この記事では、コンビニの多さを人口あたりで47都道府県を比べます。
使うのは令和3年経済センサス-活動調査で、コンビニエンスストアに分類された事業所は全国で22,714店でした。
人口10万人あたりでは18.1店。
都道府県別に並べると4.30倍の開きがあります。
上位と下位で何が違うのかを見ていきます。
47都道府県の単純平均
16.6店
人口10万人あたり店舗数(令和3年(2021年6月1日現在))
最も多い 北海道
38.6店
最も少ない 和歌山県
9.0店
人口あたりのコンビニが多い5道都県
人口10万人あたりのコンビニが多い上位5道都県です。
北海道は38.55店、福島県は24.28店、東京都は24.19店、山梨県は20.99店、長野県は20.46店でした。
北海道の38.55店は全国平均18.1店の2.13倍、2位の福島県と比べても1.59倍あります。
6位以下は栃木県20.41店、千葉県20.22店、茨城県20.02店と続きます。
20店を超えたのはこの8道都県でした。
注目したいのは2位の福島県24.28店と3位の東京都24.19店がほぼ並んでいることです。
人口密度は福島県が126.4人、東京都が6,444.7人で50倍以上違いますが、コンビニの多さはほとんど同じでした。
1位だけが別次元で、あとは説明しにくい
ここから先は、人口あたりで見るコンビニがこう分かれる理由についての見立てです。
ほかの指標と突き合わせて立てた推測で、統計そのものが示している事実ではありません。
このランキングは、ほかの指標との関係がほとんど見つかりません。
人口10万人あたりのコンビニ数と人口密度の相関係数はプラス0.16、持ち家住宅率とはマイナス0.29、高齢者割合とはマイナス0.08。
いずれも関係があるとは言いにくい水準です。
都市だから多い、地方だから少ないという単純な形になっていないのが、このデータの特徴です。
上位8道都県には東京都と千葉県という都市圏が入る一方、福島県、山梨県、長野県、栃木県、茨城県という人口密度の低い県も並びます。
逆に下位には和歌山県8.97店、奈良県10.34店に加えて、沖縄県10.69店、石川県10.93店、富山県11.41店が入りました。
スーパーで代わりが利いているのかとも考えましたが、そうでもありません。
人口あたりのコンビニ数とスーパー数の相関係数はマイナス0.17。
コンビニが少ない県でスーパーが多い、という関係にはなっていませんでした。
下位に目立つのは近畿です。
近畿7府県の平均は13.13店で、8地方のなかで最も低い数字でした。
ただ近畿のスーパーの多さも17.97店で下から2番目。
どちらも少ないということになります。
1位の北海道だけは、はっきり違う理由がありそうです。
実数でも1,998店で全国2位、人口では8位の道が店舗数で2位に来ています。
冬の移動が厳しく、商圏が広く分散した土地では、大型店より小さな店を各地に置くほうが合理的なのかもしれません。
コンビニの多さは、その土地の人口や豊かさより、店をどう配置するかという事業者側の判断を強く映しているように見えます。
実数で見ると顔ぶれが変わる
人口あたりではなく店舗数そのもので並べると、上位は人口の多い都道府県になります。
東京都は3,389店、北海道は1,998店、神奈川県は1,705店、大阪府は1,382店、千葉県は1,269店でした。
人口あたりで1位の北海道が、実数でも2位に入っているのが目を引きます。
人口では8位の道です。
出店計画のような事業の話をするなら実数、暮らしのなかでどれだけ身近かを知りたいなら人口あたり、という使い分けになります。
人口あたりのコンビニが少ない5府県
人口10万人あたりのコンビニが少ない下位5府県です。
和歌山県は8.97店、奈良県は10.34店、沖縄県は10.69店、石川県は10.93店、富山県は11.41店でした。
北海道の38.55店とは4.30倍の差があります。
最下位の和歌山県8.97店は、47都道府県で唯一10店を下回りました。
全国平均18.1店の半分以下です。
下位に並んだのは近畿の2県と、北陸の2県、それに沖縄県です。
人口密度で見ると和歌山県186.3人、沖縄県642.4人とばらつきがあり、共通点は見つけにくくなっています。
奈良県と和歌山県はどちらも大阪府に隣接しています。
日常の買い物が府県境をまたいで行われている可能性はありますが、この統計だけでは確かめられません。
地方別に見るコンビニの多さ
地方別に平均を出すと、北海道が突出します。
最も多いのは北海道の38.55店ですが、1道だけの数字なので他とは単純に比べられません。
県の集まりで見ると、関東7都県が平均19.03店で最も多く、中国5県が16.79店、東北6県が16.71店、九州8県が16.27店と続きます。
少ないほうは四国4県が15.84店、中部9県が15.54店、近畿7府県が13.13店でした。
関東と近畿では1.45倍の差があります。
隣り合う関東と中部で3.49店の差がつく一方、東北と九州はほぼ同じ水準です。
地方ごとにまとめても、はっきりした地域性は見えてきません。
地図で見る人口10万人あたりのコンビニ
| 項目 | 人口10万人あたり店舗数 |
|---|---|
| 北海道 | 38.6店 |
