 | 274535 | 172352 | 4895351 |
| 16 | 兵庫県 | 5.61 | 近畿 | 149957 | 94900 | 2673625 |
| 18 | 千葉県 | 5.58 | 関東 | 183128 | 136228 | 3284654 |
| 19 | 宮城県 | 5.46 | 東北 | 64518 | 40084 | 1181118 |
| 19 | 栃木県 | 5.46 | 関東 | 55176 | 38084 | 1010609 |
| 19 | 奈良県 | 5.46 | 近畿 | 34503 | 22293 | 631506 |
| 22 | 岐阜県 | 5.44 | 中部 | 56099 | 37793 | 1031928 |
| 23 | 三重県 | 5.42 | 近畿 | 49826 | 32601 | 919390 |
| 24 | 愛知県 | 5.37 | 中部 | 215527 | 128712 | 4012428 |
| 25 | 鳥取県 | 5.35 | 中国 | 15316 | 9252 | 286412 |
| 26 | 熊本県 | 5.33 | 九州 | 46637 | 31216 | 874582 |
| 27 | 埼玉県 | 5.24 | 関東 | 200936 | 139064 | 3831603 |
| 28 | 滋賀県 | 5.23 | 近畿 | 38297 | 24277 | 732254 |
| 29 | 群馬県 | 5.22 | 関東 | 52596 | 36015 | 1007967 |
| 30 | 福井県 | 5.19 | 中部 | 21538 | 13348 | 415138 |
| 31 | 宮崎県 | 5.18 | 九州 | 27650 | 18585 | 533427 |
| 31 | 香川県 | 5.18 | 四国 | 24746 | 15497 | 477620 |
| 33 | 広島県 | 5.14 | 中国 | 73583 | 46813 | 1431008 |
| 33 | 佐賀県 | 5.14 | 九州 | 21423 | 14505 | 417178 |
| 35 | 福島県 | 5.13 | 東北 | 48370 | 32195 | 942997 |
| 36 | 山口県 | 5.12 | 中国 | 33698 | 22285 | 658062 |
| 37 | 新潟県 | 5.1 | 中部 | 57963 | 40323 | 1136258 |
| 37 | 島根県 | 5.1 | 中国 | 17746 | 10895 | 348142 |
| 39 | 愛媛県 | 5.08 | 四国 | 33220 | 21820 | 654362 |
| 40 | 岩手県 | 5.07 | 東北 | 31798 | 20664 | 626728 |
| 41 | 山形県 | 4.96 | 東北 | 27896 | 18602 | 562460 |
| 42 | 青森県 | 4.87 | 東北 | 30387 | 22171 | 624097 |
| 42 | 徳島県 | 4.87 | 四国 | 16739 | 10613 | 344033 |
| 44 | 秋田県 | 4.81 | 東北 | 23193 | 17607 | 482536 |
| 45 | 岡山県 | 4.78 | 中国 | 44662 | 29402 | 934872 |
| 46 | 富山県 | 4.73 | 中部 | 25881 | 18250 | 547577 |
| 47 | 茨城県 | 4.57 | 関東 | 67582 | 54891 | 1478441 |
宿泊・飲食で働く人の割合が高い5道府県
宿泊・飲食で働く人の割合が高い上位5道府県です。
沖縄県は8.49パーセント、京都府は7.17パーセント、山梨県は6.74パーセント、石川県は6.22パーセント、北海道は6.17パーセントでした。
沖縄県と最下位の茨城県では1.86倍の差があります。
6位以下は大阪府6.09パーセント、長野県6.07パーセント、大分県5.91パーセントと続きます。
実数では東京都の46.4万人が1位、神奈川県27.5万人、大阪府27.3万人、愛知県21.6万人、埼玉県20.1万人。
人口の多い都府県が並びました。
泊まる人の多さより、県の規模の小ささが効いている
この分布の背景を、ここから考えてみます。
宿泊業・飲食サービス業で働く人の割合の統計が答えを持っているわけではないので、以下はほかの数字と照らして立てた推測です。
上位に並ぶ顔ぶれは観光地として知られる県ばかりです。
ただ、延べ宿泊者数の順位とはあまり重なりません。
延べ宿泊者数を比べた記事では、1位が東京都、2位が大阪府、3位が北海道、4位が千葉県、5位が神奈川県でした。
この記事では東京都が11位、大阪府が6位、千葉県は18位、神奈川県は16位。
相関係数はプラス0.42にとどまります。
泊まる人がいちばん多い場所と、宿泊・飲食で働く人の割合がいちばん高い場所は別だということになります。
分かれ目は、その県にほかの仕事がどれだけあるかでしょう。
東京都には宿泊・飲食で働く人が46.4万人いますが、就業者総数797万人に対しては5.82パーセントにしかなりません。
沖縄県は6.2万人ですが、就業者総数が73.1万人と少ないため8.49パーセントになります。
