この記事では、トレーニング場の数を人口10万人あたりに直して47都道府県で比べます。
使うのは文部科学省の社会教育調査で、令和6年10月1日現在の体育施設調査です。
47都道府県を合計すると9,776か所。
体育施設のなかで、大都市が人口あたりでも上位に入る珍しい種類でした。
47都道府県の単純平均
7.7か所
人口10万人あたりトレーニング場数(令和6年度(2024年10月1日現在))
最も多い 富山県
12.5か所
最も少ない 島根県
4.8か所
人口あたりのトレーニング場が多い5都県
人口10万人あたりのトレーニング場が多い上位5都県です。
富山県は12.54か所、鳥取県は10.92か所、東京都は10.43か所、福井県は10.15か所、沖縄県は10.03か所でした。
富山県と最下位の島根県では2.60倍の差があります。
6位以下は兵庫県9.72か所、山口県9.60か所、岐阜県9.45か所と続きます。
実数では東京都の1,479か所が1位、大阪府724か所、神奈川県644か所、愛知県543か所、兵庫県519か所。
人口との相関係数はプラス0.97で、実数はほぼ人口どおりに並びます。
民間が8割を占める、数少ない体育施設
この分布の背景を、ここから考えてみます。
人口あたりで見るトレーニング場の統計が答えを持っているわけではないので、以下はほかの数字と照らして立てた推測です。
東京都が人口10万人あたりで3位に入りました。
ほかの体育施設ではまず起きないことです。
同じ調査の別の施設で東京都の順位を見ると、体育館は47位、ゴルフ場も47位、テニスコートは45位、プールは41位、野球場は33位。
ほとんどの施設で下位に沈みます。
ところがトレーニング場だけは3位で、10.43か所と平均7.73か所を大きく上回りました。
分かれ目は誰が作るかにありそうです。
トレーニング場は公共が1,760か所に対し民間が8,016か所。
民間が82.0パーセントを占めます。
体育館の公共88.3パーセント、野球場の公共94.5パーセントとはまったく逆の構成です。
民間のフィットネスクラブは需要のあるところに出店します。
人口が多く、通勤で人が集まる場所ほど採算が合う。
だから人口で割っても数字が落ちにくいということになります。
地方別に見てもこの傾向が出ます。
近畿7府県が8.51か所で1位、関東7都県が8.18か所で2位。
ほかの施設では下位に沈む2つの地方が、トレーニング場では上位に来ました。
逆に北海道は5.37か所で最下位です。
もうひとつ目を引くのは、富山県が1位で東京都を上回っている点です。
富山県のトレーニング場は125か所、人口は99.7万人。
北陸3県では福井県も4位に入っており、雪で屋外の運動がしにくい地域で屋内施設が発達したという読み方もできそうです。
人口あたりのトレーニング場が少ない5県
人口10万人あたりのトレーニング場が少ない下位5県です。
島根県は4.83か所、徳島県は4.96か所、鹿児島県は5.09か所、北海道は5.37か所、和歌山県は5.45か所でした。
富山県の12.54か所とは2.60倍の差があります。
北海道が下位に入るのは、この記事の特徴です。
体育施設全体では人口10万人あたり90.90か所で地方別1位の北海道が、トレーニング場だけは最下位に近い水準でした。
実数で少ないのは島根県31か所、徳島県34か所、和歌山県48か所、高知県49か所、秋田県56か所でした。
島根県は実数31か所、人口64.2万人。
1つの施設が2万人をカバーしている計算になります。
地図で見るトレーニング場の多さ
| 項目 | 人口10万人あたりトレーニング場数 |
|---|---|
| 北海道 | 5.4か所 |
| 青森県 | 7.2か所 |
| 岩手県 | 6.6か所 |
| 宮城県 | 7.1か所 |
| 秋田県 | 6.2か所 |
| 山形県 | 7.4か所 |
| 福島県 | 6.5か所 |
| 茨城県 | 7.9か所 |
| 栃木県 | 8.0か所 |
| 群馬県 | 7.5か所 |
| 埼玉県 | 7.1か所 |
| 千葉県 | 6.5か所 |
| 東京都 | 10.4か所 |
| 神奈川県 | 7.0か所 |
| 新潟県 | 6.7か所 |
| 富山県 | 12.5か所 |
| 石川県 | 7.7か所 |
| 福井県 | 10.2か所 |
| 山梨県 | 8.2か所 |
| 長野県 | 8.6か所 |
| 岐阜県 | 9.5か所 |
| 静岡県 | 8.1か所 |
| 愛知県 | 7.3か所 |
| 三重県 | 9.2か所 |
| 滋賀県 | 8.8か所 |
| 京都府 | 7.7か所 |
| 大阪府 | 8.3か所 |
| 兵庫県 | 9.7か所 |
| 奈良県 | 7.6か所 |
| 和歌山県 | 5.5か所 |
| 鳥取県 | 10.9か所 |
| 島根県 | 4.8か所 |