| 青森県 | 13.0店 |
| 岩手県 | 17.4店 |
| 宮城県 | 17.7店 |
| 秋田県 | 13.1店 |
| 山形県 | 14.7店 |
| 福島県 | 24.3店 |
| 茨城県 | 20.0店 |
| 栃木県 | 20.4店 |
| 群馬県 | 15.8店 |
| 埼玉県 | 14.1店 |
| 千葉県 | 20.2店 |
| 東京都 | 24.2店 |
| 神奈川県 | 18.5店 |
| 新潟県 | 14.8店 |
| 富山県 | 11.4店 |
| 石川県 | 10.9店 |
| 福井県 | 14.3店 |
| 山梨県 | 21.0店 |
| 長野県 | 20.5店 |
| 岐阜県 | 15.3店 |
| 静岡県 | 15.8店 |
| 愛知県 | 15.7店 |
| 三重県 | 12.0店 |
| 滋賀県 | 17.0店 |
| 京都府 | 15.2店 |
| 大阪府 | 15.7店 |
| 兵庫県 | 12.7店 |
| 奈良県 | 10.3店 |
| 和歌山県 | 9.0店 |
| 鳥取県 | 17.1店 |
| 島根県 | 15.9店 |
| 岡山県 | 14.9店 |
| 広島県 | 18.4店 |
| 山口県 | 17.6店 |
| 徳島県 | 17.7店 |
| 香川県 | 16.4店 |
| 愛媛県 | 14.7店 |
| 高知県 | 14.6店 |
| 福岡県 | 17.1店 |
| 佐賀県 | 18.2店 |
| 長崎県 | 16.6店 |
| 熊本県 | 17.0店 |
| 大分県 | 16.9店 |
| 宮崎県 | 17.6店 |
| 鹿児島県 | 16.1店 |
| 沖縄県 | 10.7店 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは北海道と北関東から甲信、それに東京都です。
淡いのは近畿の南部と北陸、沖縄県でした。
47都道府県の単純平均は16.62店、中央値は16.12店です。
全国値の18.1店より低いのは、全国値が人口の多い都府県の影響を受けるためです。
平均を超えたのは21道都県。
北海道の38.55店が上に大きく外れているため、平均は実際の分布よりやや高めに出ています。
北海道を除いた46都府県の平均は16.15店です。
| 順位 | 都道府県 | 人口10万人あたり店舗数(店) | 地方 | 店舗数 | 人口10万人あたりのスーパー数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 北海道 | 38.55 | 北海道 | 1998 | 19.74 |
| 2 | 福島県 | 24.28 | 東北 | 440 | 21.41 |
| 3 | 東京都 | 24.19 | 関東 | 3389 | 14.73 |
| 4 | 山梨県 | 20.99 | 中部 | 169 | 22.48 |
| 5 | 長野県 | 20.46 | 中部 | 416 | 18.84 |
| 6 | 栃木県 | 20.41 | 関東 | 392 | 18.79 |
| 7 | 千葉県 | 20.22 | 関東 | 1269 | 13.48 |
| 8 | 茨城県 | 20.02 | 関東 | 571 | 17.88 |
| 9 | 神奈川県 | 18.46 | 関東 | 1705 | 13.61 |
| 10 | 広島県 | 18.42 | 中国 | 512 | 21.62 |
| 11 | 佐賀県 | 18.24 | 九州 | 147 | 22.21 |
| 12 | 宮城県 | 17.73 | 東北 | 406 | 17.51 |
| 13 | 徳島県 | 17.7 | 四国 | 126 | 28.51 |
| 14 | 宮崎県 | 17.62 | 九州 | 187 | 29.69 |
| 15 | 山口県 | 17.55 | 中国 | 233 | 23.72 |
| 16 | 岩手県 | 17.39 | 東北 | 208 | 28.18 |
| 17 | 鳥取県 | 17.12 | 中国 | 94 | 28.05 |
| 18 | 福岡県 | 17.1 | 九州 | 876 | 12.74 |
| 19 | 滋賀県 | 17.01 | 近畿 | 240 | 14.6 |
| 20 | 熊本県 | 16.96 | 九州 | 293 | 23.96 |
| 21 | 大分県 | 16.88 | 九州 | 188 | 25.31 |
| 22 | 長崎県 | 16.58 | 九州 | 215 | 30.76 |
| 23 | 香川県 | 16.35 | 四国 | 154 | 23.67 |
| 24 | 鹿児島県 | 16.12 | 九州 | 254 | 28.11 |
| 25 | 島根県 | 15.94 | 中国 | 106 | 41.05 |
| 26 | 静岡県 | 15.83 | 中部 | 571 | 14.77 |
| 27 | 群馬県 | 15.78 | 関東 | 304 | 17.75 |
| 28 | 愛知県 | 15.74 | 中部 | 1183 | 12.2 |
| 29 | 大阪府 | 15.69 | 近畿 | 1382 | 13.38 |