山梨県が3位に入るのも同じ構図です。
富士五湖と富士山周辺、それに温泉地を抱えながら、県の就業者は42.5万人と少ない。
分母の小ささが割合を押し上げています。
京都府の7.17パーセントは、この見方だけでは説明しきれません。
京都府の就業者は129.7万人と少なくない規模です。
それでも2位に入るということは、宿泊・飲食そのものの厚みがあると読めます。
下位に並ぶ茨城県4.57パーセント、富山県4.73パーセント、岡山県4.78パーセントは、いずれも製造業の割合が高い県でした。
宿泊・飲食で働く人の割合が低い5県
宿泊・飲食で働く人の割合が低い下位5県です。
茨城県は4.57パーセント、富山県は4.73パーセント、岡山県は4.78パーセント、秋田県は4.81パーセント、青森県と徳島県が4.87パーセントでした。
沖縄県の8.49パーセントとは1.86倍の差があります。
下位に並んだ県には、観光地が少ないというより「泊まらずに帰れる県」という共通点がありそうです。
茨城県や岡山県は大都市に近く、日帰りで訪れる人が多いと考えられます。
5パーセントを下回ったのは7県。
東北・北関東・北陸・中国・四国に散らばっています。
倍率1.86倍は、この記事で扱う産業のなかでは小さいほうです。
第1次産業の32.23倍、製造業の5.56倍と比べると、県による差はかなり穏やかでした。
このグラフについての豆知識
宿泊業と飲食サービス業は分けられていない
日本標準産業分類の大分類Mは「宿泊業,飲食サービス業」で、ホテル・旅館と飲食店・喫茶店が一つにまとめられています。
この統計では分けて数えることができません。
全国367万人のうち、多数を占めるのは飲食店で働く人です。
宿泊業だけを見たい場合は、経済センサスなど別の統計を使う必要があります。
観光地の県で割合が高くなるのは、宿泊業と、その周りの飲食店の両方が効いていると考えられます。
令和2年という調査時期
令和2年国勢調査は2020年10月1日現在の状況を調べたものです。
新型コロナウイルスの影響で観光需要が大きく落ち込んでいた時期にあたります。
国勢調査では、休業中でも仕事を持っている人は就業者として数えられます。
そのため一時的な休業の影響は限定的と考えられますが、廃業や離職が起きた分は数字に反映されている可能性があります。
数字は令和2年、2020年10月1日現在のものです。
順位の並びがにている記事
宿泊業・飲食サービス業で働く人の割合の順位を、当サイトの全記事の並びと突き合わせてみました。
いちばん近かったのは【簡易宿所の数】全国41,909施設、人口とはほぼ無関係に並びますで、順位相関は0.73でした。
逆に、ほぼ裏返しの並びになったのが【園芸用品への支出】ガーデニングをする人が多い県ほど多いのか、車との関係も見ます(相関-0.59)でした。
相関は因果ではないので、関係があると決めつけることはできません。
見くらべる手がかりとして使ってください。
地方のなかで見た宿泊・飲食就業者の割合
| 地方 | 最も多い(%) | 最も少ない(%) |
|---|---|---|
| 東北 | 宮城県 5.46 | 秋田県 4.81 |
| 関東 | 東京都 5.82 | 茨城県 4.57 |
| 中部 | 山梨県 6.74 | 富山県 4.73 |
| 近畿 | 京都府 7.17 | 滋賀県 5.23 |
| 中国 | 鳥取県 5.35 | 岡山県 4.78 |
| 四国 | 高知県 5.85 | 徳島県 4.87 |
| 九州 | 沖縄県 8.49 | 佐賀県 5.14 |
まとめ
宿泊・飲食で働く人の割合を比べると、最も高い沖縄県は8.49パーセント、最も低い茨城県は4.57パーセントで、その差は1.86倍でした。
全国では就業者6,546万人のうち5.61パーセントです。
宿泊業・飲食サービス業で働く人の割合をどう数えているかについて、3つ補っておきます。
1つ目は、宿泊業と飲食店が一つの区分にまとめられていること。
2つ目は、コロナ禍のさなかの2020年10月時点であること。
3つ目は住んでいる場所で数えていることです。
延べ宿泊者数との相関係数はプラス0.42。
宿泊者数1位の東京都はこの記事では11位、4位の千葉県は18位でした。
効いているのは泊まる人の多さより、県の就業者総数という分母の小ささです。
延べ宿泊者数や宿泊施設の数を比べた記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 国勢調査(人口等基本集計)
- 調査年: 令和2年(2020年10月1日現在)
- 公開元: 総務省統計局
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000032143614
- 備考: 就業者数に占める割合。分母は15歳以上就業者数で、産業分類は日本標準産業分類による。分類不能の産業を含むため、産業別の割合を足しても100%にはならない。宿泊業,飲食サービス業は日本標準産業分類の大分類Mで、ホテル・旅館と飲食店を含む
注記: 就業者数に占める割合。
分母は15歳以上就業者数で、産業分類は日本標準産業分類による。
分類不能の産業を含むため、産業別の割合を足しても100%にはならない。
宿泊業,飲食サービス業は日本標準産業分類の大分類Mで、ホテル・旅館と飲食店を含む
