道路と鉄道が平面で交差する箇所、いわゆる踏切の数は、都道府県でどれほど違うのでしょうか。
この記事では、47都道府県の数字を比べます。
使うのは国土交通省の道路統計年報で、令和6年3月31日現在の数字です。
全国では28,841か所。
同じ交差でも立体交差は27,383か所あり、両方を合わせると56,224か所になります。
47都道府県の単純平均
614箇所
踏切の数(令和6年(2024年3月31日現在))
最も多い 北海道
1,359箇所
最も少ない 沖縄県
0箇所
踏切が多い5道県
踏切が多い上位5道県です。
北海道は1,359か所、福岡県は1,310か所、三重県は1,152か所、千葉県は1,132か所、愛知県は1,130か所でした。
1,000か所を超えたのは8道県です。
6位以下は埼玉県、大阪府、兵庫県と続きます。
上位5道県で全国の21.1パーセントを占めました。
2位に福岡県、3位に三重県が入るのが目を引きます。
人口や面積で上位の都道府県ではありませんが、鉄道網が県内に広く張られている地域です。
踏切をなくしてきた県と、残っている県
なぜこういう並びになるのか、ここからは考えてみます。
以下は道路と鉄道が平面で交差する箇所の数の統計から直接読み取れることではなく、別の数字と照らして立てた推測です。
道路統計年報では、鉄道との交差箇所を平面交差と立体交差に分けて数えています。
この2つの比率を見ると、県ごとの性格が出ます。
交差箇所のうち立体交差が占める割合で並べると、1位は大阪府の66.1パーセント、2位が東京都64.9パーセント、3位が滋賀県64.7パーセント、4位が愛知県64.2パーセント。
逆に低いのは香川県23.7パーセント、愛媛県28.1パーセント、石川県29.8パーセントでした。
大阪府や東京都では、鉄道と道路が交わる場所の3分の2がすでに立体化されていることになります。
連続立体交差事業は費用も時間もかかる工事です。
交通量が多く、渋滞や事故の損失が大きい都市部から進められてきた結果が、この比率に表れていると考えられます。
それでも東京都には956か所、大阪府には733か所の踏切が残っています。
立体化が進んだ都府でも、数としては決して少なくありません。
踏切の数と鉄道を使う人の割合の相関係数はプラス0.51、人口とはプラス0.61。
鉄道が生活の足になっている地域ほど踏切も多いという、素直な関係が出ています。
最下位の沖縄県は0か所でした。
県内の鉄道は沖縄都市モノレールだけで、全線が高架のため道路と平面で交わる場所がありません。
46位の高知県164か所、45位の山梨県231か所と比べても、まったく別の状態にあります。
踏切が少ない5県
踏切が少ない下位5県です。
沖縄県は0か所、高知県は164か所、山梨県は231か所、石川県は268か所、佐賀県は294か所でした。
北海道の1,359か所とは大きな開きがあります。
沖縄県の0か所は、47都道府県で唯一です。
県内を走る沖縄都市モノレールは全線が高架で、道路と平面で交わりません。
踏切のない県だということになります。
300か所を下回ったのは沖縄県、高知県、山梨県、石川県、佐賀県の5県でした。
いずれも鉄道路線がそれほど密でない県です。
ただ石川県は立体交差の割合が29.8パーセントで下から3番目。
踏切そのものは少ないものの、残っている交差点のうち立体化されている割合は低いという形になっています。
地方別に見る踏切の数
地方別に平均を出すと、北海道と関東が上位に来ます。
最も多いのは北海道の1,359か所です。
県の集まりで見ると、関東7都県が平均839か所で最も多く、近畿7府県が705か所、中部9県が639か所と続きます。
少ないほうは中国5県が580か所、東北6県が492か所、九州8県が432か所、四国4県が403か所でした。
関東と四国では2.08倍の差があります。
九州8県が432か所と少ないのは、沖縄県の0か所が平均を下げているためです。
沖縄県を除く九州7県で計算すると494か所になり、東北とほぼ同じ水準になります。
地図で見る踏切の数
| 項目 | 踏切の数 |
|---|---|
| 北海道 | 1,359箇所 |
| 青森県 | 434箇所 |
| 岩手県 | 481箇所 |
| 宮城県 | 423箇所 |
| 秋田県 | 512箇所 |
| 山形県 | 385箇所 |
| 福島県 | 717箇所 |
| 茨城県 | 661箇所 |
| 栃木県 | 609箇所 |
| 群馬県 | 676箇所 |
| 埼玉県 | 1,110箇所 |
| 千葉県 | 1,132箇所 |
| 東京都 | 956箇所 |
| 神奈川県 | 730箇所 |
| 新潟県 | 791箇所 |
| 富山県 | 450箇所 |
| 石川県 | 268箇所 |
| 福井県 | 314箇所 |
| 山梨県 | 231箇所 |
| 長野県 | 1,008箇所 |
| 岐阜県 | 865箇所 |
| 静岡県 | 696箇所 |
| 愛知県 | 1,130箇所 |
| 三重県 | 1,152箇所 |
| 滋賀県 | 364箇所 |
| 京都府 | 634箇所 |
| 大阪府 | 733箇所 |
| 兵庫県 | 1,064箇所 |
| 奈良県 | 536箇所 |
| 和歌山県 | 455箇所 |
| 鳥取県 | 310箇所 |
