まちの人口には、住んでいる人の数と、昼間にそこにいる人の数の2つがあります。
会社や学校が多い地域は、朝になるとまわりから人が集まって昼の人口がふくらみます。
その関係を1つの数字にしたのが昼夜間人口比率で、100を超えると入ってくる人のほうが多いことを表します。
使ったのは総務省統計局「国勢調査」(令和2年)のデータです。
100を超えると、通勤や通学で入ってくる人が出ていく人を上回ることを意味します。
全国では当然100ですが、都道府県別に並べると1.30倍の開きがありました。
47都道府県の単純平均
99.3%
昼夜間人口比率(令和2年(2020年10月1日現在))
最も多い 東京都
116.1%
最も少ない 埼玉県
89.6%
地図で見る昼夜間人口比率
| 項目 | 昼夜間人口比率 |
|---|---|
| 北海道 | 100.0% |
| 青森県 | 99.9% |
| 岩手県 | 99.8% |
| 宮城県 | 100.1% |
| 秋田県 | 99.8% |
| 山形県 | 99.7% |
| 福島県 | 100.1% |
| 茨城県 | 97.8% |
| 栃木県 | 99.1% |
| 群馬県 | 100.0% |
| 埼玉県 | 89.6% |
| 千葉県 | 90.3% |
| 東京都 | 116.1% |
| 神奈川県 | 91.7% |
| 新潟県 | 100.0% |
| 富山県 | 99.8% |
| 石川県 | 100.2% |
| 福井県 | 100.2% |
| 山梨県 | 99.3% |
| 長野県 | 99.7% |
| 岐阜県 | 96.6% |
| 静岡県 | 99.8% |
| 愛知県 | 101.2% |
| 三重県 | 98.6% |
| 滋賀県 | 96.9% |
| 京都府 | 101.7% |
| 大阪府 | 103.9% |
| 兵庫県 | 96.1% |
| 奈良県 | 91.1% |
| 和歌山県 | 98.5% |
| 鳥取県 | 99.8% |
| 島根県 | 100.1% |
| 岡山県 | 100.0% |
| 広島県 | 100.2% |
| 山口県 | 99.6% |
| 徳島県 | 99.6% |
| 香川県 | 100.1% |
| 愛媛県 | 100.1% |
| 高知県 | 99.9% |
| 福岡県 | 100.1% |
| 佐賀県 | 100.4% |
| 長崎県 | 99.7% |
| 熊本県 | 99.6% |
| 大分県 | 99.9% |
| 宮崎県 | 99.9% |
| 鹿児島県 | 99.9% |
| 沖縄県 | 100.0% |
東京都だけが濃く出ます。
大阪府と京都府、愛知県がわずかに色づき、埼玉県と千葉県、奈良県が淡くなる程度で、それ以外の県はほぼ同じ色に見えます。
47都道府県を塗り分けても、ほとんど模様の出ない地図です。
47都道府県の単純平均は99.28、中央値は99.89。
全国が必ず100になる指標なのに単純平均が下回るのは、東京都だけが上に大きく外れる一方、多くの県がわずかに100を下回るためです。
平均を超えたのは35都道府県。
数としては多数派ですが、そのほとんどは100前後に集まっています。
| 順位 | 都道府県 | 昼夜間人口比率(%) | 地方 | 昼間人口 | 夜間人口 | 他市区町村に常住する人 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 東京都 | 116.14 | 関東 | 16315279 | 14047594 | 6192357 |
| 2 | 大阪府 | 103.9 | 近畿 | 9182101 | 8837685 | 2636914 |
| 3 | 京都府 | 101.72 | 近畿 | 2622355 | 2578087 | 641789 |
| 4 | 愛知県 | 101.16 | 中部 | 7629723 | 7542415 | 2016097 |
| 5 | 佐賀県 | 100.36 | 九州 | 814329 | 811442 | 148384 |
| 6 | 広島県 | 100.17 | 中国 | 2804391 | 2799702 | 503616 |
| 6 | 石川県 | 100.17 | 中部 | 1134448 | 1132526 | 190806 |
| 8 | 福井県 | 100.15 | 中部 | 767987 | 766863 | 128209 |
| 9 | 香川県 | 100.1 | 四国 | 951166 | 950244 | 143451 |
| 10 | 島根県 | 100.09 | 中国 | 671741 | 671126 | 49850 |
| 11 | 愛媛県 | 100.08 | 四国 | 1335870 | 1334841 | 104811 |
| 11 | 福岡県 | 100.08 | 九州 | 5139579 | 5135214 | 1179859 |
| 11 | 福島県 | 100.08 | 東北 | 1834689 | 1833152 | 220873 |
| 14 | 宮城県 | 100.06 | 東北 | 2303479 | 2301996 | 523620 |
| 15 | 岡山県 | 100.04 | 中国 | 1889120 | 1888432 | 317452 |
| 16 | 沖縄県 | 99.99 | 九州 | 1467261 | 1467480 | 254573 |
| 17 | 北海道 | 99.97 | 北海道 | 5223042 | 5224614 | 762412 |