| 岡山県 | 8.4か所 |
| 広島県 | 6.2か所 |
| 山口県 | 9.6か所 |
| 徳島県 | 5.0か所 |
| 香川県 | 7.2か所 |
| 愛媛県 | 6.9か所 |
| 高知県 | 7.5か所 |
| 福岡県 | 8.4か所 |
| 佐賀県 | 8.8か所 |
| 長崎県 | 7.4か所 |
| 熊本県 | 6.1か所 |
| 大分県 | 6.2か所 |
| 宮崎県 | 8.4か所 |
| 鹿児島県 | 5.1か所 |
| 沖縄県 | 10.0か所 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは北陸と東京都、兵庫県、山口県、沖縄県です。
淡いのは北海道と南九州、四国の一部でした。
47都道府県の単純平均は7.73か所、中央値は7.47か所です。
平均と中央値がほぼ同じで、極端な外れ値の少ない分布になっています。
10か所を超えたのは5都県、6か所を下回ったのは5道県。
多くの県が7か所前後に集まりました。
| 順位 | 都道府県 | 人口10万人あたりトレーニング場数(か所) | 地方 | トレーニング場の数 | 公共 | 民間 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 富山県 | 12.54 | 中部 | 125 | 35 | 90 |
| 2 | 鳥取県 | 10.92 | 中国 | 58 | 15 | 43 |
| 3 | 東京都 | 10.43 | 関東 | 1479 | 120 | 1359 |
| 4 | 福井県 | 10.15 | 中部 | 75 | 14 | 61 |
| 5 | 沖縄県 | 10.03 | 九州 | 147 | 32 | 115 |
| 6 | 兵庫県 | 9.72 | 近畿 | 519 | 66 | 453 |
| 7 | 山口県 | 9.6 | 中国 | 123 | 24 | 99 |
| 8 | 岐阜県 | 9.45 | 中部 | 181 | 47 | 134 |
| 9 | 三重県 | 9.23 | 近畿 | 158 | 29 | 129 |
| 10 | 滋賀県 | 8.84 | 近畿 | 124 | 19 | 105 |
| 11 | 佐賀県 | 8.76 | 九州 | 69 | 12 | 57 |
| 12 | 長野県 | 8.56 | 中部 | 170 | 37 | 133 |
| 13 | 福岡県 | 8.44 | 九州 | 430 | 54 | 376 |
| 14 | 宮崎県 | 8.42 | 九州 | 87 | 14 | 73 |
| 15 | 岡山県 | 8.36 | 中国 | 153 | 29 | 124 |
| 16 | 大阪府 | 8.27 | 近畿 | 724 | 83 | 641 |
| 17 | 山梨県 | 8.22 | 中部 | 65 | 21 | 44 |
| 18 | 静岡県 | 8.11 | 中部 | 286 | 57 | 229 |
| 19 | 栃木県 | 8.01 | 関東 | 151 | 33 | 118 |
| 20 | 茨城県 | 7.91 | 関東 | 222 | 43 | 179 |
| 21 | 石川県 | 7.74 | 中部 | 85 | 25 | 60 |
| 22 | 京都府 | 7.66 | 近畿 | 193 | 23 | 170 |
| 23 | 奈良県 | 7.55 | 近畿 | 97 | 27 | 70 |
| 24 | 高知県 | 7.47 | 四国 | 49 | 12 | 37 |
| 25 | 群馬県 | 7.46 | 関東 | 141 | 28 | 113 |
| 26 | 長崎県 | 7.43 | 九州 | 93 | 26 | 67 |
| 27 | 山形県 | 7.42 | 東北 | 75 | 19 | 56 |
| 28 | 愛知県 | 7.28 | 中部 | 543 | 92 | 451 |
| 29 | 青森県 | 7.21 | 東北 | 84 | 32 | 52 |
| 30 | 香川県 | 7.2 | 四国 | 66 | 26 | 40 |
| 31 | 宮城県 | 7.07 | 東北 | 159 | 42 | 117 |
| 32 | 埼玉県 | 7.06 | 関東 | 518 | 74 | 444 |
| 33 | 神奈川県 | 6.98 | 関東 | 644 | 75 | 569 |
| 34 | 愛媛県 | 6.9 | 四国 | 88 | 29 | 59 |
| 35 | 新潟県 | 6.72 | 中部 | 141 | 58 | 83 |
| 36 | 岩手県 | 6.64 | 東北 | 76 | 24 | 52 |
| 37 | 千葉県 | 6.54 | 関東 | 409 | 60 | 349 |