| 30 | 岐阜県 | 15.3 | 中部 | 300 | 20.96 |
| 31 | 京都府 | 15.15 | 近畿 | 388 | 18.12 |
| 32 | 岡山県 | 14.93 | 中国 | 280 | 24.68 |
| 33 | 新潟県 | 14.84 | 中部 | 323 | 22.51 |
| 34 | 愛媛県 | 14.69 | 四国 | 194 | 26.95 |
| 34 | 山形県 | 14.69 | 東北 | 155 | 25.59 |
| 36 | 高知県 | 14.62 | 四国 | 100 | 34.8 |
| 37 | 福井県 | 14.34 | 中部 | 109 | 24.87 |
| 38 | 埼玉県 | 14.13 | 関東 | 1037 | 12.36 |
| 39 | 秋田県 | 13.12 | 東北 | 124 | 26.77 |
| 40 | 青森県 | 13.02 | 東北 | 159 | 29.81 |
| 41 | 兵庫県 | 12.72 | 近畿 | 691 | 17.3 |
| 42 | 三重県 | 12.02 | 近畿 | 211 | 19.25 |
| 43 | 富山県 | 11.41 | 中部 | 117 | 19.61 |
| 44 | 石川県 | 10.93 | 中部 | 123 | 19.38 |
| 45 | 沖縄県 | 10.69 | 九州 | 157 | 29.77 |
| 46 | 奈良県 | 10.34 | 近畿 | 136 | 16.2 |
| 47 | 和歌山県 | 8.97 | 近畿 | 82 | 26.91 |
このグラフについての豆知識
経済センサスの数え方と、業界が公表する店舗数は一致しない
この記事の店舗数は、産業細分類「5891 コンビニエンスストア(飲食料品を中心とするものに限る)」に分類された事業所です。
全国で22,714店でした。
分類は、その事業所が主に何を売っているかで決まります。
かっこ書きのとおり飲食料品が中心であることが条件なので、この条件から外れる店舗は別の分類に集計されます。
業界団体が公表するチェーン加盟店の数とは数え方が違うため、数字は一致しません。
この記事は経済センサスの分類にもとづく比較だと考えてください。
調査は2021年6月1日現在
経済センサス-活動調査は5年ごとに行われます。
この記事の数字は2021年6月1日現在のものです。
人口10万人あたりの店舗数は、2021年10月1日現在の人口推計で割って算出しました。
調査時点が4か月ずれていますが、順位に影響するほどの差ではありません。
コンビニは出店と閉店の動きが速い業態です。
個別の県の数字は現在とは変わっている可能性があります。
地方のなかで見た人口10万人あたり店舗数
| 地方 | 最も多い(店) | 最も少ない(店) |
|---|---|---|
| 東北 | 福島県 24.28 | 青森県 13.02 |
| 関東 | 東京都 24.19 | 埼玉県 14.13 |
| 中部 | 山梨県 20.99 | 石川県 10.93 |
| 近畿 | 滋賀県 17.01 | 和歌山県 8.97 |
| 中国 | 広島県 18.42 | 岡山県 14.93 |
| 四国 | 徳島県 17.7 | 高知県 14.62 |
| 九州 | 佐賀県 18.24 | 沖縄県 10.69 |
まとめ
47都道府県の人口10万人あたりのコンビニ数を比べると、最も多い北海道は38.55店、最も少ない和歌山県は8.97店で、その差は4.30倍でした。
全国では18.1店、店舗数は22,714店です。
人口あたりで見るコンビニをどう数えているかについて、3つ補っておきます。
1つ目は、経済センサスの分類にもとづく数で、業界が公表する店舗数とは一致しないこと。
2つ目は、人口あたりの数を2021年10月1日の人口推計で算出していること。
3つ目は2021年6月1日現在の調査であることです。
人口密度との相関係数はプラス0.16、持ち家住宅率とはマイナス0.29。
都市か地方かでは説明できないランキングでした。
2位の福島県24.28店と3位の東京都24.19店は、人口密度が50倍以上違うのにほぼ同じ水準です。
スーパーやドラッグストアを比べた記事とあわせて読むと、店の配置のされ方の違いが見えてきます。
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出典
- 統計名: 経済センサス-活動調査(卸売業、小売業に関する集計)と人口推計
- 調査年: 令和3年(2021年6月1日現在)
- 公開元: 総務省・経済産業省/総務省統計局
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040032857
- 備考: 事業所数は産業細分類5891_コンビニエンスストア(飲食料品を中心とするものに限る)に分類された民営事業所。人口10万人あたりの店舗数は、2021年10月1日現在の人口推計で割って算出した
注記: 事業所数は産業細分類5891_コンビニエンスストア(飲食料品を中心とするものに限る)に分類された民営事業所。
人口10万人あたりの店舗数は、2021年10月1日現在の人口推計で割って算出した