| 18 | 群馬県 | 99.95 | 関東 | 1938160 | 1939110 | 383625 |
| 18 | 新潟県 | 99.95 | 中部 | 2200267 | 2201272 | 346273 |
| 20 | 大分県 | 99.94 | 九州 | 1123160 | 1123852 | 93805 |
| 21 | 宮崎県 | 99.93 | 九州 | 1068793 | 1069576 | 86811 |
| 22 | 鹿児島県 | 99.9 | 九州 | 1586642 | 1588256 | 122301 |
| 22 | 青森県 | 99.9 | 東北 | 1236753 | 1237984 | 134049 |
| 24 | 高知県 | 99.89 | 四国 | 690797 | 691527 | 81720 |
| 25 | 鳥取県 | 99.84 | 中国 | 552505 | 553407 | 69101 |
| 26 | 秋田県 | 99.83 | 東北 | 957831 | 959502 | 84411 |
| 27 | 富山県 | 99.8 | 中部 | 1032775 | 1034814 | 167683 |
| 28 | 静岡県 | 99.79 | 中部 | 3625491 | 3633202 | 732031 |
| 29 | 岩手県 | 99.78 | 東北 | 1207907 | 1210534 | 151509 |
| 30 | 山形県 | 99.74 | 東北 | 1065214 | 1068027 | 163343 |
| 30 | 長崎県 | 99.74 | 九州 | 1308945 | 1312317 | 120408 |
| 30 | 長野県 | 99.74 | 中部 | 2042696 | 2048011 | 322744 |
| 33 | 熊本県 | 99.64 | 九州 | 1732011 | 1738301 | 337991 |
| 34 | 山口県 | 99.63 | 中国 | 1337116 | 1342059 | 138848 |
| 35 | 徳島県 | 99.61 | 四国 | 716742 | 719559 | 118580 |
| 36 | 山梨県 | 99.26 | 中部 | 803946 | 809974 | 180897 |
| 37 | 栃木県 | 99.05 | 関東 | 1914836 | 1933146 | 334449 |
| 38 | 三重県 | 98.59 | 近畿 | 1745312 | 1770254 | 269059 |
| 39 | 和歌山県 | 98.47 | 近畿 | 908429 | 922584 | 122693 |
| 40 | 茨城県 | 97.78 | 関東 | 2803334 | 2867009 | 567752 |
| 41 | 滋賀県 | 96.86 | 近畿 | 1369233 | 1413610 | 273269 |
| 42 | 岐阜県 | 96.62 | 中部 | 1911876 | 1978742 | 368554 |
| 43 | 兵庫県 | 96.06 | 近畿 | 5249636 | 5465002 | 1027194 |
| 44 | 神奈川県 | 91.68 | 関東 | 8468946 | 9237337 | 1950821 |
| 45 | 奈良県 | 91.09 | 近畿 | 1206425 | 1324473 | 243532 |
| 46 | 千葉県 | 90.26 | 関東 | 5672183 | 6284480 | 1135720 |
| 47 | 埼玉県 | 89.61 | 関東 | 6581578 | 7344765 | 1410966 |
昼夜間人口比率が高い5都府県
昼夜間人口比率が高い上位5都府県です。
東京都は116.14、大阪府は103.90、京都府は101.72、愛知県は101.16、佐賀県は100.36でした。
東京都の116.14は、昼間に人口が16パーセント増えることを意味します。
東京都の昼間人口は1,631万5,279人、夜間人口は1,404万7,594人。
差し引き226万7,685人が昼間に増えている計算です。
この226万人という数は、47都道府県のうち20県の人口を上回ります。
6位以下は石川県100.17、広島県100.17、福井県100.15と続きます。
100を超えたのは15都府県でしたが、5位の佐賀県ですでに100.36。
上位のなかでも、意味のある差がついているのは4位までです。
100を超える15都府県のうち、11は誤差のような差
100を超えた15都府県は、本当に同じ意味で「人が集まる県」なのでしょうか。
ここから先は、ほかの数字と照らして立てた見立てです。
100を超えたのは15都府県ですが、その中身はかなり違います。
東京都116.14、大阪府103.90、京都府101.72、愛知県101.16。
ここまでは明確に100を上回っています。
ところが5位以下の11府県は、佐賀県100.36、石川県100.17、広島県100.17、福井県100.15、島根県100.09、香川県100.10、宮城県100.06、福島県100.08、愛媛県100.08、福岡県100.08、岡山県100.04。
すべて100.4を下回っており、実質的には出入りが釣り合っている県だと考えたほうが正確でしょう。
つまり昼間に人が集まる場所として意味のある差がついているのは、東京都・大阪府・京都府・愛知県の4都府県だけということになります。