| 37 | 福島県 | 6.54 | 東北 | 114 | 32 | 82 |
| 39 | 秋田県 | 6.24 | 東北 | 56 | 26 | 30 |
| 40 | 大分県 | 6.18 | 九州 | 67 | 21 | 46 |
| 41 | 広島県 | 6.15 | 中国 | 167 | 33 | 134 |
| 42 | 熊本県 | 6.07 | 九州 | 103 | 29 | 74 |
| 43 | 和歌山県 | 5.45 | 近畿 | 48 | 13 | 35 |
| 44 | 北海道 | 5.37 | 北海道 | 271 | 103 | 168 |
| 45 | 鹿児島県 | 5.09 | 九州 | 78 | 22 | 56 |
| 46 | 徳島県 | 4.96 | 四国 | 34 | 9 | 25 |
| 47 | 島根県 | 4.83 | 中国 | 31 | 16 | 15 |
このグラフについての豆知識
民間が8割を占める
トレーニング場は公共1,760か所に対し民間8,016か所で、民間が82.0パーセントを占めます。
体育施設全体では民間の比率が41.2パーセントですから、かなり偏った構成です。
民間のフィットネスクラブや24時間営業のジムが、この数字の大半を作っていると考えられます。
公共の側は、体育館や公民館に併設されたトレーニングルームが中心です。
民間体育施設の部分は標本調査のため、全国値9,774か所と47都道府県の合計9,776か所には2か所の差があります。
「トレーニング場」の範囲
体育施設調査でいうトレーニング場は、ウエイトトレーニングなどの器具を備えた施設を指します。
ヨガスタジオやダンススタジオは別区分です。
ダンス場(ダンススタジオ)は47都道府県で1,274か所あり、こちらも民間が中心でした。
数字は令和6年度、2024年10月1日現在のものです。
地方のなかで見た人口10万人あたりトレーニング場数
| 地方 | 最も多い(か所) | 最も少ない(か所) |
|---|---|---|
| 東北 | 山形県 7.42 | 秋田県 6.24 |
| 関東 | 東京都 10.43 | 千葉県 6.54 |
| 中部 | 富山県 12.54 | 新潟県 6.72 |
| 近畿 | 兵庫県 9.72 | 和歌山県 5.45 |
| 中国 | 鳥取県 10.92 | 島根県 4.83 |
| 四国 | 高知県 7.47 | 徳島県 4.96 |
| 九州 | 沖縄県 10.03 | 鹿児島県 5.09 |
まとめ
人口10万人あたりのトレーニング場の数を比べると、最も多い富山県は12.54か所、最も少ない島根県は4.83か所で、その差は2.60倍でした。
47都道府県の合計は9,776か所です。
この人口あたりで見るトレーニング場の数字には、読み違えやすい点が3つあります。
1つ目は、ダンススタジオなどは別区分であること。
2つ目は、民間分が標本調査のため全国値と合計が一致しないこと。
3つ目は令和6年10月1日現在の数字であることです。
東京都は人口10万人あたり10.43か所で3位。
体育館47位、ゴルフ場47位、テニスコート45位、プール41位と下位に沈む東京都が、トレーニング場だけは上位に入りました。
民間が82.0パーセントを占めることが、この違いを作っています。
体育施設全体やゴルフ場の数を比べた記事とあわせて読んでみてください。
関連記事
- 【体育施設の数】全国7万6千か所、人口10万人あたり最多と最少では3.2倍の差
- 【ゴルフ場の数】全国4,020か所、人口あたりで見ると大都市圏は軒並み下位でした
- 【プールの数】全国6,386か所、屋内と屋外では上位の顔ぶれが入れ替わります
- 【民間のスポーツ施設】全国2万9,818施設、人口あたり1位は岐阜県
- 【民間のトレーニング場】全国1,606か所、開きは53.3倍
出典
- 統計名: 社会教育調査(体育施設調査)
- 調査年: 令和6年度(2024年10月1日現在)
- 公開元: 文部科学省
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00400004&tstat=000001017254&cycle=0&tclass1=000001242203
- 備考: 公共の社会体育施設(第197表)と民間体育施設(第214表)の合計。人口10万人あたりの値は2024年10月1日現在の人口推計で割って算出した。トレーニング場は民間のフィットネスクラブや公共施設のトレーニングルームを含む
注記: 公共の社会体育施設(第197表)と民間体育施設(第214表)の合計。
人口10万人あたりの値は2024年10月1日現在の人口推計で割って算出した。
トレーニング場は民間のフィットネスクラブや公共施設のトレーニングルームを含む