| 島根県 | 424箇所 |
| 岡山県 | 729箇所 |
| 広島県 | 753箇所 |
| 山口県 | 682箇所 |
| 徳島県 | 333箇所 |
| 香川県 | 509箇所 |
| 愛媛県 | 606箇所 |
| 高知県 | 164箇所 |
| 福岡県 | 1,310箇所 |
| 佐賀県 | 294箇所 |
| 長崎県 | 342箇所 |
| 熊本県 | 459箇所 |
| 大分県 | 356箇所 |
| 宮崎県 | 348箇所 |
| 鹿児島県 | 346箇所 |
| 沖縄県 | 0箇所 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは北海道と関東、東海、それに近畿と福岡県です。
淡いのは四国と東北の一部、沖縄県でした。
47都道府県の単純平均は613.6か所、中央値は536.0か所です。
平均が中央値より77.6か所多いのは、上位の道県が全体を引き上げているためです。
平均を超えたのは21都道府県。
1,000か所を超える道県が8つある一方、300か所を下回る県も5つあり、開きの大きい分布になっています。
| 順位 | 都道府県 | 踏切の数(箇所) | 地方 | 立体交差の数 | 立体交差の割合 | 道路実延長 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 北海道 | 1359 | 北海道 | 781 | 36.5 | 90742.5 |
| 2 | 福岡県 | 1310 | 九州 | 913 | 41.1 | 38062.4 |
| 3 | 三重県 | 1152 | 近畿 | 682 | 37.2 | 25628.2 |
| 4 | 千葉県 | 1132 | 関東 | 941 | 45.4 | 41272.3 |
| 5 | 愛知県 | 1130 | 中部 | 2029 | 64.2 | 50767.5 |
| 6 | 埼玉県 | 1110 | 関東 | 1077 | 49.2 | 47511.0 |
| 7 | 兵庫県 | 1064 | 近畿 | 1273 | 54.5 | 36921.0 |
| 8 | 長野県 | 1008 | 中部 | 616 | 37.9 | 48095.4 |
| 9 | 東京都 | 956 | 関東 | 1767 | 64.9 | 24458.5 |
| 10 | 岐阜県 | 865 | 中部 | 578 | 40.1 | 30946.9 |
| 11 | 新潟県 | 791 | 中部 | 1028 | 56.5 | 37778.2 |
| 12 | 広島県 | 753 | 中国 | 730 | 49.2 | 29374.4 |
| 13 | 大阪府 | 733 | 近畿 | 1427 | 66.1 | 19986.1 |
| 14 | 神奈川県 | 730 | 関東 | 1148 | 61.1 | 25950.9 |
| 15 | 岡山県 | 729 | 中国 | 954 | 56.7 | 32546.7 |
| 16 | 福島県 | 717 | 東北 | 733 | 50.6 | 39579.0 |
| 17 | 静岡県 | 696 | 中部 | 1167 | 62.6 | 37203.4 |
| 18 | 山口県 | 682 | 中国 | 682 | 50.0 | 16835.0 |
| 19 | 群馬県 | 676 | 関東 | 585 | 46.4 | 34994.2 |
| 20 | 茨城県 | 661 | 関東 | 453 | 40.7 | 55655.0 |
| 21 | 京都府 | 634 | 近畿 | 537 | 45.9 | 15784.9 |
| 22 | 栃木県 | 609 | 関東 | 458 | 42.9 | 25164.8 |
| 23 | 愛媛県 | 606 | 四国 | 237 | 28.1 | 18456.5 |
| 24 | 奈良県 | 536 | 近畿 | 249 | 31.7 | 12816.4 |
| 25 | 秋田県 | 512 | 東北 | 315 | 38.1 | 23928.1 |
| 26 | 香川県 | 509 | 四国 | 158 | 23.7 | 10370.3 |
| 27 | 岩手県 | 481 | 東北 | 847 | 63.8 | 33701.7 |
| 28 | 熊本県 | 459 | 九州 | 352 | 43.4 | 26243.3 |
| 29 | 和歌山県 | 455 | 近畿 | 337 | 42.6 | 13952.9 |
| 30 | 富山県 | 450 | 中部 | 290 | 39.2 | 14095.5 |
| 31 | 青森県 | 434 | 東北 | 227 | 34.3 | 20215.9 |
| 32 | 島根県 | 424 | 中国 | 235 | 35.7 | 18317.0 |
| 33 | 宮城県 | 423 | 東北 | 581 | 57.9 | 25630.9 |
| 34 | 山形県 | 385 | 東北 | 243 | 38.7 | 17014.2 |
| 35 | 滋賀県 | 364 | 近畿 | 666 | 64.7 | 12767.8 |