逆に下位を見ると、埼玉県89.61、千葉県90.26、奈良県91.09、神奈川県91.68、兵庫県96.06。
いずれも東京都か大阪府に隣接する県です。
夜に帰ってくる人のほうが多い、いわゆるベッドタウンの県ということになります。
この5県には共通点があります。
鉄道で通勤・通学する人の割合が高いのです。
埼玉県39.82パーセント、千葉県42.16パーセント、奈良県35.67パーセント、神奈川県52.06パーセント、兵庫県34.10パーセント。
いずれも全国平均25.50パーセントを上回ります。
昼夜間人口比率と人口密度の相関係数はプラス0.34、通勤時間とはマイナス0.28。
どちらも弱い数字でした。
この指標は都道府県単位で見ると、東京都と大阪府という2つの中心と、その周りの県という構図でほぼ説明がつきます。
それ以外の県では、県境を越える通勤そのものが少ないためです。
昼夜間人口比率が低い5都県
昼夜間人口比率が低い下位5都県です。
埼玉県は89.61、千葉県は90.26、奈良県は91.09、神奈川県は91.68、兵庫県は96.06でした。
東京都の116.14とは1.30倍の差があります。
埼玉県の89.61は、昼間に人口が1割以上減ることを意味します。
夜間人口734万5,000人に対し、昼間人口は658万1,000人あまりでした。
下位に並んだ5県のうち、埼玉県、千葉県、神奈川県は東京都に隣接し、奈良県と兵庫県は大阪府に隣接しています。
大都市に人を送り出す側の県が、そのまま下位を占めた形です。
95を下回ったのは埼玉県、千葉県、奈良県、神奈川県の4県だけ。
それ以外の43都道府県は95から116のあいだに収まっており、多くは100前後に集まっています。
このグラフについての豆知識
昼間人口は通勤・通学だけで計算する
昼間人口は、夜間人口に通勤・通学による流入人口を足し、流出人口を引いたものです。
買い物や観光での移動は含まれません。
そのため観光地を抱える県でも、この数字は大きくなりません。
日中に人が集まる場所という意味では、通勤・通学に限った見方だと考えてください。
全国の昼夜間人口比率は必ず100になります。
国全体では流入も流出もないためです。
都道府県単位では差が出にくい
昼夜間人口比率は、もともと市区町村単位で見ることの多い指標です。
県境を越える通勤は、県内の市区町村を越える通勤よりずっと少ないためです。
令和2年国勢調査では、他県で従業・通学している人は545万5,865人。
県内の他市町村で従業・通学している人1,576万5,312人の3分の1ほどでした。
県をまたぐ移動は、県内の移動の3分の1しかないということです。
この記事の数字が100前後に集まるのは、そうした構造によるものです。
市区町村で見れば、都心の区は300を超える一方、住宅地の市は70台になることもあります。
「差がない」ことが結果になる指標
47都道府県で比べる記事の多くは、上位と下位でどれだけ違うかを見ます。
この指標はその逆で、差が出ないこと自体が結果になります。
1位と47位で1.30倍。
100を超えた15都府県のうち、100.4を上回るのは東京都・大阪府・京都府・愛知県の4都府県だけで、残る11府県は実質的に出入りが釣り合っています。
つまり都道府県という単位は、通勤の動きを見るには大きすぎるということです。
この指標を使いたいなら、市区町村まで下りる必要があります。
順位表の上下より、そこが分かることのほうが役に立つかもしれません。
地方のなかで見た昼夜間人口比率
| 地方 | 最も多い(%) | 最も少ない(%) |
|---|---|---|
| 東北 | 福島県 100.08 | 山形県 99.74 |
| 関東 | 東京都 116.14 | 埼玉県 89.61 |
| 中部 | 愛知県 101.16 | 岐阜県 96.62 |
| 近畿 | 大阪府 103.9 | 奈良県 91.09 |
| 中国 | 広島県 100.17 | 山口県 99.63 |
| 四国 | 香川県 100.1 | 徳島県 99.61 |
| 九州 | 佐賀県 100.36 | 熊本県 99.64 |
まとめ
47都道府県の昼夜間人口比率を比べると、最も高い東京都は116.14、最も低い埼玉県は89.61で、その差は1.30倍でした。
100を超えたのは15都府県です。
昼間人口は通勤・通学だけで計算され、買い物や観光は含みません。
県境を越える通勤が少ないため、都道府県単位では差が出にくい指標です。
令和2年(2020年)の調査になります。
100を超えた15都府県のうち、100.4を上回るのは東京都・大阪府・京都府・愛知県の4都府県だけ。
残る11府県は実質的に出入りが釣り合っています。
下位5県はすべて東京都か大阪府に隣接し、鉄道通勤の割合も全国平均を上回っていました。
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出典
- 統計名: 令和2年国勢調査 従業地・通学地による人口・就業状態等集計
- 調査年: 令和2年(2020年10月1日現在)
- 公開元: 総務省統計局
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200521&tstat=000001136464&tclass1=000001136469&cycle=0&tclass2val=0
- 備考: 昼夜間人口比率は昼間人口を夜間人口(常住人口)で割って100を掛けた値。100を超えると流入が流出を上回る
注記: 昼夜間人口比率は昼間人口を夜間人口(常住人口)で割って100を掛けた値。
100を超えると流入が流出を上回る