| 36 | 大分県 | 356 | 九州 | 258 | 42.0 | 18693.4 |
| 37 | 宮崎県 | 348 | 九州 | 163 | 31.9 | 20288.6 |
| 38 | 鹿児島県 | 346 | 九州 | 220 | 38.9 | 27540.8 |
| 39 | 長崎県 | 342 | 九州 | 161 | 32.0 | 18119.8 |
| 40 | 徳島県 | 333 | 四国 | 215 | 39.2 | 15423.9 |
| 41 | 福井県 | 314 | 中部 | 171 | 35.3 | 11154.6 |
| 42 | 鳥取県 | 310 | 中国 | 168 | 35.1 | 9019.8 |
| 43 | 佐賀県 | 294 | 九州 | 185 | 38.6 | 11089.2 |
| 44 | 石川県 | 268 | 中部 | 114 | 29.8 | 13238.5 |
| 45 | 山梨県 | 231 | 中部 | 190 | 45.1 | 11347.3 |
| 46 | 高知県 | 164 | 四国 | 242 | 59.6 | 14378.6 |
| 47 | 沖縄県 | 0 | 九州 | 0 | 0 | 8269.6 |
このグラフについての豆知識
道路の側から数えた箇所数
この記事の数字は、道路統計年報の「鉄道との交差箇所」のうち平面交差の数です。
道路を管理する側から数えた箇所数になります。
鉄道事業者が公表する踏切道の数とは定義が異なるため、数字は一致しません。
国土交通省が別に公表する踏切道の総数は約3万2千か所で、この記事の28,841か所とは差があります。
同じ踏切でも、複数の道路が絡む場所では数え方が変わります。
おおよその規模と県ごとの比較として読んでください。
立体交差の割合もあわせて見たい
この記事の表には立体交差の数と、交差箇所に占める立体交差の割合も載せています。
全国では平面交差28,841か所に対し立体交差27,383か所で、立体化されているのは48.7パーセント。
ほぼ半分です。
踏切の数が多いことは、鉄道が発達している証拠でもあります。
少ないから良い、多いから悪いという読み方はできません。
この記事では政令指定都市分を所在する都道府県に合算しています。
順位の並びがにている記事
道路と鉄道が平面で交差する箇所の数の47都道府県の並びを、ほかの記事の並びと総当たりで比べました。
並びが最も重なったのは【半世紀以上同じ家に住む世帯】全国299万8,700世帯、東北に多いで、相関は0.86です。
最も食い違ったのは【スーパーの数】が多いのは大都市ではありませんでした、人口あたりで比較(順位相関-0.65)でした。
相関は因果ではないので、関係があると決めつけることはできません。
見くらべる手がかりとして使ってください。
地方のなかで見た踏切の数
| 地方 | 最も多い(箇所) | 最も少ない(箇所) |
|---|---|---|
| 東北 | 福島県 717 | 山形県 385 |
| 関東 | 千葉県 1132 | 栃木県 609 |
| 中部 | 愛知県 1130 | 山梨県 231 |
| 近畿 | 三重県 1152 | 滋賀県 364 |
| 中国 | 広島県 753 | 鳥取県 310 |
| 四国 | 愛媛県 606 | 高知県 164 |
| 九州 | 福岡県 1310 | 沖縄県 0 |
まとめ
47都道府県の踏切の数を比べると、最も多い北海道は1,359か所、最も少ない沖縄県は0か所でした。
全国では28,841か所、立体交差は27,383か所です。
道路と鉄道が平面で交差する箇所の数をほかの数字と見くらべる前に、3つ確かめてください。
1つ目は、道路の側から数えた箇所数で鉄道事業者の公表値とは定義が違うこと。
2つ目は、踏切が多いことは鉄道が発達している証拠でもあること。
3つ目は令和6年3月31日現在の数字であることです。
交差箇所に占める立体交差の割合は、大阪府66.1パーセント、東京都64.9パーセントに対し香川県は23.7パーセント。
都市部から立体化が進んできた結果が表れています。
沖縄県の0か所は、県内の鉄道が全線高架のモノレールだけだからです。
鉄道通勤の割合や道路の長さを比べた記事とあわせて読んでみてください。
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- 【人口密度】日本の人口37.9%が国土4.1%に集中、47都道府県で比較
出典
- 統計名: 道路統計年報(道路の現況)
- 調査年: 令和6年(2024年3月31日現在)
- 公開元: 国土交通省
- 参照URL: https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-data/tokei-nen/2025/nenpo02.html
- 備考: 道路統計年報の「鉄道との交差箇所」のうち平面交差の数。道路の側から数えた箇所数で、鉄道事業者が公表する踏切道の数とは定義が異なる。政令指定都市分は所在する都道府県に合算した
注記: 道路統計年報の「鉄道との交差箇所」のうち平面交差の数。
道路の側から数えた箇所数で、鉄道事業者が公表する踏切道の数とは定義が異なる。
政令指定都市分は所在する都道府県に合算した
